329 / 681
第十章 カトリーズの悪夢
VS人食い馬④、そして終焉へ
しおりを挟む
「ヒヒーン!!」
オーロが、高らかに声を上げた。
「………………!」
ユーリは、それを忘れていた事に気付いた。
オーロの口から、水流が吐き出された。
「《結界》!」
大きな《結界》はいらない。余計な魔力を消費するだけ。
水流を防げるだけの大きさの《結界》を発動させた。
「……なんて、威力ですか……!」
当然ながら、その威力も、先ほどまでの比ではなかった。
力を抜くわけにはいかなかった。
魔力残量を気にしていられず、ユーリは込められるだけの魔力を、《結界》に込めた。
※ ※ ※
(このままじゃ、まずいよね)
リィカは、オーロに切り裂かれた肩を押さえていた。
傷は深くない、とは言っても、それでも痛い。
オーロを、ユーリを見る。
ユーリの魔力が、どんどん削られているのが分かる。
魔力がなくなって、《結界》が維持出来なくなれば、吐き出される水流の直撃を受けるだけだ。
その前に、どうにかしなければいけない。
自分の魔力残量を確認する。
多分、初級魔法一発程度なら、何とかなる。
(成功しますように)
リィカは《火球》を凝縮して、発動させた。
※ ※ ※
オーロは、慌てなかった。
正面から発動された火球の魔法、それを水流を発動させたまま、躱す。
魔法を放った人間を見るが、すぐ意識から外した。
もう、その人間に魔法を使える魔力は残っていなかった。
※ ※ ※
(やっぱり、躱された)
予想通りだ。
できれば、水流の発動を止められれば良かったのだが。
しかし、本番はこれからだ。
リィカは崩れそうな体を必死に起こす。
もう、魔法を発動できるだけの魔力もない。
でも、もう魔力も必要ない。
「――戻ってきて!」
本当は、声を出さずにやれれば良かったのだろうが、声にした方がイメージしやすい。
リィカは、オーロに躱されて飛んでいく《火球》に向かって、声を発した。
すると、《火球》は、まるで生き物のようにその場でカーブを描き、戻ってきた。
リィカの意思に応えるように。
そしてそのまま、オーロに命中したのだった。
「!!!」
水流を口から出していたオーロは、悲鳴を上げなかった。
しかし、背後から攻撃されるなど想像もしていなかったのだろう。痛みと驚きでオーロの攻撃と動きが止まった。
そして、その瞬間を、ユーリは見逃さなかった。
凝縮された《光球》を、ありったけ打ち込む。
「《結界》!」
唱えた魔法は、攻撃を防ぐためではなかった。
唱えた《結界》は、細長い槍のような形に変形する。炎の中級魔法である《炎の槍》によく似た形だ。
真っ直ぐに飛んでいった《結界》の槍は、オーロの口の中に突き刺さり、そのまま体を貫通した。
悲鳴すら上げず、オーロは横倒しになり、息絶えたのだった。
※ ※ ※
「倒されたか」
カストルは目を閉じる。
自分が作り上げた魔物だ。
愛着がなかったわけではない。
だが、それも一瞬だった。
「オルフ、撤退するぞ」
「承知しました」
勇者たちと戦っている四名は、持ち堪えてはいるが、完全に押されている。
これ以上は犠牲を増やすだけだろう。
オルフが一人、戦場に足を進めた。
※ ※ ※
(倒したのか)
リィカとユーリの二人が、人食い馬を四体とも倒したのを確認して、泰基は苦笑していた。
たいした物だと思う。
こちらが駆け付けるまでもなかったようだ。
泰基は、戦っているディーノスを見る。
後は、魔族たちを倒すだけだ。
リィカとユーリの二人は、疲労困憊といった様子で座り込んでいる。後方からのフォローは期待できなさそうだが、一対一の戦いで、それを望むのは高望みだろう。
飛んできたモーニングスターを躱す。
ディーノスも疲れてきているのか、早さも威力も落ちてきている。
今までは躱した隙に懐に飛び込もうとしても、切り替えが早くて飛び込めなかったが、今は隙が見える。
泰基は、一気に懐に飛び込もうとして…………視界にもう一人目に入って、慌てて動きを止めた。
「《輪光》!」
カストルという魔王の兄と名乗った男の、側に控えていた男。
その男が放ったのは、泰基やユーリがよく使う、光の中級魔法だ。
「《輪光》!」
泰基も同じ魔法を唱える。
ぶつかり合った魔法は、弾けた。
弾けて生まれた光が、辺りを包み、強烈な閃光を発した。
そのまぶしさに、泰基は目を瞑る。
そして、光がやんで目を開けた時、魔族たちは四人全員、後方に下がって、カストルたちと合流していた。
「なにっ!?」
そう叫んだのは、誰だったのか。
「勇者諸君、ここまでだ。貴様らの戦いぶり、認めよう。次に再戦するときに、この雪辱を果たすとしよう」
カストルの言葉に、勇者一行が各々に驚きの感情を示す。
「逃げるのか!!」
叫んだのは、暁斗だ。
「その通りではあるが、なるほど、そう言われると、かなり悔しいものがあるな」
カストルは淡々と口にする。
その視線が、リィカに移る。
「貴様を殺せなかったのは残念だが、まあ良かろう。ジャダーカがいるからな。奴がどうにかするだろう」
むしろ、ジャダーカの機嫌をこれ以上損ねずに済んで良かった。
大真面目に言うカストルの手には、Bランク相当と思われる魔石があった。
「では、さらばだ」
「待てっ!」
再び暁斗が叫ぶ。
「【一閃】!」
剣技を放ったのは、アレクだった。
だが、それが届く前に、カストルとオルフ、他四名の姿は、その場から消えたのだった。
オーロが、高らかに声を上げた。
「………………!」
ユーリは、それを忘れていた事に気付いた。
オーロの口から、水流が吐き出された。
「《結界》!」
大きな《結界》はいらない。余計な魔力を消費するだけ。
水流を防げるだけの大きさの《結界》を発動させた。
「……なんて、威力ですか……!」
当然ながら、その威力も、先ほどまでの比ではなかった。
力を抜くわけにはいかなかった。
魔力残量を気にしていられず、ユーリは込められるだけの魔力を、《結界》に込めた。
※ ※ ※
(このままじゃ、まずいよね)
リィカは、オーロに切り裂かれた肩を押さえていた。
傷は深くない、とは言っても、それでも痛い。
オーロを、ユーリを見る。
ユーリの魔力が、どんどん削られているのが分かる。
魔力がなくなって、《結界》が維持出来なくなれば、吐き出される水流の直撃を受けるだけだ。
その前に、どうにかしなければいけない。
自分の魔力残量を確認する。
多分、初級魔法一発程度なら、何とかなる。
(成功しますように)
リィカは《火球》を凝縮して、発動させた。
※ ※ ※
オーロは、慌てなかった。
正面から発動された火球の魔法、それを水流を発動させたまま、躱す。
魔法を放った人間を見るが、すぐ意識から外した。
もう、その人間に魔法を使える魔力は残っていなかった。
※ ※ ※
(やっぱり、躱された)
予想通りだ。
できれば、水流の発動を止められれば良かったのだが。
しかし、本番はこれからだ。
リィカは崩れそうな体を必死に起こす。
もう、魔法を発動できるだけの魔力もない。
でも、もう魔力も必要ない。
「――戻ってきて!」
本当は、声を出さずにやれれば良かったのだろうが、声にした方がイメージしやすい。
リィカは、オーロに躱されて飛んでいく《火球》に向かって、声を発した。
すると、《火球》は、まるで生き物のようにその場でカーブを描き、戻ってきた。
リィカの意思に応えるように。
そしてそのまま、オーロに命中したのだった。
「!!!」
水流を口から出していたオーロは、悲鳴を上げなかった。
しかし、背後から攻撃されるなど想像もしていなかったのだろう。痛みと驚きでオーロの攻撃と動きが止まった。
そして、その瞬間を、ユーリは見逃さなかった。
凝縮された《光球》を、ありったけ打ち込む。
「《結界》!」
唱えた魔法は、攻撃を防ぐためではなかった。
唱えた《結界》は、細長い槍のような形に変形する。炎の中級魔法である《炎の槍》によく似た形だ。
真っ直ぐに飛んでいった《結界》の槍は、オーロの口の中に突き刺さり、そのまま体を貫通した。
悲鳴すら上げず、オーロは横倒しになり、息絶えたのだった。
※ ※ ※
「倒されたか」
カストルは目を閉じる。
自分が作り上げた魔物だ。
愛着がなかったわけではない。
だが、それも一瞬だった。
「オルフ、撤退するぞ」
「承知しました」
勇者たちと戦っている四名は、持ち堪えてはいるが、完全に押されている。
これ以上は犠牲を増やすだけだろう。
オルフが一人、戦場に足を進めた。
※ ※ ※
(倒したのか)
リィカとユーリの二人が、人食い馬を四体とも倒したのを確認して、泰基は苦笑していた。
たいした物だと思う。
こちらが駆け付けるまでもなかったようだ。
泰基は、戦っているディーノスを見る。
後は、魔族たちを倒すだけだ。
リィカとユーリの二人は、疲労困憊といった様子で座り込んでいる。後方からのフォローは期待できなさそうだが、一対一の戦いで、それを望むのは高望みだろう。
飛んできたモーニングスターを躱す。
ディーノスも疲れてきているのか、早さも威力も落ちてきている。
今までは躱した隙に懐に飛び込もうとしても、切り替えが早くて飛び込めなかったが、今は隙が見える。
泰基は、一気に懐に飛び込もうとして…………視界にもう一人目に入って、慌てて動きを止めた。
「《輪光》!」
カストルという魔王の兄と名乗った男の、側に控えていた男。
その男が放ったのは、泰基やユーリがよく使う、光の中級魔法だ。
「《輪光》!」
泰基も同じ魔法を唱える。
ぶつかり合った魔法は、弾けた。
弾けて生まれた光が、辺りを包み、強烈な閃光を発した。
そのまぶしさに、泰基は目を瞑る。
そして、光がやんで目を開けた時、魔族たちは四人全員、後方に下がって、カストルたちと合流していた。
「なにっ!?」
そう叫んだのは、誰だったのか。
「勇者諸君、ここまでだ。貴様らの戦いぶり、認めよう。次に再戦するときに、この雪辱を果たすとしよう」
カストルの言葉に、勇者一行が各々に驚きの感情を示す。
「逃げるのか!!」
叫んだのは、暁斗だ。
「その通りではあるが、なるほど、そう言われると、かなり悔しいものがあるな」
カストルは淡々と口にする。
その視線が、リィカに移る。
「貴様を殺せなかったのは残念だが、まあ良かろう。ジャダーカがいるからな。奴がどうにかするだろう」
むしろ、ジャダーカの機嫌をこれ以上損ねずに済んで良かった。
大真面目に言うカストルの手には、Bランク相当と思われる魔石があった。
「では、さらばだ」
「待てっ!」
再び暁斗が叫ぶ。
「【一閃】!」
剣技を放ったのは、アレクだった。
だが、それが届く前に、カストルとオルフ、他四名の姿は、その場から消えたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
力は弱くて魔法も使えないけど強化なら出来る。~俺を散々こき使ってきたパーティの人間に復讐しながら美少女ハーレムを作って魔王をぶっ倒します
枯井戸
ファンタジー
──大勇者時代。
誰も彼もが勇者になり、打倒魔王を掲げ、一攫千金を夢見る時代。
そんな時代に、〝真の勇者の息子〟として生を授かった男がいた。
名はユウト。
人々は勇者の血筋に生まれたユウトに、類稀な魔力の才をもって生まれたユウトに、救世を誓願した。ユウトもまた、これを果たさんと、自身も勇者になる事を信じてやまなかった。
そんなある日、ユウトの元へ、ひとりの中性的な顔立ちで、笑顔が爽やかな好青年が訪ねてきた。
「俺のパーティに入って、世界を救う勇者になってくれないか?」
そう言った男の名は〝ユウキ〟
この大勇者時代にすい星のごとく現れた、〝その剣技に比肩する者なし〟と称されるほどの凄腕の冒険者である。
「そんな男を味方につけられるなんて、なんて心強いんだ」と、ユウトはこれを快諾。
しかし、いままで大した戦闘経験を積んでこなかったユウトはどう戦ってよいかわからず、ユウキに助言を求めた。
「戦い方? ……そうだな。なら、エンチャンターになってくれ。よし、それがいい。ユウトおまえはエンチャンターになるべきだ」
ユウトは、多少はその意見に疑問を抱きつつも、ユウキに勧められるがまま、ただひたすらに付与魔法(エンチャント)を勉強し、やがて勇者の血筋だという事も幸いして、史上最強のエンチャンターと呼ばれるまでに成長した。
ところが、そればかりに注力した結果、他がおろそかになってしまい、ユウトは『剣もダメ』『付与魔法以外の魔法もダメ』『体力もない』という三重苦を背負ってしまった。それでもエンチャンターを続けたのは、ユウキの「勇者になってくれ」という言葉が心の奥底にあったから。
──だが、これこそがユウキの〝真の〟狙いだったのだ。
この物語は主人公であるユウトが、持ち前の要領の良さと、唯一の武器である付与魔法を駆使して、愉快な仲間たちを強化しながら成り上がる、サクセスストーリーである。
【完結】すまない民よ。その聖騎士団、実は全員俺なんだ
一終一(にのまえしゅういち)
ファンタジー
俺こと“有塚しろ”が転移した先は巨大モンスターのうろつく異世界だった。それだけならエサになって終わりだったが、なぜか身に付けていた魔法“ワンオペ”によりポンコツ鎧兵を何体も召喚して命からがら生き延びていた。
百体まで増えた鎧兵を使って騎士団を結成し、モンスター狩りが安定してきた頃、大樹の上に人間の住むマルクト王国を発見する。女王に入国を許されたのだが何を血迷ったか“聖騎士団”の称号を与えられて、いきなり国の重職に就くことになってしまった。
平和に暮らしたい俺は騎士団が実は自分一人だということを隠し、国民の信頼を得るため一人百役で鎧兵を演じていく。
そして事あるごとに俺は心の中で呟くんだ。
『すまない民よ。その聖騎士団、実は全員俺なんだ』ってね。
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
200万年後 軽トラで未来にやってきた勇者たち
半道海豚
SF
本稿は、生きていくために、文明の痕跡さえない200万年後の未来に旅立ったヒトたちの奮闘を描いています。
最近は温暖化による環境の悪化が話題になっています。温暖化が進行すれば、多くの生物種が絶滅するでしょう。実際、新生代第四紀完新世(現在の地質年代)は生物の大量絶滅の真っ最中だとされています。生物の大量絶滅は地球史上何度も起きていますが、特に大規模なものが“ビッグファイブ”と呼ばれています。5番目が皆さんよくご存じの恐竜絶滅です。そして、現在が6番目で絶賛進行中。しかも理由はヒトの存在。それも産業革命以後とかではなく、何万年も前から。
本稿は、2015年に書き始めましたが、温暖化よりはスーパープルームのほうが衝撃的だろうと考えて北米でのマントル噴出を破局的環境破壊の惹起としました。
第1章と第2章は未来での生き残りをかけた挑戦、第3章以降は競争排除則(ガウゼの法則)がテーマに加わります。第6章以降は大量絶滅は収束したのかがテーマになっています。
どうぞ、お楽しみください。
生贄公爵と蛇の王
荒瀬ヤヒロ
ファンタジー
妹に婚約者を奪われ、歳の離れた女好きに嫁がされそうになったことに反発し家を捨てたレイチェル。彼女が向かったのは「蛇に呪われた公爵」が住む離宮だった。
「お願いします、私と結婚してください!」
「はあ?」
幼い頃に蛇に呪われたと言われ「生贄公爵」と呼ばれて人目に触れないように離宮で暮らしていた青年ヴェンディグ。
そこへ飛び込んできた侯爵令嬢にいきなり求婚され、成り行きで婚約することに。
しかし、「蛇に呪われた生贄公爵」には、誰も知らない秘密があった。
【マグナギア無双】チー牛の俺、牛丼食ってボドゲしてただけで、国王と女神に崇拝される~神速の指先で戦場を支配し、気づけば英雄でした~
月神世一
ファンタジー
「え、これ戦争? 新作VRゲーじゃなくて?」神速の指先で無自覚に英雄化!
【あらすじ紹介文】
「三色チーズ牛丼、温玉乗せで」
それが、最強の英雄のエネルギー源だった――。
日本での辛い過去(ヤンキー客への恐怖)から逃げ出し、異世界「タロウ国」へ転移した元理髪師の千津牛太(22)。
コミュ障で陰キャな彼が、唯一輝ける場所……それは、大流行中の戦術ボードゲーム『マグナギア』の世界だった!
元世界ランク1位のFPS技術(動体視力)× 天才理髪師の指先(精密操作)。
この二つが融合した時、ただの量産型人形は「神速の殺戮兵器」へと変貌する!
「動きが単調ですね。Botですか?」
路地裏でヤンキーをボコボコにしていたら、その実力を国王に見初められ、軍事用巨大兵器『メガ・ギア』のテストパイロットに!?
本人は「ただのリアルな新作ゲーム」だと思い込んでいるが、彼がコントローラーを握るたび、敵国の騎士団は壊滅し、魔王軍は震え上がり、貧乏アイドルは救われる!
見た目はチー牛、中身は魔王級。
勘違いから始まる、痛快ロボット無双ファンタジー、開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる