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ケイト編
~新章・第三節~
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~地下研究所~
パオ「うん、機械のデータを見てみたけど、彼女の肉体に異常なし、脳波も異常なし、眠っているだけみたいなんだけど・・・。」
バベル「寝てるだけ?」
パオ「ちゃんと見てみるね。ちょっと手伝って。」
そう言うと、パオは、アスカを起こし、服を脱がせ始めた。
バベル「あの、服を・・・。」
パオ「だって、脱がせないと何も分からないじゃない。ほら、早く手伝ってよ。重いんだから。」
バベルは、アスカを支える。その間に、パオが服を脱がせる。
パオ「よし、これでいいかな。」
バベル「全部、脱がせなくていいの?」
パオ「なぜ?邪魔なのは、プロテクターだから、衣服は別にいいよ。」
パオ「もしかして、エロバベルは、何か期待してた?」
バベル「い、いや、検査って言ったら、脱ぐものなのかなと思って。」
パオ「いまの時代、検査くらいで脱ぐ必要なんてないよ。プロテクターみたいなものは邪魔だけどね。」
バベル「ふーん。で、何か分かったのか?」
パオ「うん。触ってみたところ、体温も温かいし、瞳孔も光に反応してる。やっぱり、眠ってるって表現が適切だと思うんだけど。バベルは、この原因に心当たりない?たとえば、こうなったときに、どうしてたとか。それが分かれば、治療のきっかけになると思うんだけど。」
二人は困った顔を見合わせた。
バベル「最近の記憶、というか、自分自身のこともだけど、ほとんど忘れてしまってるんだ。断片的に覚えてるくらいかな。」
パオ「記憶障害か。大丈夫?バベルのD細胞適合率が高まってるんじゃない?」
バベル「D細胞適合率?」
パオ「うん。それも忘れてるなんて、重症だよ。適合率がある一定のラインを超えると、記憶障害が起きやすくなるんだ。一応、測ってやろっか?」
バベル「じゃあ、お願い。」
そういって、服を脱ぎ始める。
パオ「いいよ。服着てよ!この機械を腕にはめてみて。」
そういうと、腕時計のようなものを、バベルに渡す。
バベル「いいよ。」
バベルが腕時計のような機械をつけると、どんどん数字が上昇していく。
パオ「ほら、もう60%超えだ!君の適合率が高まってるんだよ。」
パオは、バベルの顔をみる。
バベル「これ、どこまで上昇するの?」
パオ「さあ、80手前で止まるはずだけど、」
そういって、二人で数字をのぞき込む。
パオ「!!!」
バベル「エロー?壊してしまったかな?」
パオ「うん。そうだきっと。君が壊したんだ。でも、もしかすると。いや・・・。」
パオは一人でブツブツとつぶやいている。
パオ「私も一緒に、病院へ行くことにするよ。君もどうせ、病院に行く予定だったんだろ。」
バベル「いや、でもまだアスカが・・・。」
パオ「彼女も連れていき、精密検査をしよう。では、出発!」
バベル心の声(また、エレベーター・・・。)
昇りのエレベーターも超満員だ。
~病院内研究所 駐車場~
病院につく頃には、黒い雨もやんでいた。
わずかに、空からは、光が漏れる。
パオ「ここが新しい研究所件、製造施設になる!ホープが機械などの備品を全面バックアップしてくれていて、ここだけ堅牢なハイテク要塞になっているんだ!」
バベル「ホープが?」
パオ「そう、君が来ることもホープからメールが届いて事前に知ることができた。彼のおかげでここの施設にはドラゴンもよりつかない。」
バベル「ホープのこと、どれだけ知ってるんだ?」
パオ「さあ?彼の研究を手伝えば、物品や機材を提供してくれる、投資家ってことかな。」
バベル「彼の研究?」
