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第2章
僕のお姉ちゃん
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春の始まりに、両親が離婚した。住んでいたドイツから母の実家がある日本へと引っ越しをした。何度か日本には行ったことはあったし、母親とは日本語で会話していたので、すぐに慣れるかと思った。
だけれど、登校した小学校初日はあまりの習慣の違いに、ずっと緊張したままだった。同級生が話しかけてくる日本語も、宇宙語のようであまり理解ができなかった。
初日は母親が迎えに来てくれて、手を引かれて帰ったけれども。2日目はそうではなかった。朝来た道をたどって帰ろうとしたら、道が分からなくなった。
道端でうずくまる。日本に来て、初めて泣いた。いや、両親が離婚してから、初めてだった。なんで僕がこんな目に合わなきゃ行けないんだろう。そう思うと、ぼろぼろ涙が出てきた。
「どうしたの」
その時、頭上から声がした。ランドセルを背を負った、女の子だった。自分が小学2年生だったからだろうか。その時小学4年生だった彼女が、とても大きく感じた。
「いえ、分からなくなって」
「え?大変だ。うーんと。とりあえず、はい、これ」
そのお姉ちゃんはハンカチを手渡してくれて、僕が泣き止むまで背をさすってくれた。落ち着くと、手を引いてくれて、一緒に家を探してくれた。どうにか道を思い出して、家の前に着くと、帰りが遅いと思った母親が家を飛び出すところだった。そこからまた大泣きして、母に抱きついて。
「お家見つかってよかったね」
「……うん、ありがとう。ゆき姉ちゃん」
「うん、また学校でね。リョウ君」
お姉ちゃんが見えなくなるまで、僕はずっと手を振っていた。
それから僕は、度々4年生の廊下前を通った。教室の窓から、顔を出すと、ゆき姉ちゃんが手を振ってくれた。それだけで、嬉しかった。
段々と生活にも慣れて、友達もできた矢先、夏休みになった。勉強もないし、旅行に行ったりして楽しかったけれど。
早く新学期が来てほしかった。
ゆき姉ちゃんに会いたかった。
そして迎えた2学期。意気揚々と学校に登校すると、ゆき姉ちゃんはいなかった。なんでも、夏休み中に引っ越したらしい。
愕然とした。
両親が離婚した時よりも、ずっと。ショックだった。
それからずっと、僕は。
俺は、初恋を拗らせている。
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