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Case02.
11. 絵本のウサギなんかじゃない
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「し、失礼致します。殿下のご尊顔を拝しまして恐悦至極に存じます」
私は頭を下げた。
「ちょっ、ちょっと、ジェシカ。顔を上げて」
殿下は慌てたように言った。
「そんな他人行儀な話し方だと、寂しいな」
またもや仔犬の目をするアレク。
「いつもみたいに、アレクって呼んでよ」
「いえ、それは畏れ多く……」
「ジェシカ……」
ちょっと、ちょっと無理なんですけど……
私は困って公爵令嬢を見た。
「あら?あなた。図書館の。食堂部の従業員だと言っていたものね」
令嬢は私に気付いたようだ。
「はい。『専属侍女ルシア』の感想を教えると約束した者です」
「僕がね、ジェシカに『専属侍女ルシア』を読むなら『マルガリータ』を読んでからの方がいいよって教えてあげたんだよ」
嬉しそうに説明するアレク=殿下。
「は、はい。殿下が、友だちがこの本が好きで、良く話してくれるから知ってると教えて下さいまして……」
「そうなの?アレックス」
「そう。図書館でジェシカを見かけて、声をかけたんだ。君が好きな本を読んでる人を見つけたのが嬉しくて」
「そう……アレックスは、どうして町の図書館に?」
「えっ……」
アレク=殿下が私に助けを求める。
知らないよ?私も。
「そ、それはね……マーガレットが町の図書館に通ってるって知って……」
「知って?」
「どんな様子なのか、知りたくなって……」
「?本を読んでるだけよ?」
「そ、そうなんだけど……」
小さな声でモニョモニョ喋っているアレク。
あれ?これ、もしかして……
「ヤキモチ?クマに?アレク」
私はアレク=殿下に訊いた。
みるみる真っ赤になるアレク=殿下。
ビンゴ!当たり!
「ヤキモチ?クマに?」
令嬢が首を傾げる。
「護衛騎士様にでございます」
真っ赤になって、何も言えないアレク=殿下に代わって答えた。
「彼はただの護衛よ?」
「し、知ってる。けど、いつも一緒にいるだろう?」
「だって、護衛だもの」
令嬢は困った顔をしている。
「そ、そうなんだけど。マーガレットの家が今、大変状況の中で、僕より大人な彼の方が、君を支えられるんじゃないかって……思ったんだ」
最後は消え入るように言ったアレク。
「そんな……」
困惑の表情を隠せない令嬢。
感情を出さない訓練はしているはずなのに。それ位、びっくりしてるのね。
「あの……マーガレット様のお誕生日はいつなのですか?」
「来月の頭よ?」
「そうですか。アレク、誕生日までは言わないの?」
「誕生日に言おうと思ってたんだけど……」
「今、言っちゃえば?」
「わ、わ、わかった」
アレクは私に頷いてから
「マーガレット。僕は君が好きだ。ずっと一緒にいたいと思ってる」
と令嬢に言った。
「でも……我が家に借金があるのは事実ですもの……」
「その借金だが、領地の災害被害の対応費用なんだろう?」
「は、はい」
「それについては、新しく基金を設立することに決まって、全額とまではいかないが、無利子で融資も受けられるし、被害状況によっては、返済免除になることもあるんだ」
「そうなんですか?」
「あぁ、優秀な文官たちが、過去のデータを調べ直して、考えてくれたんだ」
「本当?没落しなくて済むの?アレックスと結婚できるの?」
「あぁ。大丈夫だよ」
「私、どうしようかと、そればかり考えていて……婚約破棄されたらどうしようって」
令嬢の頬を涙が伝う。
「そんな幻に怯えていたの?ゴメンネ。マーガレット、怖い思いをさせて」
「怖かった。アレックスと一緒にいられなくなったらと考えたら……」
「そんな幻をみて、思い悩んでいるより、まずはプリンを食べるといいんだよ。ねっ、ジェシカ!」
私は頭を下げた。
「ちょっ、ちょっと、ジェシカ。顔を上げて」
殿下は慌てたように言った。
「そんな他人行儀な話し方だと、寂しいな」
またもや仔犬の目をするアレク。
「いつもみたいに、アレクって呼んでよ」
「いえ、それは畏れ多く……」
「ジェシカ……」
ちょっと、ちょっと無理なんですけど……
私は困って公爵令嬢を見た。
「あら?あなた。図書館の。食堂部の従業員だと言っていたものね」
令嬢は私に気付いたようだ。
「はい。『専属侍女ルシア』の感想を教えると約束した者です」
「僕がね、ジェシカに『専属侍女ルシア』を読むなら『マルガリータ』を読んでからの方がいいよって教えてあげたんだよ」
嬉しそうに説明するアレク=殿下。
「は、はい。殿下が、友だちがこの本が好きで、良く話してくれるから知ってると教えて下さいまして……」
「そうなの?アレックス」
「そう。図書館でジェシカを見かけて、声をかけたんだ。君が好きな本を読んでる人を見つけたのが嬉しくて」
「そう……アレックスは、どうして町の図書館に?」
「えっ……」
アレク=殿下が私に助けを求める。
知らないよ?私も。
「そ、それはね……マーガレットが町の図書館に通ってるって知って……」
「知って?」
「どんな様子なのか、知りたくなって……」
「?本を読んでるだけよ?」
「そ、そうなんだけど……」
小さな声でモニョモニョ喋っているアレク。
あれ?これ、もしかして……
「ヤキモチ?クマに?アレク」
私はアレク=殿下に訊いた。
みるみる真っ赤になるアレク=殿下。
ビンゴ!当たり!
「ヤキモチ?クマに?」
令嬢が首を傾げる。
「護衛騎士様にでございます」
真っ赤になって、何も言えないアレク=殿下に代わって答えた。
「彼はただの護衛よ?」
「し、知ってる。けど、いつも一緒にいるだろう?」
「だって、護衛だもの」
令嬢は困った顔をしている。
「そ、そうなんだけど。マーガレットの家が今、大変状況の中で、僕より大人な彼の方が、君を支えられるんじゃないかって……思ったんだ」
最後は消え入るように言ったアレク。
「そんな……」
困惑の表情を隠せない令嬢。
感情を出さない訓練はしているはずなのに。それ位、びっくりしてるのね。
「あの……マーガレット様のお誕生日はいつなのですか?」
「来月の頭よ?」
「そうですか。アレク、誕生日までは言わないの?」
「誕生日に言おうと思ってたんだけど……」
「今、言っちゃえば?」
「わ、わ、わかった」
アレクは私に頷いてから
「マーガレット。僕は君が好きだ。ずっと一緒にいたいと思ってる」
と令嬢に言った。
「でも……我が家に借金があるのは事実ですもの……」
「その借金だが、領地の災害被害の対応費用なんだろう?」
「は、はい」
「それについては、新しく基金を設立することに決まって、全額とまではいかないが、無利子で融資も受けられるし、被害状況によっては、返済免除になることもあるんだ」
「そうなんですか?」
「あぁ、優秀な文官たちが、過去のデータを調べ直して、考えてくれたんだ」
「本当?没落しなくて済むの?アレックスと結婚できるの?」
「あぁ。大丈夫だよ」
「私、どうしようかと、そればかり考えていて……婚約破棄されたらどうしようって」
令嬢の頬を涙が伝う。
「そんな幻に怯えていたの?ゴメンネ。マーガレット、怖い思いをさせて」
「怖かった。アレックスと一緒にいられなくなったらと考えたら……」
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