パオ「そう、私の父が発明した、永遠の心臓、それの開発だ。」
バベル「発明したのに?」
パオ「オリジナルである、君の心臓に近いものはいくつか納品したんだが、傷が入れば壊れてしまう不完全な代物なんだ。まあ、大丈夫。君の心臓を取り出せば解決だから。」
バベル「えっ!心臓を取られるの?」
パオ「冗談だよ。そんなことしないよ。ホープは君の事を、代替の効かない大事な人材って言ってたから。」
パオ「まあ、立ち話もなんだから、中に入って。」
やはり、パオの動作が、デジャブする。
~病院内研究所~
二人が施設内に入ると、一人の兵士が駆け寄ってくる。
迷彩服「パオ先生、連絡をくれれば、迎えに行ったのに。こちらの方は?」
パオ「ホープから連絡があっていた、バベルだ。」
バベル「よろしく。」
迷彩服「はじめまして。宜しくお願いします。」
パオ「そんな畏まった挨拶はいいから、精密検査をさせたい人がいるんだ。だから、私のクローン達を呼んできもらえないかな。私はコレから彼と、D細胞の研究フロアに移動する。」
迷彩服「わかりました。ちょっと待っててください。」
そういうと、駆け足で奥に入っていった。
パオ「今度は広々エレベーターで移動だ!」
バベル「広々エレベーター?」
エレベーター内には、機材が積み込んであり、家のエレベーターと変わらない。
パオ「まあ、私みたいな性格の人間が多いし、こういうこともある。君もいい勉強になったんじゃないかな。」
二人は、エレベーターを降り、アスカをクローンに預けた。
そのまま、同じ階にある、D細胞の研究フロアに移動する。
~D細胞研究フロア~
パオ「ここでは、D細胞の移植を行ってる。最初は失敗の連続だったが、ホープの持ってきた資料を基に、成功することがでるようになったんだ。」
パオ「さあ、君の適合率を正式に調べよう!」
そういうと、消毒もなしに、いきなり針を刺す!
バベル「え!」
パオ「大丈夫、D細胞の適合者なら、ちょっとやそっとの感染症では死なない。」
パオ「さあ、判定の結果やいかに!」
パオ「いや、嘘だ、そんなはずはない。だけど、まさか、」
パオはバベルの顔を見る。
バベル「・・・。オープンプライス!」
パオ「ああ、驚きの鑑定結果は、適合率、146%」
パオ「普通の人間なら細胞の変化に耐えられずに、ドラゴンへと変化している数値だ。君に記憶障害があるわけだ。なっとくできる。しかし、君は・・・。」
パオ「バベル、とりあえず、彼女のところに向かおう。何か君を知るヒントが隠されてるかもしれない。」
~集中治療室~
パオ「彼女の結果は、何か分かったかな?」
クローン「いや、まだ何も。ただ、こんなことはありえないとしか。」
パオ「今度は何があったんだ?」
クローン「いや、それが、まったく異常は見られないんだよ。非科学的な見解をする私を笑うかも知れないが、魂が抜けてるとしか、いい表しようがない。」
パオ「魂が抜けてる?その見解は興味深い。なぜ君はそう思ったんだ?」
クローン「まったくの異常が見られなかったため、クローンテストを行ったんだ。テストでは、クローンは正常な状態で発育発達し、意識がある状態になる。しかし、オリジナルには、それがない。」
バベル「アスカのクローンを作ったのか!」
パオ「いや、あくまでテストだ。本人や、君の承認を受けずに作ったりしない。しかし謎だな。」
クローン「君が承認してくれるのであらば、クローンを作り、原因解明に役立てようとおもうのだが・・・。」
二人は、バベルの表情から、空気を読み取った。
パオ「承認は難しいだろう。さて、行き詰ったな。王子様のキスでもしてみるか。」
そういうと、パオは、アスカに口づけをする。
クローン「反応なしだな。」
パオ「まあ、分かり切った結果だが・・・。」
