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第34話 男同士の話
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最近、不安になることがある。それは何かというと……
「おはよう」
「お!おはよう!玲!」
「おはよう…玲」
学校に着いてから新崎と国光に挨拶した。文化祭が終わって、みんな文化祭ほど元気がある感じではなかった。新崎を除いて…
で、教室に入ったんだけれど…すごく嫌な気配がしていた。その気配がする方を見ると…
「……翔」
めっちゃこっちを睨んでいる翔がいた。まあ、不安になることというのは、翔のことだ。あれからずっと俺を睨んでくるようになった。まあ、その理由が分かっているから、俺から何か言うことはない。ないんだけれど……
(ずっとこっちを見てくるのはやめて欲しいんだが……気まずすぎるし…)
さらに言うと……もう1人ときどき見てくる人がいる。
まあ、想像できると思うが、花宮さんだ。
さっきからチラチラこっちを見てきている。何か言いたそうな聞きたそうな顔をしているから、多分文化祭のとかのことを言いたいんじゃないかと思うが…俺は話すつもりはないため、話しかけられないようにしている。
このように、今、俺は不安なことばかりだ。
(平穏に過ごしたいんだけれど……2人ともこえーわ)
俺は机に突っ伏して、話しかけられないように過ごした。
「なあ!玲!一緒に行こうぜーご飯食べに」
「新崎…ああ、いいよ」
「よし!光輝!行くぞー」
「ああ」
俺は新崎と国光と共に屋上に向かった。
「だーれもいないやーありがたいなー」
「そうだな…」
「??」
2人が誰もいないことを望んでいるような口ぶりだった。
「さて、玲…大丈夫か?」
「ん?何がだ?」
「いやー、花宮さんと翔に見られてるだろ?ずっと…」
「………まあ、な」
「どうするんだ?あいつら2人を傷つけたんだろ?」
「……そう、だな」
空気が重くなった。
「翔、相当イラついているみたいだった。玲だけを睨んでたし……」
「うん……」
「どうするつもりだ?」
「…………」
俺は自分がどうしたいのか、翔や花宮さんとどうなりたいのかを考えた。
(翔とは仲良くなりたい。主人公とはいえ、良いやつなのは分かってるから…花宮さんとも仲良くなりたい。友達だし…でも、花宮さんと付き合うことは出来ない……彼女はこのゲームの中のヒロインだから、翔と結ばれるべき……ってこれ、言い訳か…自分のゲームでの立ち位置を守りたいが故の……)
俺はずっとそうやって言い訳を述べてきたのだと気づいた。
「なあ、お前、花宮さんの気持ち、気づいてるんじゃねーの?」
「!!!!」
新崎が唐突にそう言ってきた。
「やっぱり……ちゃんと向き合ってやれよー」
「…だめなんだ…花宮さんの気持ちを受け入れたら……」
「何でだめなんだよ…」
「……翔に申し訳ない」
「!!!……お前、翔のこと気にしてるのか?!」
「翔は……花宮さんや他のみんなと幸せにならないといけない……そうじゃないと……」
(バッドエンドになっちまう……ヒロイン達が次々と苦しんで、結局、翔と共に消えちまう。それだけは……それだけは避けないと!!)
俺が苦しそうな顔をしていたからだろう…新崎は黙ったまま心配そうに俺を見ていた。
「……翔がどうなるか……それは俺たちには分からない」
国光が話し始めた。
「ただ、翔が苦しんで、やばい状態になったら、俺たちで止めてやるって決めているんだ……だから、翔のことを思いすぎて、他の人の気持ちを無視するのはやめた方がいい」
「国光……」
「ま、翔はちょっとやばそうだからなー助けないとな」
新崎も国光と同じ気持ちなのだと分かった。
教室に戻った時だった。
「玲!」
「……翔」
凄く怒ったような顔をしながら俺のところに来た。クラスのみんなが心配そうに見てきた。
「ちょっと来い!」
「え!いや…ちょ、ちょっと?!」
翔が問答無用で俺の腕を引っ張っていった。
「おい!どこまで行くんだよ!」
「………」
翔は黙ったまま引っ張ってきた。廊下を通り、階段を登り、着いたのは…屋上だった。
そこで手を離してくれた翔は俺の方を見てこう言った。
「お前、やっぱりクソだったんだな」
「はぁ?」
「……お前さえ……お前さえいなければ!!」
「へ?……ぐぁっ…!!」
突然、翔が俺の首に手をかけた。そして、力一杯握ってきたのだ。突然のことだったため、反応が遅れて首を絞められてしまった。
「ガッ……ガハッ!!……ぐっ…」
「お前さえ!!いなければな!!俺は、俺は花宮さんと一緒にいられたんだ!!」
さらに首を絞める力が強くなった。息ができなくて苦しくなった。
(あ、あ……またか…この顔、見たことがある……母さんと…同じ顔だ)
俺を恨み、憎しみに囚われた表情をしていた母と同じだった。
(……いろんなことがあって、俺は……少しこの世界を好きになれたような気がしたけれど……ここで終わりなんだな…)
自分が死ぬことを悟った俺は、もう、抵抗する気力が湧かなかった。
すると…
「だめぇぇぇぇぇぇええええええ!!!」
ドンッ!!
「ぐぁっ…!!」
翔が吹っ飛ばされたのだ。
「げほっ!!げほっ……ゴホゴホ……ぐっ…な、何だ?」
むせながら、声がした方を見ると、
「大丈夫?!白鳥くん!」
「……花宮、さん?」
花宮さんが心配そうに見てきたのだ。
「大丈夫か?!玲!」
「白鳥くん!!しっかり!」
花宮さんの後ろに、若葉さんと神楽坂さん、新崎、国光の4人もいた。
「みんな……げほっごほっ……ど、どうして?」
「翔がお前を呼んだ時に嫌な予感がしたから、ついていったんだ。良かったー尾行しておいて…」
「そ、そうか……」
俺は花宮さんを見た。凄く心配そうに俺を見てきた。
「白鳥くん……ごめんね?」
「え?」
「白鳥くんに言いたいこと、伝えたいこと、聞きたいこと、いっぱいあるんだ!だから、待ってて!」
花宮さんがゆっくり立ち上がると、翔に向かって歩き出した。
俺は今の翔が花宮さんの声を、言葉を聞くことがあるのか心配になった。
「轟くん……」
「は、花宮さん…ど、とうして、邪魔するの?そいつは君を傷つけたんだよ?」
「………」
「だ、だから、俺がこいつを倒そうとしているのに……どうして?!」
「私は……確かに傷ついたよ、白鳥くんにああ言われて……でも、それは、私が白鳥くんに何も言ってなかったから、私が勝手に傷ついただけ…だから、白鳥くんは悪くない」
「なんで……そんなわけない!!こいつは君の気持ちに気づいていたんだ!だから、わざとそんなことを言って、傷つけようとしたんだ!傷ついた姿を笑おうとしたんだ!!」
「……そうなの?白鳥くん」
花宮さんが俺の方を見てきた。
「……気持ちには気づいてた」
「!!!!」
「けれど、花宮さんを傷つけたくて言ったんじゃない、俺よりも翔の方がいいって思ったから、そう言っただけだ」
「………」
「決してわざと苦しめたくて言ったわけじゃない!」
「嘘だ!!花宮さん!!騙されちゃダメだ!!」
翔が必死に花宮さんに訴えていた。俺は悪いやつだって。
「俺は、玲の言ってることが正しいと思うぜ」
「なっ……新崎」
「玲は、人を傷つけることを嫌ってるやつだから、お前もそれは分かるだろ?」
「………ふざけるな!!」
怒りの籠った表情で怒鳴った。
「轟くん……私ね」
花宮さんが静かに口を開いた。
「白鳥くんが好きなの」
「!!!!」
みんなが驚いていた。当然、翔も。
「私は白鳥くんが好き!だから、彼を傷つけないで!!」
「な、なんで……そんな…」
翔がガクッと地面に膝をつけて、項垂れていた。
「白鳥くん!」
「は、はい…!!」
名前を呼ばれて、俺はビクッとした。
「白鳥くんが好きだから!だから、私、頑張るね?貴方に好きになってもらえるように!」
「!!!!」
凄く嬉しそうな表情ではっきりと言ってきた。
新崎達も驚いていたけれど、俺と花宮さんを交互に見た後、満面の笑みになった。
「みんな…ありがとう、助けてくれて」
「大丈夫!大丈夫!ってか、お前こそ首大丈夫か?」
「ああ、なんとか」
あの後、翔は国光に連れられてどこかに行ってしまった。
「若葉さん達も行かなくて良かったのか?翔のところに」
「……うん」
若葉さんは何か考えているようなそんな様子だった。
「よし!戻ろうぜー、翔のことはまあ、俺たちに任せろ!」
新崎が笑顔でそう言った。
「……ああ、頼む」
俺たちは教室に戻った。
帰り道を若葉さんと神楽坂さんの2人と歩いていた。若葉さんと神楽坂さんの2人が俺を誘ってくれたから。
でも、3人とも気まずい雰囲気が漂っていた。
最初に言葉を発したのは、若葉さんだった。
「私ね?翔くんが好きだった。だから、振られた時凄く辛くてさ、苦しかったんだ。でもね、みんなとそのまま過ごしていくうちに、翔くんへの気持ちが少しずつ薄れていったの。不思議だよねーあんなに好きだったのにさ、振られたら気持ちが冷めていくんだ」
「………」
若葉さんはずっと前を向いたまま話し続けた。
「だから、きっと翔くんも花宮さんへの気持ちが冷めていくと思うんだー」
「そんなうまくいくかしらね?」
「梓ちゃん…」
「今日の翔を見ていたけれど、凄く愛が重そうに見えたわ、白鳥くんのことをずっと睨んでいたし」
