【完結】私のことを、愛して

1.私たちは双子

私の名前はアニー。

私には、双子の妹がいる。
私たちは、一卵性双生児。
双子は縁起が悪いからと、私たちはそれぞれ父方と、母方の祖父母に引き取られた。
違う環境で育った、同じ容姿の私たち。
時が過ぎ、それぞれの祖父母が年老いたため、私たちは実の家族と一緒に暮らすことになった。


私はある子爵家の娘。
この春から、実の両親、兄、そして妹のアリーと一緒に暮らす。

私は母方の祖父母と、領地で暮らしていた。王都から少し離れた、長閑のどかなところで。
対する妹は、父方の祖父母と暮らしていたそうだ。


初めて会う、実の家族。
私はドキドキしていた。

領地から、幼馴染の彼が一緒に王都に来てくれた。
彼も寮に入って、同じく王都の学校に通うのだ。
彼は領地の文官の息子で、将来は同じく文官になりたいのだそうだ。


彼が一緒に来てくれて、本当に心強い。
そして嬉しい。
私は彼のことがずっとずっと、好きだから。
いつか一緒になれたらなぁと、ずっと夢見ているの。


彼が、私の家まで付いてきてくれた。
少し不安だったから、本当に嬉しい。


私たちは、応接室に通された。
向いには、両親、兄、そして妹のアリーが座っている。

「アニーに会うのは、12年ぶりだな」
と、お父様が言った。
「一緒に暮らすようになるなんて、夢みたいね」
と、お母様が言った。

そして、お兄様と妹を紹介された。
お兄様も同じ学校に通っているそうで、分からないことがあったら頼って構わないと言ってくれた。

妹は、父方の祖父母と暮らしていたという妹は、私と同じ顔をした妹は、
「分からないことがあったら頼って下さいね」
と、言った。