何かを期待して、バベルを見つめる二人。
バベルがトライするも、結果は、
パオ「反応なしだな。」
クローン「まあ、分かり切った結果だが。」
パオ「一度、家に戻り、準備をしてくる。君は、兵士を募るといい。」
そういうと、パオはエレベーターに乗り、降りて行った。
バベル「パオは何するつもりなんだ?」
クローン「たぶん、君についていくんだよ。君のこと気に入ってるみたいだったしね。」
バベル「どこについていくんだ?」
クローン「さあ?でも、オリジナルは、パオは連れて行ってあげてよ。・・・まあ、とにかく、人を集めるから、気に入ったのも連れて行っていいよ。」
そういうと、クローンは館内放送で兵士を呼び出した。
~病院エントランス~
バベルは、ドラゴンを殲滅する為に、戦っていること。他のシェルターの生き残りの人間を救うこと。ドラゴンと戦う力があるということを説明する。
迷彩服「言いたいことは、分かります。だけど、私たちは、こんな格好してますが、兵士でもなんでもないんです。どこにでもいる一般人で、たまたま少女の持ってきた薬に適合して外で物資を探してるだけなんです。先生のもとにいれば、ホープって人が食料や水を提供してくれるんです。それに、シェルターの中では、妻や子供もいるから・・・。それに、人によっては、ほら、なあ、」
他の兵士「そ、そうだそうだ、ここにいれば、ホープが助けてくれるし、あなたについていく義理なんてないんだよ。」
バベル「そうか、無理を言ってすまない。」
集まった兵士の中には、誰一人賛同するものは、いなかった。
数人は、手を上げようとしていた人もいたが、ほかの兵士のこともあり、手を挙げることはできなさそうだった。
パオ「ね。クローンが必要だったでしょ。」
キャリーケースを引いて戻ってきた、パオが話しかける。
バベル「それでも、クローンは必要ないかな。」
パオ「頑固だね。」
バベル「うん。パオは気づいてないかもしれないけど、クローンの君は、悲しい顔をしていた。やっぱりクローンは・・・。」
パオ「そうだね。それは、・・・分かってるよ。」
パオ「うちにいた、クローン、年を取ったり、怪我をしたり、そういった人を連れてかえってるの。ここの施設では、若いクローンじゃないと、兵士もいうことを聞かないから。彼女達だって、我慢してるんだ。」
バベル「すまない。言い過ぎた。」
バベルは、涙を流すパオを抱きしめる。
~病院前駐車場~
パオの家にあった年代物の四駆に乗り変える。
持ってきたキャリーバックには、バベル研究所にもあった、携帯食料や、医療品などが詰め込まれてた。
バベル「結局、来た意味、なかったな。」
パオ「収穫はあったよ。あの邪魔な機械の大幅な小型化に成功したじゃん。」
そういって、後部座席のアスカを見る。
アスカは、口元にマスクをしているだけの簡易機械になっている。
バベル「本当に大丈夫?」
パオ「もちろん。今後、瀕死の重傷を負った場合の保証はないけど、あのマスクを通して、必要な養分を摂取できるから問題ない設計だよ。」
パオ「それに、うちの車にあれは載せれないから。」
バベル「でも、なんで車を変えたんだ?」
パオ「なんでって、ホープから逃げ出すためよ。ホープって、人間じゃなくて、ネットワーク上のコンピューターだよ。たぶん、人類の敵だから。それに、彼女の目覚めない原因は、彼らにあるんじゃないかって思うんだ。だって、都合よすぎでしょ。・・・君もそう感じない?」
パオは鋭い。たしかに、バベルの乗ってきた車で移動すれば、ホープに行動が筒抜けだろう。それに、思い返せば、おかしな点もある。リルムがホープと交信して、外に出るまでの時間は短い。近くの車両を手配したとしても、あの迅速さは、よく考えればおかしい。リルムも機械、ホープの仲間でもおかしくない。
