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オストラバ王国
第35話:正義の在り方
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「……」
アズライトは机の上で目を覚ました。父アゲートの言葉を無視して、結局夜通し王室文庫に籠り
何か手掛かりはないかと細かい所まで調べ尽くしながらいつのまにか眠っていた。
「……バレないうちに戻るか」
アズライトはそうぼやくと、王室文庫を後にした。幸い、父親に会う事はなく城を出る事ができた。
城の内部には多くの使用人や騎士、兵士、門兵が存在しているが、元騎士であるアズライトの城の出入りは許可されている。
城からそう遠くない場所にある別荘へ戻り、扉をあけるとすぐにインザームとルチルが二人で椅子の上で仲良く眠っているのを見た。
ルチルはインザームの膝の上ですやすやと寝顔を見せていた。
「まるで……親子だな」
ルチルは今までアズライト以外と親しくした事はない。フェアと違い、エルフという事で迫害をされ続けてきたわけではないが、人間に襲われた時の恐怖が
心に残っているからかもしれない。
エルフの魔力は魔族とそう変わらないものの、生来心優しいエルフは自ら人間に危害を加える事は殆どない。その優しい心を利用して不意打ちや何重にも罠を張ってエルフを追いつめるのが
他種族撲滅運動の過激派のやり方であった。
「んっ……。 あ! アズアズっ! 遅かったー! お腹すいたよー」
ルチルはアズライトを見かけて小走りするとそのまま抱き着いて上目遣いをした。
「ああ、すまない。 昨晩は何も食べてないのかい?」
「この家何もない……。外に出ようとしたら、おじいちゃんに止められた……」
アズライトとルチルが二人で話していると、インザームも目を覚ました。
「……おはよう。 どこにいるのかと一瞬驚いたわい。 おかえり、アズライト」
「ただいまです」
アズライトは不思議に思っていた。インザームには自分に対しての悪意がまったくない。仮にも敵として命を狙ったはずにも拘らず、まるでそんな事は無かったかの様に。
インザームを殺す覚悟があるものの、複雑な感情が頭が過る。
「大したものではないが、途中で食べるものを買ってきたよ。 ルチルには悪いが、甘い物はないよ」
「えー! カチカチのパンきらい……」
「ルチルや、アズライトはワシのために動いてくれておる。すまんの」
「……残念ながら、特にあなたの無実を証明する様な手掛かりはありませんでした。 ヴェルネルとレムリを殺したという歴史上の記載のみです」
「おじひちゃんはふぁってないーーーー!」
ルチルがカチカチのパンを頬張りながら否定した。
「グラドノ街壊滅事件に関しても同様で北のセーヴェルが謎の攻撃を受けて街ごと消滅してしまったと。 一人だけ……目撃者がいて魔法障壁で難を逃れたらしいのですが
名前までは書いてありませんでした」
「ふむ……」
アズライトはできるだけインザームの言葉を信じようとしていた。しかし、父上からも城へ入るなと釘を刺された上に、何度も出入りしていては怪しまれてしまう。
転生術を行い寿命を大幅に短くしてでも、魔法を使えるようにした事も頭に引っかかっていた。逃亡だけを考えるなら、付け焼刃の魔法より、ドワーフが持つ生来の力を発揮したほうが何倍も安全だからだ。
「ですが、出来る限りの事はさせてもらいます。私は家を空けるので、二人はここで待機してもらえますか」
「勿論じゃ」
「えー!アズアズ冷たい! ……おじいちゃん! 勝負してあそぼ~」
ルチルはそういうと、パンを咥えながらボードゲームをインザームの前にひっぱりだしてきた。
アズライトはその姿を愛しく思いながらも別荘を後にした。広大なオストラバ王国の街並みを歩きながら、30年前以上の事を知っているかもしれない人にに聞き込みをする為
