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第26話 球技大会
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秋、食欲の秋とか読書の秋とかそんな言葉がありますが…俺たちは……
「スポーツの秋だー!!」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!」
「盛り上がる準備は出来てるかー?!」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!」
男子も女子もめっちゃ盛り上がっていた。
「それじゃあ!始めるぞー!!球技大会!!」
「わぁぁぁぁああああああ!!!」
そう、今日は球技大会です。男子はバスケ、女子はソフトボールで、最後に男女混合のドッチボールをするらしい。
それも、先生も加わったメンバーでらしい。
1年から3年までが対決するため、時間を巻きながら、行うらしい。
「よーし!今日は勝ちますよー!」
若鷺先生が凄くやる気を出していた。
というのも……数日前
「さて、そろそろ球技大会が近づいて来ました。男子と女子でやる種目を決めてもらいたいんですけれど……みんなで決めれそう?」
若鷺先生が心配そうに聞いて来た。
「決めれるよー流石にー」
「大丈夫大丈夫ー、よっしゃー!男子はこっちで集まろうぜー」
「じゃあ、女子はこっちでー」
男子と女子がそれぞれの場所で集まって、話し合い始めた。
「男子はバスケ、バレー、野球、サッカーの4種類らしい。どれやる?」
「バスケー」
「野球!」
「野球だろー」
「いやいや、バスケだろ!」
などなど、みんな口々にやりたい種目を言っていた。
すると、新崎が……
「バスケにしようぜ、俺絶対勝ちたいし、優勝したいから、バスケ部が多いしよ?」
「確かに」
みんな新崎の言葉に納得し、男子はバスケに決まった。
女子はというと……
「バスケとかしたくないし、バレーもねー」
「だよねー、もう、誰もやりたくない」
「「確かにー」」
「ならもう、くじ引きとかで決めよー」
って感じでやったら、ソフトボールになったらしい。まあ、女子だから野球ではないよなーって思ったけれど…
「それじゃあ、決まったことで!チーム分けをしてもらうわ、上手く分けてねー」
若鷺先生が俺たちに促した。
男子も女子も上手く分かれることができた。
「それじゃあ、各自で本番まで練習しておいてね?目標は優勝だよ!!頑張ろ~」
という感じで、メンバーが決まって当日なんだが、俺のいるメンバーがこれまた、強いメンバーで、新崎と国光と翔の3人がいるバスケ部チームになっていた。
ちなみに俺はディフェンス担当になった。
(防げる気がしないんだが……)
とりあえず、守ってみるがある程度は翔達に任せるつもりだ。
「玲!一緒のチームだなー!頑張ろうぜー」
「新崎、そうだな…やれるだけのことはするよ」
「おう!頼むぜー」
試合が始まるまで、新崎と話し込んでいた。
最初は1-6との対決らしい。
俺たちは円陣を組んだ。
「向こうも強そうだな、だけど、俺らも強い!今までの努力を信じて、思いっきりやろう!」
「おう!!」
「よし!行くぞ!」
俺たちはコートに向かった。
ピーッ!!
ホイッスルの音と共に試合が始まった。
(ディフェンスの役目やんねーとな…とはいえ、できるかな?昔にやってたけれど……)
俺は前の世界でバスケをやっていたため、体が動くかどうか確認していた。
その間に新崎と翔がボールをパスし合いながら相手のリングに向かっていった。
「翔!じゃんじゃん行くぞ!」
「ああ!」
翔はいつもよりもやる気が出ていた。
(得意分野だとめっちゃ頑張るんだよなー翔って、あとは……)
俺はふと観客席を見た。そこに花宮さんが神楽坂さん達と一緒に応援に来ていた。
(多分、いい格好を見せたいんだろうなー)
俺は翔が活躍できるようにサポートすることも思い出しながら、動いた。
「ほらよ!翔!」
新崎が翔にパスした。翔はノールックでボールを受け取るとそのまま……
パスッ…
リングにボールを入れた。
「よし!点数をどんどん入れるぞ!」
新崎の掛け声でみんなもやる気を出した。
「やべ!光輝!玲!」
相手チームの選手がボールを持って俺たちのチームをかわして、リングまで近づいてきた。
(止めるか)
俺はチラッと国光を見た。
ディフェンスとして、守ろうと前に出ていた。
さっき、相手の動きを見ていた俺は、こう避けるだろうと予想した。そして、相手がその通りに動いたのだ。
「!!!」
「もーらい」
俺はその人からボールを奪うと、すごいスピードで走り出して、相手のリングに入れた。
「おおおおーー!!!」
「すごい!!」
会場が大盛り上がりになった。
「ナイス!玲!」
「あははは…ありがとう」
俺は苦笑いした。実は内心行けるかどうか不安だった。何せ何年もやっていなかったから。
「次々行くぞー!!」
「おおおおー!!!」
男子達がやる気をもっと見せてきた。
結果は俺たちの圧勝だった。
まあ、バスケ部が3人もいて、それも、主戦力の3人であったため、負けることがそうそうないと思った。
「ふぅー、とりあえず、初戦は勝ちだな。」
「そうだな、みんなお疲れ様!」
新崎がリーダーであるため、みんなに声をかけていた。
「新崎は体力があるんだなー」
「まあ、部活で走ったり、暇があったら走るようにしてるからなー」
「へぇー」
「そういう玲は、綺麗にリングに決めてたよな?相手のボール奪ってたし、あれを奪うって結構難しいし、やってた?バスケ…」
誤魔化しても無駄だろうと思った俺はいうことにした。
「ああ、昔にちょっとな」
「やっぱりかー、経験者の動きだったから。」
「そんなに分かるのか?」
「分かるねーバスケしてたやつには…」
「そうなのか…」
「バレたくねぇの?バスケしていたこと」
「まあ、そうだな」
(昔って、俺にとっては前の世界でのことだし、この世界じゃないからなー)
俺はそんなことを思いながら、休憩していた。
「玲」
「ん?国光くん?」
「さっきのすごく良かった」
「本当?!なら、良かった」
「次もあの感じで…大丈夫だ」
「そうか、ありがとう」
国光くんがgoodサインを出してくれて、ちょっと嬉しかった。
「さて、あと何試合するか分からないけれど、頑張りますかー」
重い体を起こして、コートに向かった。
「うーん、マジか」
俺は順位と次が準決勝であることを確認していた。まさか、ここまで上がってくるとは思っていなかった。
だが…
「みんな……大丈夫か?」
「ああ…」
「大丈夫…大丈夫」
死んだそうにしている男子が数名いた。
さらには、新崎や国光もキツそうだった。
(このまま行ったら、勝つことはできると思うが、決勝でバテそうだな)
翔はまだ、動けるらしい。さっきから体操を繰り返している。
(……仕方ないか)
俺は、新崎達のところに行った。
「新崎」
「玲…どうした?」
「次の準決勝、休んでろ」
「え…何で?」
「そんなしんどい状態で行ったら、きっと決勝で動けなくなる。ずっと突っ走ってくれてたから、休憩ができていないだろ?だから、主戦力である新崎と国光は休んだ方がいいと思うんだけれど」
「………でも、準決勝で負けたら……」
「大丈夫、負けないよ」
俺は真剣な目で新崎を見た。向こうもその意思を感じたのだろう。
「……分かった。みんな!ごめん!俺と光輝休むわ!」
「「え!!どうするんだ?」」
みんなが戸惑っていた。翔も驚いていた。
「こいつ、白鳥と翔の2人に託す。みんなこいつらの指示にしっかり応えろ!大丈夫だ!」
「………」
みんなが不安そうだった。だから…
「大丈夫、俺バスケ経験者だから、翔と一緒に頑張るから、力貸してください」
ぺこりと頭を下げて頼んだ。
みんな黙っていたが…やがて口を開いた。
「分かった…頼むぞ!翔!玲!」
俺は顔を上げた。みんな期待のこもった眼差しだった。久しぶりだった。そんな風に見られるのが…
「ありがとう」
俺は翔の方を見た。翔も俺の方を見ていた。お互いの目が合う。
翔は何も言わなかったが、勝つぞ!という目をしていた。
(勝たなきゃな…本気出すか、勝つために…)
俺はコートを見ていた。
準決勝が始まる。新崎と国光がいない状況だが、多分勝てると思った。翔も相手をじっと見ていた。
(今回はディフェンスは行けそうにないかな)
俺は自分の手を見た。昔の自分の手とは違うし、体も違う。でも、動ける!そんな感覚があった。
(よし!やりますか!)
ピーッ!!!
笛が鳴った。
相手がボールを持っており、リングに向かって走り始めた。
(舐められてるなこりゃ)
相手が軽々と俺たちを抜こうとしてくる。新崎達がいない状況だから、余裕とでも思っているのだろう。だが……
ガッ!!
「!!!」
「舐めんなよ?」
俺はすぐに相手のかわす方向を先読みし、ボールを弾いて、奪った。
そのまま、すぐに相手のスリーポイントラインまで行き、スリーポイントを決めた。
「わぁぁぁぁぁぁあああああ!!!」
会場が湧いた。新崎達もよっしゃー!!って喜んでいた。
俺は仲間に離れろと指示を出し、すぐに相手のパスを見た。
今度は相手が俺を警戒し出した。
(遅いよ)
俺はすぐに相手の様子を観察した。そして、俺たちのリングにボールを入れようとしていた相手の後ろからボールをカットした。
そのまま、ボールを拾って、リングまで走り、すぐにリングにレイアップシュートで入れた。
(驚いているとか悪いけれど、動けるのは俺だけじゃない)
相手が完全に俺をマークしたところで、翔の出番だ。
また、ボールをカットした俺は、そのままリングまで走って行くが、マークされているため、囲まれた。
そのままリングにボールを入れようと飛び上がると、4人いたのだが、4人とも俺のシュートを防ごうと飛んだ。だから、俺は後ろにボールを投げた。
「!!!!」
4人とも驚いていた。俺が後ろを見ずに投げたからだ。
俺の後ろ、スリーポイントラインに翔がいて、ボールがそこまで飛んでいった。ボールを取った翔はそこからスリーポイントを放ち、見事リングに入れた。
この試合で、男子も女子も驚愕していた。
「白鳥、すげー!!」
「翔と息ぴったりだ」
「あの男子凄くない?見てなかったのに……」
「だねだね!!凄すぎ!」
みんな口々に称賛の声をあげていた。
(まだ、鈍ってるところがあるが、うん、動けるな)
俺は次々と点数を稼いでいった。
結果は、俺たちの圧勝だった。
試合が終わると、新崎と国光が走ってきて、
「やったじゃん!!俺ら決勝だー!!」
って叫んでいた。
みんなにも揉みくちゃにされたが、頑張ったからいいかと思った。
「あとは頼むわ、もう動きたくねぇ」
「あははは!!サンキュー玲!あとは、俺らに任せろ!」
新崎がしっかり休憩ができたみたいで、さっきより顔色が良くなっていた。
(これなら、大丈夫だな)
俺は安心して、椅子に座った。
試合は決勝戦を行うことになった。
俺と翔の試合があった時から、多くの人が見に来ていて、今ではすごい歓声が聞こえてきていた。
(女子の試合終わったのか。神楽坂さんや若葉さんもいる)
俺は2人を見かけた。楽しそうに談笑しているようだった。ふと俺と目があった2人は、手を振ってきた。俺も振り返すと嬉しそうだった。
「玲!ちょっといいか?」
「ん?どうした?」
「玲も出ないか?試合」
「え…」
「翔へのノールックパス凄かったからさ。経験者なんだなーって思った。俺と光輝、翔と玲この4人が揃えば絶対すごい試合になるはず!どうだ?」
真剣な表情で俺にそう聞いてきた。
「やっても大丈夫か?俺、力になれるか?」
「なれるよ!絶対!頼む!」
「………分かった。」
「!!ありがとう!」
新崎はめっちゃ嬉しそうな顔をしていた。
(まあ、決勝だし、勝ちたいしな)
そして、俺はコートに向かった。
そして、大歓声の中、決勝が始まった。
「さぁ!勝つぞ!!!!」
※あとがき
球技大会が始まりましたー!
球技大会って何でこんなに盛り上がるんでしょうねー
あ、因みに私は、ドッチボールしてましたー
いやー、あれって当たったら痛いですよねー
一回顔に当たったことあるんですよねー笑笑
さて、
次回、決勝&ドッチボール!
お楽しみにー
「スポーツの秋だー!!」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!」
「盛り上がる準備は出来てるかー?!」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!」
男子も女子もめっちゃ盛り上がっていた。
「それじゃあ!始めるぞー!!球技大会!!」
「わぁぁぁぁああああああ!!!」
そう、今日は球技大会です。男子はバスケ、女子はソフトボールで、最後に男女混合のドッチボールをするらしい。
それも、先生も加わったメンバーでらしい。
1年から3年までが対決するため、時間を巻きながら、行うらしい。
「よーし!今日は勝ちますよー!」
若鷺先生が凄くやる気を出していた。
というのも……数日前
「さて、そろそろ球技大会が近づいて来ました。男子と女子でやる種目を決めてもらいたいんですけれど……みんなで決めれそう?」
若鷺先生が心配そうに聞いて来た。
「決めれるよー流石にー」
「大丈夫大丈夫ー、よっしゃー!男子はこっちで集まろうぜー」
「じゃあ、女子はこっちでー」
男子と女子がそれぞれの場所で集まって、話し合い始めた。
「男子はバスケ、バレー、野球、サッカーの4種類らしい。どれやる?」
「バスケー」
「野球!」
「野球だろー」
「いやいや、バスケだろ!」
などなど、みんな口々にやりたい種目を言っていた。
すると、新崎が……
「バスケにしようぜ、俺絶対勝ちたいし、優勝したいから、バスケ部が多いしよ?」
「確かに」
みんな新崎の言葉に納得し、男子はバスケに決まった。
女子はというと……
「バスケとかしたくないし、バレーもねー」
「だよねー、もう、誰もやりたくない」
「「確かにー」」
「ならもう、くじ引きとかで決めよー」
って感じでやったら、ソフトボールになったらしい。まあ、女子だから野球ではないよなーって思ったけれど…
「それじゃあ、決まったことで!チーム分けをしてもらうわ、上手く分けてねー」
若鷺先生が俺たちに促した。
男子も女子も上手く分かれることができた。
「それじゃあ、各自で本番まで練習しておいてね?目標は優勝だよ!!頑張ろ~」
という感じで、メンバーが決まって当日なんだが、俺のいるメンバーがこれまた、強いメンバーで、新崎と国光と翔の3人がいるバスケ部チームになっていた。
ちなみに俺はディフェンス担当になった。
(防げる気がしないんだが……)
とりあえず、守ってみるがある程度は翔達に任せるつもりだ。
「玲!一緒のチームだなー!頑張ろうぜー」
「新崎、そうだな…やれるだけのことはするよ」
「おう!頼むぜー」
試合が始まるまで、新崎と話し込んでいた。
最初は1-6との対決らしい。
俺たちは円陣を組んだ。
「向こうも強そうだな、だけど、俺らも強い!今までの努力を信じて、思いっきりやろう!」
「おう!!」
「よし!行くぞ!」
俺たちはコートに向かった。
ピーッ!!
