私だけが知っている〜キモい主人公を彼氏にしたあとで、イケメンに改造しちゃいます〜

yanako

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シャンプーに悪戦苦闘

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「じゃあさ、マイロ。ベンチに座って、頭をこう……後ろに倒せる?」
「えっ?ど、どうやって?」

「背中濡れたら困るじゃない?だから、後ろに反る感じで……」
「無理!」

「じゃあ、ベンチの上に寝て、頭をはみ出させて……」
「で、できるかな……」

マイロはベンチに仰向けに寝て、頭をはみ出させてみた。

「アイラ。これ、首がキツイ……」
マイロは起き上がって行った。

「それに、アイラも地面にしゃがまなきゃだよ?」
「そうか……そうだね」

私たちは、あーでもないこーでもないと言いながら考えて、水飲み場で、マイロがお辞儀する状態で、洗うことにした。


「じゃあ、いっくよ~」
「う、うん。お願い」

私は石鹸を泡立てて見せた。

「すごい!泡!」
マイロは驚き、目をキラキラしている。
基本的に、好奇心旺盛なのだ。


「この泡で、頭を洗うの」
私は泡でマイロの頭を洗い出した。


「泡にすることで、汚れが取れやすくなるし、頭皮の負担も減るんだよ?毛穴の汚れも浮き出すし」
「毛穴?」

「頭の髪の毛が生えてるところ、髪の根元。皮膚に穴があいてるんだよ」
「皮膚に穴が!?!?」
「小さい穴ね。目では見えない位、小さいの」

私はワシャワシャとマイロの頭を洗った。

「頭皮の脂汚れをしっかり落とすのね。けど、強く掻くように洗ったらダメだよ?指の腹と、泡で洗うの。この感じ、ちゃんと覚えてよ?」
「う、う、うん」

私は一度洗い流して、髪を切ることにした。

「マイロ、どうして前髪長くしてるの?」
ベンチに座ったマイロの髪を整えながら訊いた。

「こ、怖い」
「こわい?何が?」
「人の目線が……」
「そっか……」

前髪は、まだ長くしておくか。


「このさ、焦げてるところ、切っちゃってもいい?」
「いいよ」

私はチョキチョキとハサミを動かした。

「怖い?」
「だ、大丈夫。アイラだから」
「ふふ。ありがと」

マイロが可愛いこと言うから、嬉しくなっちゃった。

ショートボブにしようかな?
体型がちょっと……だけど、前髪残したいしな……

「後ろの髪を、この辺まで切っちゃってもいい?」
私が指で髪の毛を挟んで長さを示すと、マイロはビクっとした。


「ごめん!風魔法出さないでよ!?」
「ごめん!くすぐったかった!」

「「ごめん!!」」

私たちは、お互いに謝って笑った。



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