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7章・再会の喜び
準備4日目 先取り女将/厳選なる選挙
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~アマゾネス村~
アマゾネス村の温泉施設計画は、思ったよりも早く終わりそうだ。
土産物の作成も順調に進んでいるのか、手が空いたオババが レヴィアに報告する。
「レヴィア様、今日中には完成できそうですわい。」
「・・・うん。よかった。」
レヴィアは、看板を何回も作り直している。
その様子を後ろで見ていたオババは、レヴィアに再び声をかける。
「温泉の看板ですか?」
「・・・うん。そうだね。」
レヴィアは看板作りに集中しているようで、言葉数が少ない。
そんなレヴィアに、フラウも声をかける。
「ところで温泉の名前は何にするんだい?」
「・・・できた。」
レヴィアは、3通りの看板を完成させた。
「看板は長老衆やオババに選んでもらおう。
私はコレから町に戻り、最初の特別招待の観光客を明日には連れてくるよ。」
そう言い残して、レヴィアはバタバタと忙しそうに町に向かって出発してしまった。
残された看板を見ながら、オババとフラウは固まる。
「選ぶって言われてもな・・・。フラウ、施設が完成したら、みんなを集めてくれ、緊急投票じゃ。」
~夕方・宿(冒険者の集い)、酒場~
町に移動したレヴィアは、アルル、リリアスと合流して、宿に移動する。
「二人の宣伝は、うまくいった?」
「ええ、かなり上出来だと思いますよ。」
「そうね。アルルのおかげで、最初の定員はいっぱいになりそうね。」
(アースさんのでしょ・・・。)
アルルが小声で呟くと、睨むようなリリアスと目が合う。
リリアスは、かなり耳がいいらしい。
「ほんと頼もしいね。
さっそくなんだけど、2人には明日の朝から レヴィア商会のツアーに申し込みに行ってもらおうかな。
受付場所は ハロルド商会の店内だから。」
「わかりました。ハロルドさんに申し込めばいいんですね。」
「うん。私はウィンター会長に会う予定があるから、明日は別行動になるけど、今日のうちにハロルドと打ち合わせをしておけば、申し込むだけだから問題ないだろう。」
「そうね。まったく問題なさそうね。」
「レヴィアさん。着替えた後、ハロルドさんの所に行ってきますね。」
そういうと、アルルたちは服を着替えに部屋に向かった。
アルルとリリアスが部屋に戻り、一人になったレヴィアに、宿の女将が近寄ってくる。
「レヴィアちゃん、また儲け話かい?」
開店準備が終わった女将が、興味津々に話しかけてきた。
「そうだよ。新しい施設を建造中なんだ。」
レヴィアは、女将の顔を見ていて、ふと何かを思いついた。
「ちょうどよかった。
女将、誰か料理人を手配してほしい。アマゾネスの村で住み込みの仕事になるんだが、紹介手数料と料理人の賃金は、レヴィア商会が支払おう。」
「それなら、うちの娘たちを連れてっておくれよ。」
女将は、酒場の奥に行き、2人の娘を連れてきた。
長女のメル(25)と、次女のイーナ(22)だ。
激ぽっちゃり系の姉妹だった。
「二人とも料理の腕前は一人前だよ。メルは神殿料理人を、イーナは王宮料理人をしてたんだよ。」
「凄いな。でもなぜ?」
レヴィアの素朴な質問に、姉のメルが答える。
「私は、厨房が狭くなっちゃって、暇を言い渡されたのよ。」
続いて、次女のイーナも答える。
「私は、ちょっと味見が多くて、暇を言い渡されたのよ。」
「・・・なるほど。二人の条件は?」
「私は、特にないかな・・・。」
「私も、特にないかな・・・。」
姉妹は、何か条件がありそうだが、女将の前だからだろう、もじもじして言い出せなさそうだ。
そんな姉妹に、レヴィアが条件を提示する。
「えっと、厨房は大きくして、味見し放題の条件で、月に金貨26枚でどうかな。
もちろん、料理長として活躍してもらいたいから、アマゾネス村の従業員にも料理は教えてもらわないといけないんだけど。」
「確かに条件は魅力的だけど・・・。」
「そうよね。いい条件だと思うけど・・・。」
長女も次女も、なかなか首を縦に振らない。
どうやら、働くより家にいるほうが居心地がいいのだろう。
レヴィアも、どうやってヤル気にするのか、考えていた。
するとそこに、アルルと男装した?リリアスがやってきた。
「レヴィアさん、ちょっと行ってきますね。」
「レヴィア、ひとつ要望があったんだけどいいかな?
