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Case03.
13.プリンより甘いもの
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「ジェシカ~今日のプリンお願い~」
アレクは相変わらずの幼児。
まるで5才児。
「分かった。待ってて」
私はマーガレット様のプリンを運ぶ。
マーガレット様は、アレクの隣で緊張した顔をしている。
「はい。本日のプリンでございます」
「ありがとう。今日のプリンはどんなプリンですかな?」
アレクは嬉しそうに、プリンを一口食べた。
「あれ?」
アレクがクビを傾げる。
マーガレット様の顔が少し強張る。
「何?」
私はアレク=殿下に訊いた。
「ん?いや、気のせいかな?」
食べすすめるアレク。
「どうかしたの?アレックス?」
マーガレット様が訊ねると
「なんか……いつもと……」
と口ごもる。
最後まで全部ペロリと食べた殿下がクビを傾げる。
「どうかした?アレックス」
「何?アレク。気になるよ」
私も我慢出来ずに言った。
「今日のプリン……マリアさんが作ったの?って思って食べてたんだけど……カラメルが、マリアさんのとは違って……だから、よりマリアさんのプリンに近づいたってことなのかな?」
「どこが、マリアさんぽかった?」
私はアレクに訊いた。
「滑らかなところ!いつもはもっとザラッと?ゴワっと?してる。今日はツルっとしてて、マリアさんぽいの」
アレクは面白そうに笑った。
「きっと!上達したんじゃないかな?あとはカラメルがもうちょっと苦くてもいいけど、これはこれで美味しかったよ?甘くて」
そう言って、アレクは小さく拍手をした。
私は目だけを動かして、マーガレット様をみる。
マーガレット様は、泣くのを我慢している子どものような顔をして、アレクを見ている。
「そう、思わない?マーガレット?」
アレクはマーガレット様を見て、驚いた顔をした。
「どうした?どうしたの?何かあった?」
アレクがアワアワと慌てている。
キョロキョロと、従者を探している。
「私なの」
「えっ?」
「今日のプリン」
「ん?」
「今日のプリン」
「アレク。今日のプリン、美味しかった?」
私は訊いた。
「え?美味しかったよ!」
アレクは泣き出しそうなマーガレット様に戸惑いながら、私に答えた。
「今日のプリンを作ったのは、マーガレット様です」
「えっ!!!!!」
アレクは跳び上がらんばかりに驚いた。
「そうなの?マーガレット」
黙って頷くマーガレット様。
「料理したことないよね?」
頷くマーガレット様。
「どうして、急に?」
戸惑うアレク。
「アレクが、町に行けなくなったって言ってたでしょ?」
頷くアレク。
「アレックスが、マリアさんのプリンを食べたいのなら、私が作れるようになれば、いつでもアレックスはプリンを食べられると思ったの」
マーガレット様は、真っ赤な目をして、消え入るような声で言った。
「マーガレット!!」
アレクは立ち上がると、マーガレット様の手を引いて立ち上がらせて、それから、マーガレット様を抱きしめた。
「嬉しい!嬉しいよ!マーガレット!君は本当に最高の僕の婚約者だ!」
食堂にいた生徒たちが皆、何事かと注目している。
「愛してる!愛してるよ!マーガレット。僕には君だけだ!」
甘い!砂糖吐く!!
パチパチと拍手が起きた。
マーガレット様を抱きしめたまま、アレクが言った。
「ジェシカ。これからは、プリンはマーガレットに頼むからね」
「はい。承知致しました」
私はアレクに頭を下げた。
アレクはマーガレット様の耳元で何かを囁いて、それからマーガレット様の頬にキスをした。
従者に導かれ退場するアレクとマーガレット様。
私の『本日のプリン』は今日でおしまい。
これからは、マーガレット様だけが、アレクにプリンを作れるのだ。
良かったね。アレク。
感動しながら、ふたりを見送っていると、エプロンのポケットから主任の声がした。
「洗い物がたまってるよ。40秒で戻ってきて!」
-つづく-
アレクは相変わらずの幼児。
まるで5才児。
「分かった。待ってて」
私はマーガレット様のプリンを運ぶ。
マーガレット様は、アレクの隣で緊張した顔をしている。
「はい。本日のプリンでございます」
「ありがとう。今日のプリンはどんなプリンですかな?」
アレクは嬉しそうに、プリンを一口食べた。
「あれ?」
アレクがクビを傾げる。
マーガレット様の顔が少し強張る。
「何?」
私はアレク=殿下に訊いた。
「ん?いや、気のせいかな?」
食べすすめるアレク。
「どうかしたの?アレックス?」
マーガレット様が訊ねると
「なんか……いつもと……」
と口ごもる。
最後まで全部ペロリと食べた殿下がクビを傾げる。
「どうかした?アレックス」
「何?アレク。気になるよ」
私も我慢出来ずに言った。
「今日のプリン……マリアさんが作ったの?って思って食べてたんだけど……カラメルが、マリアさんのとは違って……だから、よりマリアさんのプリンに近づいたってことなのかな?」
「どこが、マリアさんぽかった?」
私はアレクに訊いた。
「滑らかなところ!いつもはもっとザラッと?ゴワっと?してる。今日はツルっとしてて、マリアさんぽいの」
アレクは面白そうに笑った。
「きっと!上達したんじゃないかな?あとはカラメルがもうちょっと苦くてもいいけど、これはこれで美味しかったよ?甘くて」
そう言って、アレクは小さく拍手をした。
私は目だけを動かして、マーガレット様をみる。
マーガレット様は、泣くのを我慢している子どものような顔をして、アレクを見ている。
「そう、思わない?マーガレット?」
アレクはマーガレット様を見て、驚いた顔をした。
「どうした?どうしたの?何かあった?」
アレクがアワアワと慌てている。
キョロキョロと、従者を探している。
「私なの」
「えっ?」
「今日のプリン」
「ん?」
「今日のプリン」
「アレク。今日のプリン、美味しかった?」
私は訊いた。
「え?美味しかったよ!」
アレクは泣き出しそうなマーガレット様に戸惑いながら、私に答えた。
「今日のプリンを作ったのは、マーガレット様です」
「えっ!!!!!」
アレクは跳び上がらんばかりに驚いた。
「そうなの?マーガレット」
黙って頷くマーガレット様。
「料理したことないよね?」
頷くマーガレット様。
「どうして、急に?」
戸惑うアレク。
「アレクが、町に行けなくなったって言ってたでしょ?」
頷くアレク。
「アレックスが、マリアさんのプリンを食べたいのなら、私が作れるようになれば、いつでもアレックスはプリンを食べられると思ったの」
マーガレット様は、真っ赤な目をして、消え入るような声で言った。
「マーガレット!!」
アレクは立ち上がると、マーガレット様の手を引いて立ち上がらせて、それから、マーガレット様を抱きしめた。
「嬉しい!嬉しいよ!マーガレット!君は本当に最高の僕の婚約者だ!」
食堂にいた生徒たちが皆、何事かと注目している。
「愛してる!愛してるよ!マーガレット。僕には君だけだ!」
甘い!砂糖吐く!!
パチパチと拍手が起きた。
マーガレット様を抱きしめたまま、アレクが言った。
「ジェシカ。これからは、プリンはマーガレットに頼むからね」
「はい。承知致しました」
私はアレクに頭を下げた。
アレクはマーガレット様の耳元で何かを囁いて、それからマーガレット様の頬にキスをした。
従者に導かれ退場するアレクとマーガレット様。
私の『本日のプリン』は今日でおしまい。
これからは、マーガレット様だけが、アレクにプリンを作れるのだ。
良かったね。アレク。
感動しながら、ふたりを見送っていると、エプロンのポケットから主任の声がした。
「洗い物がたまってるよ。40秒で戻ってきて!」
-つづく-
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