パオ「じゃあ、出発しよう!」
バベル「行く当ては?」
パオ「さあ?困ったときは、原点回帰だ。北へ!」
~ to be continued
パオ「うん、機械のデータを見てみたけど、彼女の肉体に異常なし、脳波も異常なし、眠っているだけみたいなんだけど・・・。」
バベル「寝てるだけ?」
パオ「ちゃんと見てみるね。ちょっと手伝って。」
そう言うと、パオは、アスカを起こし、服を脱がせ始めた。
バベル「あの、服を・・・。」
パオ「だって、脱がせないと何も分からないじゃない。ほら、早く手伝ってよ。重いんだから。」
バベルは、アスカを支える。その間に、パオが服を脱がせる。
パオ「よし、これでいいかな。」
バベル「全部、脱がせなくていいの?」
パオ「なぜ?邪魔なのは、プロテクターだから、衣服は別にいいよ。」
パオ「もしかして、エロバベルは、何か期待してた?」
バベル「い、いや、検査って言ったら、脱ぐものなのかなと思って。」
パオ「いまの時代、検査くらいで脱ぐ必要なんてないよ。プロテクターみたいなものは邪魔だけどね。」
バベル「ふーん。で、何か分かったのか?」
パオ「うん。触ってみたところ、体温も温かいし、瞳孔も光に反応してる。やっぱり、眠ってるって表現が適切だと思うんだけど。バベルは、この原因に心当たりない?たとえば、こうなったときに、どうしてたとか。それが分かれば、治療のきっかけになると思うんだけど。」
二人は困った顔を見合わせた。
バベル「最近の記憶、というか、自分自身のこともだけど、ほとんど忘れてしまってるんだ。断片的に覚えてるくらいかな。」
パオ「記憶障害か。大丈夫?バベルのD細胞適合率が高まってるんじゃない?」
バベル「D細胞適合率?」
パオ「うん。それも忘れてるなんて、重症だよ。適合率がある一定のラインを超えると、記憶障害が起きやすくなるんだ。一応、測ってやろっか?」
バベル「じゃあ、お願い。」
そういって、服を脱ぎ始める。
パオ「いいよ。服着てよ!この機械を腕にはめてみて。」
そういうと、腕時計のようなものを、バベルに渡す。
バベル「いいよ。」
バベルが腕時計のような機械をつけると、どんどん数字が上昇していく。
パオ「ほら、もう60%超えだ!君の適合率が高まってるんだよ。」
パオは、バベルの顔をみる。
バベル「これ、どこまで上昇するの?」
パオ「さあ、80手前で止まるはずだけど、」
そういって、二人で数字をのぞき込む。
パオ「!!!」
バベル「エロー?壊してしまったかな?」
パオ「うん。そうだきっと。君が壊したんだ。でも、もしかすると。いや・・・。」
パオは一人でブツブツとつぶやいている。
パオ「私も一緒に、病院へ行くことにするよ。君もどうせ、病院に行く予定だったんだろ。」
バベル「いや、でもまだアスカが・・・。」
パオ「彼女も連れていき、精密検査をしよう。では、出発!」
バベル心の声(また、エレベーター・・・。)
昇りのエレベーターも超満員だ。
~病院内研究所 駐車場~
病院につく頃には、黒い雨もやんでいた。
わずかに、空からは、光が漏れる。
パオ「ここが新しい研究所件、製造施設になる!ホープが機械などの備品を全面バックアップしてくれていて、ここだけ堅牢なハイテク要塞になっているんだ!」
バベル「ホープが?」
パオ「そう、君が来ることもホープからメールが届いて事前に知ることができた。彼のおかげでここの施設にはドラゴンもよりつかない。」
バベル「ホープのこと、どれだけ知ってるんだ?」
パオ「さあ?彼の研究を手伝えば、物品や機材を提供してくれる、投資家ってことかな。」
バベル「彼の研究?」
パオ「そう、私の父が発明した、永遠の心臓、それの開発だ。」
バベル「発明したのに?」
パオ「オリジナルである、君の心臓に近いものはいくつか納品したんだが、傷が入れば壊れてしまう不完全な代物なんだ。まあ、大丈夫。君の心臓を取り出せば解決だから。」
バベル「えっ!心臓を取られるの?」
パオ「冗談だよ。そんなことしないよ。ホープは君の事を、代替の効かない大事な人材って言ってたから。」
パオ「まあ、立ち話もなんだから、中に入って。」
やはり、パオの動作が、デジャブする。
~病院内研究所~
二人が施設内に入ると、一人の兵士が駆け寄ってくる。
迷彩服「パオ先生、連絡をくれれば、迎えに行ったのに。こちらの方は?」
パオ「ホープから連絡があっていた、バベルだ。」
バベル「よろしく。」
迷彩服「はじめまして。宜しくお願いします。」
パオ「そんな畏まった挨拶はいいから、精密検査をさせたい人がいるんだ。だから、私のクローン達を呼んできもらえないかな。私はコレから彼と、D細胞の研究フロアに移動する。」
迷彩服「わかりました。ちょっと待っててください。」
そういうと、駆け足で奥に入っていった。
パオ「今度は広々エレベーターで移動だ!」
バベル「広々エレベーター?」
エレベーター内には、機材が積み込んであり、家のエレベーターと変わらない。
パオ「まあ、私みたいな性格の人間が多いし、こういうこともある。君もいい勉強になったんじゃないかな。」
二人は、エレベーターを降り、アスカをクローンに預けた。
そのまま、同じ階にある、D細胞の研究フロアに移動する。
~D細胞研究フロア~
パオ「ここでは、D細胞の移植を行ってる。最初は失敗の連続だったが、ホープの持ってきた資料を基に、成功することがでるようになったんだ。」
パオ「さあ、君の適合率を正式に調べよう!」
そういうと、消毒もなしに、いきなり針を刺す!
バベル「え!」
パオ「大丈夫、D細胞の適合者なら、ちょっとやそっとの感染症では死なない。」
パオ「さあ、判定の結果やいかに!」
パオ「いや、嘘だ、そんなはずはない。だけど、まさか、」
パオはバベルの顔を見る。
バベル「・・・。オープンプライス!」
パオ「ああ、驚きの鑑定結果は、適合率、146%」
パオ「普通の人間なら細胞の変化に耐えられずに、ドラゴンへと変化している数値だ。君に記憶障害があるわけだ。なっとくできる。しかし、君は・・・。」
パオ「バベル、とりあえず、彼女のところに向かおう。何か君を知るヒントが隠されてるかもしれない。」
~集中治療室~
パオ「彼女の結果は、何か分かったかな?」
クローン「いや、まだ何も。ただ、こんなことはありえないとしか。」
パオ「今度は何があったんだ?」
クローン「いや、それが、まったく異常は見られないんだよ。非科学的な見解をする私を笑うかも知れないが、魂が抜けてるとしか、いい表しようがない。」
パオ「魂が抜けてる?その見解は興味深い。なぜ君はそう思ったんだ?」
クローン「まったくの異常が見られなかったため、クローンテストを行ったんだ。テストでは、クローンは正常な状態で発育発達し、意識がある状態になる。しかし、オリジナルには、それがない。」
バベル「アスカのクローンを作ったのか!」
パオ「いや、あくまでテストだ。本人や、君の承認を受けずに作ったりしない。しかし謎だな。」
クローン「君が承認してくれるのであらば、クローンを作り、原因解明に役立てようとおもうのだが・・・。」
二人は、バベルの表情から、空気を読み取った。
パオ「承認は難しいだろう。さて、行き詰ったな。王子様のキスでもしてみるか。」
そういうと、パオは、アスカに口づけをする。
クローン「反応なしだな。」
パオ「まあ、分かり切った結果だが・・・。」
何かを期待して、バベルを見つめる二人。
バベルがトライするも、結果は、
パオ「反応なしだな。」
クローン「まあ、分かり切った結果だが。」
パオ「一度、家に戻り、準備をしてくる。君は、兵士を募るといい。」
そういうと、パオはエレベーターに乗り、降りて行った。
バベル「パオは何するつもりなんだ?」
クローン「たぶん、君についていくんだよ。君のこと気に入ってるみたいだったしね。」
バベル「どこについていくんだ?」
クローン「さあ?でも、オリジナルは、パオは連れて行ってあげてよ。・・・まあ、とにかく、人を集めるから、気に入ったのも連れて行っていいよ。」
そういうと、クローンは館内放送で兵士を呼び出した。
~病院エントランス~
バベルは、ドラゴンを殲滅する為に、戦っていること。他のシェルターの生き残りの人間を救うこと。ドラゴンと戦う力があるということを説明する。
迷彩服「言いたいことは、分かります。だけど、私たちは、こんな格好してますが、兵士でもなんでもないんです。どこにでもいる一般人で、たまたま少女の持ってきた薬に適合して外で物資を探してるだけなんです。先生のもとにいれば、ホープって人が食料や水を提供してくれるんです。それに、シェルターの中では、妻や子供もいるから・・・。それに、人によっては、ほら、なあ、」
他の兵士「そ、そうだそうだ、ここにいれば、ホープが助けてくれるし、あなたについていく義理なんてないんだよ。」
バベル「そうか、無理を言ってすまない。」
集まった兵士の中には、誰一人賛同するものは、いなかった。
数人は、手を上げようとしていた人もいたが、ほかの兵士のこともあり、手を挙げることはできなさそうだった。
パオ「ね。クローンが必要だったでしょ。」
キャリーケースを引いて戻ってきた、パオが話しかける。
バベル「それでも、クローンは必要ないかな。」
パオ「頑固だね。」
バベル「うん。パオは気づいてないかもしれないけど、クローンの君は、悲しい顔をしていた。やっぱりクローンは・・・。」
パオ「そうだね。それは、・・・分かってるよ。」
パオ「うちにいた、クローン、年を取ったり、怪我をしたり、そういった人を連れてかえってるの。ここの施設では、若いクローンじゃないと、兵士もいうことを聞かないから。彼女達だって、我慢してるんだ。」
バベル「すまない。言い過ぎた。」
バベルは、涙を流すパオを抱きしめる。
~病院前駐車場~
パオの家にあった年代物の四駆に乗り変える。
持ってきたキャリーバックには、バベル研究所にもあった、携帯食料や、医療品などが詰め込まれてた。
バベル「結局、来た意味、なかったな。」
パオ「収穫はあったよ。あの邪魔な機械の大幅な小型化に成功したじゃん。」
そういって、後部座席のアスカを見る。
アスカは、口元にマスクをしているだけの簡易機械になっている。
バベル「本当に大丈夫?」
パオ「もちろん。今後、瀕死の重傷を負った場合の保証はないけど、あのマスクを通して、必要な養分を摂取できるから問題ない設計だよ。」
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パオ「なんでって、ホープから逃げ出すためよ。ホープって、人間じゃなくて、ネットワーク上のコンピューターだよ。たぶん、人類の敵だから。それに、彼女の目覚めない原因は、彼らにあるんじゃないかって思うんだ。だって、都合よすぎでしょ。・・・君もそう感じない?」
パオは鋭い。たしかに、バベルの乗ってきた車で移動すれば、ホープに行動が筒抜けだろう。それに、思い返せば、おかしな点もある。リルムがホープと交信して、外に出るまでの時間は短い。近くの車両を手配したとしても、あの迅速さは、よく考えればおかしい。リルムも機械、ホープの仲間でもおかしくない。
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