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しおりを挟む説得に成功した。材料をもらい計量してボールでかき混ぜる。ザルでこして器にいれてフライパンで蒸した。
フライパンにいれるのと蒸すのは危ないからとクーにぃがしてくれた。約10分、液体が柔らかく固まってフルフルするのを確認して取り出す。
「にぃ、これ冷やすの!」
全部で五つできた。帰る前くらいには出来てると思う。
「早いねー。冷蔵庫にいれてくるね」
調理室の隅っこ借りて完成した。そろそろ昼食の時間。子供たちが集まってくるはず。ちょっと疲れた。
「クーにぃ、お外でたい」
抱っこしてもらい再び外に出る。ぽかぽか陽気の中、庭にある長椅子に座った。
ずっと抱っこされていて体力つけないとヤバいかもしれない。
「あのお菓子はいつまで冷やすの?」
「30分! 帰る前にクーにぃと院長先生と食べるの!」
窮屈だったフードを取ると解放感に首をプルプルと横に振る。兄にへにゃと笑いかけると笑顔を返してくれる。
「クーにぃ、大好き」
暫く甘えていたら明るい子供の声が聞こえ始めた。慌ててフードを被りヒシッとしがみつく。
「お昼ご飯だねー。僕達は別室で食べようね~」
別室に何度もコクコク頷いた。
兄と二人で食事をすませると、子供たちの所に案内された。昼休憩で遊んでいるらしい。広い裏庭に来た。
「あっ、アレク様だ!」
声の方を見ると10人くらいの子供がいた。半分は子豚ちゃんで肉まんみたいにふっくらした子達。もう半分は美幼児。
抱っこされた状態で横目で見ていたら尻尾を捕まれた。
「お前、新入りか!?」
ガキ大将みたいな男の子。相手の声の大きさに驚いてプルプルと震えてクーにぃにしがみついた。
「躾のなってない子だねー」
「アイター!!」
ゴンッと音と共に手が放された。クーにぃのゲンコツに叫ぶ子供。
他の子までワラワラと寄って来た。
「ダメよ。尻尾に触っちゃ」
しっかりした女の子が注意すると尻尾を掴んだ男の子がふて腐れた。
「だってこんな綺麗な尻尾みたことねーし、カリンも触ってみろよ!めっちゃサラサラしてるぞ!」
男の子の言葉にヒィとなり慌てて自分の尻尾を掴んで胸に隠した。
「だからダメ! 尻尾は家族や特別な人しか触れないの!ごめんなさいしなさい。カイ」
「あー、うっさいな。悪かったよ!ごめんな」
カイとカリンと言うらしい二人。クーにぃが双子だと教えてくれた。
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