「た、確かに……」
「白鳥くん、しばらく翔のことを見ておくから、貴方も気をつけて」
神楽坂さんが真剣な目でそう言ってくれた。
「ありがとう、2人とも」
「あ、あとね?」
若葉さんが一歩二歩と前を歩き、立ち止まると振り返ってきた。
「白鳥くんの気持ちも大事だけれど、桜ちゃんのこと考えてあげて?本気で貴方のことが好きなんだと思うから」
真剣な目で俺にそう伝えてきた。俺は下を向いた。自分の気持ち…それを考えるために…
「……やっぱり」
「??」
「やっぱり、分かんねぇや」
「白鳥くん……」
「人を好きになるって何だ?」
「「え?」」
2人とも驚いた表情でこっちを見てきた。
「俺には分からないよ、人を好きになるってどういうことなのか…どういう感情なのか…」
俺も、そして、『あいつ』もよく分からない感情だった。
何せ、俺たちは……
人に愛されることがなかったから。
※あとがき
花宮さんが告白したーーー!!
でも、玲は分からないみたい……
一体どうなるのか……2人の関係、そして、これから先の翔との関係は……
次回、翔…暴走
お楽しみに
「おはよう」
「お!おはよう!玲!」
「おはよう…玲」
学校に着いてから新崎と国光に挨拶した。文化祭が終わって、みんな文化祭ほど元気がある感じではなかった。新崎を除いて…
で、教室に入ったんだけれど…すごく嫌な気配がしていた。その気配がする方を見ると…
「……翔」
めっちゃこっちを睨んでいる翔がいた。まあ、不安になることというのは、翔のことだ。あれからずっと俺を睨んでくるようになった。まあ、その理由が分かっているから、俺から何か言うことはない。ないんだけれど……
(ずっとこっちを見てくるのはやめて欲しいんだが……気まずすぎるし…)
さらに言うと……もう1人ときどき見てくる人がいる。
まあ、想像できると思うが、花宮さんだ。
さっきからチラチラこっちを見てきている。何か言いたそうな聞きたそうな顔をしているから、多分文化祭のとかのことを言いたいんじゃないかと思うが…俺は話すつもりはないため、話しかけられないようにしている。
このように、今、俺は不安なことばかりだ。
(平穏に過ごしたいんだけれど……2人ともこえーわ)
俺は机に突っ伏して、話しかけられないように過ごした。
「なあ!玲!一緒に行こうぜーご飯食べに」
「新崎…ああ、いいよ」
「よし!光輝!行くぞー」
「ああ」
俺は新崎と国光と共に屋上に向かった。
「だーれもいないやーありがたいなー」
「そうだな…」
「??」
2人が誰もいないことを望んでいるような口ぶりだった。
「さて、玲…大丈夫か?」
「ん?何がだ?」
「いやー、花宮さんと翔に見られてるだろ?ずっと…」
「………まあ、な」
「どうするんだ?あいつら2人を傷つけたんだろ?」
「……そう、だな」
空気が重くなった。
「翔、相当イラついているみたいだった。玲だけを睨んでたし……」
「うん……」
「どうするつもりだ?」
「…………」
俺は自分がどうしたいのか、翔や花宮さんとどうなりたいのかを考えた。
(翔とは仲良くなりたい。主人公とはいえ、良いやつなのは分かってるから…花宮さんとも仲良くなりたい。友達だし…でも、花宮さんと付き合うことは出来ない……彼女はこのゲームの中のヒロインだから、翔と結ばれるべき……ってこれ、言い訳か…自分のゲームでの立ち位置を守りたいが故の……)
俺はずっとそうやって言い訳を述べてきたのだと気づいた。
「なあ、お前、花宮さんの気持ち、気づいてるんじゃねーの?」
「!!!!」
新崎が唐突にそう言ってきた。
「やっぱり……ちゃんと向き合ってやれよー」
「…だめなんだ…花宮さんの気持ちを受け入れたら……」
「何でだめなんだよ…」
「……翔に申し訳ない」
「!!!……お前、翔のこと気にしてるのか?!」
「翔は……花宮さんや他のみんなと幸せにならないといけない……そうじゃないと……」
(バッドエンドになっちまう……ヒロイン達が次々と苦しんで、結局、翔と共に消えちまう。それだけは……それだけは避けないと!!)
