20 / 28
久しぶりにお兄様視点
しおりを挟む「アレン、大丈夫かなぁー」
はぁーっと大きな溜息をつく。僕付きのアマンダは少し優しい笑みを浮かべた。
「少しくらいアドバイスくれてもいいんじゃないの?アマンダー」
「私からなんてそんなの無いですよ。それにフラン様の妹様に対する愛は重すぎやしませんかね?」
「……そんなことはない」
確かに僕のこの想いは重いとは思ってる。自覚はある。
けど、可愛いんだから仕方ないじゃん
あんな天使を前にしてこうならない方がおかしいと思うけど。
「でもね、最近のアレンを見ていたらお兄ちゃん心配で心配で心の臓が張り裂けてしまうよ」
「確かにそうですね…アレン様は学園に入学してからまるで人が変わったかのようになりましたね。」
それに、最近アレンは何かを追っているかのような素振りをしている。
アレンが使い魔を召喚してからアレンは多くのご令嬢方と交流を持ち、他国の王太子や公爵家の息子とも友好関係を結んでいた。
そのせいというか、あの事件のせいというかアレンは僕の元を訪れる事が少なくなった。
その代わりにアレンの使い魔達が僕の元を訪れるようになった。
要件は様々だが、主にお悩み相談みたいなものでそれぞれの悩みを話し合ってストレス解消をしている。
その話の内容も主にアレンの事。ハイタカは最近、アレンに振り回されその上メンタルにくる画像を長時間視聴し続けた事でよく嘆いていた。
ウルヴァンやタイガもよく僕の元を訪れて三人で遊んだりしている。
それでも、やっぱりアレンと会えないのは寂しい。
はぁ、とまた大きな溜息をつく。
本日十数回目になる溜息にアマンダも呆れてきたのか僕の背中をバシンッと叩いてくれた。
「ほらほら、フラン様。まだ、アレン様の為にやる事があるんでしょう?」
「あぁ、そうだな。大切な事を忘れていたありがとう。僕のアレンを傷つけたあの野郎には痛い目見てもらわなくちゃいけないもんね」
「フラン様、私もあいつには恨みが溜まっておりますのでご一緒してもよろしいですか?」
「あぁ、勿論!何なら他にもあの野郎に恨みがある人沢山連れてきて。」
アマンダはスカートの中からナイフを数本、僕は闇の魔力で創った糸を取り出した。罪人には罰を。あの子を傷つけた奴は絶対に許さない。地を這いずってまでも地獄まで追いかけてやる。
「「さぁ、断罪の時間だ」です」
0
あなたにおすすめの小説
悪意には悪意で
12時のトキノカネ
恋愛
私の不幸はあの女の所為?今まで穏やかだった日常。それを壊す自称ヒロイン女。そしてそのいかれた女に悪役令嬢に指定されたミリ。ありがちな悪役令嬢ものです。
私を悪意を持って貶めようとするならば、私もあなたに同じ悪意を向けましょう。
ぶち切れ気味の公爵令嬢の一幕です。
【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
22時完結
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
悪役令嬢だったので、身の振り方を考えたい。
しぎ
恋愛
カーティア・メラーニはある日、自分が悪役令嬢であることに気づいた。
断罪イベントまではあと数ヶ月、ヒロインへのざまぁ返しを計画…せずに、カーティアは大好きな読書を楽しみながら、修道院のパンフレットを取り寄せるのだった。悪役令嬢としての日々をカーティアがのんびり過ごしていると、不仲だったはずの婚約者との距離がだんだんおかしくなってきて…。
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
※他サイト様にも掲載中です
断罪前に“悪役"令嬢は、姿を消した。
パリパリかぷちーの
恋愛
高貴な公爵令嬢ティアラ。
将来の王妃候補とされてきたが、ある日、学園で「悪役令嬢」と呼ばれるようになり、理不尽な噂に追いつめられる。
平民出身のヒロインに嫉妬して、陥れようとしている。
根も葉もない悪評が広まる中、ティアラは学園から姿を消してしまう。
その突然の失踪に、大騒ぎ。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる