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第6話 イベント2 握手会・・・アイドルに問題?!
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「ふぅ……いっそがしいなー」
会場に集まっているお客さんを誘導したり、商品を運んできたりして、このイベントが成功するように手伝っていたのだが……
「うーん……あれは…いまいちか?」
アイドルたちの握手会を見ると、なんかぎこちない感じがあった。長谷川さんとか他のアイドルたちも必死ではあるのだが…何だか、ファンの人と触れ合いたくなさそうな雰囲気があった。
(緊張しているからなのか……それとも、何かあるのか……)
まだ、露骨に嫌がっている感じではないけれど…ちょっとしんどそうだった。
俺はすぐに矢那咲さんのところに向かった。
「矢那咲さん!」
「ん?……ああ、雨宮くん……」
なんかやつれている矢那咲さんがいた。
「えっと大丈夫ですか?」
「え、ええ……ちょ、ちょっとしんどいだけで……大丈夫よ」
フラフラしながら立っている矢那咲さん…
(もしかして……)
俺はそこで何かに気づいた。
「矢那咲さん、あの子達のところにファンってあれほど来ますか?」
握手会のブースに結構な人の数があった。
「………」
矢那咲さんもその人の数に少し絶望したような表情をした。そして、こう言った。
「いいえ、なかったわ…」
「マジですか?」
「ええ……10人来たらすごいって思っていた感じだったから」
「へぇー……って10人?!マジで言ってます?!」
俺は驚きすぎて口が大きく開いたままになった。
「ええ……だから、こんなにお客さんが来るなんて思わなくて……」
ヘロヘロになりながら答えてくれた矢那咲さん。
本当に数人しかファンがいなかったのだと分かった。
(こりゃー参ったな……はぁ……)
俺は深いため息をついた。
「………」
アイドルのみんなが控室で黙り込んでいた。みんな疲れているようだった。
(まあ、あれだけお客さんが来たらびっくりするのと、対応するので頭がこんがらがるからなー)
5人のために何か飲み物を用意することにした。ただ、問題が……
「あいつらって何が好きなんだ?」
好きな飲み物が分からなかった。
「うーん、当てずっぽうで決めてもいいけれど……一応、矢那咲さんに聞くか……」
連絡を入れてみたが、既読がつかない……
「忙しいか……うーん、どうしよう」
自販機と睨めっこしながら考えた。
普段、みんなが何をよく食べているのかを思い出そうとした。
「小雀さんは甘いお菓子とか食べてたから、甘い飲み物でいいか、濱中さんはお茶を飲むことが多いような…麦茶にするか、黒影さんは苦めのチョコとか食べてるし、微糖のカフェラテとかにするか、波崎さんは炭酸とかかな?サイダーにするか、長谷川さんは……長谷川さん……」
長谷川さん以外はすぐに決めれたが、長谷川さんの飲み物だけが決まらなかった。
「あの人のこと分かんないしなー、ほとんど会ってないから……とりあえず…」
長谷川さんなら受け取ってくれそうな飲み物を選んだ。
コンコンコンッ……
控室のドアをノックした。
「はーい…どうぞー」
中から返事が聞こえてきたため、ドアを開けた。
まだ、みんなぐったりしているようでしんどそうだった。
「あっ…サポーターくん!」
波崎さんが体を起こして、俺を見てきた。
「これ、飲み物」
「えっ!買ってきてくれたのー?ありがとー」
波崎さんがすぐに買ってきたものの中から選んで行った。
「ん?……え?!」
「何ー?どうかした?」
波崎さんがキョトンとした顔でこっちを見てくる。波崎さんは麦茶を手に取ったのだ。
(俺の予想と違うやつ取りやがった!!こいつ…麦茶飲むんだ……)
意外すぎてちょっとびっくりした。
「いや、何でもない、好きに取ってくれ」
「そっかー……あー!!んっんっんっ……プハー!!生き返るー!!」
麦茶を一気飲みするぐらいの勢いで飲んでいた。
そして、他のみんなも飲み物を取って行った。長谷川さん以外は……
「……飲まないのか?」
「はぁ?何で私があんたが買ってきた飲み物を飲まないといけないわけ?嫌に決まってるでしょ?!」
「……そんなに嫌なのかよ……」
少なからず心にぐさっと来てしまった。これでもちゃんと高校生なのだ。同い年の女子にそれぐらい言われて傷つかない男子はいない。ましてや、女子からそう言われるのは……意外ときついのだ。
「……はぁ、飲みたいやつだけ持っていけ」
それだけ言うと、控室を出て行った。
「はぁ……意外とショック受けるんだなー俺もー」
ちょっと気分が悪いため、外の空気を吸っていた。
すると…
「白兎ーどう?仕事の方は…」
「……叔母さん」
叔母さんがのんびり歩いてきた。
「まあ、ぼちぼち?なんか、客が増えて、アイドル達がテンパってるって感じー」
「なるほどねー…まあ、あれだけ人がくれば驚くのも無理はないわ」
「本当にファンがいなかったんだなー」
「ええ…だから、あなたの力を彼女達に貸してあげてね?」
「……へーい」
渋々といった感じで返事をしておいた。
叔母さんと共に控室へ戻ろうとした。すると…
「何なんですか!!」
「へ?」
控室の部屋から長谷川さんの怒鳴る声が聞こえてきた。
俺と叔母さんは顔を見合わせた。お互いに聞こえた?何かあった?みたいな顔をしていたと思う。
控室のドアを静かに開けると、男の人とアイドルのみんなが見えた。
「お前達がどんなに頑張ってもお客さんをどうにかすることなんて出来ないんだよ!!このイベントの邪魔なんだから、とっとと消えてくれ!」
「何であなたの指示で私たちが消えなきゃいけないのよ!!いやなら、あなたが消えればいいじゃない!!」
「何を言ってるんだ!!君たちよりも人気のあるアイドルグループのマネージャーだ!!消えるわけがないだろう!!」
何やらこのイベントの邪魔扱いを俺たちはされているみたいだった。
「何の騒ぎですか?」
「!!!!こ、これはこれは……人気のない事務所の人……雨宮さん」
「すみませんねー人気のない事務所の者で!それで、このイベントから退けと?あんたの命令なんか聞くわけがないでしょ?」
「……お前達みたいな馬鹿がいるとはな……」
「何ですって?!」
叔母さんが怒りのこもった目つきで男を睨んだ。
「ふん!馬鹿がいると言ったのだ!貴様らに人気など来るはずがない!!」
(こいつ……なんかうざいな)
ここは俺が何か言うべきところではない。俺はただのサポーター……アイドルをサポートすることが役目なのだ。そうなんだけれど……
何だろう、自分のことを馬鹿にされたような気分になった。
だから、俺は気づくと、勝手に口走っていた。
「マネージャーが相手のアイドルグループを潰しに来るとか……きしょすぎるな…」
アイドルや叔母さんが驚いた表情をしていた。
「……おい!お前……なんて言った?」
「…耳まで遠いらしい。一発で言葉を理解できないみたいだ。まあ、仕方ないかー俺らよりもお爺さんだもんなー」
敢えて挑発した。
「貴様……俺を馬鹿にしているのか?」
「え?うん…え、そんなことも分かんないの?」
「てめー!!」
男が俺に掴み掛かってきた。そして、拳を強く握ると……
ガッ…!!
「いってー!!」
顔面を殴られた。
「クソガキが!!てめーか!!あの会場で大声で叫んだ奴は!!てめーのせいでこのイベントの計画が失敗したじゃねーか!!」
何度も何度も俺の顔面を殴ってきた。
(あーあ、言っちゃったー)
心の中でそう思うと、殴られながら俺は叔母さんの方を見た。叔母さんが驚いた顔をした後、ニヤッと笑った。
そして…
「警備員さーん、ここに暴力を振るってるやついまーす。急いで来てくださーい」
「なっ…!!」
男が一瞬動きを止めて、叔母さんを見た。俺はその一瞬の隙を逃さなかった。
ドコッ!!
「がはっ……」
男の懐に一発重いパンチを喰らわせた。あまりの威力に男は後ろに倒れた。
俺は立ち上がると、男の腹に足を置き、体重をかけた。
「ったく……ボカスカ殴りやがって……くっそいってー」
顔をさすりながら男を見た。まだ、痛いのか苦しそうな顔をしていた。でも、目はまだ俺を睨んでいた。
「はぁ……俺を先に殴ったんだからさー正当防衛だよね?」
にっこり笑って言った。
「一回、死んでこい!」
ドンッ!!
「グヘェ……!!」
男の顔面を足で踏んづけてやった。
そして、
「はーい、よいしょーー!」
意識を失った瞬間に担ぎ上げて、通路の奥まで投げ飛ばしてやった。
パンパン…
手をはらうと…叔母さんに向き直って、
「めんどくさいから投げたけれどあれでいい?」
「ふふふ……ええ!良いわよ、あんな馬鹿にはお似合いねー」
すっごくスッキリしたような顔をしていた。
「ちょ、ちょっと!!何してんのよ!!」
長谷川さんがびっくりした顔をしながら、俺たちのところに来た。
「な、何が何だか全然分からないけれど……あの人!有名なアイドルのマネージャーさんだよ!!投げ飛ばすとか……そんなのしたら……」
めっちゃ不安そうな顔をしていた。だから…
「いや、大丈夫だよー、この状況をもう既に報告してるからねー向こうの事務所に」
「へ?」
さらにびっくりした顔で長谷川さんは俺を見てきた。
「……矢那咲さーん、お伝え出来ましたかー?」
「えっと……はい」
矢那咲さんが控室の隅っこからひょっこり姿を現した。実は、この控室に戻る前に、叔母さんに矢那咲さんを控室の隅っこに移動するように伝えてとお願いしていた。
その連絡を見た、矢那咲さんはちゃんと控室の隅っこに移動してくれたのだ。
そして、俺が殴られる瞬間に叔母さんが矢那咲さんに録音するように伝えた。
だから、彼女は録音を開始してくれたのだ。
「今さっきのやり取りの録音を向こうの社長さんに送ってもらったんですよー、仕事の関係上、連絡先ぐらいは交換してるでしょうから」
「……送りました。ちゃ、ちゃんと……」
矢那咲さんは少し不安そうにしながら言ってきた。
「だ、大丈夫なんですかー?」
波崎さんが心配そうに聞いてきた。
「まあ、大丈夫大丈夫!向こうもこれでしばらくは動けないだろうし…ま、なんかしてきたらそれ相応の対応をさせてもらうけれどねー、忠告みたいなものだよー」
にっこり笑ってそう言った。
矢那咲さんにさっきの音声を送りつけると共に、こう連絡を入れてもらったから……
『このイベントの計画……ある程度分かってますけれど…今度、こんなくだらない方法で潰しに来た場合……あんたには事務所が経営出来ないようにしてあげるから……覚えておきな?
by雨宮』
(ま、これでくだらないことをしなくなれば良いけれど、多分そうはいかないと思うから……次の作戦考えないとなー)
そう思いながら、叔母さんと控室に入った。
「怪我はしていないね?」
「はい……大丈夫です」
「なら、良かったわー」
叔母さんとアイドルが話していた。俺は控室の後ろの方でその様子を見ていた。すると…
「本当にあれで良かったのかしら…」
「矢那咲さん」
ちょっと不安そうな顔をしながらこっちに来た。
「だって、やりすぎな気がして…」
「まあ、ちょっとやりすぎたかもです。でも、彼は俺にやられたってことで、何かしてくることはないと思います。」
「……そうね、あの達が怪我してなくて良かった」
矢那咲さんがアイドルのみんなを見ていた。
「まあ、怪我しないように守るのが俺の役目らしいんで…」
「そうね…」
「そういえばあいつが言っていた三鹿って人のことなんですけれど…あいつ、多分、俺知ってるんですよねー」
「え!!知ってるの?三鹿さんのこと…」
「まあ、はい…ちょっと知り合いに聞いたので…」
「そう…多分、今回の件は彼が関わっていると思う。」
「ですよねー……めんどくさー」
アイドル達の方を見て、俺は思った。
(俺、こいつらのために出来ることないかな?)
そして、イベントが終了した。
※あとがき
何とか無事にイベントが終わったー!!
くっそしんどかったー!!
さてさて、三鹿って野郎、めんどくさいやつみたいだ…
とにかく、注意してすごさねぇとなー
次回、アイドルとの関わり
お楽しみに
会場に集まっているお客さんを誘導したり、商品を運んできたりして、このイベントが成功するように手伝っていたのだが……
「うーん……あれは…いまいちか?」
アイドルたちの握手会を見ると、なんかぎこちない感じがあった。長谷川さんとか他のアイドルたちも必死ではあるのだが…何だか、ファンの人と触れ合いたくなさそうな雰囲気があった。
(緊張しているからなのか……それとも、何かあるのか……)
まだ、露骨に嫌がっている感じではないけれど…ちょっとしんどそうだった。
俺はすぐに矢那咲さんのところに向かった。
「矢那咲さん!」
「ん?……ああ、雨宮くん……」
なんかやつれている矢那咲さんがいた。
「えっと大丈夫ですか?」
「え、ええ……ちょ、ちょっとしんどいだけで……大丈夫よ」
フラフラしながら立っている矢那咲さん…
(もしかして……)
俺はそこで何かに気づいた。
「矢那咲さん、あの子達のところにファンってあれほど来ますか?」
握手会のブースに結構な人の数があった。
「………」
矢那咲さんもその人の数に少し絶望したような表情をした。そして、こう言った。
「いいえ、なかったわ…」
「マジですか?」
「ええ……10人来たらすごいって思っていた感じだったから」
「へぇー……って10人?!マジで言ってます?!」
俺は驚きすぎて口が大きく開いたままになった。
「ええ……だから、こんなにお客さんが来るなんて思わなくて……」
ヘロヘロになりながら答えてくれた矢那咲さん。
本当に数人しかファンがいなかったのだと分かった。
(こりゃー参ったな……はぁ……)
俺は深いため息をついた。
「………」
アイドルのみんなが控室で黙り込んでいた。みんな疲れているようだった。
(まあ、あれだけお客さんが来たらびっくりするのと、対応するので頭がこんがらがるからなー)
5人のために何か飲み物を用意することにした。ただ、問題が……
「あいつらって何が好きなんだ?」
好きな飲み物が分からなかった。
「うーん、当てずっぽうで決めてもいいけれど……一応、矢那咲さんに聞くか……」
連絡を入れてみたが、既読がつかない……
「忙しいか……うーん、どうしよう」
自販機と睨めっこしながら考えた。
普段、みんなが何をよく食べているのかを思い出そうとした。
「小雀さんは甘いお菓子とか食べてたから、甘い飲み物でいいか、濱中さんはお茶を飲むことが多いような…麦茶にするか、黒影さんは苦めのチョコとか食べてるし、微糖のカフェラテとかにするか、波崎さんは炭酸とかかな?サイダーにするか、長谷川さんは……長谷川さん……」
長谷川さん以外はすぐに決めれたが、長谷川さんの飲み物だけが決まらなかった。
「あの人のこと分かんないしなー、ほとんど会ってないから……とりあえず…」
長谷川さんなら受け取ってくれそうな飲み物を選んだ。
コンコンコンッ……
控室のドアをノックした。
「はーい…どうぞー」
中から返事が聞こえてきたため、ドアを開けた。
まだ、みんなぐったりしているようでしんどそうだった。
「あっ…サポーターくん!」
波崎さんが体を起こして、俺を見てきた。
「これ、飲み物」
「えっ!買ってきてくれたのー?ありがとー」
波崎さんがすぐに買ってきたものの中から選んで行った。
「ん?……え?!」
「何ー?どうかした?」
波崎さんがキョトンとした顔でこっちを見てくる。波崎さんは麦茶を手に取ったのだ。
(俺の予想と違うやつ取りやがった!!こいつ…麦茶飲むんだ……)
意外すぎてちょっとびっくりした。
「いや、何でもない、好きに取ってくれ」
「そっかー……あー!!んっんっんっ……プハー!!生き返るー!!」
麦茶を一気飲みするぐらいの勢いで飲んでいた。
そして、他のみんなも飲み物を取って行った。長谷川さん以外は……
「……飲まないのか?」
「はぁ?何で私があんたが買ってきた飲み物を飲まないといけないわけ?嫌に決まってるでしょ?!」
「……そんなに嫌なのかよ……」
