龍慶日記

黒山羊

文字の大きさ
13 / 48
ケイト編

~新章・第四節~

しおりを挟む
~北、15Km地点~


パオ「後方で煙が上がっているな。」

バベル「火事かな?」

パオ「いや、私や君を逃がしてしまったから、ホープの報復でしょ。」



バベル「逃がしてしまった?」

パオ「そう、私は研究をする人材、君は、理由は不明だが大事な人材。ほら、冷静なホープの事だ。必要のなくなった駒を消去しているんだろう。シェルターを含めて・・・。」





バベル「消去って、」

パオ「おかしな表現だね。でも彼ら機械にとって、最適ともいえる表現だと思うよ。」

パオ「それに、病院内の会話などは全て、ホープのデータベース上に記録されているようすだったし、君に対する発言や過去の彼女たちへの行為があり、君や私が出て行ったと判断すれば、ミスを繰り返さないように訂正する。機械としては正しいよ。・・・機械としてはね。」

バベル「パオ、引き返してくれ。まだ生き延びている人がいるかもしれない。いまなら、まだ助けられるかもしれない。」

パオ「君は純粋だね。私は・・・。」










パオ「君に貸し、二つ目だから。今度、私の頼みも聞いてもらうから。」



バベル「ありがと。でも、二つ目って?」


パオ「私の胸、触ったでしょ。ほら、二つ目。」

バベル心の声(しかし、あれは・・・。)






パオは、Uターンして病院に引き返した。















~病院近郊~


車が停止する。



バベル「ここまででいい、この距離なら敵に見つかる心配もないだろうから。アスカを頼む。」

パオ「でもまだ、5kmくらいあるよ。」

バベル「短距離なら、俺の方が早い。」

そういって、バベルはパオを見る。その瞳はドラゴン特融の横に細長い瞳が表れている。


パオ「その目・・・。」









バベルは、外に出ると、青い翼を広げ、大地を力強く蹴り、大空へと舞い上がる。














~病院前~

バベルが空から、病院前に降り立つ、そこにドラゴンの姿はないにも関わらず、対ドラゴン用の自立戦闘型機械が集結している。



自立戦闘型機械は、バベルを見つけると、両腕のガトリングで攻撃を仕掛けてきた。

ガトリングガンの一斉掃射は、範囲も広く、ドラゴン化した、バベルの速度すらも大幅に超えるが、銃という構造から、直線的な攻撃になり予測しやすい。

バベルには攻撃が当たらない。



バベルは近づくと、自立戦闘型機械の腕を折り、沈黙させる。

一台目を仕留めると後は早かった。他の自立戦闘型機械と同士討ちをさせ、一気に蹴散らす。


機械を蹴散らすと、室内に急ぐ。室内にも数体いたが、壁や天井もある為、戦いやすい。

ドラゴン化すると、よくわかるが、壁や天井も大地のように使え、立体的に戦うことができる。






室内の機械は瞬殺だった。

室内には、多数の兵士と、クローンが倒れている。

みな、即死で息はない。

そこに、うごめく影を見つける。

バベル「おい、大丈夫か!」


バベルは、うごめく影を抱き上げる。影の正体は、パオのクローンだ。

体は軽く、半分程になっている。


クローン「だれ?」

バベル「助けに来た。バベルだ。」

クローン「パオ、オリジナルは、無事?」

バベル「ああ、安全なところに避難している。」

クローン「よかった。シェルターの人も頼めるかな?」

そういうと、返事を聞く前にクローンは息を引き取った。


バベル「ああ、助けに行くよ。」





バベルは、外に出て、再び大空に飛び上がる。





西の山から煙が上がっている。

おそらく、シェルターが襲われているのだろう。

急ぎ、煙のもとに向かった。




煙の元にたどり着くと、すでに、戦闘は終わっていた。


シェルターの扉は破壊され、中は、老若男女関係なく、倒れている。シェルターの外から、銃声が聞こえる。



バベルは、銃声の元へ急いだ。




銃声は近くの学校から聞こえている。


銃声の聞こえる建物の外には、自立戦闘型機械が建物を包囲し、攻撃している。

バベルは、そんな機械を背後から襲う。


敵の数が多く、バベルにとって不利な野外での戦闘になる。



同士討ちを狙う作戦に出たが作戦は順調だ!







安心したその時、不覚にも、兵士が放った銃弾が、横腹を貫通する。

痛みをこらえ、敵をすべて倒す。



弾は貫通したので、治るのも時間の問題だろうが・・・。








バベルは、変身を解く。









バベルの周囲には、銃を構え取り囲む兵士達がいる。





迷彩服「バベルさん・・・。ですか?」


バベル「ああ、助けに来たんだが、すまない。間に合わなかった。」

迷彩服「・・・。」

バベルは、撃たれた傷を抑えている。出血の量が減ってきた。




兵士A「こいつ、ドラゴンに変化してるぞ。殺そう。」


兵士B「いや、待ってくれ、わざわざ危険を顧みず助けてくれたじゃないか。」


迷彩服「そうだ、彼を殺す必要はないだろ。」


兵士C「しかし、こいつを殺して連れていけば、ホープさんだって許してくれるんじゃないか?」





人間とは、身勝手なものだと痛感する。









そこへ、パオの車が到着する。


パオが車から降り、堂々した態度で近寄ってくる。





迷彩服「パオ先生、先生も戻ってきたんですか。」

パオ「戻ってきた?」

パオ「ああ、皆に伝えないといけないことがある。ホープが裏切った。
あいつは、インターネット内に潜む、AIで、この核攻撃も、あいつの仕業だと突き止めた。そんな、私と彼を殺しに来たから、返り討ちにしようと郊外まで行っていただけだ。君たちは、命の恩人の彼に対して、少し失礼じゃないのか。」



兵士一同「・・・。」

兵士C「しかし、こいつが来なければ、俺たちは今まで通り暮せたんじゃないですか。」

パオ「それはない。なぜなら、ホープは必要なものを手に入れることができたようだ。用済みの私たちを、生かすと思うか。」


兵士C「しかし・・・。」

パオ「君だって、古くなって起動しないのに、ソフトやアプリの維持費がかかるとすれば、保存しておかないだろ。ましてや、足手まといでもある。ホープにとって、私たち駒は、用済みになれば消去されるソフトと同じなんだよ。」


パオは、なるべく多くの兵士たちの顔を見渡す。



パオ「私は、このまま死ぬのは嫌だし、他のシェルターの人も助けたい。バベルと共に行動するが、君たちはどうする?」



迷彩服「私はついていきます。あいつらに家族を殺された。復讐がしたい。」


兵士A「俺は、・・・考えさせて下さい。」


兵士C「さっきの話は信じられません。もう一度、ホープに接触してみます。」





バベルと共に行動する人は、半分にも満たない、ごく少数の、8名だけだった。


パオ「では、私たちは、これから病院に戻り、準備をし、南を目指す。もし気が変わったら、追いかけてくるといい。」

パオは、バベルに肩を貸し、車へと乗り込む。

バベルの傷は、まだ痛むが、出血は止まっていた。



パオ「では、病院で合流しよう。」


そういうと、車をだす。



そこから病院まで引き返す。


パオ「先にやっておくことがあるからね。 傷は・・・。うん、大丈夫そうだ。」










~病院駐車場 パオの車内~

車は病院の駐車場に到着した。




バベル「北に向かうんじゃなかったっけ?」

パオ「本当のことは言わない方がいい。君は命を狙われる可能性もあるからね。」



パオ「さて、車両の手配に食料の手配、弾薬も持てるだけ持ちたいな。バベル、さっきので貸し3つだから、そろそろ、お願いを聞いてくれるかな?」

・・・嫌な予感がする。






パオ「ぱーっと空を飛んで、付近で使えそうな旧式の車か、軍用のトラックを探してほしい。」

バベル「そんなことだろうと思った。長時間変身すると、吐き気がするんだけど。」




パオ「気分が悪くなったら、膝枕してあげるから、お願い♪」

そう言って、パオは、可愛らしいポーズを決めている。


バベル「いや、それはいい。だって、」

そういって、後部座席のアスカを見る。




パオ「エロバベルの判断基準は、やはり胸か・・・。」

バベル「なに言ってるんだ、俺はそんなこと、」



パオ「アスカのオッパイばっかり、見てた。」

バベル「胸ばっかり見てない。」



パオ「見てた。」

バベル「見てない。」



パオ「じゃあ、私を見て。」


パオに手で目隠しをされ、唇に柔らかい感触が伝わる。

パオの手が、頬に触れる。

パオ「ほら、(私を)見てるじゃん。」




バベル「パオさん、・・・大胆だね。」




パオ「いまので、貸し4つ目ね。ほら、早く飛ばないと、貸しが増え続けるよ。」

パオは、ニッコリと笑って見せた。


バベル「はー、うん。行ってきます。」











 ~ to be continued








しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

別れし夫婦の御定書(おさだめがき)

佐倉 蘭
歴史・時代
★第11回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★ 嫡男を産めぬがゆえに、姑の策略で南町奉行所の例繰方与力・進藤 又十蔵と離縁させられた与岐(よき)。 離縁後、生家の父の猛反対を押し切って生まれ育った八丁堀の組屋敷を出ると、小伝馬町の仕舞屋に居を定めて一人暮らしを始めた。 月日は流れ、姑の思惑どおり後妻が嫡男を産み、婚家に置いてきた娘は二人とも無事与力の御家に嫁いだ。 おのれに起こったことは綺麗さっぱり水に流した与岐は、今では女だてらに離縁を望む町家の女房たちの代わりに亭主どもから去り状(三行半)をもぎ取るなどをする「公事師(くじし)」の生業(なりわい)をして生計を立てていた。 されどもある日突然、与岐の仕舞屋にとっくの昔に離縁したはずの元夫・又十蔵が転がり込んできて—— ※「今宵は遣らずの雨」「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」「大江戸の番人 〜吉原髪切り捕物帖〜」にうっすらと関連したお話ですが単独でお読みいただけます。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

レオナルド先生創世記

ポルネス・フリューゲル
ファンタジー
ビッグバーンを皮切りに宇宙が誕生し、やがて展開された宇宙の背景をユーモアたっぷりにとてもこっけいなジャック・レオナルド氏のサプライズの幕開け、幕開け!

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...