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2.感じる違和感
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あなたは、私と同じじゃないの?
なんで、あなただけ、この家の娘のような顔をしているの?
幼馴染は、このまま入寮すると言って帰った。
「また、学校でな」
頭をポンと叩いてから、ギュッとハグしてくれて
「優しそうな人たちで良かったな」
と笑った。
優しそうではあるけれど……
「お姉様」
突然私を呼ぶ声がして、驚いて振り返ると、そこには妹がいた。
「恋人なのですか?わざわざ一緒に来てくれるなんて」
「彼は、幼馴染よ。彼も同じ学校に入学するから、一緒に来たの。いつも一緒にいたから、家族みたいに思ってるのよ、お互いに」
「家族ですか?きょうだいみたいな?」
「そ、そうなのかしら。そうなのかもね」
違う。私は彼をきょうだいとして思っているわけではない。
彼と家族を作りたいと、思っているのだ。
「お姉様の家族ならば、私の家族でもありますわね」
妹はニッコリと笑った。
なぜ?彼があなたの家族になると、思うの?
「アニー、アリー」
私たちを呼ぶ声がして振り返ると、そこにはお父様とお母様がいた。
「アニー、彼はもう帰ったのかい?」
「は、はい。今日は入寮の日なので」
「そうか。またいつでも来るように伝えておきなさい。アリーも彼を気に入ったようだしね」
「はい……」
「そうなの。私、彼を気に入ったの」
妹は微笑んだ。
「ねぇ、アリーはこの家には、いつ来たの?」
「私?昨日越してきたのよ。お姉様と私は部屋が隣よ。案内するから、一緒に行きましょう?」
アリーに手を引かれて部屋へと向かう。
寒色で統一された、上品な部屋。
領地の私の部屋が2つは入りそうな広さだ。
「広い!素敵な部屋!」
クローゼットの中には同じく寒色のドレスが用意してある。
「私たち、同じ顔でしょ?着る服や持ち物の色で見分けがつくようにって、お母様が用意してくれたのよ」
「アリーの部屋は?何色なの?」
「私の色は暖色よ。見る?」
アリーの部屋は、色以外は私の部屋と全く同じアリーの部屋。
全く同じなのだけれど、感じるこの違和感は何……?
※※※※※※
アリー 妹
アニー 姉(主人公)
なんで、あなただけ、この家の娘のような顔をしているの?
幼馴染は、このまま入寮すると言って帰った。
「また、学校でな」
頭をポンと叩いてから、ギュッとハグしてくれて
「優しそうな人たちで良かったな」
と笑った。
優しそうではあるけれど……
「お姉様」
突然私を呼ぶ声がして、驚いて振り返ると、そこには妹がいた。
「恋人なのですか?わざわざ一緒に来てくれるなんて」
「彼は、幼馴染よ。彼も同じ学校に入学するから、一緒に来たの。いつも一緒にいたから、家族みたいに思ってるのよ、お互いに」
「家族ですか?きょうだいみたいな?」
「そ、そうなのかしら。そうなのかもね」
違う。私は彼をきょうだいとして思っているわけではない。
彼と家族を作りたいと、思っているのだ。
「お姉様の家族ならば、私の家族でもありますわね」
妹はニッコリと笑った。
なぜ?彼があなたの家族になると、思うの?
「アニー、アリー」
私たちを呼ぶ声がして振り返ると、そこにはお父様とお母様がいた。
「アニー、彼はもう帰ったのかい?」
「は、はい。今日は入寮の日なので」
「そうか。またいつでも来るように伝えておきなさい。アリーも彼を気に入ったようだしね」
「はい……」
「そうなの。私、彼を気に入ったの」
妹は微笑んだ。
「ねぇ、アリーはこの家には、いつ来たの?」
「私?昨日越してきたのよ。お姉様と私は部屋が隣よ。案内するから、一緒に行きましょう?」
アリーに手を引かれて部屋へと向かう。
寒色で統一された、上品な部屋。
領地の私の部屋が2つは入りそうな広さだ。
「広い!素敵な部屋!」
クローゼットの中には同じく寒色のドレスが用意してある。
「私たち、同じ顔でしょ?着る服や持ち物の色で見分けがつくようにって、お母様が用意してくれたのよ」
「アリーの部屋は?何色なの?」
「私の色は暖色よ。見る?」
アリーの部屋は、色以外は私の部屋と全く同じアリーの部屋。
全く同じなのだけれど、感じるこの違和感は何……?
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アリー 妹
アニー 姉(主人公)
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話の一コマを切り取るような形にしたかったのですが、終わりがモヤモヤと…力不足です。
コメントは賛否両論受け付けますがメンタル弱いのでお返事はできないかもしれません。
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