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Case03.
14.お付き合いはまだまだつづく
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厨房に戻ると、主任の左手には包帯が巻かれていた。
「主任!手!火傷!」
「大丈夫です」
主任は表情を変えずに言った。
「本当に大丈夫なんですか?」
「この傷は、私が皿を落として割った時に切れたものです」
「はい?」
「私が、プライベートで、皿を落として割ったのです」
「は、はあ」
「なので、火傷ではありません。分かりましたか?」
「わ、分かりました。お大事になさって下さい」
主任は、自分の火傷が食堂での調理中によるものだということは、内緒にしたいらしい。
マーガレット様が使用している最中のこととなると、色々と問題になるのかな?
「あなたも、今朝は早かったのだから、今日はもうあがって構いません」
「は、はい。あの……主任は」
「私は、大丈夫です」
「そ、そうですか。今日は、本当にありがとうございました。マーガレット様も、アレク……殿下も大変喜んでおられました」
「それは、良かったです。今回だけですので」
「はい。ありがとうございました」
私は頭を下げて、早退させてもらうことにした。
「ジェシカ・セシル!殿下が大変お喜びになられたそうです。良くやりましたね。お疲れ様でした」
主任が私に声を掛けてくれた。
「はい。ありがとうございました」
従業員控室に戻り、着替えをする。
今日は、朝からバタバタとしていたから、流石に疲れたな。
明日からはもう、プリンを作らなくていいんだな。
寂しい気持ちも少しするけど、今までがおかしかったんだから、これでいいの。これが普通なの。
ロッカーの扉を閉めようとして、フワリと香油の香りがした。
あの日、公爵家に呼ばれて、同僚が香油を貸してくれたんだ。
あの時の香り、まだ残ってたの?
ロッカーの中には、化粧ポーチが置いてある。
あの日は珍しく、化粧をしたんだったわ。その時についたのね。
あー疲れたな。
町に、香油でも買いに行こうかな……
没落したとはいえ、私だって貴族なんだから……
香油を買うお金があったら、種芋のひとつでも、領民に届けたいな……
ばあちゃんたちに会いたいな……
良くやったなぁって、褒められたいな……
トボトボと歩く。
種芋はもう、必要ない。
香油だ!香油を買おう!
そして、美味しいハーブティーと、ハーブクッキーを買うんだ。
トボトボと歩いていると、柱の陰から男性が、いや、クマが現れた。
「グ、グリズリー?」
「突然すまない。その……ステラの火傷の具合はどうだろうか?」
「ス、テラさんとは……主任ですか?」
「そうだ」
「主任は、火傷は大丈夫だけれども、火傷したと知られたくないから、プライベートで皿を割って手を切ったことにするそうです」
「そうか。火傷は大丈夫なんだな」
「はい。そう言ってました」
「そうか。引き留めてすまなかった」
「いえ……その……連日のプリン特訓にお付き合い頂きまして、ありがとうございました」
私はグリズリーに挨拶をした。
プリン特訓も終わり、もうマーガレット様と会うこともなくなる。
グリズリー騎士と会うことも。
「今度は、また小説の話をしたいと、お嬢様は仰られているので、宜しくお願いします」
グリズリー騎士は頭を下げた。
「は、は?はい。こちらこそ、宜しくお願い致します」
-次なるCaseへ-
「主任!手!火傷!」
「大丈夫です」
主任は表情を変えずに言った。
「本当に大丈夫なんですか?」
「この傷は、私が皿を落として割った時に切れたものです」
「はい?」
「私が、プライベートで、皿を落として割ったのです」
「は、はあ」
「なので、火傷ではありません。分かりましたか?」
「わ、分かりました。お大事になさって下さい」
主任は、自分の火傷が食堂での調理中によるものだということは、内緒にしたいらしい。
マーガレット様が使用している最中のこととなると、色々と問題になるのかな?
「あなたも、今朝は早かったのだから、今日はもうあがって構いません」
「は、はい。あの……主任は」
「私は、大丈夫です」
「そ、そうですか。今日は、本当にありがとうございました。マーガレット様も、アレク……殿下も大変喜んでおられました」
「それは、良かったです。今回だけですので」
「はい。ありがとうございました」
私は頭を下げて、早退させてもらうことにした。
「ジェシカ・セシル!殿下が大変お喜びになられたそうです。良くやりましたね。お疲れ様でした」
主任が私に声を掛けてくれた。
「はい。ありがとうございました」
従業員控室に戻り、着替えをする。
今日は、朝からバタバタとしていたから、流石に疲れたな。
明日からはもう、プリンを作らなくていいんだな。
寂しい気持ちも少しするけど、今までがおかしかったんだから、これでいいの。これが普通なの。
ロッカーの扉を閉めようとして、フワリと香油の香りがした。
あの日、公爵家に呼ばれて、同僚が香油を貸してくれたんだ。
あの時の香り、まだ残ってたの?
ロッカーの中には、化粧ポーチが置いてある。
あの日は珍しく、化粧をしたんだったわ。その時についたのね。
あー疲れたな。
町に、香油でも買いに行こうかな……
没落したとはいえ、私だって貴族なんだから……
香油を買うお金があったら、種芋のひとつでも、領民に届けたいな……
ばあちゃんたちに会いたいな……
良くやったなぁって、褒められたいな……
トボトボと歩く。
種芋はもう、必要ない。
香油だ!香油を買おう!
そして、美味しいハーブティーと、ハーブクッキーを買うんだ。
トボトボと歩いていると、柱の陰から男性が、いや、クマが現れた。
「グ、グリズリー?」
「突然すまない。その……ステラの火傷の具合はどうだろうか?」
「ス、テラさんとは……主任ですか?」
「そうだ」
「主任は、火傷は大丈夫だけれども、火傷したと知られたくないから、プライベートで皿を割って手を切ったことにするそうです」
「そうか。火傷は大丈夫なんだな」
「はい。そう言ってました」
「そうか。引き留めてすまなかった」
「いえ……その……連日のプリン特訓にお付き合い頂きまして、ありがとうございました」
私はグリズリーに挨拶をした。
プリン特訓も終わり、もうマーガレット様と会うこともなくなる。
グリズリー騎士と会うことも。
「今度は、また小説の話をしたいと、お嬢様は仰られているので、宜しくお願いします」
グリズリー騎士は頭を下げた。
「は、は?はい。こちらこそ、宜しくお願い致します」
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