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83.

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83.

「あきらめんなー!」

(リノ?)


リノは君を庇うように、重装のネットにしがみつき、非力な拳で殴りつける。

「リュート兄ちゃん、諦めちゃダメだ!
 リュート兄ちゃんは、おいらが召喚した本物の六勇者なんだ。
 本物の六勇者は、絶対に諦めたりしないんだ!
 ・
 ・
 ・
 リュート兄ちゃん、コイツも倒して一緒に冒険しような!」

(そうだ。
 俺はリノを守ると決めた。
 何があったとしても...。)


重装のネットは、まとわりつくリノを引き剥がすように持ち上げると、そのまま地面に叩きつけた。

「俺の家族に手を出すな!」

君は地面に叩きつけたられたリノを引き寄せると、残った力を絞り出すように、黒く湿った地面に拳を突き立てる。


ドゴッ!




ピシッ!



黒い土の下、地面の中から何かが割れるような音が聞こえる。
と、同時に、そのまま建物全体が激しく揺れ始めた。

「き、きさま!
 何をした!!!」


君は答える力も残っていないのだろう。
その場に眠るように気を失ってしまった。




君が目を覚ますと、周囲には沢山の人たちが集まっていた。

「リュート兄ちゃん!」

目を覚ました君に抱きつきながら、水浸しのリノが涙を流している。

「重装のネットは?」

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