アマゾネス村の設備に完全個室の温泉も作っておいてくれよ。」
「ああ、アースは人気者だからね。
男性、女性関係なく利用できる。完全個室を新しく作るよ。」
レヴィアは、リリアス(アース)と約束すると、2人は、別々にハロルド商会に向かって宿を出た。
宣伝も兼ねて移動するようだ。
レヴィアは、姉妹と条件の話に戻る。
「すまない、で、さっきの話の・・・。」
姉のメルが、レヴィアの話を遮り質問してくる。
「アース様も同じ職場になるの?」
「まあ、アースの場合は、冒険者もしているから、常に施設にいるわけではないんだけどね。」
レヴィアの回答を聞いた妹のイーナが姉を押しのけて前に出る。
「アース様は、冒険者でもあるんだ・・・。お姉ちゃん、ちょっと私、就職するわ。」
「は?
いや、あんたは家を手伝いなさいよ。私が就職するから。」
姉妹は、どっちが就職するか口論している。
そんな姉妹に、レヴィアが条件を出す。
「よし、2人とも採用しよう。
その代わり、必ずどちらかが厨房に入ること。手の空いた方は、新人の育成をすること。
これを姉妹で役割分担してもいい。相談して仲良くやってほしい。」
「「はい、頑張ります。」」
姉妹は、笑顔いっぱいで答える。
その様子を見ていた女将が、あきれた顔で姉妹に釘を刺す。
「あんたたち、お嬢やお客さんから料理で手を抜いてるなんて話を聞いたら、あたしが飛んでいくからね!」
姉妹は、猛烈に頷く。
その様子に、レヴィアが微笑む。
「頼もしい母の愛だな。」
女将は、姉妹にさらに近寄り、より真剣な表情で話し始める。
「それと アース様の情報が入れば、ちゃんと報告するんだよ!」
「分かってるよ。お母さんは、ファンクラブの先輩でもあるからね。」
「ファンクラブ?」
レヴィアは、つい聞き返してしまった。
すると、妹のイーナが興奮しながら答えてくれた。
「そうよ。お母さんは、アース親衛隊の会員NO.00003番なのよ!」
「・・・そ、そうなんだ。」
~アマゾネス村~
その日の夜。
アマゾネス村の集会場には、オババ、フラウ、レイザー、ミザリをはじめ、長老衆が集結している。
最長老のオババが、全員をまとめるように、立ち上がり声を上げる。
「皆の者、看板じゃが、どれにしようか。」
オババの前の看板は、
1.銭湯民族 超最南人
2.アマゾネスの愉快な仲間たち
3.天女の秘湯 レヴィア
見事なまでにレヴィアらしいネーミングに、ミザリが苦笑いしている。
「レヴィア姉さんのチョイスが・・・。」
そんな中、話し合いが始まった。
まず声を上げたのは、フラウだった。
「消去法で、1だな。」
「そうかじゃな。わしも、1が無難かなと思ったんじゃ。ここは王国最南端の村じゃからの。」
オババもフラウの意見に賛同する。
しかし、レイザーとミザリは 別の意見があるようだ。
「いやいやオババ様、無難なところは、2じゃろうて。」
「どれも癖が強いね。でも親しみがわくのは、2かな。」
長老衆も、1、2で意見が分かれる。
見事に半分に別れ、判断に困ったオババは、再度提案する。
「じゃあ、逆にダメな物を選び、残った看板を選ぶのはどうじゃろうか。」
「なるほど、さすがオババ様。それで、文句なしで決めましょう。」
オババの意見にフラウが激しく同意した。
他の長老衆も同意し、満場一致で消去法の選挙が行われた。
まず、最初にダメな看板を選んだのは、ミザリ。
「私は、正直なところ、1は無いと思うな。」
次は、フラウ。
「うちは、2だな。イメージの問題だろうが。」
オババ。
「そうじゃな。わしも2じゃな。」
そして、レイザー。
「わしは、1だな。戦闘民族と、銭湯民族をかけてあるのだろうが、一般人からすれば、分かりにくいじゃろうて。」
長老衆も、それぞれが意見を出すが、意見が分かれる。
全員が投票箱に入れたのを確認し、オババが再び まとめ上げる。
「投票の結果が出たようじゃ。この決定は不服を受け付けんことにする。」
オババが集計した紙を読み上げていく。
「1、2、2、1、2、2、2、1、1、2・・・。」
「・・・。」
オババが読み上げたのを確認し、長老衆が周囲に確認する。
「では、3の【天女の秘湯 レヴィア】で決まりで宜しいですかな?」
「・・・。」
「ああ、消去法だとそうなるのか・・・。
レヴィア姉さん・・・狙ったのかな?」
