野菜と私の奮闘記

田尾風香

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ほうれん草、小松菜、チンゲン菜……

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 さて、最初に上げるのは、もらう野菜の中で私が一番「大変だ!」と思う野菜たち。

 ほうれん草、小松菜、チンゲン菜、菜花……。そんなものかな? 簡単に、菜っ葉類と言ってもいいかもしれません。

 寒さが残っている時期はまだいいんですが、気温が上がってくると奴らが現れます。
 ――そう、虫です。

 むしと打ったら、最初"無視"と変換されました。無視できたら、こんなにいいことはないのでしょうが、残念ながらそういうわけにもいきません。

 まず、家でもらう野菜は、泥が沢山ついていることが多く、いちいち一つずつ洗っていられないので、大きい桶の中に突っ込んで全部まとめてバシャバシャ洗います。

 そうすると、水の中に奴らが落ちます。ウニョウニョする奴。ニョロニョロする奴。色々います。

 そして、残念ながら水の中じゃ奴らは死にません。元気に動いています。

 そのまま桶の底で動いているだけなら、まだ可愛げがあるのですが、中には桶をよじ登って登頂に成功する奴も多くいます。
 そういう奴らは、桶の一部がどこか壁面についていると、そこからさらに上を目指し、気付くとキッチン内を我が物顔で動き回るので、注意が必要です。

 私みたいな虫嫌いには、まさに試練の野菜でもあります。

 また、水の中に落ちてくれればいいのですが、バシャバシャしたくらいじゃ落ちない奴も結構多い。野菜がモジャモジャだったりすると、なおさらです。

 家でもらう野菜を思うと、店で売っている野菜って、綺麗だなぁと思うのですよ。特にほうれん草が多いんですけど、なんであんなにモジャモジャなんですかね。

 根っこから茎が生えて、なぜかその先にも根っこがあって、当然その根っこからも茎が生えて、それがさらに根っこに繋がっている……。たこ足配線じゃねぇんだぞ! と叫びたくなるようなほうれん草が、そこそこあります。

 そんなモジャモジャした野菜たちは、中にいる虫も非常に落ちにくいのです。

 そんな菜っ葉類は、熱湯必須。
 ほうれん草は、どっちにしてもアク抜きで茹でるでしょうけど、別にアク抜きいらない小松菜とかチンゲン菜とか菜花とかも、一度はお湯に通します。もちろん、目的は殺虫です。

 お浸しとかごま和えとかするのであれば、そのまましっかり茹でますけど、その後炒めたり何だりするのであれば、ホントにお湯をくぐらせるだけ。

 ……だと心配なので、十秒くらいはお湯につけてます。多分そんなに待たなくても、目的は達成しているとは思いますが、でもモジャモジャしてるのなんかは、心配なもので。

 さすがに、それで生きている奴らはいなくなるので、野菜から離れて浮いてくる……のですが、たまにそれでも離れずついたままの奴がいたりします。

 なので熱湯から上げたら、もう一度水につけてバシャバシャします。大体、この三回の行程を経れば、くっついている奴らはいなくなります。
 こんな感じで、なかなか面倒な手間がかかります。

 ちなみに、温かくなると野菜の生長も早くなるので、もらう量も大量になります。大変だから、量が多いと文句を言うこともあります。

「こんなにいらないっ!」
「うちにも沢山あるから、いいから持ってって」

 抗議しても、大体母にこう言われて持たされます。何日分だよ、という量です。

 家庭菜園の問題の一つですね。適量なら嬉しいけど、量が多すぎて文句を言いたくなる。作ってるだけの父は、気楽で良いのかもしれません。

 たまにお店で買って調理すると、「こんなに楽だったんだ……」と感動できます。
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