普段は行かない場所や買い物ついでにどんなささやかな事でもいいと聞いて廻ったが、ただの一つの手掛りも得られなかった。
帰り際、アズライトは母ローズ・クォーツの王室墓標へ向かった。城より少し南にある緑に囲まれた礼拝堂の近くに貴族や伯爵や騎士の墓が綺麗に並べられていた。
街の聞き込みの途中で購入した薔薇の花束を墓標に置くとアズライトは膝をついた。
「……母上。 私は悩んでいます。どうすればいいのか……」
アズライトは今まで国に仇を為した多くの罪人を断罪人として裁いてきた。勿論、中には自分は無実だと声を荒げる者や最後まで悪党の様に抵抗する輩もいた。
その誰もを正義の名の元に等しく命を奪った。 自分が行ってきた仕事を疑うの初めての事であった。
いつものアズライトであれば、問答無用でインザームの命を絶った。しかし、転生術を行ったインザーム。ヴェルネルとレムリを殺してないと必死に抵抗したアイレ。
ルチルの言動。その全てがアズライトを迷わせた。 もし、伝説のヴェルネルとレムリが不名誉な死を遂げたのであれば事実を明らかないしないといけない。
「何が正しいのか、間違いなのかわからないんです」
無実を証明できないインザームを殺さないという選択は、今までの仕事を否定する事になる。騎士の名を無くし、断罪人としての誇りも失ってしまえば
アズライトには何も残らない。
「私は……伝説のヴェルネルとレムリの様に……ただ、なりたかったんです」
アズライトは答えのない問いを母ローズ・クォーツの墓標でずっと投げかけた。太陽は既に沈んでいて風が吹くと同時に木がざわめいて心地良い音を奏でた。
長い間、母の墓碑を見つめていたアズライトは、突然起き上がるとインザームとレムリが待つ別荘へ向かった。
静かに扉をあけて中に入った。二人はまた一日中ゲームをして過ごした様で少し離れた場所の椅子の上でぐっすりと眠っていた。
アズライトはインザームを見つめると、帯刀している剣を抜き静かに魔力を込めた。 その剣には悲しげな殺気が宿っていた。
「……せめて安らかに」
アズライトはインザームを殺す事に決めた。 父上の事を信じたわけでも、インザームやルチルの言葉が嘘だと思ったわけではない。
自分が今まで行った正義が間違っていた事を認めるのが怖かったからだ。
無実の証拠がないインザームの話しを信じるという事は、自分の中の正義を裏切るという事。 断罪人はアズライトに残されたただ一つの生きる意味であり正義だった。
「……すまない」
アズライトは魔力の込めた剣でインザームを苦しめる事なく殺そうとした。本気を出せば一撃で痛みもなく死を与える事ができる。
目を瞑り深いタメ息を吐いた後にアズライトは再び目をあけて覚悟を決めた。その時、横から現れたルチルが両手を広げてインザームを守るように前に立った。
「アズライト、ダメだよ」
「……そこをどくんだ。ルチル」
「どかない。この人の心は穢れてない。ルチルはわかる」
「……はやくどけ! ルチル!」
アズライトは出会ってから初めてルチルに恫喝した。覚悟がブレないように自分に言い聞かせている様にも見えた。
「アズライト、あなたにもわかっているはずだよ」
「ルチル、お前に何がわかる!? 僕は断罪人として正義を全うするだけだ!」
「アズライト……安心して、今までのあなたは正しかった。でも今回だけ……間違えただけだよ。ルチルの言葉を信じて」
アズライトはルチルの言葉を聞きながら気が付かない内に涙を流していた。ルチルはゆっくりと近づくと剣を構えているアズライトを抱きしめた。
アズライトは誰よりも正義感が強く、騎士を目指した時もルチルを保護した時もヴェルネルとレムリの様に分け隔てない世界を作ろうとしていた。そんな自分が行っていた正義が
もし間違っていたらと恐怖が頭を支配した。 断罪人として、国にただ言い様に使われていたとしたら? 今まで殺した人物は全て無実だったとしたら? 自分はただの殺人者かもしれない。と