「いや、ミザリさん。この結果は、レヴィア様の呪いじゃろうて。」
オババたち長老衆は、看板の結果に両手を合わせて祈るような姿勢をとっていた・・・。
アマゾネス村の温泉施設計画は、思ったよりも早く終わりそうだ。
土産物の作成も順調に進んでいるのか、手が空いたオババが レヴィアに報告する。
「レヴィア様、今日中には完成できそうですわい。」
「・・・うん。よかった。」
レヴィアは、看板を何回も作り直している。
その様子を後ろで見ていたオババは、レヴィアに再び声をかける。
「温泉の看板ですか?」
「・・・うん。そうだね。」
レヴィアは看板作りに集中しているようで、言葉数が少ない。
そんなレヴィアに、フラウも声をかける。
「ところで温泉の名前は何にするんだい?」
「・・・できた。」
レヴィアは、3通りの看板を完成させた。
「看板は長老衆やオババに選んでもらおう。
私はコレから町に戻り、最初の特別招待の観光客を明日には連れてくるよ。」
そう言い残して、レヴィアはバタバタと忙しそうに町に向かって出発してしまった。
残された看板を見ながら、オババとフラウは固まる。
「選ぶって言われてもな・・・。フラウ、施設が完成したら、みんなを集めてくれ、緊急投票じゃ。」
~夕方・宿(冒険者の集い)、酒場~
町に移動したレヴィアは、アルル、リリアスと合流して、宿に移動する。
「二人の宣伝は、うまくいった?」
「ええ、かなり上出来だと思いますよ。」
「そうね。アルルのおかげで、最初の定員はいっぱいになりそうね。」
(アースさんのでしょ・・・。)
アルルが小声で呟くと、睨むようなリリアスと目が合う。
リリアスは、かなり耳がいいらしい。
「ほんと頼もしいね。
さっそくなんだけど、2人には明日の朝から レヴィア商会のツアーに申し込みに行ってもらおうかな。
受付場所は ハロルド商会の店内だから。」
「わかりました。ハロルドさんに申し込めばいいんですね。」
「うん。私はウィンター会長に会う予定があるから、明日は別行動になるけど、今日のうちにハロルドと打ち合わせをしておけば、申し込むだけだから問題ないだろう。」
「そうね。まったく問題なさそうね。」
「レヴィアさん。着替えた後、ハロルドさんの所に行ってきますね。」
そういうと、アルルたちは服を着替えに部屋に向かった。
アルルとリリアスが部屋に戻り、一人になったレヴィアに、宿の女将が近寄ってくる。
「レヴィアちゃん、また儲け話かい?」
開店準備が終わった女将が、興味津々に話しかけてきた。
「そうだよ。新しい施設を建造中なんだ。」
レヴィアは、女将の顔を見ていて、ふと何かを思いついた。
「ちょうどよかった。
女将、誰か料理人を手配してほしい。アマゾネスの村で住み込みの仕事になるんだが、紹介手数料と料理人の賃金は、レヴィア商会が支払おう。」
「それなら、うちの娘たちを連れてっておくれよ。」
女将は、酒場の奥に行き、2人の娘を連れてきた。
長女のメル(25)と、次女のイーナ(22)だ。
激ぽっちゃり系の姉妹だった。
「二人とも料理の腕前は一人前だよ。メルは神殿料理人を、イーナは王宮料理人をしてたんだよ。」
「凄いな。でもなぜ?」
レヴィアの素朴な質問に、姉のメルが答える。
「私は、厨房が狭くなっちゃって、暇を言い渡されたのよ。」
続いて、次女のイーナも答える。
「私は、ちょっと味見が多くて、暇を言い渡されたのよ。」
「・・・なるほど。二人の条件は?」
「私は、特にないかな・・・。」
「私も、特にないかな・・・。」
姉妹は、何か条件がありそうだが、女将の前だからだろう、もじもじして言い出せなさそうだ。
そんな姉妹に、レヴィアが条件を提示する。
「えっと、厨房は大きくして、味見し放題の条件で、月に金貨26枚でどうかな。
もちろん、料理長として活躍してもらいたいから、アマゾネス村の従業員にも料理は教えてもらわないといけないんだけど。」
「確かに条件は魅力的だけど・・・。」
「そうよね。いい条件だと思うけど・・・。」
長女も次女も、なかなか首を縦に振らない。
どうやら、働くより家にいるほうが居心地がいいのだろう。
レヴィアも、どうやってヤル気にするのか、考えていた。
するとそこに、アルルと男装した?リリアスがやってきた。
「レヴィアさん、ちょっと行ってきますね。」
「レヴィア、ひとつ要望があったんだけどいいかな?
アマゾネス村の設備に完全個室の温泉も作っておいてくれよ。」
「ああ、アースは人気者だからね。
男性、女性関係なく利用できる。完全個室を新しく作るよ。」
レヴィアは、リリアス(アース)と約束すると、2人は、別々にハロルド商会に向かって宿を出た。
宣伝も兼ねて移動するようだ。
レヴィアは、姉妹と条件の話に戻る。
「すまない、で、さっきの話の・・・。」
姉のメルが、レヴィアの話を遮り質問してくる。
「アース様も同じ職場になるの?」
「まあ、アースの場合は、冒険者もしているから、常に施設にいるわけではないんだけどね。」
レヴィアの回答を聞いた妹のイーナが姉を押しのけて前に出る。
「アース様は、冒険者でもあるんだ・・・。お姉ちゃん、ちょっと私、就職するわ。」
「は?
いや、あんたは家を手伝いなさいよ。私が就職するから。」
姉妹は、どっちが就職するか口論している。
そんな姉妹に、レヴィアが条件を出す。
「よし、2人とも採用しよう。
その代わり、必ずどちらかが厨房に入ること。手の空いた方は、新人の育成をすること。
これを姉妹で役割分担してもいい。相談して仲良くやってほしい。」
「「はい、頑張ります。」」
姉妹は、笑顔いっぱいで答える。
その様子を見ていた女将が、あきれた顔で姉妹に釘を刺す。
「あんたたち、お嬢やお客さんから料理で手を抜いてるなんて話を聞いたら、あたしが飛んでいくからね!」
姉妹は、猛烈に頷く。
その様子に、レヴィアが微笑む。
「頼もしい母の愛だな。」
女将は、姉妹にさらに近寄り、より真剣な表情で話し始める。
「それと アース様の情報が入れば、ちゃんと報告するんだよ!」
「分かってるよ。お母さんは、ファンクラブの先輩でもあるからね。」
「ファンクラブ?」
レヴィアは、つい聞き返してしまった。
すると、妹のイーナが興奮しながら答えてくれた。
「そうよ。お母さんは、アース親衛隊の会員NO.00003番なのよ!」
「・・・そ、そうなんだ。」
~アマゾネス村~
その日の夜。
アマゾネス村の集会場には、オババ、フラウ、レイザー、ミザリをはじめ、長老衆が集結している。
最長老のオババが、全員をまとめるように、立ち上がり声を上げる。
「皆の者、看板じゃが、どれにしようか。」
オババの前の看板は、
1.銭湯民族 超最南人
2.アマゾネスの愉快な仲間たち
3.天女の秘湯 レヴィア
見事なまでにレヴィアらしいネーミングに、ミザリが苦笑いしている。
「レヴィア姉さんのチョイスが・・・。」
そんな中、話し合いが始まった。
まず声を上げたのは、フラウだった。
「消去法で、1だな。」
「そうかじゃな。わしも、1が無難かなと思ったんじゃ。ここは王国最南端の村じゃからの。」
オババもフラウの意見に賛同する。
しかし、レイザーとミザリは 別の意見があるようだ。
「いやいやオババ様、無難なところは、2じゃろうて。」
「どれも癖が強いね。でも親しみがわくのは、2かな。」
長老衆も、1、2で意見が分かれる。
見事に半分に別れ、判断に困ったオババは、再度提案する。
「じゃあ、逆にダメな物を選び、残った看板を選ぶのはどうじゃろうか。」
「なるほど、さすがオババ様。それで、文句なしで決めましょう。」
オババの意見にフラウが激しく同意した。
他の長老衆も同意し、満場一致で消去法の選挙が行われた。
まず、最初にダメな看板を選んだのは、ミザリ。
「私は、正直なところ、1は無いと思うな。」
次は、フラウ。
「うちは、2だな。イメージの問題だろうが。」
オババ。
「そうじゃな。わしも2じゃな。」
そして、レイザー。
「わしは、1だな。戦闘民族と、銭湯民族をかけてあるのだろうが、一般人からすれば、分かりにくいじゃろうて。」
長老衆も、それぞれが意見を出すが、意見が分かれる。
全員が投票箱に入れたのを確認し、オババが再び まとめ上げる。
「投票の結果が出たようじゃ。この決定は不服を受け付けんことにする。」
オババが集計した紙を読み上げていく。
「1、2、2、1、2、2、2、1、1、2・・・。」
「・・・。」
オババが読み上げたのを確認し、長老衆が周囲に確認する。
「では、3の【天女の秘湯 レヴィア】で決まりで宜しいですかな?」
「・・・。」
「ああ、消去法だとそうなるのか・・・。
レヴィア姉さん・・・狙ったのかな?」
「いや、ミザリさん。この結果は、レヴィア様の呪いじゃろうて。」
オババたち長老衆は、看板の結果に両手を合わせて祈るような姿勢をとっていた・・・。
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