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第十一章 四天王ジャダーカ
ゆっくり休息を
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「なるほど、俺たち全員と話をしたい、か」
アレクは聞いた話を繰り返した。
暁斗の説明だけではなく、他の皆も口を添えたので、話は早かった。
「軍議、ではないんだな」
「そうは言ってなかったな。あの口ぶりだと、おれらの他は、ルベルトス殿下とリヒトーフェン大将、そしてケルー少将くらいじゃねぇか?」
もう一人可能性があるとしたら、トラヴィスの副官、バスティアンくらいか。
そう予測を述べるバルに、アレクは少し考えた。
考えた上で、わずかに苦笑が漏れる。
「おそらくケルー少将の提案だろうな。軍議という言葉に俺たちが難色を示したこと。軍議中に、参加しなかったアキトとリィカにデウスが近寄ったこと。それらを考慮したんだろう」
そこまで配慮されてしまえば、こちらの取れる行動など一つだ。
「どちらにしても、今後の予定を決める必要はあるだろうし、話をするしかないだろうな」
「ええー、オレも出るの?」
アレクの言葉に、真っ先に不満を表したのは暁斗だった。
その暁斗を、アレクは軽く睨む。
「お前に出てもらうために、なされた配慮だ。話が分からなければ黙っていていいから、出るだけは出ろ」
「……はーい」
憮然とした顔で頷く暁斗を確認して、さらにアレクは考え込む。
暁斗はいい。
問題は、リィカなのだが。
「……とりあえず、今日は無理だな。明日のリィカの状態を見てからか」
ジャダーカとの激戦の後だ。
いくら魔法で回復したと言っても、根本から回復するためには休むのが一番だ。
何より、寝ているリィカを起こしたくない。
「では、話は決まりですね。伝えてきますよ。そこら辺にいる兵士に伝えれば、大丈夫でしょうから」
ユーリが言いつつ立ち上がる。
それにつられて、アレクとバルも立ち上がる。
そして、何事もなく、一晩グッスリ休んで、翌朝。
リィカの体調も、戻っていた。
※ ※ ※
「左の腕は、まだ何となくおかしいけど……」
腕を上げたり下げたり、回したりしながら、リィカは少し顔をしかめている。
「左手で魔法は使えますか?」
ユーリの質問に、リィカは首を傾げる。
左手の人差し指を立てれば、そこに小さな火が点った。
「……うん、使える。ただ、ちょっと詰まった感じがした」
「普通に使っていたじゃないか」
アレクはツッコんだ。
今ので何かおかしいとか言われても、アレクには意味が分からない。
「使えるけど、ちょっとおかしいの!」
「アレクは黙っていて下さい。分からないんですから」
リィカに噛み付かれ、ユーリに冷たく言われて、アレクは口を噤む。
ああでもないこうでもない、と泰基まで混じって話しているのを、アレクはボーッと眺める。
剣士とか魔法使いとかに拘っていた、ジャダーカを思い出す。
恋人になるのに剣士も魔法使いも関係ない。
だがこういうとき、お互いの話がかみ合わないのは、確かに少し寂しいかもしれない、としみじみ思ったのだった。
アレクは聞いた話を繰り返した。
暁斗の説明だけではなく、他の皆も口を添えたので、話は早かった。
「軍議、ではないんだな」
「そうは言ってなかったな。あの口ぶりだと、おれらの他は、ルベルトス殿下とリヒトーフェン大将、そしてケルー少将くらいじゃねぇか?」
もう一人可能性があるとしたら、トラヴィスの副官、バスティアンくらいか。
そう予測を述べるバルに、アレクは少し考えた。
考えた上で、わずかに苦笑が漏れる。
「おそらくケルー少将の提案だろうな。軍議という言葉に俺たちが難色を示したこと。軍議中に、参加しなかったアキトとリィカにデウスが近寄ったこと。それらを考慮したんだろう」
そこまで配慮されてしまえば、こちらの取れる行動など一つだ。
「どちらにしても、今後の予定を決める必要はあるだろうし、話をするしかないだろうな」
「ええー、オレも出るの?」
アレクの言葉に、真っ先に不満を表したのは暁斗だった。
その暁斗を、アレクは軽く睨む。
「お前に出てもらうために、なされた配慮だ。話が分からなければ黙っていていいから、出るだけは出ろ」
「……はーい」
憮然とした顔で頷く暁斗を確認して、さらにアレクは考え込む。
暁斗はいい。
問題は、リィカなのだが。
「……とりあえず、今日は無理だな。明日のリィカの状態を見てからか」
ジャダーカとの激戦の後だ。
いくら魔法で回復したと言っても、根本から回復するためには休むのが一番だ。
何より、寝ているリィカを起こしたくない。
「では、話は決まりですね。伝えてきますよ。そこら辺にいる兵士に伝えれば、大丈夫でしょうから」
ユーリが言いつつ立ち上がる。
それにつられて、アレクとバルも立ち上がる。
そして、何事もなく、一晩グッスリ休んで、翌朝。
リィカの体調も、戻っていた。
※ ※ ※
「左の腕は、まだ何となくおかしいけど……」
腕を上げたり下げたり、回したりしながら、リィカは少し顔をしかめている。
「左手で魔法は使えますか?」
ユーリの質問に、リィカは首を傾げる。
左手の人差し指を立てれば、そこに小さな火が点った。
「……うん、使える。ただ、ちょっと詰まった感じがした」
「普通に使っていたじゃないか」
アレクはツッコんだ。
今ので何かおかしいとか言われても、アレクには意味が分からない。
「使えるけど、ちょっとおかしいの!」
「アレクは黙っていて下さい。分からないんですから」
リィカに噛み付かれ、ユーリに冷たく言われて、アレクは口を噤む。
ああでもないこうでもない、と泰基まで混じって話しているのを、アレクはボーッと眺める。
剣士とか魔法使いとかに拘っていた、ジャダーカを思い出す。
恋人になるのに剣士も魔法使いも関係ない。
だがこういうとき、お互いの話がかみ合わないのは、確かに少し寂しいかもしれない、としみじみ思ったのだった。
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*第1章 洞窟出現編 第2章 森再生編 第3章 翼国編
第4章 火山のドラゴン編 が終了しました。
第5章 闇の遺跡編に続きます。
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