6 / 29
マイロの髪を切る
しおりを挟む
スムージーを飲みながら、私はマイロに石鹸シャンプーについて説明をした。
「オリーブオイル配合だから、洗い上がりがツヤがでるんじゃないかな?と期待してるの」
「オイルだと、ベタベタになるんじゃない?……」
マイロは髪がベタベタだと指摘されたことを気にしてるのかな?
「もしかして、気にしてる?私が言ったこと……」
「ま、まあ。でも、本当のことだし……」
マイロは小さく頷いた。
「ごめん。嫌な思いさせちゃって……」
私はマイロに申し訳なくて、何度も謝った。
「ちょっ、アイラ。だ、大丈夫だから」
マイロは周りをキョロキョロと見回して言った。
「ア、アイラ。髪、髪を切って」
「うん、わかった……」
「じゃ、じゃあ、行こうか!!」
私たちは食堂を出て歩き出した。
「ど、どこで切ろうか?」
マイロが訪ねてきた。
「武闘場の水飲み場のところだと、椅子もあるし、水もあるし、屋外だし、いいかな?」
「分かった。そこ……行こう」
ふたりで武闘場を目指して歩く。
「マイロは、髪の毛誰に切ってもらってるの?」
「お母さん」
「そうなの?お母さん、床屋さんなの?」
「ち、違うけど」
「けど、お母さんが切ってくれてるんだ?」
「僕、髪を切られるのが苦手で」
「うん」
「嫌がってると、風魔法出ちゃって……」
「ん???」
「風魔法で、お店の中がめちゃくちゃになっちゃって……」
「小さい頃?」
「うん……そう」
「大変だったね。マイロも、床屋さんも」
「お母さんもね。床屋さんに怒られてたから。いつも」
「何で苦手だったの?」
「他人に触られるのが、苦手で。それと、ハサミが怖くて……」
「もしかして!今もダメ???」
「いや。多分大丈夫」
「良かった。風魔法で飛ばされちゃうかと思った」
私がそう言うと、マイロは笑った。
そんな話をしていると、武闘場についた。
さて、桶を探して。
「桶どこにあるか知ってる?」
「水飲み場の裏」
あった!桶
「何に使うの?」
「ついでに、頭を洗おうかと思って。石鹸シャンプーで」
私がそう言うと、マイロはとても慌てた。
「こ、こ、ここで?」
「マイロ、桶に水入れたら、お湯に出来る?」
「で、出来る。火魔法使えばいいだけだから」
マイロは桶に水を入れると、火魔法を使ってお湯にしてくれた。
「人肌くらいだよ?」
「人肌?」
「熱過ぎず、冷た過ぎず、体温くらいの温度」
「分かった」
マイロがお湯を用意している間に、私は石鹸とビネガーリンスの用意をした。
「オリーブオイル配合だから、洗い上がりがツヤがでるんじゃないかな?と期待してるの」
「オイルだと、ベタベタになるんじゃない?……」
マイロは髪がベタベタだと指摘されたことを気にしてるのかな?
「もしかして、気にしてる?私が言ったこと……」
「ま、まあ。でも、本当のことだし……」
マイロは小さく頷いた。
「ごめん。嫌な思いさせちゃって……」
私はマイロに申し訳なくて、何度も謝った。
「ちょっ、アイラ。だ、大丈夫だから」
マイロは周りをキョロキョロと見回して言った。
「ア、アイラ。髪、髪を切って」
「うん、わかった……」
「じゃ、じゃあ、行こうか!!」
私たちは食堂を出て歩き出した。
「ど、どこで切ろうか?」
マイロが訪ねてきた。
「武闘場の水飲み場のところだと、椅子もあるし、水もあるし、屋外だし、いいかな?」
「分かった。そこ……行こう」
ふたりで武闘場を目指して歩く。
「マイロは、髪の毛誰に切ってもらってるの?」
「お母さん」
「そうなの?お母さん、床屋さんなの?」
「ち、違うけど」
「けど、お母さんが切ってくれてるんだ?」
「僕、髪を切られるのが苦手で」
「うん」
「嫌がってると、風魔法出ちゃって……」
「ん???」
「風魔法で、お店の中がめちゃくちゃになっちゃって……」
「小さい頃?」
「うん……そう」
「大変だったね。マイロも、床屋さんも」
「お母さんもね。床屋さんに怒られてたから。いつも」
「何で苦手だったの?」
「他人に触られるのが、苦手で。それと、ハサミが怖くて……」
「もしかして!今もダメ???」
「いや。多分大丈夫」
「良かった。風魔法で飛ばされちゃうかと思った」
私がそう言うと、マイロは笑った。
そんな話をしていると、武闘場についた。
さて、桶を探して。
「桶どこにあるか知ってる?」
「水飲み場の裏」
あった!桶
「何に使うの?」
「ついでに、頭を洗おうかと思って。石鹸シャンプーで」
私がそう言うと、マイロはとても慌てた。
「こ、こ、ここで?」
「マイロ、桶に水入れたら、お湯に出来る?」
「で、出来る。火魔法使えばいいだけだから」
マイロは桶に水を入れると、火魔法を使ってお湯にしてくれた。
「人肌くらいだよ?」
「人肌?」
「熱過ぎず、冷た過ぎず、体温くらいの温度」
「分かった」
マイロがお湯を用意している間に、私は石鹸とビネガーリンスの用意をした。
14
あなたにおすすめの小説
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
身代わり令嬢、恋した公爵に真実を伝えて去ろうとしたら、絡めとられる(ごめんなさぁぁぁぁい!あなたの本当の婚約者は、私の姉です)
柳葉うら
恋愛
(ごめんなさぁぁぁぁい!)
