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第19話 夏休み突入!祭りだー!恋愛だー!
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ミーンミンミンミンミンミンミーーーン…
蝉が鳴き出した。
「あーーつーーーいーーーー」
俺は家にある畳の部屋で寝転がっていた。
「扇風機つけたらどうだ?玲」
叔父さんが俺にそう言った。
「つけたいのはつけたいんだけれど、電気代かかるじゃん?だから、節約しようと思ってさー」
「若者が節約って……もう少し贅沢しても良いんじゃないか?扇風機つけるだけだぞ?」
「そんなこと言ったら、家族みんなそれぞれの部屋でつけるじゃん!そしたら、電気代めっちゃかかるじゃん!」
「そんなに変わらんわい、ほれ、つけろつけろ、ワシが暑いわ」
「へーい」
俺はびよーーーんと体を伸ばして、足で扇風機の電源を入れた。
「これ!足で押すんじゃない!行儀悪いぞ!玲」
「すみませんねー性格の悪い親に育てられたんで、行儀も悪いですわー」
「はぁー、それを言われるとなんとも言えなくなるだろ、全くあいつらはどんな教育していたんだか」
叔父さんが深いため息を吐いた。
「玲ー、あなたー、美味しい梨を用意したので食べませんかー?」
叔母さんが俺たちを呼んだ。
「おーう、行くぞー、ほら、玲も行くぞ」
「えええー動きたくなーい」
「お前さんはーーー!!早動け」
「ああああああああ!!!」
ズルズルズルズル…叔父さんに引っ張られて、畳部屋を出た。
リビングには叔母さんだけではなく、姉さん兄さん、瑠奈の3人もいた。
「さあ、どうぞー」
おばさんの手にはたくさんの梨が入っている皿とフォークがあった。
「うお!美味そうじゃ、ほれ、玲も」
「分かってるよ、いただきます」
梨を一口食べると、口の中で梨の甘酸っぱい味が広かった。
「うま!あま!」
「はーっははは!美味いか!玲!そりゃあそうだわ、これは母さんが作った梨だからなー」
「まあ、あなたったらー」
なんか、夫婦でいちゃつきだした。
(俺、何見せられてんの?あと、姉さん達はガン無視じゃん!)
姉さんの方を見たら、黙々と梨を食べていた。兄さんは静かに読書していて、瑠奈はテレビに夢中だった。
(はあ、俺も自分の部屋に行こ)
俺はトボトボと歩いて、部屋に戻った。
部屋に戻った時、スマホが鳴った。
「ん?誰から……翔か」
俺はスマホに電源を入れ、翔からの連絡を見た。そこには……
『おーっす!玲ー今暇か?実は、俺たちの地元の方で祭りがあるんだ!玲も来ないか?』
そう書かれていた。
「祭りかーそんなイベント……あったな」
俺はゲームのイベントを思い出して、夏祭りがあったことを思い出した。この祭りで、翔の恋愛がまた、進む可能性があった。
「よし!行くかー!」
俺はすぐに翔に連絡を入れた。
「おーーーい、玲ーーこっちだーー」
俺が祭りの近くまで来ると、翔が手を振りながら、大きな声で俺を呼んでいた。
「うるせぇーよ、大声出すな!めっちゃ目立つだろー」
「あははは!!まあまあ、そう怒るなってーあ、玲、甚平じゃん!いいねー」
「はいはい、そういう翔も甚平じゃん、しかも紺色の」
「そうだぜーいいだろー」
翔は紺色の甚平姿で、俺は黒色の甚平姿になっている。
「ここで集合だっけ?」
「ああ、まだ、みんな来てないが…」
「他のメンツって……」
「おう!風香と梓、あと、俺の男子友達、風香達の女子友達、あとは、花宮さんもかな?」
「結構呼んだな!」
「おう!みんな誘ったら、たまたま空いてたらしい」
(流石!ゲームの主人公、友達が多いなー)
俺は翔と話しながら、みんなが来るのを待った。
「遅れてごめん!翔!白鳥くん!」
「ごめんなさい!2人とも!」
最初に来たのは、若葉さんと神楽坂さんの2人だった。2人とも浴衣姿で、若葉さんは黄緑色の波紋柄で、神楽坂さんは赤色の花柄だった。髪も綺麗に結っていて、可愛かった。
「大丈夫だよ、俺ら喋ってたし、俺らが早すぎただけだから」
「そうそう!めっちゃ盛り上がってたんだよ!!」
「そう…楽しそうね?」
「まあな!」
めっちゃ自慢げに話す翔に俺は呆れていた。
「他の子はまだ来てないのね。」
「ああ!あと、花宮さんと男女数名だな」
「なら、もう少し待ちましょうか」
「そうだな」
俺たちはまた、待つことにした。
数分後…
「わりー!翔!みんな!遅くなりました」
「ごめんなさい!遅くなってー」
そう言って来たのは、クラスの男子と女子の5人だった。
「おせーぞ!早く来いよー」
「ごめんてーてか、みんな早すぎだろう?!」
「いや、お前らが遅いんだよー」
翔と男子がギャアギャア騒いでいた。女子はと言うと…
「ごめん!梓!風香!」
「大丈夫だからど、何かあったの?」
「準備に時間かかっちゃって…」
「全く…早く準備するように!」
「「はい……」」
ちょっとだけ、反省している姿が見えた。
「あとは、花宮さんだけかな?」
「ですなー」
さらに数分後…
「遅いな、なんかおかしくね?」
「確かになー」
「どうする?」
みんな心配していた。
(あれ?こんなイベントなかったんだけれどな)
花宮さんが来ないというイベントは本来ゲームでは出てこない。必ずこの夏祭りで合流しているのだが…
「俺、心配だから、探してくるわ」
翔がそう言った。
「なら、神楽坂さん、若葉さんの2人と行ってくれ」
「「え!」」
「じゃないと、こいつ迷子になると思うんだわ」
「そうかもしれないけれど……でも……」
「大丈夫だって!よろしく頼むぞー」
俺は3人に花宮さん探しをお願いした。
「玲がそう言ってるし、仕方ねぇ行くぞ!2人とも!」
「……分かったわ」
「…うん」
3人は急いで花宮さんを探しに行った。
(よし、これで4人が回る形になるはず…)
俺は翔達の恋愛が進むことを願った。
「白鳥ってあの3人と仲良いよな?」
男子の1人が俺に聞いて来た。
「そうだなー仲良くさせてもらってるよー、そっちだって、翔と仲良いじゃん!」
「まあ、俺たちは部活一緒だし!あ、俺、新崎 京(しんざき きょう)って言うんだ。よろしくな!白鳥!」
「ああ、よろしく…って俺の名前知ってたんだな?」
「そりゃあ、翔から結構話聞いてるからなー」
「あいつー変なこと言ってないだろうなー」
「あはは!!言ってないよ…あ、で、こっちが……」
「国光 光輝(くにみつ こうき)です!よろしく、白鳥!」
「ああ、よろしく」
「俺も光輝も翔と同じ部活だからさ、あいつとは仲良いんだが、翔が部活仲間じゃない奴と話してるのが珍しくてさ、それも、幼馴染のあの2人じゃなくて、普通の男子友達っていうのがさ」
「そんなに珍しいのか?」
「考えてみろよー、あんな可愛い幼馴染が2人もそばにいるんだぞ?男なら羨ましくて、嫉妬するだろ?」
「あーーなるほど」
俺は納得した。確かにヒロインの2人はめっちゃ美人だ。だから、クラスの男子とかに嫉妬されることが多かったってゲームでも言ってたような気がする。
「しかも、あんなに仲良しでさ、付き合ってないんだぜ?そりゃあ、男子は黙ってないってことよ」
「なるほどねー」
「だから、白鳥が珍しいなーって」
「それを言ったら、新崎も国光も珍しい部類じゃん」
「いや、俺たちも嫉妬してるよ?我慢してるだけで」
「あれ?」
「だってよーー部活終わるまで待っててくれてるんだぜ?あの2人、ずりぃーーーよーーー」
新崎が嘆いていた。
「そうか…まあ、そりゃあ嫉妬するわな」
「そうなんだよー……はぁ、俺に春が来ないかなー?」
新崎は自分の春が来ることを願っているようだった。
(あいつら、主人公とヒロインだから、あそこで結ばれるよなー、てか、みんなが翔を好きだったら、修羅場になりそうだけれど…)
俺は翔からの連絡を待ちながら、残ったメンバーで祭りを回った。
◾️翔 視点
「花宮さん、どこ行っちゃったんだろう?」
「分かんねぇ、とりあえず、あっち探そう!」
俺は風香と梓の手を掴んだ。
「ひゃあ!!」
「え!ちょ、ちょっとー!」
俺は2人の驚く声を無視してズカズカと歩いて、人をかき分けて行った。
◾️風香 視点
(か、翔くん…て、手掴んでる…)
私は翔くんと梓ちゃんと一緒に花宮さんを探しているんだけれど、急いで探しているせいか、翔くんが私たちの手を握って引っ張っていた。
こんな時なのに、私の心臓はドクンドクンとなっていた。
(ううう……は、恥ずかしい…でも、嬉しい)
私はずっと昔から翔くんが好きだった。だから、こうやって引っ張ってくれることもお祭りに誘ってくれることも嬉しかった。
(こ、こんなこと考えてる場合じゃないのにー)
私は翔くんを見た。一生懸命に花宮さんを探している姿がかっこよかった。
(私……やっぱり好きだなー)
そんなことを思いながら、花宮さんを探した。
◾️梓 視点
(な、な、な、何してんのよ!……て、手を掴むなんて…)
私は手を握られていることに驚きあたふたしてしまった。翔から手を握ってくることがなかったため、私は動揺してしまった。
(もう……なんなのよ…この気持ちは……)
私は時々、翔から優しくされたり、こうやって触れられたりすると、胸の辺りがキューっとなって、ドキドキすることがある。この感覚がよく分からなくて、戸惑うことがあった。今でもはっきりと分かったわけではない。ただ、この感覚が嫌だとも思えなかった。
(普段だらしないくせに……なんでこういう時はしっかりした表情なのよ?…かっこいいって思うじゃない……)
私はドキドキしながら、花宮さんを探した。
◾️桜 視点
「みんな、どこー?」
私は今、迷子になってしまってます。
「あれ?おかしいなーここだって教えてもらったのにー」
私はお祭りの入り口付近をうろうろしていた。不安な気持ちが高まってきていた。すると…
「え、お姉ちゃん1人?俺らと遊ばない?」
知らない男の人達が私に声をかけてきた。
「い、いえ、私、待ち合わせしてるので」
「へぇー、その待ち合わせの子、女の子?なら、俺らと一緒にその子とも遊ぼうよー」
「い、いえ、結構です」
私はすぐにその人達から離れようとした。すると……
「おいおい!逃げんなよー別に、酷い目に遭わせるわけじゃあないんだからさー」
「いたっ!は、離して!」
私の腕を掴んできた。
「いや、離すわけないじゃーん、ほら!俺たちと、ね?」
無理やり連れて行こうとする。私は必死に抵抗した。
「いや、離して!離してよー!誰か……」
私が助けを求めようとしたが、周りは見て見ぬふりだった。
(助けて……玲くん!)
私は心の中でどうしてか白鳥くんに助けを求めていた。すると…
「ぐはっ!!」
突然、私の腕を掴んでいた男の人が吹き飛ばされていた。
「な、なんだ?誰だお前!」
そこにいたのは……
「花宮さんを離せ!じゃねぇとお前ら全員ぶっ飛ばすぞ?」
白鳥くんだった。
※あとがき
夏休み!突入しましたー
夏祭りっていいですよねー
私、祭りで1番最初に買うものは、きゅうりの一本漬けとパイナップルの1本ですねー
あれ、めっちゃおいしいんですよねー
さてさて、自分のことはここまでにして、花宮さんのピンチをまたまた、助けたのは、白鳥くん!あれ?なんか、白鳥くんの雰囲気が変わっているようなー?
