目指せ地獄の門 ~改訂版~

一章・成長日記

９歳

君が部屋をのぞくと、部屋にルシファーがいた。


どうやら授業の最中のようだが、レヴィアは熱が冷めたのか、ベットから起き上がる気配はない。


「ということで、今日の授業はここまで！」

「ルシファー先生、ありがとうございました。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・したー。」

どうやら授業が終わったようだ。


「最近、レヴィアの様子がおかしいよね。」

「そうですか？主父あるじ様の授業以外、もう３年くらいこんなですよ。」

「なるほど、ちょうどよかった！元気が出る薬を作ってみたんですが、さっそく使ってみましょう！」


そういうとルシファーはポケットから、蓋つきのフラスコを、２本取り出した。

「あああ、僕の猛毒察知スキルがビンビンに反応してます。」

「エイトが言うなら間違いないよね。・・・いらない。」



「そっか。残念だ。まあ、元気が出るだけじゃなくて、素材から物質を具現化する錬金術って能力も付与されるから、便利だと思ったんだけどね。その組み合わせが、失敗の元かな。」


錬金術のフレーズにレヴィアが反応する。

「ルシファー先生が困ってるなら、ちょっと飲んでみようかな。面白そうだし。」


エイトは身の危険を直感的に察知した！

「絶対飲まないからね。」

「しかたない。私が飲むよ。」

「いや、レヴィアが何て言ったって・・・。レヴィアが飲むの？」


「素晴らしい！さずがレヴィアだ！」


レヴィアは、ルシファーの持っていた猛毒を飲み干した。


「どう？元気出た？」

「いや、実感がわかないかな。」

「あ、そうだ！付加価値として、賢者の石を混ぜて、錬金術が使えるようにしてたんだった！ちょっと錬金してみてよ！」


レヴィアは、近くの布を持つ。

「あー、仕方ないなー。適当に洋服でも作ってみるかなー！」

「しっかりとイメージして！」


レヴィアがイメージして布に念じる！

布が光だし、形状を変えていく！


「成功だ！やった！完璧な成功だよ！」

レヴィアの持っていた布は、ゴミのように丸まって縫い合わさっている。布の切れ端に変化した。




「失敗だ。無駄なスキルが私のスキル容量　※１を奪ってしまった・・・。」


喜ぶルシファーと、落胆するレヴィア


まるで、天国と地獄のようだ。





※１
スキル容量：
この世界、人はスキルを覚えれる容量が決まっている。
スキルの容量は、５つ。それ以上でもそれ以下でもない。
尚、スキルを忘れることは不可能である。

スキル（特殊技能）：
神々が人間に与えた技能で、厳しい修行の成果、突然開花するものである。