ホイッスルの音と共に試合が始まった。
(ディフェンスの役目やんねーとな…とはいえ、できるかな?昔にやってたけれど……)
俺は前の世界でバスケをやっていたため、体が動くかどうか確認していた。
その間に新崎と翔がボールをパスし合いながら相手のリングに向かっていった。
「翔!じゃんじゃん行くぞ!」
「ああ!」
翔はいつもよりもやる気が出ていた。
(得意分野だとめっちゃ頑張るんだよなー翔って、あとは……)
俺はふと観客席を見た。そこに花宮さんが神楽坂さん達と一緒に応援に来ていた。
(多分、いい格好を見せたいんだろうなー)
俺は翔が活躍できるようにサポートすることも思い出しながら、動いた。
「ほらよ!翔!」
新崎が翔にパスした。翔はノールックでボールを受け取るとそのまま……
パスッ…
リングにボールを入れた。
「よし!点数をどんどん入れるぞ!」
新崎の掛け声でみんなもやる気を出した。
「やべ!光輝!玲!」
相手チームの選手がボールを持って俺たちのチームをかわして、リングまで近づいてきた。
(止めるか)
俺はチラッと国光を見た。
ディフェンスとして、守ろうと前に出ていた。
さっき、相手の動きを見ていた俺は、こう避けるだろうと予想した。そして、相手がその通りに動いたのだ。
「!!!」
「もーらい」
俺はその人からボールを奪うと、すごいスピードで走り出して、相手のリングに入れた。
「おおおおーー!!!」
「すごい!!」
会場が大盛り上がりになった。
「ナイス!玲!」
「あははは…ありがとう」
俺は苦笑いした。実は内心行けるかどうか不安だった。何せ何年もやっていなかったから。
「次々行くぞー!!」
「おおおおー!!!」
男子達がやる気をもっと見せてきた。
結果は俺たちの圧勝だった。
まあ、バスケ部が3人もいて、それも、主戦力の3人であったため、負けることがそうそうないと思った。
「ふぅー、とりあえず、初戦は勝ちだな。」
「そうだな、みんなお疲れ様!」
新崎がリーダーであるため、みんなに声をかけていた。
「新崎は体力があるんだなー」
「まあ、部活で走ったり、暇があったら走るようにしてるからなー」
「へぇー」
「そういう玲は、綺麗にリングに決めてたよな?相手のボール奪ってたし、あれを奪うって結構難しいし、やってた?バスケ…」
誤魔化しても無駄だろうと思った俺はいうことにした。
「ああ、昔にちょっとな」
「やっぱりかー、経験者の動きだったから。」
「そんなに分かるのか?」
「分かるねーバスケしてたやつには…」
「そうなのか…」
「バレたくねぇの?バスケしていたこと」
「まあ、そうだな」
(昔って、俺にとっては前の世界でのことだし、この世界じゃないからなー)
俺はそんなことを思いながら、休憩していた。
「玲」
「ん?国光くん?」
「さっきのすごく良かった」
「本当?!なら、良かった」
「次もあの感じで…大丈夫だ」
「そうか、ありがとう」
国光くんがgoodサインを出してくれて、ちょっと嬉しかった。
「さて、あと何試合するか分からないけれど、頑張りますかー」
重い体を起こして、コートに向かった。
「うーん、マジか」
俺は順位と次が準決勝であることを確認していた。まさか、ここまで上がってくるとは思っていなかった。
だが…
「みんな……大丈夫か?」
「ああ…」
「大丈夫…大丈夫」
死んだそうにしている男子が数名いた。
さらには、新崎や国光もキツそうだった。
(このまま行ったら、勝つことはできると思うが、決勝でバテそうだな)
翔はまだ、動けるらしい。さっきから体操を繰り返している。
(……仕方ないか)
俺は、新崎達のところに行った。
「新崎」
「玲…どうした?」
「次の準決勝、休んでろ」
「え…何で?」
「そんなしんどい状態で行ったら、きっと決勝で動けなくなる。ずっと突っ走ってくれてたから、休憩ができていないだろ?だから、主戦力である新崎と国光は休んだ方がいいと思うんだけれど」
「………でも、準決勝で負けたら……」
「大丈夫、負けないよ」
俺は真剣な目で新崎を見た。向こうもその意思を感じたのだろう。
「……分かった。みんな!ごめん!俺と光輝休むわ!」
「「え!!どうするんだ?」」
みんなが戸惑っていた。翔も驚いていた。
「こいつ、白鳥と翔の2人に託す。みんなこいつらの指示にしっかり応えろ!大丈夫だ!」
「………」
みんなが不安そうだった。だから…
「大丈夫、俺バスケ経験者だから、翔と一緒に頑張るから、力貸してください」
ぺこりと頭を下げて頼んだ。
みんな黙っていたが…やがて口を開いた。
「分かった…頼むぞ!翔!玲!」
俺は顔を上げた。みんな期待のこもった眼差しだった。久しぶりだった。そんな風に見られるのが…
「ありがとう」
俺は翔の方を見た。翔も俺の方を見ていた。お互いの目が合う。
翔は何も言わなかったが、勝つぞ!という目をしていた。
(勝たなきゃな…本気出すか、勝つために…)
俺はコートを見ていた。
準決勝が始まる。新崎と国光がいない状況だが、多分勝てると思った。翔も相手をじっと見ていた。
(今回はディフェンスは行けそうにないかな)
俺は自分の手を見た。昔の自分の手とは違うし、体も違う。でも、動ける!そんな感覚があった。
(よし!やりますか!)
