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出発
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6月中旬…
「おーいおい、夏休みまで後1ヶ月かよぉ。」俺は自室のカレンダーを見てため息を吐いた。夏休みは毎年だいたい7月中旬~9月の頭までだから、後1ヶ月も学校に行かなくてはならない。
「最近この辺り暑すぎるだろ…もう少し早く休みでもいーんじゃんねーか?」
ピロン!
俺のケータイが鳴った。おそらく学校の仲間だろう。俺は布団の上にあるケータイを取り、開いた。確かにメッセージは来ていたんだが、差出人が知らないやつだ。誰だ…。
「明日の午後6時、駅前のスタバに来るべし。」
やっべ、誰だかわからねぇ奴にスタバ来いって言われたんだけど。とりあえず返信しとくか。
「あんただれ?」っと。これでよし。ん?このアイコン…どっかで見た気がする。
「あっ!送り主間違えました。ごめんなさい。」
そう送ってきた。は?間違えたって?どうして俺のID知ってんだよ。まぁ、いいか間違えたってことはもう送って来ないだろう。と、俺が安心していると次のメッセージが届いた。
「私と一緒に冒険に行かないか?」
冒険。それは日常とかけ離れた状況の中で、なんらかの目的のために危険に満ちた体験の中に身を置くことである。ということは、俺は危険な道を進むのか。ごめんだね。さっさと断ってアニメでも観よ。
「悪いが、宗教の勧誘ならお断りだぜ。それに、俺は危険なのがイヤだからな。」
ピロン!とケータイが鳴ったが俺は無視した。
「どうせしつこく勧誘してくんだろ。ブロックするか。」と俺がもう一度ケータイを取ると、その考えは一瞬にして消えた。
「危険がイヤか。そんなのではまともに私生活もおくれまい。これは、お前の精神を鍛える修行だ。この修行が終われば、お前は人が変わったように強くなれる。」
そうか、危険じゃねぇのか。なら暇だし…行くか。
「よし。付き合ってやる。明日の午後6時、駅前のスタバだな。」
行ってやるさ。このまま腰抜けとは思われたくない。俺がメッセージを送ると数秒で返信がきた。その時、俺は確信した。絶対暇人だ。
「わかった。装備や食料はこちらで用意する。お前は自分が必要と思う物を持ってくるがいい。」
次の日
俺は午後5時に家を出て1時間ほどでスタバに到着した。店の前にいるらしいがまだそいつは来てなさそうだ。俺が集合場所で待っていると数分後変な格好をした女が近づいてきた。そいつは灰色の古びれたコートを着て腰には長い剣があった。明らかに変な格好なので、俺は警戒した。
その女は
「ほう。なかなか悪くないな。」と言い、俺をまじまじ見てきた。
「あんたか、俺に変なメッセージ送ってきたのは。」
俺がそう言うと女が少し驚いたように、「いいや。私ではない。」と言った。
なんだって?ならどうして俺はここにいるんだ。いくつかの疑問が浮かぶ中女はゆっくり俺の顔を見上げ、
「お前をここに呼んだのは私ではなく、我が国のお偉いさん方だ。」
「我が国?お前はどっから来たんだ?」
「今はこんな話をしている場合ではない。とにかくついてくるんだ。」
ついてこい…か。マジでどこ行くんだろ…。俺は不安になってきた。確かにこいつは日本人とは言えない格好をしているが、日本で剣を持って歩いてたら通報されるぞ。一緒にいたらグルと思われないか?
俺が色々考えていると、心を読んだように
「私の姿はお前しか見えない。だから捕まりはしないんだよ。」と言った。なんだ、姿が見えてないのか。俺が納得していると、目の前に大きな馬車が止まった。
「なんだ、ただの馬車か。え、馬車!?」俺が最大限にビックリしていると、通行人が俺を見てきた。
そうか、これも見えてないのか。
「乗れ。」車掌らしき人物がそれだけ言うとすぐに前を向いた。俺が乗り込むと馬車は発車し、市街地へ向けて全速力で進んだ。
「おい!このままじゃぶつかるぞ!」俺がそう叫ぶと女が、
「ぶつかりはしない。安心しろ。」と言ってきた。安心できるかよ。するとなんと馬車が浮き始め、空に大きな穴が開いた。これを異世界への入り口って言うのか。
「さぁ、出発だ!」車掌がそう叫びゲートを通った。
「おーいおい、夏休みまで後1ヶ月かよぉ。」俺は自室のカレンダーを見てため息を吐いた。夏休みは毎年だいたい7月中旬~9月の頭までだから、後1ヶ月も学校に行かなくてはならない。
「最近この辺り暑すぎるだろ…もう少し早く休みでもいーんじゃんねーか?」
ピロン!
