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Case03.

9.マーガレット様のプリンの完成ですっ!

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「で、で、できましたわっ」
目の前には、マーガレット様が作ったプリン。

「マーガレット様!大変よく頑張りました!」
マリアさんは感激して泣いている。

練習に練習を重ねたマーガレット様は、ついに今日オーブンに入れるところ以外は、ひとりで作ったのだ。

「はい!やりました!あとは味ですね。食べましょう」

マーガレット様は満足そうな顔で言った。

マリアさんがコーヒーを淹れてくれた。
私たちはテーブルにつくと、早速マーガレット様のプリンを食べることにした。

「ど、どうぞ、召し上がって下さいませ」
「「では、いただきます!」」

マリアさんがプリンを口に入れる。
マーガレット様は息を止めて、マリアさんの食べる様子を見ている。


「どうかしら……?」

「うん!美味しい!これなら王子に出しても大丈夫!」
「本当ですか???」
マーガレット様は両手を口に当て、目からは涙をこぼしている。

「では、私も頂きますね」
私もプリンを食べてみた。

美味しい!
「美味しい!美味しいですよ!マーガレット様」
「本当?」
「はい!本当です!マーガレット様もお召し上がりになって下さい」


マーガレット様は恐る恐る、プリンを口にする。

私とマリアさんは、そんなマーガレット様を見守った。

「美味しいわ!」
「はい!私が食堂で作るのよりもずっと美味しいです!」
「ジェシカより丁寧に作っていたものね」
マリアさんが笑う。

「そんな風に言って貰えて嬉しいです!本当に」
マーガレット様は、私たちに頭を下げた。

「ジェシカさん、マリアさん。本当にありがとう。私のために協力してくれたこと、感謝します。ありがとうございました」

「マーガレット様が、王子のために一生懸命作る姿に感動しました。きっと王子も喜んで下さいますよ」
「そうだと良いのですが……」

「これから、プリンを持ってアレクの所に行くのですか?」
「約束も無く、急に訪ねることはできないので。アレックスは忙しいので……」
「王子ですもんね」

そうなのだ。
町の図書館でマーガレット様の様子を伺うのも、町のハンカチ屋でマーガレット様へのプレゼントを悩みながら選ぶのも、学園の食堂でイチャイチャしながらプリンを食べるのも、アレクの忙しい公務の時間を調整して行なっているのだ。

本当に、アレクは王子なんだな……
そして、アレクめっちゃマーガレット様のことが好きなんじゃん~~~♡


「アレクって、本当に本当にめっちゃめちゃマーガレット様のことが大好きですよね!!」
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