オタクな母娘が異世界転生しちゃいました

yanako

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137.今日から、あーちゃん

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アリシアはイザックの様子をじっと見ていて思った。

後継ぎがアルチュールに決まった時、イザックはとても落ち込んでいた。
塞ぎ込んでいるかと思えば、投げやりな態度を取ったりして、不安定になっていた。
友人たちも段々と離れ、アルチュールに近づいていった。
最後まで、イザックの側にいたのは、男爵家のライアンくらいか。

そう、私もそうだった。
婚約者の心が離れて、婚約を破棄されたあと、誰も私の側には残らなかった。


けれど、今ここでみるイザックは、まるで別人のようだ。
講師として国語や西の国の言葉を平民たちに教えているのだそうだ。

平民といえば、この村のロナさん一家とマルタン商会はどちらも平民なのに、この存在感は何なのだ?
次々と意見を出し合い、村を発展させようとしている。

リナという娘だってまだ若いのに、講師として数学を教えているなんて……


イザックは楽しそうに笑いながら、ジャンや東の国の人と話している。
学園でみたイザックとは別人のようだ。


どうして、そんなに楽しそうなの?
どうして、そんな風に笑えるの?


ずっとイザックを見ていると、イザックはアリシアの視線にきがついた。


「大丈夫?アリシア嬢」
「もう、貴族じゃないもの。嬢はやめて」
「じゃぁ……なんて呼べば……」
気まずそうなイザック。


「アリシア殿で良いのではござらんか?」
「イザックさんが『アリシア殿』って呼んだらおかしくない?」
「イザック殿はリナ殿をなんと呼んでいるのでござるか?」


リナはイザックをじっとみた。

「……呼ばれてないよね?『ねぇ』とか、『ちょっと』とか、『あのさ』とかだよね?」
「えっ、そうかな?呼んでるよね?『リナ嬢』って」
イザックは動揺して言った。

「リナ嬢なんて、まして呼ばれたことなくない?それに、変じゃん?嫌だ!」
「じゃあ、なんて呼べばいいんだよ?」
「『リナちゃん』じゃない?年下だしさ」

軽い言い合いになったイザックとリナ。
リナはイザックに『ちゃん』を付けて呼ぶように言った。


「ちゃん?」
イザックはリナに聞き返した。

「そう『ちゃん』は年下に使う敬称なの。かわいいでしょ?」
「かわいいか?」
「可愛いじゃん!『リナちゃん』『アリシアちゃん』」

「アリシアちゃん……」
イザックは気まずそうにアリシアを呼んだ

「『あーちゃん』がいいじゃん?!アリシアさん!どう?『あーちゃん』って呼ばれるの」
リナはアリシアに言った。

「『あーちゃん』ですか?」
「ダメ?」
「……いえ、『あーちゃん』で大丈夫です」

アリシアの呼び名は『あーちゃん』になった。


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