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ケイト編
~新章・第四節~
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~北、15Km地点~
パオ「後方で煙が上がっているな。」
バベル「火事かな?」
パオ「いや、私や君を逃がしてしまったから、ホープの報復でしょ。」
バベル「逃がしてしまった?」
パオ「そう、私は研究をする人材、君は、理由は不明だが大事な人材。ほら、冷静なホープの事だ。必要のなくなった駒を消去しているんだろう。シェルターを含めて・・・。」
バベル「消去って、」
パオ「おかしな表現だね。でも彼ら機械にとって、最適ともいえる表現だと思うよ。」
パオ「それに、病院内の会話などは全て、ホープのデータベース上に記録されているようすだったし、君に対する発言や過去の彼女たちへの行為があり、君や私が出て行ったと判断すれば、ミスを繰り返さないように訂正する。機械としては正しいよ。・・・機械としてはね。」
バベル「パオ、引き返してくれ。まだ生き延びている人がいるかもしれない。いまなら、まだ助けられるかもしれない。」
パオ「君は純粋だね。私は・・・。」
パオ「君に貸し、二つ目だから。今度、私の頼みも聞いてもらうから。」
バベル「ありがと。でも、二つ目って?」
パオ「私の胸、触ったでしょ。ほら、二つ目。」
バベル心の声(しかし、あれは・・・。)
パオは、Uターンして病院に引き返した。
~病院近郊~
車が停止する。
バベル「ここまででいい、この距離なら敵に見つかる心配もないだろうから。アスカを頼む。」
パオ「でもまだ、5kmくらいあるよ。」
バベル「短距離なら、俺の方が早い。」
そういって、バベルはパオを見る。その瞳はドラゴン特融の横に細長い瞳が表れている。
パオ「その目・・・。」
バベルは、外に出ると、青い翼を広げ、大地を力強く蹴り、大空へと舞い上がる。
~病院前~
バベルが空から、病院前に降り立つ、そこにドラゴンの姿はないにも関わらず、対ドラゴン用の自立戦闘型機械が集結している。
自立戦闘型機械は、バベルを見つけると、両腕のガトリングで攻撃を仕掛けてきた。
ガトリングガンの一斉掃射は、範囲も広く、ドラゴン化した、バベルの速度すらも大幅に超えるが、銃という構造から、直線的な攻撃になり予測しやすい。
バベルには攻撃が当たらない。
バベルは近づくと、自立戦闘型機械の腕を折り、沈黙させる。
一台目を仕留めると後は早かった。他の自立戦闘型機械と同士討ちをさせ、一気に蹴散らす。
機械を蹴散らすと、室内に急ぐ。室内にも数体いたが、壁や天井もある為、戦いやすい。
ドラゴン化すると、よくわかるが、壁や天井も大地のように使え、立体的に戦うことができる。
室内の機械は瞬殺だった。
室内には、多数の兵士と、クローンが倒れている。
みな、即死で息はない。
そこに、うごめく影を見つける。
バベル「おい、大丈夫か!」
バベルは、うごめく影を抱き上げる。影の正体は、パオのクローンだ。
体は軽く、半分程になっている。
クローン「だれ?」
バベル「助けに来た。バベルだ。」
クローン「パオ、オリジナルは、無事?」
バベル「ああ、安全なところに避難している。」
クローン「よかった。シェルターの人も頼めるかな?」
そういうと、返事を聞く前にクローンは息を引き取った。
バベル「ああ、助けに行くよ。」
バベルは、外に出て、再び大空に飛び上がる。
西の山から煙が上がっている。
おそらく、シェルターが襲われているのだろう。
急ぎ、煙のもとに向かった。
煙の元にたどり着くと、すでに、戦闘は終わっていた。
シェルターの扉は破壊され、中は、老若男女関係なく、倒れている。シェルターの外から、銃声が聞こえる。
バベルは、銃声の元へ急いだ。
銃声は近くの学校から聞こえている。
銃声の聞こえる建物の外には、自立戦闘型機械が建物を包囲し、攻撃している。
バベルは、そんな機械を背後から襲う。
敵の数が多く、バベルにとって不利な野外での戦闘になる。
同士討ちを狙う作戦に出たが作戦は順調だ!
