目指せ地獄の門 ~改訂版~

黒山羊

文字の大きさ
5 / 89
一章・成長日記

6歳

しおりを挟む
ふわふわと浮かぶ、君の魂に少年が気づく。


「あーまた会ったね!僕だよ、エイトだよ!覚えてる?」

君の魂を見つけたエイトが嬉しそうに寄ってくる。



「そういえば、君はレヴィアのこと知らなかったよね?」

少年は、ベットに横になり本を読んでいる少女を指さす。


それに気づき不機嫌そうな顔をする少女

「ねぇ、エイト。人に指を向けないでよ。」



「あ、ごめんなさい。」

エイトが小声で、君の魂に説明する。

「あの子が、レヴィアだよ。もともとドラゴンだったんだけど、世界に一匹しかいないからって、主父あるじ様が人間に変えたんだ。見た目は僕と同じ年だけど、ほんとうは、おばあちゃんだから気を付けてね。」



レヴィアが本を閉じて体を起こす。

「あのー!聞こえてるんですけどー!それに、私の寿命から行くと、この格好で妥当な年齢なんですけどー!」

「はーい。」

「あんな口調の時は、機嫌がいいから、打たれないよ♪」



コンコン!


部屋をノックする音が聞こえてきた。


「どうぞ!」

ベッドに横になったまま、レヴィアが返事をする。

「失礼します。」


ドアを開けて入ってきたのは、ブロンドの長髪が似合う、眼鏡をかけた、超絶イケメン天使だった。


レヴィアが慌てて立ち上がる。

「あ、ルシファー様、もう授業の時間ですか?」

「いや、少し早めだけど、エイトくんにお土産を持ってきたんです。」

そういって、一本のフラスコに入った、混ざり切ってない、紫と緑の液体を差し出す。



レヴィアは、ルシファーから、嬉しそうにフラスコを受け取ると、エイトの元に持ってきて、真顔で言う。

「飲め。」




全力で拒否するエイト。猛毒察知スキルを持つエイトは、本能的に薬の正体を見抜く。

「えー!先生、それ僕の体が全力で拒否反応を起こしてるんですけど・・・。」

「いいじゃない。飲んじゃえば。先生の役に立てるわよ。」

「ええ、大丈夫ですよ!前回は、天使の魔力が弱く失敗に終わりましたが、今回の万能薬は、上級天使長である私の涙や汗を主成分とした薬ですから!」



・・・。



「いや、やっぱり無理だと思います。」

「・・・ルシファー様の?」




レヴィアが一気に猛毒を飲み干す!


猛毒への耐性値が、カンスト1000%超えのレヴィアが倒れ、泡を吹く・・・。





「あああああーーーーー!助けて主父あるじ様ーーーー!」



「ああああ、まずい!逃げろ!!!」




部屋を漆黒の煙が多いつくした。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

相続した畑で拾ったエルフがいつの間にか嫁になっていた件 ~魔法で快適!田舎で農業スローライフ~

ちくでん
ファンタジー
山科啓介28歳。祖父の畑を相続した彼は、脱サラして農業者になるためにとある田舎町にやってきた。 休耕地を畑に戻そうとして草刈りをしていたところで発見したのは、倒れた美少女エルフ。 啓介はそのエルフを家に連れ帰ったのだった。 異世界からこちらの世界に迷い込んだエルフの魔法使いと初心者農業者の主人公は、畑をおこして田舎に馴染んでいく。 これは生活を共にする二人が、やがて好き合うことになり、付き合ったり結婚したり作物を育てたり、日々を生活していくお話です。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

10年前に戻れたら…

かのん
恋愛
10年前にあなたから大切な人を奪った

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

〈完結〉遅効性の毒

ごろごろみかん。
ファンタジー
「結婚されても、私は傍にいます。彼が、望むなら」 悲恋に酔う彼女に私は笑った。 そんなに私の立場が欲しいなら譲ってあげる。

サラリーマン、少女になる。

あさき のぞみ
ファンタジー
目が覚めたら、俺は見知らぬ10歳の少女になっていた。 頼れるのは、唯一の理解者であるはずの同僚「まい」だけ。彼女はなぜか僕を**「娘」として扱い始め、僕の失われた体を巡る24時間の戦い**が幕を開ける。 手がかりは、謎の製薬会社と、10年前の空白の記憶。 時間がない。焦るほどに、この幼い体が僕の理性と尊厳を蝕んでいく。そして、僕は知る。最も近くで微笑んでいた人物こそが、この絶望的な運命の**「設計者」**であったことを。 あなたは、その愛から逃れられますか?

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

処理中です...