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悪魔召喚士
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「千紘、俺がお前を守ってやるよ。」
エイルは翼を広げ、ジャイアントオーグとの距離を測る。
ジャイアントオーグもエイルを警戒しているのか、一定の距離をとったまま周囲を取り囲んだままだ。
城門が閉まり切り、町の方が騒がしくなり始めたとき、2人を取り囲むジャイアントオーグをかき分けるように、目の周りに黒い模様のあるジャイアントオーグが2人の元に進み出てきた。
その雰囲気から、この模様のあるジャイアントオーグが、ブラックアイズであろう。
ブラックアイズとエイルは、距離を取ったまま しばらく見つめあっていた。
しばらくすると、エイルが広げて威嚇していた翼を収め、優しい表情で口をひらく。
「千紘、彼らに着いていこう。
どうやら北の森で異変が起きているみたいだ。」
「このパンダと何か話ができたの?」
「出来てないよ。クマ語なんて知らないから。
だけど、町を襲う群れにしては不自然すぎる。」
千紘はエイルの指差す方を見る。
その指先には、明らかに小さい個体もまぎれている。
おそらく子供の個体であろう。
群れのボスであるブラックアイズは、2人に背を向けると 四つ這いになり、2人に背に乗るように促した。
千紘たちは促されるまま、ブラックアイズの背に跨り、森の奥へと連れていかれた。
無邪気に笑顔を見せるエイルと、恥ずかしそうな表情の千紘・・・。
「熊に跨り、御馬の稽古って歌があったよな?」
「・
・
・
あっ、金太郎の歌だね。よく知ってるね。」
「友達から聞いたからな。他にも歌は知ってるよ。」
「そうなんだ、なんだか意外だね。
でも、コレ・・・。
熊ってより、パンダなんだけどね。
まさにパンダの乗り物。」
「パンダの乗り物?」
「う、うん、遊園地にあるパンダの乗り物にそっくり・・・。」
「遊園地か・・・。
一度行ってみたかったんだよな。
まさか、こんな形で実現できるなんて。
・
・
・
でも、遊園地って獣臭いね。」
「・・・いやいや、ここ遊園地じゃないから。」
パンダの背に・・・ブラックアイズの背に跨った2人は、そのまま森の奥へと進んでいく。
ブラックアイズの後方には、先ほどの群れ以外にも多くのジャイアントオーグが集まっていた。
前に座っていた千紘が体を捻り、エイルの陰から後方を見ながら話し始めた。
「結構な数の群れなんだね。
全部で100匹くらいいるんじゃない?」
「そうだね。
でも、これで全部みたいだよ。
町の周囲からにはジャイアントオーグの姿が見えないから。」
エイルは、手の中の炎を眺めながら答える。
「その炎、便利だよね。
私にも覚えることできないかな?」
「千紘に?
・
・
・
ちょっと難しいかも。これは特別な魔法で血の力を使って召喚する魔法だから。」
「血の力?」
「そう。
ようするに特定の悪魔にしか使えない魔法。
この魔法を使えるってことは、魔界王エイルシッドだぞって名乗ってるようなものだか・・・。」
エイルは 話すのを辞め、失敗したような表情を見せる。
千紘は エイルの言葉を聞き逃さなかったようで、そのまま くるりと向きを変えエイルを見上げる。
「ねえ、君は魔界王エイルシッドなんて名乗ってたの?」
千紘の問いかけに、無言で頷くエイル。
千紘は 微笑みながら また前を向き直し、エイルにいう。
「そのこと、みんなには黙っててあげるね。
中2病だなんて、恥ずかしいもんね。
ふふふっ、君の黒歴史だね。」
エイルは翼を広げ、ジャイアントオーグとの距離を測る。
ジャイアントオーグもエイルを警戒しているのか、一定の距離をとったまま周囲を取り囲んだままだ。
城門が閉まり切り、町の方が騒がしくなり始めたとき、2人を取り囲むジャイアントオーグをかき分けるように、目の周りに黒い模様のあるジャイアントオーグが2人の元に進み出てきた。
その雰囲気から、この模様のあるジャイアントオーグが、ブラックアイズであろう。
ブラックアイズとエイルは、距離を取ったまま しばらく見つめあっていた。
しばらくすると、エイルが広げて威嚇していた翼を収め、優しい表情で口をひらく。
「千紘、彼らに着いていこう。
どうやら北の森で異変が起きているみたいだ。」
「このパンダと何か話ができたの?」
「出来てないよ。クマ語なんて知らないから。
だけど、町を襲う群れにしては不自然すぎる。」
千紘はエイルの指差す方を見る。
その指先には、明らかに小さい個体もまぎれている。
おそらく子供の個体であろう。
群れのボスであるブラックアイズは、2人に背を向けると 四つ這いになり、2人に背に乗るように促した。
千紘たちは促されるまま、ブラックアイズの背に跨り、森の奥へと連れていかれた。
無邪気に笑顔を見せるエイルと、恥ずかしそうな表情の千紘・・・。
「熊に跨り、御馬の稽古って歌があったよな?」
「・
・
・
あっ、金太郎の歌だね。よく知ってるね。」
「友達から聞いたからな。他にも歌は知ってるよ。」
「そうなんだ、なんだか意外だね。
でも、コレ・・・。
熊ってより、パンダなんだけどね。
まさにパンダの乗り物。」
「パンダの乗り物?」
「う、うん、遊園地にあるパンダの乗り物にそっくり・・・。」
「遊園地か・・・。
一度行ってみたかったんだよな。
まさか、こんな形で実現できるなんて。
・
・
・
でも、遊園地って獣臭いね。」
「・・・いやいや、ここ遊園地じゃないから。」
パンダの背に・・・ブラックアイズの背に跨った2人は、そのまま森の奥へと進んでいく。
ブラックアイズの後方には、先ほどの群れ以外にも多くのジャイアントオーグが集まっていた。
前に座っていた千紘が体を捻り、エイルの陰から後方を見ながら話し始めた。
「結構な数の群れなんだね。
全部で100匹くらいいるんじゃない?」
「そうだね。
でも、これで全部みたいだよ。
町の周囲からにはジャイアントオーグの姿が見えないから。」
エイルは、手の中の炎を眺めながら答える。
「その炎、便利だよね。
私にも覚えることできないかな?」
「千紘に?
・
・
・
ちょっと難しいかも。これは特別な魔法で血の力を使って召喚する魔法だから。」
「血の力?」
「そう。
ようするに特定の悪魔にしか使えない魔法。
この魔法を使えるってことは、魔界王エイルシッドだぞって名乗ってるようなものだか・・・。」
エイルは 話すのを辞め、失敗したような表情を見せる。
千紘は エイルの言葉を聞き逃さなかったようで、そのまま くるりと向きを変えエイルを見上げる。
「ねえ、君は魔界王エイルシッドなんて名乗ってたの?」
千紘の問いかけに、無言で頷くエイル。
千紘は 微笑みながら また前を向き直し、エイルにいう。
「そのこと、みんなには黙っててあげるね。
中2病だなんて、恥ずかしいもんね。
ふふふっ、君の黒歴史だね。」
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