次回、夏祭り!もう1人の白鳥くん
お楽しみにー
蝉が鳴き出した。
「あーーつーーーいーーーー」
俺は家にある畳の部屋で寝転がっていた。
「扇風機つけたらどうだ?玲」
叔父さんが俺にそう言った。
「つけたいのはつけたいんだけれど、電気代かかるじゃん?だから、節約しようと思ってさー」
「若者が節約って……もう少し贅沢しても良いんじゃないか?扇風機つけるだけだぞ?」
「そんなこと言ったら、家族みんなそれぞれの部屋でつけるじゃん!そしたら、電気代めっちゃかかるじゃん!」
「そんなに変わらんわい、ほれ、つけろつけろ、ワシが暑いわ」
「へーい」
俺はびよーーーんと体を伸ばして、足で扇風機の電源を入れた。
「これ!足で押すんじゃない!行儀悪いぞ!玲」
「すみませんねー性格の悪い親に育てられたんで、行儀も悪いですわー」
「はぁー、それを言われるとなんとも言えなくなるだろ、全くあいつらはどんな教育していたんだか」
叔父さんが深いため息を吐いた。
「玲ー、あなたー、美味しい梨を用意したので食べませんかー?」
叔母さんが俺たちを呼んだ。
「おーう、行くぞー、ほら、玲も行くぞ」
「えええー動きたくなーい」
「お前さんはーーー!!早動け」
「ああああああああ!!!」
ズルズルズルズル…叔父さんに引っ張られて、畳部屋を出た。
リビングには叔母さんだけではなく、姉さん兄さん、瑠奈の3人もいた。
「さあ、どうぞー」
おばさんの手にはたくさんの梨が入っている皿とフォークがあった。
「うお!美味そうじゃ、ほれ、玲も」
「分かってるよ、いただきます」
梨を一口食べると、口の中で梨の甘酸っぱい味が広かった。
「うま!あま!」
「はーっははは!美味いか!玲!そりゃあそうだわ、これは母さんが作った梨だからなー」
「まあ、あなたったらー」
なんか、夫婦でいちゃつきだした。
(俺、何見せられてんの?あと、姉さん達はガン無視じゃん!)
姉さんの方を見たら、黙々と梨を食べていた。兄さんは静かに読書していて、瑠奈はテレビに夢中だった。
(はあ、俺も自分の部屋に行こ)
俺はトボトボと歩いて、部屋に戻った。
部屋に戻った時、スマホが鳴った。
「ん?誰から……翔か」
俺はスマホに電源を入れ、翔からの連絡を見た。そこには……
『おーっす!玲ー今暇か?実は、俺たちの地元の方で祭りがあるんだ!玲も来ないか?』
そう書かれていた。
「祭りかーそんなイベント……あったな」
俺はゲームのイベントを思い出して、夏祭りがあったことを思い出した。この祭りで、翔の恋愛がまた、進む可能性があった。
「よし!行くかー!」
俺はすぐに翔に連絡を入れた。
「おーーーい、玲ーーこっちだーー」
俺が祭りの近くまで来ると、翔が手を振りながら、大きな声で俺を呼んでいた。
「うるせぇーよ、大声出すな!めっちゃ目立つだろー」
「あははは!!まあまあ、そう怒るなってーあ、玲、甚平じゃん!いいねー」
「はいはい、そういう翔も甚平じゃん、しかも紺色の」
「そうだぜーいいだろー」
翔は紺色の甚平姿で、俺は黒色の甚平姿になっている。
「ここで集合だっけ?」
「ああ、まだ、みんな来てないが…」
「他のメンツって……」
「おう!風香と梓、あと、俺の男子友達、風香達の女子友達、あとは、花宮さんもかな?」
「結構呼んだな!」
「おう!みんな誘ったら、たまたま空いてたらしい」
(流石!ゲームの主人公、友達が多いなー)
俺は翔と話しながら、みんなが来るのを待った。
「遅れてごめん!翔!白鳥くん!」
「ごめんなさい!2人とも!」
最初に来たのは、若葉さんと神楽坂さんの2人だった。2人とも浴衣姿で、若葉さんは黄緑色の波紋柄で、神楽坂さんは赤色の花柄だった。髪も綺麗に結っていて、可愛かった。
「大丈夫だよ、俺ら喋ってたし、俺らが早すぎただけだから」
「そうそう!めっちゃ盛り上がってたんだよ!!」
「そう…楽しそうね?」
「まあな!」
めっちゃ自慢げに話す翔に俺は呆れていた。
「他の子はまだ来てないのね。」
「ああ!あと、花宮さんと男女数名だな」
「なら、もう少し待ちましょうか」
「そうだな」
俺たちはまた、待つことにした。
数分後…
「わりー!翔!みんな!遅くなりました」
「ごめんなさい!遅くなってー」
そう言って来たのは、クラスの男子と女子の5人だった。
「おせーぞ!早く来いよー」
「ごめんてーてか、みんな早すぎだろう?!」
「いや、お前らが遅いんだよー」
翔と男子がギャアギャア騒いでいた。女子はと言うと…
「ごめん!梓!風香!」
「大丈夫だからど、何かあったの?」
「準備に時間かかっちゃって…」
「全く…早く準備するように!」
「「はい……」」
ちょっとだけ、反省している姿が見えた。
「あとは、花宮さんだけかな?」
「ですなー」
さらに数分後…
「遅いな、なんかおかしくね?」
「確かになー」
「どうする?」
みんな心配していた。
(あれ?こんなイベントなかったんだけれどな)
花宮さんが来ないというイベントは本来ゲームでは出てこない。必ずこの夏祭りで合流しているのだが…
「俺、心配だから、探してくるわ」
翔がそう言った。
「なら、神楽坂さん、若葉さんの2人と行ってくれ」
「「え!」」
「じゃないと、こいつ迷子になると思うんだわ」
「そうかもしれないけれど……でも……」
「大丈夫だって!よろしく頼むぞー」
俺は3人に花宮さん探しをお願いした。
「玲がそう言ってるし、仕方ねぇ行くぞ!2人とも!」
「……分かったわ」
「…うん」
3人は急いで花宮さんを探しに行った。
(よし、これで4人が回る形になるはず…)
俺は翔達の恋愛が進むことを願った。
「白鳥ってあの3人と仲良いよな?」
男子の1人が俺に聞いて来た。
「そうだなー仲良くさせてもらってるよー、そっちだって、翔と仲良いじゃん!」
「まあ、俺たちは部活一緒だし!あ、俺、新崎 京(しんざき きょう)って言うんだ。よろしくな!白鳥!」
「ああ、よろしく…って俺の名前知ってたんだな?」
「そりゃあ、翔から結構話聞いてるからなー」
「あいつー変なこと言ってないだろうなー」
「あはは!!言ってないよ…あ、で、こっちが……」
「国光 光輝(くにみつ こうき)です!よろしく、白鳥!」
「ああ、よろしく」
「俺も光輝も翔と同じ部活だからさ、あいつとは仲良いんだが、翔が部活仲間じゃない奴と話してるのが珍しくてさ、それも、幼馴染のあの2人じゃなくて、普通の男子友達っていうのがさ」
「そんなに珍しいのか?」
「考えてみろよー、あんな可愛い幼馴染が2人もそばにいるんだぞ?男なら羨ましくて、嫉妬するだろ?」
「あーーなるほど」
俺は納得した。確かにヒロインの2人はめっちゃ美人だ。だから、クラスの男子とかに嫉妬されることが多かったってゲームでも言ってたような気がする。
「しかも、あんなに仲良しでさ、付き合ってないんだぜ?そりゃあ、男子は黙ってないってことよ」
「なるほどねー」
「だから、白鳥が珍しいなーって」
「それを言ったら、新崎も国光も珍しい部類じゃん」
「いや、俺たちも嫉妬してるよ?我慢してるだけで」
「あれ?」
「だってよーー部活終わるまで待っててくれてるんだぜ?あの2人、ずりぃーーーよーーー」
新崎が嘆いていた。
「そうか…まあ、そりゃあ嫉妬するわな」
「そうなんだよー……はぁ、俺に春が来ないかなー?」
新崎は自分の春が来ることを願っているようだった。
(あいつら、主人公とヒロインだから、あそこで結ばれるよなー、てか、みんなが翔を好きだったら、修羅場になりそうだけれど…)
