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デートの準備
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「防護魔法で大事なのは何を守りたいかしっかり分かってること。あとは魔力と反射神経だから実戦積むのがいい」
「キュロも戦ったことあるのか?」
「ううん。俺はちょっと特殊なの。逃げてばっかりで戦ったことなんてないし」
ご覧の通り、貧弱だから。と両手を広げるキュロだが、身体が少し俺より細い以上に彼に貧弱の要素が見当たらない。生物としては絶対俺の方が弱いから。他の魔族と比べるとってことだろうか。
「でも知ってる。見てきたからね色々、長生きなおかげで」
なるほど、と手を叩く。植物系の魔物や魔族は環境によって数百年生きると読んだことがある。外敵が少なく、魔力をよく含んだ土地だとそれ以上に長生きらしい。
今キュロは一体いくつなんだろうか。彼の言い分からして外見からは想像出来ない年齢の可能性もある。というか魔族自体人間と比べて長生きで身体の劣化が遅い。貴族達が聞いたら全財産使ってでも欲しい寿命が飽きるほどあるのだから、少し羨ましい。なんてぼーっと考えていると、キュロが俺より少し離れて手を振った。
「じゃ、見本見せるから」
肌が切れてしまいそうなくらい鋭い枝先に指で触れる。声を発せず、特にそれ以上動くこともなく。まるで死んだように停止した。
キュロが止まったままでも、生きたように枝は動きだす。守るように、重なり編まれ廻って頑強な壁になった。水はその僅かな隙間を埋めるように染み込んで、風はそもそも何も寄り付かぬよう渦巻きながらも吹き荒れる。
「これ本当に俺使えるようになるかな......?」
聳え立った壁に、これは出来るかと問われれば取れてしまえるくらい横に首を振る。多分一生使えないと断言できる。
「ここまでのは駄目でも似たのは出来るようになるでしょ。ニオ様は魔法そのものの才能がないとかじゃなくて、やり方を正しく理解してないから出来ない、だし」
「いやこれは」
「ニオ様が守りたいもの、自分は......当たり前だろうけどまだあるんじゃないの」
そう言われて想像した瞬間、浮かび上がった一人の姿は霞んで消えた。俺が何か言わなくてもキュロにはそれがなにか、というか誰だったかバレバレだったようで。表情から全てを察した彼は笑みを溢す。
「守る必要も守られる状況もなにもないって思った?」
「.....だって実際そうだろ」
「そりゃ魔王様は強いし、寿命でもなければまず人間に殺されることなんてない」
当たり前だ。どうせ起きないと言われようが、変わらず彼らは起きる前提で動く。人間よりずっと絶対がありえないことを理解しているから。
魔族の歴史、人が解明している分だけでもそれがよく分かる。本当にアルがいなければとっくに世界の支配者は魔族だろうに。
「でもニオ様が魔王様を守る日が来る...かもしれない。それがデートの日かも。だからニオ様。魔王様を守るために防護魔法頑張ろうか」
「キュロも戦ったことあるのか?」
「ううん。俺はちょっと特殊なの。逃げてばっかりで戦ったことなんてないし」
ご覧の通り、貧弱だから。と両手を広げるキュロだが、身体が少し俺より細い以上に彼に貧弱の要素が見当たらない。生物としては絶対俺の方が弱いから。他の魔族と比べるとってことだろうか。
「でも知ってる。見てきたからね色々、長生きなおかげで」
なるほど、と手を叩く。植物系の魔物や魔族は環境によって数百年生きると読んだことがある。外敵が少なく、魔力をよく含んだ土地だとそれ以上に長生きらしい。
今キュロは一体いくつなんだろうか。彼の言い分からして外見からは想像出来ない年齢の可能性もある。というか魔族自体人間と比べて長生きで身体の劣化が遅い。貴族達が聞いたら全財産使ってでも欲しい寿命が飽きるほどあるのだから、少し羨ましい。なんてぼーっと考えていると、キュロが俺より少し離れて手を振った。
「じゃ、見本見せるから」
肌が切れてしまいそうなくらい鋭い枝先に指で触れる。声を発せず、特にそれ以上動くこともなく。まるで死んだように停止した。
キュロが止まったままでも、生きたように枝は動きだす。守るように、重なり編まれ廻って頑強な壁になった。水はその僅かな隙間を埋めるように染み込んで、風はそもそも何も寄り付かぬよう渦巻きながらも吹き荒れる。
「これ本当に俺使えるようになるかな......?」
聳え立った壁に、これは出来るかと問われれば取れてしまえるくらい横に首を振る。多分一生使えないと断言できる。
「ここまでのは駄目でも似たのは出来るようになるでしょ。ニオ様は魔法そのものの才能がないとかじゃなくて、やり方を正しく理解してないから出来ない、だし」
「いやこれは」
「ニオ様が守りたいもの、自分は......当たり前だろうけどまだあるんじゃないの」
そう言われて想像した瞬間、浮かび上がった一人の姿は霞んで消えた。俺が何か言わなくてもキュロにはそれがなにか、というか誰だったかバレバレだったようで。表情から全てを察した彼は笑みを溢す。
「守る必要も守られる状況もなにもないって思った?」
「.....だって実際そうだろ」
「そりゃ魔王様は強いし、寿命でもなければまず人間に殺されることなんてない」
当たり前だ。どうせ起きないと言われようが、変わらず彼らは起きる前提で動く。人間よりずっと絶対がありえないことを理解しているから。
魔族の歴史、人が解明している分だけでもそれがよく分かる。本当にアルがいなければとっくに世界の支配者は魔族だろうに。
「でもニオ様が魔王様を守る日が来る...かもしれない。それがデートの日かも。だからニオ様。魔王様を守るために防護魔法頑張ろうか」
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