辺境伯令嬢のウィルマは心の中で土下座した。
結婚が嫌で家出した姉の身代わりをして、誰もが羨むような素敵な公爵様の婚約者として会ったのだが、公爵あまりにも良い人すぎて、申し訳なくて仕方がないのだ。
正直者で面食いな身代わり令嬢と、そんな令嬢のことが実は昔から好きだった策士なヒーローがドタバタとするお話です。
さくっと読んでいただけるかと思います。
彼は亡国の令嬢を愛せない
黒猫子猫
恋愛
セシリアの祖国が滅んだ。もはや妻としておく価値もないと、夫から離縁を言い渡されたセシリアは、五年ぶりに祖国の地を踏もうとしている。その先に待つのは、敵国による処刑だ。夫に愛されることも、子を産むことも、祖国で生きることもできなかったセシリアの願いはたった一つ。長年傍に仕えてくれていた人々を守る事だ。その願いは、一人の男の手によって叶えられた。
ただ、男が見返りに求めてきたものは、セシリアの想像をはるかに超えるものだった。
※同一世界観の関連作がありますが、これのみで読めます。本シリーズ初の長編作品です。
※ヒーローはスパダリ時々ポンコツです。口も悪いです。
※新作です。アルファポリス様が先行します。
余命六年の幼妻の願い~旦那様は私に興味が無い様なので自由気ままに過ごさせて頂きます。~
流雲青人
恋愛
商人と商品。そんな関係の伯爵家に生まれたアンジェは、十二歳の誕生日を迎えた日に医師から余命六年を言い渡された。
しかし、既に公爵家へと嫁ぐことが決まっていたアンジェは、公爵へは病気の存在を明かさずに嫁ぐ事を余儀なくされる。
けれど、幼いアンジェに公爵が興味を抱く訳もなく…余命だけが過ぎる毎日を過ごしていく。
【完結】何故こうなったのでしょう? きれいな姉を押しのけブスな私が王子様の婚約者!!!
りまり
恋愛
きれいなお姉さまが最優先される実家で、ひっそりと別宅で生活していた。
食事も自分で用意しなければならないぐらい私は差別されていたのだ。
だから毎日アルバイトしてお金を稼いだ。
食べるものや着る物を買うために……パン屋さんで働かせてもらった。
パン屋さんは家の事情を知っていて、毎日余ったパンをくれたのでそれは感謝している。
そんな時お姉さまはこの国の第一王子さまに恋をしてしまった。
王子さまに自分を売り込むために、私は王子付きの侍女にされてしまったのだ。
そんなの自分でしろ!!!!!
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
恋心を封印したら、なぜか幼馴染みがヤンデレになりました?
夕立悠理
恋愛
ずっと、幼馴染みのマカリのことが好きだったヴィオラ。
けれど、マカリはちっとも振り向いてくれない。
このまま勝手に好きで居続けるのも迷惑だろうと、ヴィオラは育った町をでる。
なんとか、王都での仕事も見つけ、新しい生活は順風満帆──かと思いきや。
なんと、王都だけは死んでもいかないといっていたマカリが、ヴィオラを追ってきて……。
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる