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7章・再会の喜び
準備3日目 魔法の効果
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~迷宮12階~
エイトは、驚異的な早さで12階まで降りていた。
一気に降りてきてからこそ、気づいたことがあった。
それは、各階層の壁の位置である。何かを支えるような仕組みになっているのか?
どの階層も共通して言えることは、何かを取り囲むようにフロアが生成されている。
下の階に行けば行くほど、階段が遠くなるのは取り囲む何かが広がっているようだ。
「この壁の向こうに何があるんだろう?」
壁にも何かの魔法が掛けられていて、エイトにも解析をすることができない。
エイトは、気になりつつも調べる術がなく、そのまま階段を目指すことにした。
~アマゾネス村~
その頃、レヴィアたちは・・・。
「いいね!
人気施設では、キレイなトイレは重要だよ。」
「温泉の川を利用した水洗式なら衛生的にも清潔じゃな。」
レイザーの意見もあり、温泉からの高低差を利用し、お湯の勢いを利用して排泄物を川に流すトイレを作り上げた。
排泄物を流す川は 水量も豊富で勢いもあり、匂いが残ることもないだろう。
温泉施設が形になってきて、やる気に満ち溢れたオババたち長老集がレヴィアに声をかける。
「温泉も形になってきたようじゃし、他に作業はないのかな?」
アマゾネスの民は身体能力が高く、大工仕事も予定以上、想像以上に早く綺麗に進んでいる。
レヴィアは周囲の状況を確認する。
このままのペースで作業を続ければ、温泉などの私設は明日中に完成してしまいそうだ。
「そうだね・・・。
では、オババたち長老方には、お土産の準備にとりかかってもらおう。」
「お土産ですかな?」
「そう。フラウやオババが身に着けていたネックレスなどの装飾品だけど、ああいった物は アマゾネス村の技術ではないのかな?」
レヴィアは、オババの首にかかる首飾りを指す。
「そうですが、この装飾品を売り物にしようと町に持ち込んだ時は、まったく売れませんでした。」
「ああ、価格の問題だろう。
その装飾品だったら、オババなら いくらで販売するといいと思う?」
オババは、身に着けている首飾りや指輪を見る。
「首飾りは銀貨20枚。指輪は銀貨3枚程度じゃろうか。
過去に町に販売に行った時は、首飾りは銀貨50枚。指輪は銀貨5枚でまったく売れなかったからの。」
オババの回答に、レヴィアが頷く。
「そう!その価格では、売れない。」
「もっと安くした方がいいかの?」
レヴィアは、首を横に振る。
「いや、逆だ。売れないからと安くすれば、さらに売れなくなる。
首飾りは金貨10枚から金貨30枚。
指輪は金貨1枚から5枚。
耳飾りを銀貨10枚から金貨1枚程度で販売しよう。
土産物だし、アマゾネス村の守りの魔法文字も彫ってある。
魔法文字の効果や、使っている宝石に合わせて金額を変えるんだ。いまからその講義を行おう。」
レヴィアの強気の設定に腰を抜かす長老集。
いままでの売れないから安くするという考え方では、さらに売れなくなると言われ、まさに目からウロコのような感じを受けていた。
「なるほど。そういった違いをつければ いいのか。勉強になるわい。」
「ちなみに、オババの首飾りの魔法文字の意味は?」
レヴィアの質問に、オババが頬を染め、恥ずかしそうに答える。
「・・・もう60年近く付けておるんじゃが、想い人に再び再開できる魔法文字なんじゃ。」
「・・・ああ、魔法文字の効果は薄そうだね。」
エイトは、驚異的な早さで12階まで降りていた。
一気に降りてきてからこそ、気づいたことがあった。
それは、各階層の壁の位置である。何かを支えるような仕組みになっているのか?
どの階層も共通して言えることは、何かを取り囲むようにフロアが生成されている。
下の階に行けば行くほど、階段が遠くなるのは取り囲む何かが広がっているようだ。
「この壁の向こうに何があるんだろう?」
壁にも何かの魔法が掛けられていて、エイトにも解析をすることができない。
エイトは、気になりつつも調べる術がなく、そのまま階段を目指すことにした。
~アマゾネス村~
その頃、レヴィアたちは・・・。
「いいね!
人気施設では、キレイなトイレは重要だよ。」
「温泉の川を利用した水洗式なら衛生的にも清潔じゃな。」
レイザーの意見もあり、温泉からの高低差を利用し、お湯の勢いを利用して排泄物を川に流すトイレを作り上げた。
排泄物を流す川は 水量も豊富で勢いもあり、匂いが残ることもないだろう。
温泉施設が形になってきて、やる気に満ち溢れたオババたち長老集がレヴィアに声をかける。
「温泉も形になってきたようじゃし、他に作業はないのかな?」
アマゾネスの民は身体能力が高く、大工仕事も予定以上、想像以上に早く綺麗に進んでいる。
レヴィアは周囲の状況を確認する。
このままのペースで作業を続ければ、温泉などの私設は明日中に完成してしまいそうだ。
「そうだね・・・。
では、オババたち長老方には、お土産の準備にとりかかってもらおう。」
「お土産ですかな?」
「そう。フラウやオババが身に着けていたネックレスなどの装飾品だけど、ああいった物は アマゾネス村の技術ではないのかな?」
レヴィアは、オババの首にかかる首飾りを指す。
「そうですが、この装飾品を売り物にしようと町に持ち込んだ時は、まったく売れませんでした。」
「ああ、価格の問題だろう。
その装飾品だったら、オババなら いくらで販売するといいと思う?」
オババは、身に着けている首飾りや指輪を見る。
「首飾りは銀貨20枚。指輪は銀貨3枚程度じゃろうか。
過去に町に販売に行った時は、首飾りは銀貨50枚。指輪は銀貨5枚でまったく売れなかったからの。」
オババの回答に、レヴィアが頷く。
「そう!その価格では、売れない。」
「もっと安くした方がいいかの?」
レヴィアは、首を横に振る。
「いや、逆だ。売れないからと安くすれば、さらに売れなくなる。
首飾りは金貨10枚から金貨30枚。
指輪は金貨1枚から5枚。
耳飾りを銀貨10枚から金貨1枚程度で販売しよう。
土産物だし、アマゾネス村の守りの魔法文字も彫ってある。
魔法文字の効果や、使っている宝石に合わせて金額を変えるんだ。いまからその講義を行おう。」
レヴィアの強気の設定に腰を抜かす長老集。
いままでの売れないから安くするという考え方では、さらに売れなくなると言われ、まさに目からウロコのような感じを受けていた。
「なるほど。そういった違いをつければ いいのか。勉強になるわい。」
「ちなみに、オババの首飾りの魔法文字の意味は?」
レヴィアの質問に、オババが頬を染め、恥ずかしそうに答える。
「・・・もう60年近く付けておるんじゃが、想い人に再び再開できる魔法文字なんじゃ。」
「・・・ああ、魔法文字の効果は薄そうだね。」
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