間違いを認めるわけいはいかない、インザームを殺すしかないと覚悟を決めていた。幼少期から優秀が故に孤独で、一番の理解者の母は死んでしまった。
故郷に友人と呼べる人はおらず、実の父親に騎士の名を剥奪された。 断罪人としての正義だけがアズライトに残された生きる意味だった。
ルチルはそんなアズライトの心を全て理解していた。ルチルの言葉はアズライトの心に深く突き刺さると剣を落とし膝をついた。
「僕は……僕は……ただ、誰もが苦しまない世界を……誰もが幸せに生きる権利を……」
「何も言わなくていいの。あなたはどんな人よりも心が優しい。あなたはルチルを幸せにしてくれた。……世界中の誰よりも素敵な人だよ」
ルチルは大粒の涙を流しているアズライトの頭をゆっくりと撫でた。まるで母親の様に。それから少しして
「……インザーム」
ルチルが後ろを見ずにインザームに声をかけた。
「大人しく……しておくつもりだったのじゃが」
インザームはアズライトに殺されても良いと思っていた。30年間の逃亡生活に疲れていた事もあったかもしれないが
アイレをこの世界で生きれる様に強くした事、誰も信じてくれなかった自分の話を聞いてくれたアズライトに感謝をしていた。
最後にヴェルネルとレムリがいた時の様にほんの少し旅をできた事が嬉しかった。
「こっちへきて」
インザームはルチルに呼ばれると、まだ膝を付いて泣いているアズライトに寄り添った。
「ワシのせいで……つらい思いをさせてすまんな」
「……私は……あなたと一緒に真実を解明します」
「……険しい道になるかもしれんが……」
「ルチルもっ! おじいちゃんとアズアズの側にいるよ!」
3人はお互いを認め合い、アズライトはヴェルネルとレムリの死の真実を解き明かすと共にインザームの汚名を晴らす本当の正義を全うする覚悟を込めた。
その時、事件は起こった。
ヴルダヴァで轟音が鳴り響いた同日同時刻。
このオストラバ王国でも全く同じ金属音のような聞いたこともない不快な爆音が鳴り響いた。
アズライトは机の上で目を覚ました。父アゲートの言葉を無視して、結局夜通し王室文庫に籠り
何か手掛かりはないかと細かい所まで調べ尽くしながらいつのまにか眠っていた。
「……バレないうちに戻るか」
アズライトはそうぼやくと、王室文庫を後にした。幸い、父親に会う事はなく城を出る事ができた。
城の内部には多くの使用人や騎士、兵士、門兵が存在しているが、元騎士であるアズライトの城の出入りは許可されている。
城からそう遠くない場所にある別荘へ戻り、扉をあけるとすぐにインザームとルチルが二人で椅子の上で仲良く眠っているのを見た。
ルチルはインザームの膝の上ですやすやと寝顔を見せていた。
「まるで……親子だな」
ルチルは今までアズライト以外と親しくした事はない。フェアと違い、エルフという事で迫害をされ続けてきたわけではないが、人間に襲われた時の恐怖が
心に残っているからかもしれない。
エルフの魔力は魔族とそう変わらないものの、生来心優しいエルフは自ら人間に危害を加える事は殆どない。その優しい心を利用して不意打ちや何重にも罠を張ってエルフを追いつめるのが
他種族撲滅運動の過激派のやり方であった。
「んっ……。 あ! アズアズっ! 遅かったー! お腹すいたよー」
ルチルはアズライトを見かけて小走りするとそのまま抱き着いて上目遣いをした。
「ああ、すまない。 昨晩は何も食べてないのかい?」
「この家何もない……。外に出ようとしたら、おじいちゃんに止められた……」
アズライトとルチルが二人で話していると、インザームも目を覚ました。
「……おはよう。 どこにいるのかと一瞬驚いたわい。 おかえり、アズライト」
「ただいまです」
アズライトは不思議に思っていた。インザームには自分に対しての悪意がまったくない。仮にも敵として命を狙ったはずにも拘らず、まるでそんな事は無かったかの様に。
