加虐心

わんこう

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迷路2

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 学校が終わり佐伯と彼の家に向かう。


 (どうしよう。何か話したほうがいいのかな。これから遊びに行くんだもんな、少しでも仲良くなっておかないと!)


 「急に俺のことを家に誘うなんて一体どうしたんだ?お前のこともっと愛想悪い奴だと思ってた(笑)」

 とりあえず、たわいもない話でもしておこう。

 「........」


 しかし佐伯は何も答えない。

 (どうした?また機嫌が悪くなったのか?まあいい、家でゆっくり話せば多少仲良くなれるだろう)

 二人は無言のまま佐伯の家に向かった。






 佐伯の家に着くとリビングに通された。

 佐伯の家はかなり大きい。軽く祖母の家の二倍はあるだろう。こんなに家が大きいのにあいつは一人暮らしをしているらしい。



 「コーヒーと紅茶、どっちがいい?」

 「紅茶がいいな....」


 俺がおどおどしながらソファに座っていると、佐伯は紅茶を出してくれた。


 「ありがとう。」

 佐伯が作ってくれた紅茶はとてもおいしかった。

 「でも、なんで俺を家に入れてくれたんだ?お前こんなこと普通はしないだろ?」

 「まあな、ちょっと用事があって。」

 「用事?何?」

 「起きればわかる。」

 「え...?」

 急に視界がぐらぐらし始め、湊は床に倒れた。






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