俺のケータイが鳴った。おそらく学校の仲間だろう。俺は布団の上にあるケータイを取り、開いた。確かにメッセージは来ていたんだが、差出人が知らないやつだ。誰だ…。
「明日の午後6時、駅前のスタバに来るべし。」
やっべ、誰だかわからねぇ奴にスタバ来いって言われたんだけど。とりあえず返信しとくか。
「あんただれ?」っと。これでよし。ん?このアイコン…どっかで見た気がする。
「あっ!送り主間違えました。ごめんなさい。」
そう送ってきた。は?間違えたって?どうして俺のID知ってんだよ。まぁ、いいか間違えたってことはもう送って来ないだろう。と、俺が安心していると次のメッセージが届いた。
「私と一緒に冒険に行かないか?」
冒険。それは日常とかけ離れた状況の中で、なんらかの目的のために危険に満ちた体験の中に身を置くことである。ということは、俺は危険な道を進むのか。ごめんだね。さっさと断ってアニメでも観よ。
「悪いが、宗教の勧誘ならお断りだぜ。それに、俺は危険なのがイヤだからな。」
ピロン!とケータイが鳴ったが俺は無視した。
「どうせしつこく勧誘してくんだろ。ブロックするか。」と俺がもう一度ケータイを取ると、その考えは一瞬にして消えた。
「危険がイヤか。そんなのではまともに私生活もおくれまい。これは、お前の精神を鍛える修行だ。この修行が終われば、お前は人が変わったように強くなれる。」
そうか、危険じゃねぇのか。なら暇だし…行くか。
「よし。付き合ってやる。明日の午後6時、駅前のスタバだな。」
行ってやるさ。このまま腰抜けとは思われたくない。俺がメッセージを送ると数秒で返信がきた。その時、俺は確信した。絶対暇人だ。
「わかった。装備や食料はこちらで用意する。お前は自分が必要と思う物を持ってくるがいい。」
次の日
俺は午後5時に家を出て1時間ほどでスタバに到着した。店の前にいるらしいがまだそいつは来てなさそうだ。俺が集合場所で待っていると数分後変な格好をした女が近づいてきた。そいつは灰色の古びれたコートを着て腰には長い剣があった。明らかに変な格好なので、俺は警戒した。
その女は
「ほう。なかなか悪くないな。」と言い、俺をまじまじ見てきた。
「あんたか、俺に変なメッセージ送ってきたのは。」
俺がそう言うと女が少し驚いたように、「いいや。私ではない。」と言った。
なんだって?ならどうして俺はここにいるんだ。いくつかの疑問が浮かぶ中女はゆっくり俺の顔を見上げ、
「お前をここに呼んだのは私ではなく、我が国のお偉いさん方だ。」
「我が国?お前はどっから来たんだ?」
「今はこんな話をしている場合ではない。とにかくついてくるんだ。」
ついてこい…か。マジでどこ行くんだろ…。俺は不安になってきた。確かにこいつは日本人とは言えない格好をしているが、日本で剣を持って歩いてたら通報されるぞ。一緒にいたらグルと思われないか?
俺が色々考えていると、心を読んだように
「私の姿はお前しか見えない。だから捕まりはしないんだよ。」と言った。なんだ、姿が見えてないのか。俺が納得していると、目の前に大きな馬車が止まった。
「なんだ、ただの馬車か。え、馬車!?」俺が最大限にビックリしていると、通行人が俺を見てきた。
そうか、これも見えてないのか。
「乗れ。」車掌らしき人物がそれだけ言うとすぐに前を向いた。俺が乗り込むと馬車は発車し、市街地へ向けて全速力で進んだ。
「おい!このままじゃぶつかるぞ!」俺がそう叫ぶと女が、
「ぶつかりはしない。安心しろ。」と言ってきた。安心できるかよ。するとなんと馬車が浮き始め、空に大きな穴が開いた。これを異世界への入り口って言うのか。
「さぁ、出発だ!」車掌がそう叫びゲートを通った。
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