王立学園食堂部にて〜没落令嬢は観察中〜

yanako

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Case01.

6.控え室での彼の言い訳

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椅子に座ったふたりにバーブティーを出す。

「今度はオレンジピールのハーブティーですよ。心を元気づける働きがあるんです」

ふたりは香りを嗅いだ後で、ゆっくりと口をつけた。


「食事を分け与えた件について、言い訳したいことはありますか?」
私は婚約者の彼に訊いた。


「そ、それは。君が食べたいと言ってくれたら、君に……その……給餌というか……」
モゴモゴと言い訳をしている婚約者


「つまり、あ~ん♡をしたかったのですか?」
「そ、そ、そうだ」
耳まで真っ赤な彼の横で、令嬢の耳も真っ赤だわっ。


「あ~ん♡がしたかったのに『いえ、私は結構です』って言われてしまったのですね……気の毒に……」
私はザンネンな人を見る目で彼を見た。

「スミマセン……私が断ったばっかりに……」
「いや。俺もゴチャゴチャ考えずに、素直にあ~ん♡と言って、食べさせれば良かったのだ」

(そうなのか?それでいいのか?)


「誕生日当日の件は……」
令嬢がおずおずと彼に質問をした。


「それが、君からもらった時計を、見せて欲しいと彼女が言うから、見せたんだ。そしたら、時計と似合う物を探したいと彼女が言い出して……時計を預けてしまったんだよ」
「で、時刻を確認できず、約束をすっぽかすことになったのね。あの女の策略にまんまとハマっちゃって!」

バツの悪い顔をする婚約者。


「と、時計は返してもらったんですか?」
「だ、大丈夫。それはちゃんと返してもらってるから。ほら」
婚約者が時計を令嬢に見せると、令嬢はホッとした表情をした。

「それで、その……時計を返してもらう時に、彼女にも同じ物を買ってくれないと、時計を返さないと言われてしまって……彼女にも買うことになったんだよ」
「そうだったのですか……」

「でも、髪飾りは僕が選んだんだよ。本当に。でも、君にとっては嫌な思いの品になってしまったね。ゴメン」
項垂れる婚約者。

「あなたが私のために選んでくれたのなら、それはそれで嬉しい物だったんですけど……」
困った顔をする令嬢。


「じゃあ、新たに、食事をして、ふたりでショッピングしたらいいじゃないですか!」
私が提案すると、ふたりは顔を見合わせてから、私を見た。


「今度は、自分の本当の気持ちを伝えられるんじゃないですか?お互いに」


私はふたりにウインクをして、食堂部の制服のポケットから黒い箱をテーブルの上に置いて、ALLスイッチをOFFにした。


「これは?!?!」
「予備です。私、すぐ置き忘れちゃうので」
「い、今の俺たちの会話は……」
「食堂のスピーカーで聞こえているはずですね」
「……全部??」
「全部」


-つづく-

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