インザームを殺す覚悟があるものの、複雑な感情が頭が過る。
「大したものではないが、途中で食べるものを買ってきたよ。 ルチルには悪いが、甘い物はないよ」
「えー! カチカチのパンきらい……」
「ルチルや、アズライトはワシのために動いてくれておる。すまんの」
「……残念ながら、特にあなたの無実を証明する様な手掛かりはありませんでした。 ヴェルネルとレムリを殺したという歴史上の記載のみです」
「おじひちゃんはふぁってないーーーー!」
ルチルがカチカチのパンを頬張りながら否定した。
「グラドノ街壊滅事件に関しても同様で北のセーヴェルが謎の攻撃を受けて街ごと消滅してしまったと。 一人だけ……目撃者がいて魔法障壁で難を逃れたらしいのですが
名前までは書いてありませんでした」
「ふむ……」
アズライトはできるだけインザームの言葉を信じようとしていた。しかし、父上からも城へ入るなと釘を刺された上に、何度も出入りしていては怪しまれてしまう。
転生術を行い寿命を大幅に短くしてでも、魔法を使えるようにした事も頭に引っかかっていた。逃亡だけを考えるなら、付け焼刃の魔法より、ドワーフが持つ生来の力を発揮したほうが何倍も安全だからだ。
「ですが、出来る限りの事はさせてもらいます。私は家を空けるので、二人はここで待機してもらえますか」
「勿論じゃ」
「えー!アズアズ冷たい! ……おじいちゃん! 勝負してあそぼ~」
ルチルはそういうと、パンを咥えながらボードゲームをインザームの前にひっぱりだしてきた。
アズライトはその姿を愛しく思いながらも別荘を後にした。広大なオストラバ王国の街並みを歩きながら、30年前以上の事を知っているかもしれない人にに聞き込みをする為
普段は行かない場所や買い物ついでにどんなささやかな事でもいいと聞いて廻ったが、ただの一つの手掛りも得られなかった。
帰り際、アズライトは母ローズ・クォーツの王室墓標へ向かった。城より少し南にある緑に囲まれた礼拝堂の近くに貴族や伯爵や騎士の墓が綺麗に並べられていた。
街の聞き込みの途中で購入した薔薇の花束を墓標に置くとアズライトは膝をついた。
「……母上。 私は悩んでいます。どうすればいいのか……」
アズライトは今まで国に仇を為した多くの罪人を断罪人として裁いてきた。勿論、中には自分は無実だと声を荒げる者や最後まで悪党の様に抵抗する輩もいた。
その誰もを正義の名の元に等しく命を奪った。 自分が行ってきた仕事を疑うの初めての事であった。
いつものアズライトであれば、問答無用でインザームの命を絶った。しかし、転生術を行ったインザーム。ヴェルネルとレムリを殺してないと必死に抵抗したアイレ。
ルチルの言動。その全てがアズライトを迷わせた。 もし、伝説のヴェルネルとレムリが不名誉な死を遂げたのであれば事実を明らかないしないといけない。
「何が正しいのか、間違いなのかわからないんです」
無実を証明できないインザームを殺さないという選択は、今までの仕事を否定する事になる。騎士の名を無くし、断罪人としての誇りも失ってしまえば
アズライトには何も残らない。
「私は……伝説のヴェルネルとレムリの様に……ただ、なりたかったんです」
アズライトは答えのない問いを母ローズ・クォーツの墓標でずっと投げかけた。太陽は既に沈んでいて風が吹くと同時に木がざわめいて心地良い音を奏でた。
長い間、母の墓碑を見つめていたアズライトは、突然起き上がるとインザームとレムリが待つ別荘へ向かった。
静かに扉をあけて中に入った。二人はまた一日中ゲームをして過ごした様で少し離れた場所の椅子の上でぐっすりと眠っていた。
アズライトはインザームを見つめると、帯刀している剣を抜き静かに魔力を込めた。 その剣には悲しげな殺気が宿っていた。
「……せめて安らかに」
アズライトはインザームを殺す事に決めた。 父上の事を信じたわけでも、インザームやルチルの言葉が嘘だと思ったわけではない。
自分が今まで行った正義が間違っていた事を認めるのが怖かったからだ。
無実の証拠がないインザームの話しを信じるという事は、自分の中の正義を裏切るという事。 断罪人はアズライトに残されたただ一つの生きる意味であり正義だった。
「……すまない」
アズライトは魔力の込めた剣でインザームを苦しめる事なく殺そうとした。本気を出せば一撃で痛みもなく死を与える事ができる。
目を瞑り深いタメ息を吐いた後にアズライトは再び目をあけて覚悟を決めた。その時、横から現れたルチルが両手を広げてインザームを守るように前に立った。
「アズライト、ダメだよ」
「……そこをどくんだ。ルチル」
「どかない。この人の心は穢れてない。ルチルはわかる」
「……はやくどけ! ルチル!」
アズライトは出会ってから初めてルチルに恫喝した。覚悟がブレないように自分に言い聞かせている様にも見えた。
「アズライト、あなたにもわかっているはずだよ」
「ルチル、お前に何がわかる!? 僕は断罪人として正義を全うするだけだ!」
「アズライト……安心して、今までのあなたは正しかった。でも今回だけ……間違えただけだよ。ルチルの言葉を信じて」
アズライトはルチルの言葉を聞きながら気が付かない内に涙を流していた。ルチルはゆっくりと近づくと剣を構えているアズライトを抱きしめた。
アズライトは誰よりも正義感が強く、騎士を目指した時もルチルを保護した時もヴェルネルとレムリの様に分け隔てない世界を作ろうとしていた。そんな自分が行っていた正義が
もし間違っていたらと恐怖が頭を支配した。 断罪人として、国にただ言い様に使われていたとしたら? 今まで殺した人物は全て無実だったとしたら? 自分はただの殺人者かもしれない。と
間違いを認めるわけいはいかない、インザームを殺すしかないと覚悟を決めていた。幼少期から優秀が故に孤独で、一番の理解者の母は死んでしまった。
故郷に友人と呼べる人はおらず、実の父親に騎士の名を剥奪された。 断罪人としての正義だけがアズライトに残された生きる意味だった。
ルチルはそんなアズライトの心を全て理解していた。ルチルの言葉はアズライトの心に深く突き刺さると剣を落とし膝をついた。
「僕は……僕は……ただ、誰もが苦しまない世界を……誰もが幸せに生きる権利を……」
「何も言わなくていいの。あなたはどんな人よりも心が優しい。あなたはルチルを幸せにしてくれた。……世界中の誰よりも素敵な人だよ」
ルチルは大粒の涙を流しているアズライトの頭をゆっくりと撫でた。まるで母親の様に。それから少しして
「……インザーム」
ルチルが後ろを見ずにインザームに声をかけた。
「大人しく……しておくつもりだったのじゃが」
インザームはアズライトに殺されても良いと思っていた。30年間の逃亡生活に疲れていた事もあったかもしれないが
アイレをこの世界で生きれる様に強くした事、誰も信じてくれなかった自分の話を聞いてくれたアズライトに感謝をしていた。
最後にヴェルネルとレムリがいた時の様にほんの少し旅をできた事が嬉しかった。
「こっちへきて」
インザームはルチルに呼ばれると、まだ膝を付いて泣いているアズライトに寄り添った。
「ワシのせいで……つらい思いをさせてすまんな」
「……私は……あなたと一緒に真実を解明します」
「……険しい道になるかもしれんが……」
「ルチルもっ! おじいちゃんとアズアズの側にいるよ!」
3人はお互いを認め合い、アズライトはヴェルネルとレムリの死の真実を解き明かすと共にインザームの汚名を晴らす本当の正義を全うする覚悟を込めた。
その時、事件は起こった。
ヴルダヴァで轟音が鳴り響いた同日同時刻。
このオストラバ王国でも全く同じ金属音のような聞いたこともない不快な爆音が鳴り響いた。
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