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鬼謀の星
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~ミラルノ商店~
「なぜ騎士団は動かないんだ!
・
・
・
すでに犯人が確定していることに対して、蒸し返したくないからなのか!
職務怠慢にもほどがあるぞ!
・
・
・
くそっ!」
店主ミラルノは、騎士団の対応が頭にきているのか、冷静さを欠いているようにも見える。
「そっちが、その気なら無理やりにでも動かせてやる!
・
・
・
おい!誰か!」
ミラルノは使い走りを呼びつけると、指示を出した。
「いいか、上級貴族の家を回って騎士団を動かすように根回しをするんだ。
騎士団のやつら、おそらく下級騎士出身のマルゲリータが大臣になったこともあり、横着をしているんだろう。
あいつらに、何の為、誰の為の騎士団なのか、分からせる必要があるな。」
「了解しました。」
使い走りは ミラルノの指示を実行するために準備を始めた。
~ウィンター商店~
応接室で商談を終えた店主ベローチの元に、人相の悪い店番が駆け込んでくる。
「親分!」
「店では店主と呼べと言っただろ、で、何事だ?」
「え、あ、すみません、店主。
それが店主の言った通り、ミラルノが動き出しました。
いま、上級貴族に使いを出しているようですぜ。」
「ふふふっ、あいつらしいな。
よし、我々も手を打とうじゃないか。」
「ミラルノ商店を追い込むんですね。
しかし、なんですね。
まさか、ハロルドのヤローと一騎打ちになるだなんて・・・。」
「ああ、まさかハロルド商店が生き残るとは考えてもいなかったな。
しかし、レイオンとハロルドが同一人物だと考えれば、ごく自然な流れだろう。」
(・・・まあ、いまは中古の装備品の転売など迷走しているようだがな。
いまのうちに、ハロルドを引き離すしかないな。)
~ハロルド商店~
店番をしていたハロルドの元に、ルルジアが馬車を引きやってきた。
「ハロルドさん、昨日分の納品に来ました。」
「ご苦労様です。
で、如何ほどですか?」
「はい、装備品の修繕が36点の手数料と実費分の費用で合算して、金貨420枚ですけど・・・。
装備品が無事に売れてからでいいですよ。」
「いえいえ、金貨420枚ですね。」
ハロルドは、ある程度予想していたのだろうか、小分けしてある袋を4つと金貨20枚を手渡す。
あまりにも素早い支払いに、ルルジアは困惑しているようで、ハロルドに声をかける。
「ハロルドさん、まだ売れてもないですし・・・。」
「いえいえ、この商品は私が買い取ったじゃないですか。
ですから、ルルジアさんの・・・ドワルゴ商店の商売は完結ですよ。」
「で、でも・・・。」
ルルジアの様子に、ハロルドが不思議そうに声をかける。
「どうしましたか?
何か、問題でもありましたか?」
「い、いえ、いままでミラルノ商店との取引では掛け売りだったので・・・。
その、それに、家具も装備品も売れ残ることがあるし・・・。」
「ああ、そういうことですね。
いいんですよ。私はシンプルに商売をしているだけですから。
それに仕入れた装備品を売れるかどうかなんて、私の商才次第ですからね。」
ハロルドは、小さくガッツポーズを見せると馬車ごと店の前に横付けし、中新品・大特価!と書かれた値札を張り付けた。
「中新品・・・ですか?」
「ええ、中古の新品って意味です。」
「へえ、そんな言葉もあるんですね、勉強になります。」
メモをとるルルジアの様子を見て、笑いながらハロルドは答える。
「いま考えた言葉ですよ。
・
・
・
あ、いらっしゃいませ!
いつもニコニコ、ハロルド商店です!」
さっそく看板を見て冒険者が店に装備をもって入ってくる。
「これ、いくら?」
ハロルドは、冒険者が持っていた装備品を手に取り、値段をその場で付け始めた。
品定めが終わると、笑顔で冒険者に答える。
「はい、金貨12枚です。」
「おいおい、胸当てだけじゃねーぞ、この小手と脛当て、ナイフもだぜ。」
「ええ、セットで金貨12枚です。
この値段は、大特価で値引き後なので、これ以上は値引きませんよ。」
「まじでか・・・。
じゃ、じゃあ、この小型盾はいくらなんだ?」
「はい、これは魔法鉄で補強してある良品ですので、金貨20枚ですね。」
「魔法鉄で補強してあるのか。
・
・
・
20枚、それでも破格に安いな。」
冒険者は何か安い理由を疑っているようだ。
ハロルドは、そんな冒険者に声をかける。
「ええ、この装備が安い理由は、中古の品だからです。
ですが、この装備品を修繕したのは、職人集団として誉れ高き エリア3のドワーフたちで、彼らの技術ですから、装備の質に間違いはありません。」
「エリア山のドワーフと言えば聞いたことがあるな。
・
・
・
よし、試しに買ってみよう!」
「ええ、エリア3のドワーフの修繕した品ですからね!
きっと気に入ってもらえると思いますよ。」
ハロルドの大きな声は、周囲の冒険者たちの耳にも届いていたようで、店の前の馬車には、冒険者たちがゾロゾロと集まってきていた。
店の前の馬車で品定めをしていた冒険者たちに、ハロルドが声をかける。
「みなさーん、目利きをして選ぶのもいいですけど、早い者勝ちなので余分に買っておいても損はないんじゃないですか?
一点ものなので、基本的に同じものが店に並ぶことはないですよ!」
「「「それもそうだな・・・。」」」
冒険者たちは装備品を次から次に買いあさっていく。
中には、贈答用として装飾が施されている高級装備品を買っていく貴族の姿もあった。
ルルジアは、ハロルドの手腕に驚きの表情を隠せない。
(さすがハロルドさんだわ。
もうすでに払った分は回収してるわね。
しかも、ポーションや消耗品もセット販売していってる・・・。)
「お客さん、いまだったら装備品を買ってもらった方限定で、ポーションが3つで2つ分の値段で買えますよ!
装備で浮いたお金で買っちゃいましょうよ!
ポーションは必需品だし日持ちもするし、何本あっても困ることはないですからね。」
「「「おお、言われてみればそうだな!」」」
「なぜ騎士団は動かないんだ!
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すでに犯人が確定していることに対して、蒸し返したくないからなのか!
職務怠慢にもほどがあるぞ!
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くそっ!」
店主ミラルノは、騎士団の対応が頭にきているのか、冷静さを欠いているようにも見える。
「そっちが、その気なら無理やりにでも動かせてやる!
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おい!誰か!」
ミラルノは使い走りを呼びつけると、指示を出した。
「いいか、上級貴族の家を回って騎士団を動かすように根回しをするんだ。
騎士団のやつら、おそらく下級騎士出身のマルゲリータが大臣になったこともあり、横着をしているんだろう。
あいつらに、何の為、誰の為の騎士団なのか、分からせる必要があるな。」
「了解しました。」
使い走りは ミラルノの指示を実行するために準備を始めた。
~ウィンター商店~
応接室で商談を終えた店主ベローチの元に、人相の悪い店番が駆け込んでくる。
「親分!」
「店では店主と呼べと言っただろ、で、何事だ?」
「え、あ、すみません、店主。
それが店主の言った通り、ミラルノが動き出しました。
いま、上級貴族に使いを出しているようですぜ。」
「ふふふっ、あいつらしいな。
よし、我々も手を打とうじゃないか。」
「ミラルノ商店を追い込むんですね。
しかし、なんですね。
まさか、ハロルドのヤローと一騎打ちになるだなんて・・・。」
「ああ、まさかハロルド商店が生き残るとは考えてもいなかったな。
しかし、レイオンとハロルドが同一人物だと考えれば、ごく自然な流れだろう。」
(・・・まあ、いまは中古の装備品の転売など迷走しているようだがな。
いまのうちに、ハロルドを引き離すしかないな。)
~ハロルド商店~
店番をしていたハロルドの元に、ルルジアが馬車を引きやってきた。
「ハロルドさん、昨日分の納品に来ました。」
「ご苦労様です。
で、如何ほどですか?」
「はい、装備品の修繕が36点の手数料と実費分の費用で合算して、金貨420枚ですけど・・・。
装備品が無事に売れてからでいいですよ。」
「いえいえ、金貨420枚ですね。」
ハロルドは、ある程度予想していたのだろうか、小分けしてある袋を4つと金貨20枚を手渡す。
あまりにも素早い支払いに、ルルジアは困惑しているようで、ハロルドに声をかける。
「ハロルドさん、まだ売れてもないですし・・・。」
「いえいえ、この商品は私が買い取ったじゃないですか。
ですから、ルルジアさんの・・・ドワルゴ商店の商売は完結ですよ。」
「で、でも・・・。」
ルルジアの様子に、ハロルドが不思議そうに声をかける。
「どうしましたか?