少なからず心にぐさっと来てしまった。これでもちゃんと高校生なのだ。同い年の女子にそれぐらい言われて傷つかない男子はいない。ましてや、女子からそう言われるのは……意外ときついのだ。
「……はぁ、飲みたいやつだけ持っていけ」
それだけ言うと、控室を出て行った。
「はぁ……意外とショック受けるんだなー俺もー」
ちょっと気分が悪いため、外の空気を吸っていた。
すると…
「白兎ーどう?仕事の方は…」
「……叔母さん」
叔母さんがのんびり歩いてきた。
「まあ、ぼちぼち?なんか、客が増えて、アイドル達がテンパってるって感じー」
「なるほどねー…まあ、あれだけ人がくれば驚くのも無理はないわ」
「本当にファンがいなかったんだなー」
「ええ…だから、あなたの力を彼女達に貸してあげてね?」
「……へーい」
渋々といった感じで返事をしておいた。
叔母さんと共に控室へ戻ろうとした。すると…
「何なんですか!!」
「へ?」
控室の部屋から長谷川さんの怒鳴る声が聞こえてきた。
俺と叔母さんは顔を見合わせた。お互いに聞こえた?何かあった?みたいな顔をしていたと思う。
控室のドアを静かに開けると、男の人とアイドルのみんなが見えた。
「お前達がどんなに頑張ってもお客さんをどうにかすることなんて出来ないんだよ!!このイベントの邪魔なんだから、とっとと消えてくれ!」
「何であなたの指示で私たちが消えなきゃいけないのよ!!いやなら、あなたが消えればいいじゃない!!」
「何を言ってるんだ!!君たちよりも人気のあるアイドルグループのマネージャーだ!!消えるわけがないだろう!!」
何やらこのイベントの邪魔扱いを俺たちはされているみたいだった。
「何の騒ぎですか?」
「!!!!こ、これはこれは……人気のない事務所の人……雨宮さん」
「すみませんねー人気のない事務所の者で!それで、このイベントから退けと?あんたの命令なんか聞くわけがないでしょ?」
「……お前達みたいな馬鹿がいるとはな……」
「何ですって?!」
叔母さんが怒りのこもった目つきで男を睨んだ。
「ふん!馬鹿がいると言ったのだ!貴様らに人気など来るはずがない!!」
(こいつ……なんかうざいな)
ここは俺が何か言うべきところではない。俺はただのサポーター……アイドルをサポートすることが役目なのだ。そうなんだけれど……
何だろう、自分のことを馬鹿にされたような気分になった。
だから、俺は気づくと、勝手に口走っていた。
「マネージャーが相手のアイドルグループを潰しに来るとか……きしょすぎるな…」
アイドルや叔母さんが驚いた表情をしていた。
「……おい!お前……なんて言った?」
「…耳まで遠いらしい。一発で言葉を理解できないみたいだ。まあ、仕方ないかー俺らよりもお爺さんだもんなー」
敢えて挑発した。
「貴様……俺を馬鹿にしているのか?」
「え?うん…え、そんなことも分かんないの?」
「てめー!!」
男が俺に掴み掛かってきた。そして、拳を強く握ると……
ガッ…!!
「いってー!!」
顔面を殴られた。
「クソガキが!!てめーか!!あの会場で大声で叫んだ奴は!!てめーのせいでこのイベントの計画が失敗したじゃねーか!!」
何度も何度も俺の顔面を殴ってきた。
(あーあ、言っちゃったー)
心の中でそう思うと、殴られながら俺は叔母さんの方を見た。叔母さんが驚いた顔をした後、ニヤッと笑った。
そして…
「警備員さーん、ここに暴力を振るってるやついまーす。急いで来てくださーい」
「なっ…!!」
男が一瞬動きを止めて、叔母さんを見た。俺はその一瞬の隙を逃さなかった。
ドコッ!!
「がはっ……」
男の懐に一発重いパンチを喰らわせた。あまりの威力に男は後ろに倒れた。
俺は立ち上がると、男の腹に足を置き、体重をかけた。
「ったく……ボカスカ殴りやがって……くっそいってー」
顔をさすりながら男を見た。まだ、痛いのか苦しそうな顔をしていた。でも、目はまだ俺を睨んでいた。
「はぁ……俺を先に殴ったんだからさー正当防衛だよね?」
にっこり笑って言った。
「一回、死んでこい!」
ドンッ!!