ピーッ!!!
笛が鳴った。
相手がボールを持っており、リングに向かって走り始めた。
(舐められてるなこりゃ)
相手が軽々と俺たちを抜こうとしてくる。新崎達がいない状況だから、余裕とでも思っているのだろう。だが……
ガッ!!
「!!!」
「舐めんなよ?」
俺はすぐに相手のかわす方向を先読みし、ボールを弾いて、奪った。
そのまま、すぐに相手のスリーポイントラインまで行き、スリーポイントを決めた。
「わぁぁぁぁぁぁあああああ!!!」
会場が湧いた。新崎達もよっしゃー!!って喜んでいた。
俺は仲間に離れろと指示を出し、すぐに相手のパスを見た。
今度は相手が俺を警戒し出した。
(遅いよ)
俺はすぐに相手の様子を観察した。そして、俺たちのリングにボールを入れようとしていた相手の後ろからボールをカットした。
そのまま、ボールを拾って、リングまで走り、すぐにリングにレイアップシュートで入れた。
(驚いているとか悪いけれど、動けるのは俺だけじゃない)
相手が完全に俺をマークしたところで、翔の出番だ。
また、ボールをカットした俺は、そのままリングまで走って行くが、マークされているため、囲まれた。
そのままリングにボールを入れようと飛び上がると、4人いたのだが、4人とも俺のシュートを防ごうと飛んだ。だから、俺は後ろにボールを投げた。
「!!!!」
4人とも驚いていた。俺が後ろを見ずに投げたからだ。
俺の後ろ、スリーポイントラインに翔がいて、ボールがそこまで飛んでいった。ボールを取った翔はそこからスリーポイントを放ち、見事リングに入れた。
この試合で、男子も女子も驚愕していた。
「白鳥、すげー!!」
「翔と息ぴったりだ」
「あの男子凄くない?見てなかったのに……」
「だねだね!!凄すぎ!」
みんな口々に称賛の声をあげていた。
(まだ、鈍ってるところがあるが、うん、動けるな)
俺は次々と点数を稼いでいった。
結果は、俺たちの圧勝だった。
試合が終わると、新崎と国光が走ってきて、
「やったじゃん!!俺ら決勝だー!!」
って叫んでいた。
みんなにも揉みくちゃにされたが、頑張ったからいいかと思った。
「あとは頼むわ、もう動きたくねぇ」
「あははは!!サンキュー玲!あとは、俺らに任せろ!」
新崎がしっかり休憩ができたみたいで、さっきより顔色が良くなっていた。
(これなら、大丈夫だな)
俺は安心して、椅子に座った。
試合は決勝戦を行うことになった。
俺と翔の試合があった時から、多くの人が見に来ていて、今ではすごい歓声が聞こえてきていた。
(女子の試合終わったのか。神楽坂さんや若葉さんもいる)
俺は2人を見かけた。楽しそうに談笑しているようだった。ふと俺と目があった2人は、手を振ってきた。俺も振り返すと嬉しそうだった。
「玲!ちょっといいか?」
「ん?どうした?」
「玲も出ないか?試合」
「え…」
「翔へのノールックパス凄かったからさ。経験者なんだなーって思った。俺と光輝、翔と玲この4人が揃えば絶対すごい試合になるはず!どうだ?」
真剣な表情で俺にそう聞いてきた。
「やっても大丈夫か?俺、力になれるか?」
「なれるよ!絶対!頼む!」
「………分かった。」
「!!ありがとう!」
新崎はめっちゃ嬉しそうな顔をしていた。
(まあ、決勝だし、勝ちたいしな)
そして、俺はコートに向かった。
そして、大歓声の中、決勝が始まった。
「さぁ!勝つぞ!!!!」
※あとがき
球技大会が始まりましたー!
球技大会って何でこんなに盛り上がるんでしょうねー
あ、因みに私は、ドッチボールしてましたー
いやー、あれって当たったら痛いですよねー
一回顔に当たったことあるんですよねー笑笑
さて、
次回、決勝&ドッチボール!
お楽しみにー
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キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
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