俺は翔からの連絡を待ちながら、残ったメンバーで祭りを回った。
◾️翔 視点
「花宮さん、どこ行っちゃったんだろう?」
「分かんねぇ、とりあえず、あっち探そう!」
俺は風香と梓の手を掴んだ。
「ひゃあ!!」
「え!ちょ、ちょっとー!」
俺は2人の驚く声を無視してズカズカと歩いて、人をかき分けて行った。
◾️風香 視点
(か、翔くん…て、手掴んでる…)
私は翔くんと梓ちゃんと一緒に花宮さんを探しているんだけれど、急いで探しているせいか、翔くんが私たちの手を握って引っ張っていた。
こんな時なのに、私の心臓はドクンドクンとなっていた。
(ううう……は、恥ずかしい…でも、嬉しい)
私はずっと昔から翔くんが好きだった。だから、こうやって引っ張ってくれることもお祭りに誘ってくれることも嬉しかった。
(こ、こんなこと考えてる場合じゃないのにー)
私は翔くんを見た。一生懸命に花宮さんを探している姿がかっこよかった。
(私……やっぱり好きだなー)
そんなことを思いながら、花宮さんを探した。
◾️梓 視点
(な、な、な、何してんのよ!……て、手を掴むなんて…)
私は手を握られていることに驚きあたふたしてしまった。翔から手を握ってくることがなかったため、私は動揺してしまった。
(もう……なんなのよ…この気持ちは……)
私は時々、翔から優しくされたり、こうやって触れられたりすると、胸の辺りがキューっとなって、ドキドキすることがある。この感覚がよく分からなくて、戸惑うことがあった。今でもはっきりと分かったわけではない。ただ、この感覚が嫌だとも思えなかった。
(普段だらしないくせに……なんでこういう時はしっかりした表情なのよ?…かっこいいって思うじゃない……)
私はドキドキしながら、花宮さんを探した。
◾️桜 視点
「みんな、どこー?」
私は今、迷子になってしまってます。
「あれ?おかしいなーここだって教えてもらったのにー」
私はお祭りの入り口付近をうろうろしていた。不安な気持ちが高まってきていた。すると…
「え、お姉ちゃん1人?俺らと遊ばない?」
知らない男の人達が私に声をかけてきた。
「い、いえ、私、待ち合わせしてるので」
「へぇー、その待ち合わせの子、女の子?なら、俺らと一緒にその子とも遊ぼうよー」
「い、いえ、結構です」
私はすぐにその人達から離れようとした。すると……
「おいおい!逃げんなよー別に、酷い目に遭わせるわけじゃあないんだからさー」
「いたっ!は、離して!」
私の腕を掴んできた。
「いや、離すわけないじゃーん、ほら!俺たちと、ね?」
無理やり連れて行こうとする。私は必死に抵抗した。
「いや、離して!離してよー!誰か……」
私が助けを求めようとしたが、周りは見て見ぬふりだった。
(助けて……玲くん!)
私は心の中でどうしてか白鳥くんに助けを求めていた。すると…
「ぐはっ!!」
突然、私の腕を掴んでいた男の人が吹き飛ばされていた。
「な、なんだ?誰だお前!」
そこにいたのは……
「花宮さんを離せ!じゃねぇとお前ら全員ぶっ飛ばすぞ?」
白鳥くんだった。
※あとがき
夏休み!突入しましたー
夏祭りっていいですよねー
私、祭りで1番最初に買うものは、きゅうりの一本漬けとパイナップルの1本ですねー
あれ、めっちゃおいしいんですよねー
さてさて、自分のことはここまでにして、花宮さんのピンチをまたまた、助けたのは、白鳥くん!あれ?なんか、白鳥くんの雰囲気が変わっているようなー?
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お楽しみにー
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