「グヘェ……!!」
男の顔面を足で踏んづけてやった。
そして、
「はーい、よいしょーー!」
意識を失った瞬間に担ぎ上げて、通路の奥まで投げ飛ばしてやった。
パンパン…
手をはらうと…叔母さんに向き直って、
「めんどくさいから投げたけれどあれでいい?」
「ふふふ……ええ!良いわよ、あんな馬鹿にはお似合いねー」
すっごくスッキリしたような顔をしていた。
「ちょ、ちょっと!!何してんのよ!!」
長谷川さんがびっくりした顔をしながら、俺たちのところに来た。
「な、何が何だか全然分からないけれど……あの人!有名なアイドルのマネージャーさんだよ!!投げ飛ばすとか……そんなのしたら……」
めっちゃ不安そうな顔をしていた。だから…
「いや、大丈夫だよー、この状況をもう既に報告してるからねー向こうの事務所に」
「へ?」
さらにびっくりした顔で長谷川さんは俺を見てきた。
「……矢那咲さーん、お伝え出来ましたかー?」
「えっと……はい」
矢那咲さんが控室の隅っこからひょっこり姿を現した。実は、この控室に戻る前に、叔母さんに矢那咲さんを控室の隅っこに移動するように伝えてとお願いしていた。
その連絡を見た、矢那咲さんはちゃんと控室の隅っこに移動してくれたのだ。
そして、俺が殴られる瞬間に叔母さんが矢那咲さんに録音するように伝えた。
だから、彼女は録音を開始してくれたのだ。
「今さっきのやり取りの録音を向こうの社長さんに送ってもらったんですよー、仕事の関係上、連絡先ぐらいは交換してるでしょうから」
「……送りました。ちゃ、ちゃんと……」
矢那咲さんは少し不安そうにしながら言ってきた。
「だ、大丈夫なんですかー?」
波崎さんが心配そうに聞いてきた。
「まあ、大丈夫大丈夫!向こうもこれでしばらくは動けないだろうし…ま、なんかしてきたらそれ相応の対応をさせてもらうけれどねー、忠告みたいなものだよー」
にっこり笑ってそう言った。
矢那咲さんにさっきの音声を送りつけると共に、こう連絡を入れてもらったから……
『このイベントの計画……ある程度分かってますけれど…今度、こんなくだらない方法で潰しに来た場合……あんたには事務所が経営出来ないようにしてあげるから……覚えておきな?
by雨宮』
(ま、これでくだらないことをしなくなれば良いけれど、多分そうはいかないと思うから……次の作戦考えないとなー)
そう思いながら、叔母さんと控室に入った。
「怪我はしていないね?」
「はい……大丈夫です」
「なら、良かったわー」
叔母さんとアイドルが話していた。俺は控室の後ろの方でその様子を見ていた。すると…
「本当にあれで良かったのかしら…」
「矢那咲さん」
ちょっと不安そうな顔をしながらこっちに来た。
「だって、やりすぎな気がして…」
「まあ、ちょっとやりすぎたかもです。でも、彼は俺にやられたってことで、何かしてくることはないと思います。」
「……そうね、あの達が怪我してなくて良かった」
矢那咲さんがアイドルのみんなを見ていた。
「まあ、怪我しないように守るのが俺の役目らしいんで…」
「そうね…」
「そういえばあいつが言っていた三鹿って人のことなんですけれど…あいつ、多分、俺知ってるんですよねー」
「え!!知ってるの?三鹿さんのこと…」
「まあ、はい…ちょっと知り合いに聞いたので…」
「そう…多分、今回の件は彼が関わっていると思う。」
「ですよねー……めんどくさー」
アイドル達の方を見て、俺は思った。
(俺、こいつらのために出来ることないかな?)
そして、イベントが終了した。
※あとがき
何とか無事にイベントが終わったー!!
くっそしんどかったー!!
さてさて、三鹿って野郎、めんどくさいやつみたいだ…
とにかく、注意してすごさねぇとなー
次回、アイドルとの関わり
お楽しみに
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