王立学園食堂部にて〜没落令嬢は観察中〜

yanako

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Case04.

3.グリズリーによる聴取

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グリズリー騎士は、洗い場まで桶を運んでくれた。

「ありがとうございました」

私はグリズリーにお礼を言い、芋を洗い始めようとした。

が、グリズリーは動かない。


「重いのに、本当にありがとうございました。助かりました」

と言っても、グリズリーに動かない。
通じてない?
もう大丈夫ですよ?帰ってもらっても。
ということが……


「あの。お忙しいのに、お時間を頂いてしまって、申し訳ありませんでした。もう、大丈夫なので」

割とストレートに言えたと思うわ!


「大丈夫だ」

何が~?


「……あとは、もう洗うだけなので……」
「洗い終わった物を、運ぶのだろう?」
「その……運べる分ずつ、運びますので……大丈夫です」


グリズリーは動かない。

なんで???


「あのぉ、何か私に用事がありましたか?」


仕方が無いので、直接訊きましたよ!


「……いや。その……」
口籠るグリズリー

「マーガレット様と、アレクサンダー殿下のことですか?」
「……いや、それは、大丈夫だ」


じゃあ…………


「主任の火傷のことですか?」
「あ、あぁ。そうだ……」
グリズリーは、私を真っ直ぐみて答えた。


「主任の責任下で厨房を使ったのに、怪我があったとなると、色々と面倒なことになるらしくて、プライベートで皿を割って、手を切ったことにしたそうですよ」
「そうなのか?」

「はい。だから、実際は手を切ってもいないし、火傷も痕は残らないそうです」

私がそういうと、グリズリーはホッとした顔をした。


「あの~。騎士様と、主任は」
「マイケルだ」

「マイケル?」
「私は、マイケル・スミスだ」

「マイケル様。マイケル様は主任とお知り合いなのですね」
「なぜ?」

「そのぉ、ステラと名前で呼んでいたので」
「いつ!?」

いつ!?って……
昨日、めっちゃ言ってたじゃない?


「昨日、私が仕事から帰る時に、質問されましたよね?火傷の具合を心配して。その時です」
「そ、そうだったか……」

気がついて無かったの???


「主任とは、お知り合いなんですか?」
「あ、あぁ。昔」


「昔……幼馴染みとかですか?」
「あぁ。そうだ」

王都に住む、年齢の近い貴族の子どもたちは、貴族の集まりとかでみんな幼馴染みみたいなもんなのよね。


「そうだったんですね。主任は火傷、大丈夫だったんで。もう、心配なさらなくて大丈夫ですよ」
私はそう言って、芋を洗い始めた。

マイケル様はまだ横に立ったままだ。


「あのぉ~。まだ、何か……」

気が散って、作業できないし!!


「ステラは、その……どんな感じで働いているのだろうか……」
「主任としてですけど……全体の作業を管理してますよ」

「具体的には?」
「私たちみたいな作業員に指示を出したり。食材のチェックをしたり。業者と打ち合わせたり」


「業者……」
「はい。商会の人が主ですね」

「男か?」
「はい?」
「その業者は男か?」
マイケル様は私をじっと見ている。

な、な、何?


「そうですね……食材を運んでくるのは、男性がほとんどなので……」
「他に男は?」

「え?調理場に数人男性がいますけど……」
「調理場に?毎日?」

マイケル様の声が大きくなる。

「はい。調理をするのは男性が多いですよ?火も危ないし、器具も重いので」


マイケル=グリズリーベアは
「むむむ」
と声を出して唸った
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