俺が苦しそうな顔をしていたからだろう…新崎は黙ったまま心配そうに俺を見ていた。
「……翔がどうなるか……それは俺たちには分からない」
国光が話し始めた。
「ただ、翔が苦しんで、やばい状態になったら、俺たちで止めてやるって決めているんだ……だから、翔のことを思いすぎて、他の人の気持ちを無視するのはやめた方がいい」
「国光……」
「ま、翔はちょっとやばそうだからなー助けないとな」
新崎も国光と同じ気持ちなのだと分かった。
教室に戻った時だった。
「玲!」
「……翔」
凄く怒ったような顔をしながら俺のところに来た。クラスのみんなが心配そうに見てきた。
「ちょっと来い!」
「え!いや…ちょ、ちょっと?!」
翔が問答無用で俺の腕を引っ張っていった。
「おい!どこまで行くんだよ!」
「………」
翔は黙ったまま引っ張ってきた。廊下を通り、階段を登り、着いたのは…屋上だった。
そこで手を離してくれた翔は俺の方を見てこう言った。
「お前、やっぱりクソだったんだな」
「はぁ?」
「……お前さえ……お前さえいなければ!!」
「へ?……ぐぁっ…!!」
突然、翔が俺の首に手をかけた。そして、力一杯握ってきたのだ。突然のことだったため、反応が遅れて首を絞められてしまった。
「ガッ……ガハッ!!……ぐっ…」
「お前さえ!!いなければな!!俺は、俺は花宮さんと一緒にいられたんだ!!」
さらに首を絞める力が強くなった。息ができなくて苦しくなった。
(あ、あ……またか…この顔、見たことがある……母さんと…同じ顔だ)
俺を恨み、憎しみに囚われた表情をしていた母と同じだった。
(……いろんなことがあって、俺は……少しこの世界を好きになれたような気がしたけれど……ここで終わりなんだな…)
自分が死ぬことを悟った俺は、もう、抵抗する気力が湧かなかった。
すると…
「だめぇぇぇぇぇぇええええええ!!!」
ドンッ!!
「ぐぁっ…!!」
翔が吹っ飛ばされたのだ。
「げほっ!!げほっ……ゴホゴホ……ぐっ…な、何だ?」
むせながら、声がした方を見ると、
「大丈夫?!白鳥くん!」
「……花宮、さん?」
花宮さんが心配そうに見てきたのだ。
「大丈夫か?!玲!」
「白鳥くん!!しっかり!」
花宮さんの後ろに、若葉さんと神楽坂さん、新崎、国光の4人もいた。
「みんな……げほっごほっ……ど、どうして?」
「翔がお前を呼んだ時に嫌な予感がしたから、ついていったんだ。良かったー尾行しておいて…」
「そ、そうか……」
俺は花宮さんを見た。凄く心配そうに俺を見てきた。
「白鳥くん……ごめんね?」
「え?」
「白鳥くんに言いたいこと、伝えたいこと、聞きたいこと、いっぱいあるんだ!だから、待ってて!」
花宮さんがゆっくり立ち上がると、翔に向かって歩き出した。
俺は今の翔が花宮さんの声を、言葉を聞くことがあるのか心配になった。
「轟くん……」
「は、花宮さん…ど、とうして、邪魔するの?そいつは君を傷つけたんだよ?」
「………」
「だ、だから、俺がこいつを倒そうとしているのに……どうして?!」
「私は……確かに傷ついたよ、白鳥くんにああ言われて……でも、それは、私が白鳥くんに何も言ってなかったから、私が勝手に傷ついただけ…だから、白鳥くんは悪くない」
「なんで……そんなわけない!!こいつは君の気持ちに気づいていたんだ!だから、わざとそんなことを言って、傷つけようとしたんだ!傷ついた姿を笑おうとしたんだ!!」
「……そうなの?白鳥くん」
花宮さんが俺の方を見てきた。
「……気持ちには気づいてた」
「!!!!」
「けれど、花宮さんを傷つけたくて言ったんじゃない、俺よりも翔の方がいいって思ったから、そう言っただけだ」
「………」
「決してわざと苦しめたくて言ったわけじゃない!」
「嘘だ!!花宮さん!!騙されちゃダメだ!!」
翔が必死に花宮さんに訴えていた。俺は悪いやつだって。
「俺は、玲の言ってることが正しいと思うぜ」
「なっ……新崎」
「玲は、人を傷つけることを嫌ってるやつだから、お前もそれは分かるだろ?」
「………ふざけるな!!」
怒りの籠った表情で怒鳴った。
「轟くん……私ね」
花宮さんが静かに口を開いた。
「白鳥くんが好きなの」
「!!!!」
みんなが驚いていた。当然、翔も。
「私は白鳥くんが好き!だから、彼を傷つけないで!!」
「な、なんで……そんな…」
翔がガクッと地面に膝をつけて、項垂れていた。
「白鳥くん!」
「は、はい…!!」
名前を呼ばれて、俺はビクッとした。
「白鳥くんが好きだから!だから、私、頑張るね?貴方に好きになってもらえるように!」
「!!!!」
凄く嬉しそうな表情ではっきりと言ってきた。
新崎達も驚いていたけれど、俺と花宮さんを交互に見た後、満面の笑みになった。
「みんな…ありがとう、助けてくれて」
「大丈夫!大丈夫!ってか、お前こそ首大丈夫か?」
「ああ、なんとか」
あの後、翔は国光に連れられてどこかに行ってしまった。
「若葉さん達も行かなくて良かったのか?翔のところに」
「……うん」
若葉さんは何か考えているようなそんな様子だった。
「よし!戻ろうぜー、翔のことはまあ、俺たちに任せろ!」
新崎が笑顔でそう言った。
「……ああ、頼む」
俺たちは教室に戻った。
帰り道を若葉さんと神楽坂さんの2人と歩いていた。若葉さんと神楽坂さんの2人が俺を誘ってくれたから。
でも、3人とも気まずい雰囲気が漂っていた。
最初に言葉を発したのは、若葉さんだった。
「私ね?翔くんが好きだった。だから、振られた時凄く辛くてさ、苦しかったんだ。でもね、みんなとそのまま過ごしていくうちに、翔くんへの気持ちが少しずつ薄れていったの。不思議だよねーあんなに好きだったのにさ、振られたら気持ちが冷めていくんだ」
「………」
若葉さんはずっと前を向いたまま話し続けた。
「だから、きっと翔くんも花宮さんへの気持ちが冷めていくと思うんだー」
「そんなうまくいくかしらね?」
「梓ちゃん…」
「今日の翔を見ていたけれど、凄く愛が重そうに見えたわ、白鳥くんのことをずっと睨んでいたし」
「た、確かに……」
「白鳥くん、しばらく翔のことを見ておくから、貴方も気をつけて」
神楽坂さんが真剣な目でそう言ってくれた。
「ありがとう、2人とも」
「あ、あとね?」
若葉さんが一歩二歩と前を歩き、立ち止まると振り返ってきた。
「白鳥くんの気持ちも大事だけれど、桜ちゃんのこと考えてあげて?本気で貴方のことが好きなんだと思うから」
真剣な目で俺にそう伝えてきた。俺は下を向いた。自分の気持ち…それを考えるために…
「……やっぱり」
「??」
「やっぱり、分かんねぇや」
「白鳥くん……」
「人を好きになるって何だ?」
「「え?」」
2人とも驚いた表情でこっちを見てきた。
「俺には分からないよ、人を好きになるってどういうことなのか…どういう感情なのか…」
俺も、そして、『あいつ』もよく分からない感情だった。
何せ、俺たちは……
人に愛されることがなかったから。
※あとがき
花宮さんが告白したーーー!!
でも、玲は分からないみたい……
一体どうなるのか……2人の関係、そして、これから先の翔との関係は……
次回、翔…暴走
お楽しみに
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