何か、問題でもありましたか?」
「い、いえ、いままでミラルノ商店との取引では掛け売りだったので・・・。
その、それに、家具も装備品も売れ残ることがあるし・・・。」
「ああ、そういうことですね。
いいんですよ。私はシンプルに商売をしているだけですから。
それに仕入れた装備品を売れるかどうかなんて、私の商才次第ですからね。」
ハロルドは、小さくガッツポーズを見せると馬車ごと店の前に横付けし、中新品・大特価!と書かれた値札を張り付けた。
「中新品・・・ですか?」
「ええ、中古の新品って意味です。」
「へえ、そんな言葉もあるんですね、勉強になります。」
メモをとるルルジアの様子を見て、笑いながらハロルドは答える。
「いま考えた言葉ですよ。
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あ、いらっしゃいませ!
いつもニコニコ、ハロルド商店です!」
さっそく看板を見て冒険者が店に装備をもって入ってくる。
「これ、いくら?」
ハロルドは、冒険者が持っていた装備品を手に取り、値段をその場で付け始めた。
品定めが終わると、笑顔で冒険者に答える。
「はい、金貨12枚です。」
「おいおい、胸当てだけじゃねーぞ、この小手と脛当て、ナイフもだぜ。」
「ええ、セットで金貨12枚です。
この値段は、大特価で値引き後なので、これ以上は値引きませんよ。」
「まじでか・・・。
じゃ、じゃあ、この小型盾はいくらなんだ?」
「はい、これは魔法鉄で補強してある良品ですので、金貨20枚ですね。」
「魔法鉄で補強してあるのか。
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20枚、それでも破格に安いな。」
冒険者は何か安い理由を疑っているようだ。
ハロルドは、そんな冒険者に声をかける。
「ええ、この装備が安い理由は、中古の品だからです。
ですが、この装備品を修繕したのは、職人集団として誉れ高き エリア3のドワーフたちで、彼らの技術ですから、装備の質に間違いはありません。」
「エリア山のドワーフと言えば聞いたことがあるな。
・
・
・
よし、試しに買ってみよう!」
「ええ、エリア3のドワーフの修繕した品ですからね!
きっと気に入ってもらえると思いますよ。」
ハロルドの大きな声は、周囲の冒険者たちの耳にも届いていたようで、店の前の馬車には、冒険者たちがゾロゾロと集まってきていた。
店の前の馬車で品定めをしていた冒険者たちに、ハロルドが声をかける。
「みなさーん、目利きをして選ぶのもいいですけど、早い者勝ちなので余分に買っておいても損はないんじゃないですか?
一点ものなので、基本的に同じものが店に並ぶことはないですよ!」
「「「それもそうだな・・・。」」」
冒険者たちは装備品を次から次に買いあさっていく。
中には、贈答用として装飾が施されている高級装備品を買っていく貴族の姿もあった。
ルルジアは、ハロルドの手腕に驚きの表情を隠せない。
(さすがハロルドさんだわ。
もうすでに払った分は回収してるわね。
しかも、ポーションや消耗品もセット販売していってる・・・。)
「お客さん、いまだったら装備品を買ってもらった方限定で、ポーションが3つで2つ分の値段で買えますよ!
装備で浮いたお金で買っちゃいましょうよ!
ポーションは必需品だし日持ちもするし、何本あっても困ることはないですからね。」
「「「おお、言われてみればそうだな!」」」
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