安心したその時、不覚にも、兵士が放った銃弾が、横腹を貫通する。
痛みをこらえ、敵をすべて倒す。
弾は貫通したので、治るのも時間の問題だろうが・・・。
バベルは、変身を解く。
バベルの周囲には、銃を構え取り囲む兵士達がいる。
迷彩服「バベルさん・・・。ですか?」
バベル「ああ、助けに来たんだが、すまない。間に合わなかった。」
迷彩服「・・・。」
バベルは、撃たれた傷を抑えている。出血の量が減ってきた。
兵士A「こいつ、ドラゴンに変化してるぞ。殺そう。」
兵士B「いや、待ってくれ、わざわざ危険を顧みず助けてくれたじゃないか。」
迷彩服「そうだ、彼を殺す必要はないだろ。」
兵士C「しかし、こいつを殺して連れていけば、ホープさんだって許してくれるんじゃないか?」
人間とは、身勝手なものだと痛感する。
そこへ、パオの車が到着する。
パオが車から降り、堂々した態度で近寄ってくる。
迷彩服「パオ先生、先生も戻ってきたんですか。」
パオ「戻ってきた?」
パオ「ああ、皆に伝えないといけないことがある。ホープが裏切った。
あいつは、インターネット内に潜む、AIで、この核攻撃も、あいつの仕業だと突き止めた。そんな、私と彼を殺しに来たから、返り討ちにしようと郊外まで行っていただけだ。君たちは、命の恩人の彼に対して、少し失礼じゃないのか。」
兵士一同「・・・。」
兵士C「しかし、こいつが来なければ、俺たちは今まで通り暮せたんじゃないですか。」
パオ「それはない。なぜなら、ホープは必要なものを手に入れることができたようだ。用済みの私たちを、生かすと思うか。」
兵士C「しかし・・・。」
パオ「君だって、古くなって起動しないのに、ソフトやアプリの維持費がかかるとすれば、保存しておかないだろ。ましてや、足手まといでもある。ホープにとって、私たち駒は、用済みになれば消去されるソフトと同じなんだよ。」
パオは、なるべく多くの兵士たちの顔を見渡す。
パオ「私は、このまま死ぬのは嫌だし、他のシェルターの人も助けたい。バベルと共に行動するが、君たちはどうする?」
迷彩服「私はついていきます。あいつらに家族を殺された。復讐がしたい。」
兵士A「俺は、・・・考えさせて下さい。」
兵士C「さっきの話は信じられません。もう一度、ホープに接触してみます。」
バベルと共に行動する人は、半分にも満たない、ごく少数の、8名だけだった。
パオ「では、私たちは、これから病院に戻り、準備をし、南を目指す。もし気が変わったら、追いかけてくるといい。」
パオは、バベルに肩を貸し、車へと乗り込む。
バベルの傷は、まだ痛むが、出血は止まっていた。
パオ「では、病院で合流しよう。」
そういうと、車をだす。
そこから病院まで引き返す。
パオ「先にやっておくことがあるからね。 傷は・・・。うん、大丈夫そうだ。」
~病院駐車場 パオの車内~
車は病院の駐車場に到着した。
バベル「北に向かうんじゃなかったっけ?」
パオ「本当のことは言わない方がいい。君は命を狙われる可能性もあるからね。」
パオ「さて、車両の手配に食料の手配、弾薬も持てるだけ持ちたいな。バベル、さっきので貸し3つだから、そろそろ、お願いを聞いてくれるかな?」
・・・嫌な予感がする。
パオ「ぱーっと空を飛んで、付近で使えそうな旧式の車か、軍用のトラックを探してほしい。」
バベル「そんなことだろうと思った。長時間変身すると、吐き気がするんだけど。」
パオ「気分が悪くなったら、膝枕してあげるから、お願い♪」
そう言って、パオは、可愛らしいポーズを決めている。
バベル「いや、それはいい。だって、」
そういって、後部座席のアスカを見る。
パオ「エロバベルの判断基準は、やはり胸か・・・。」
バベル「なに言ってるんだ、俺はそんなこと、」
パオ「アスカのオッパイばっかり、見てた。」
バベル「胸ばっかり見てない。」
パオ「見てた。」
バベル「見てない。」
パオ「じゃあ、私を見て。」
パオに手で目隠しをされ、唇に柔らかい感触が伝わる。
パオの手が、頬に触れる。
パオ「ほら、(私を)見てるじゃん。」
バベル「パオさん、・・・大胆だね。」
パオ「いまので、貸し4つ目ね。ほら、早く飛ばないと、貸しが増え続けるよ。」
パオは、ニッコリと笑って見せた。
バベル「はー、うん。行ってきます。」
~ to be continued
パオ「後方で煙が上がっているな。」
バベル「火事かな?」
パオ「いや、私や君を逃がしてしまったから、ホープの報復でしょ。」
バベル「逃がしてしまった?」
パオ「そう、私は研究をする人材、君は、理由は不明だが大事な人材。ほら、冷静なホープの事だ。必要のなくなった駒を消去しているんだろう。シェルターを含めて・・・。」
バベル「消去って、」
パオ「おかしな表現だね。でも彼ら機械にとって、最適ともいえる表現だと思うよ。」
パオ「それに、病院内の会話などは全て、ホープのデータベース上に記録されているようすだったし、君に対する発言や過去の彼女たちへの行為があり、君や私が出て行ったと判断すれば、ミスを繰り返さないように訂正する。機械としては正しいよ。・・・機械としてはね。」
バベル「パオ、引き返してくれ。まだ生き延びている人がいるかもしれない。いまなら、まだ助けられるかもしれない。」
パオ「君は純粋だね。私は・・・。」
パオ「君に貸し、二つ目だから。今度、私の頼みも聞いてもらうから。」
バベル「ありがと。でも、二つ目って?」
パオ「私の胸、触ったでしょ。ほら、二つ目。」
バベル心の声(しかし、あれは・・・。)
パオは、Uターンして病院に引き返した。
~病院近郊~
車が停止する。
バベル「ここまででいい、この距離なら敵に見つかる心配もないだろうから。アスカを頼む。」
パオ「でもまだ、5kmくらいあるよ。」
バベル「短距離なら、俺の方が早い。」
そういって、バベルはパオを見る。その瞳はドラゴン特融の横に細長い瞳が表れている。
パオ「その目・・・。」
バベルは、外に出ると、青い翼を広げ、大地を力強く蹴り、大空へと舞い上がる。
~病院前~
バベルが空から、病院前に降り立つ、そこにドラゴンの姿はないにも関わらず、対ドラゴン用の自立戦闘型機械が集結している。
自立戦闘型機械は、バベルを見つけると、両腕のガトリングで攻撃を仕掛けてきた。
ガトリングガンの一斉掃射は、範囲も広く、ドラゴン化した、バベルの速度すらも大幅に超えるが、銃という構造から、直線的な攻撃になり予測しやすい。
バベルには攻撃が当たらない。
バベルは近づくと、自立戦闘型機械の腕を折り、沈黙させる。
一台目を仕留めると後は早かった。他の自立戦闘型機械と同士討ちをさせ、一気に蹴散らす。
機械を蹴散らすと、室内に急ぐ。室内にも数体いたが、壁や天井もある為、戦いやすい。
ドラゴン化すると、よくわかるが、壁や天井も大地のように使え、立体的に戦うことができる。
室内の機械は瞬殺だった。
室内には、多数の兵士と、クローンが倒れている。
みな、即死で息はない。
そこに、うごめく影を見つける。
バベル「おい、大丈夫か!」
バベルは、うごめく影を抱き上げる。影の正体は、パオのクローンだ。
体は軽く、半分程になっている。
クローン「だれ?」
バベル「助けに来た。バベルだ。」
クローン「パオ、オリジナルは、無事?」
バベル「ああ、安全なところに避難している。」
クローン「よかった。シェルターの人も頼めるかな?」
そういうと、返事を聞く前にクローンは息を引き取った。
バベル「ああ、助けに行くよ。」
バベルは、外に出て、再び大空に飛び上がる。
西の山から煙が上がっている。
おそらく、シェルターが襲われているのだろう。
急ぎ、煙のもとに向かった。
煙の元にたどり着くと、すでに、戦闘は終わっていた。
シェルターの扉は破壊され、中は、老若男女関係なく、倒れている。シェルターの外から、銃声が聞こえる。
バベルは、銃声の元へ急いだ。
銃声は近くの学校から聞こえている。
銃声の聞こえる建物の外には、自立戦闘型機械が建物を包囲し、攻撃している。
バベルは、そんな機械を背後から襲う。
敵の数が多く、バベルにとって不利な野外での戦闘になる。
同士討ちを狙う作戦に出たが作戦は順調だ!
安心したその時、不覚にも、兵士が放った銃弾が、横腹を貫通する。
痛みをこらえ、敵をすべて倒す。
弾は貫通したので、治るのも時間の問題だろうが・・・。
バベルは、変身を解く。
バベルの周囲には、銃を構え取り囲む兵士達がいる。
迷彩服「バベルさん・・・。ですか?」
バベル「ああ、助けに来たんだが、すまない。間に合わなかった。」
迷彩服「・・・。」
バベルは、撃たれた傷を抑えている。出血の量が減ってきた。
兵士A「こいつ、ドラゴンに変化してるぞ。殺そう。」
兵士B「いや、待ってくれ、わざわざ危険を顧みず助けてくれたじゃないか。」
迷彩服「そうだ、彼を殺す必要はないだろ。」
兵士C「しかし、こいつを殺して連れていけば、ホープさんだって許してくれるんじゃないか?」
人間とは、身勝手なものだと痛感する。
そこへ、パオの車が到着する。
パオが車から降り、堂々した態度で近寄ってくる。
迷彩服「パオ先生、先生も戻ってきたんですか。」
パオ「戻ってきた?」
パオ「ああ、皆に伝えないといけないことがある。ホープが裏切った。
あいつは、インターネット内に潜む、AIで、この核攻撃も、あいつの仕業だと突き止めた。そんな、私と彼を殺しに来たから、返り討ちにしようと郊外まで行っていただけだ。君たちは、命の恩人の彼に対して、少し失礼じゃないのか。」
兵士一同「・・・。」
兵士C「しかし、こいつが来なければ、俺たちは今まで通り暮せたんじゃないですか。」
パオ「それはない。なぜなら、ホープは必要なものを手に入れることができたようだ。用済みの私たちを、生かすと思うか。」
兵士C「しかし・・・。」
パオ「君だって、古くなって起動しないのに、ソフトやアプリの維持費がかかるとすれば、保存しておかないだろ。ましてや、足手まといでもある。ホープにとって、私たち駒は、用済みになれば消去されるソフトと同じなんだよ。」
パオは、なるべく多くの兵士たちの顔を見渡す。
パオ「私は、このまま死ぬのは嫌だし、他のシェルターの人も助けたい。バベルと共に行動するが、君たちはどうする?」
迷彩服「私はついていきます。あいつらに家族を殺された。復讐がしたい。」
兵士A「俺は、・・・考えさせて下さい。」
兵士C「さっきの話は信じられません。もう一度、ホープに接触してみます。」
バベルと共に行動する人は、半分にも満たない、ごく少数の、8名だけだった。
パオ「では、私たちは、これから病院に戻り、準備をし、南を目指す。もし気が変わったら、追いかけてくるといい。」
パオは、バベルに肩を貸し、車へと乗り込む。
バベルの傷は、まだ痛むが、出血は止まっていた。
パオ「では、病院で合流しよう。」
そういうと、車をだす。
そこから病院まで引き返す。
パオ「先にやっておくことがあるからね。 傷は・・・。うん、大丈夫そうだ。」
~病院駐車場 パオの車内~
車は病院の駐車場に到着した。
バベル「北に向かうんじゃなかったっけ?」
パオ「本当のことは言わない方がいい。君は命を狙われる可能性もあるからね。」
パオ「さて、車両の手配に食料の手配、弾薬も持てるだけ持ちたいな。バベル、さっきので貸し3つだから、そろそろ、お願いを聞いてくれるかな?」
・・・嫌な予感がする。
パオ「ぱーっと空を飛んで、付近で使えそうな旧式の車か、軍用のトラックを探してほしい。」
バベル「そんなことだろうと思った。長時間変身すると、吐き気がするんだけど。」
パオ「気分が悪くなったら、膝枕してあげるから、お願い♪」
そう言って、パオは、可愛らしいポーズを決めている。
バベル「いや、それはいい。だって、」
そういって、後部座席のアスカを見る。
パオ「エロバベルの判断基準は、やはり胸か・・・。」
バベル「なに言ってるんだ、俺はそんなこと、」
パオ「アスカのオッパイばっかり、見てた。」
バベル「胸ばっかり見てない。」
パオ「見てた。」
バベル「見てない。」
パオ「じゃあ、私を見て。」
パオに手で目隠しをされ、唇に柔らかい感触が伝わる。
パオの手が、頬に触れる。
パオ「ほら、(私を)見てるじゃん。」
バベル「パオさん、・・・大胆だね。」
パオ「いまので、貸し4つ目ね。ほら、早く飛ばないと、貸しが増え続けるよ。」
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バベル「はー、うん。行ってきます。」
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