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マイロの髪を切る

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スムージーを飲みながら、アイラはマイロに石鹸シャンプーについて説明をした。


「オリーブオイル配合だから、洗い上がりがツヤがでるんじゃないかな?と期待してるの」
「オイルだと、ベタベタになるんじゃない?……」

マイロは髪がベタベタだと指摘されたことを気にしてるのかな?

「もしかして、気にしてる?私が言ったこと……」
「ま、まあ。でも、本当のことだし……」
マイロは小さく頷いた。


「ごめん。嫌な思いさせちゃって……」
私はマイロに申し訳なくて、何度も謝った。

「ちょっ、アイラ。だ、大丈夫だから」
マイロは周りをキョロキョロと見回して言った。

「ア、アイラ。髪、髪を切って」
「うん、わかった……」
「じゃ、じゃあ、行こうか!!」
私たちは食堂を出て歩き出した。


「ど、どこで切ろうか?」
マイロが訪ねてきた。

「武闘場の水飲み場のところだと、椅子もあるし、水もあるし、屋外だし、いいかな?」
「分かった。そこ……行こう」

ふたりで武闘場を目指して歩く。


「マイロは、髪の毛誰に切ってもらってるの?」
「お母さん」

「そうなの?お母さん、床屋さんなの?」
「ち、違うけど」

「けど、お母さんが切ってくれてるんだ?」
「僕、髪を切られるのが苦手で」

「うん」
「嫌がってると、風魔法出ちゃって……」

「ん???」

「風魔法で、お店の中がめちゃくちゃになっちゃって……」
「小さい頃?」
「うん……そう」

「大変だったね。マイロも、床屋さんも」
「お母さんもね。床屋さんに怒られてたから。いつも」

「何で苦手だったの?」
「他人に触られるのが、苦手で。それと、ハサミが怖くて……」

「もしかして!今もダメ???」
「いや。多分大丈夫」
「良かった。風魔法で飛ばされちゃうかと思った」
私がそう言うと、マイロは笑った。


そんな話をしていると、武闘場についた。

さて、桶を探して。

「桶どこにあるか知ってる?」
「水飲み場の裏」

あった!桶

「何に使うの?」
「ついでに、頭を洗おうかと思って。石鹸シャンプーで」

私がそう言うと、マイロはとても慌てた。

「こ、こ、ここで?」
「マイロ、桶に水入れたら、お湯に出来る?」
「で、出来る。火魔法使えばいいだけだから」

マイロは桶に水を入れると、火魔法を使ってお湯にしてくれた。

「人肌くらいだよ?」
「人肌?」
「熱過ぎず、冷た過ぎず、体温くらいの温度」
「分かった」

マイロがお湯を用意している間に、私は石鹸とビネガーリンスの用意をした。
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