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転生者11

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「お、戻ったね」
 転移して目の前にいたのはアシュト君
「今さ、テリュシュ村長から連絡があってね。君たちに客人、らしいよ」
「私達に?」
「うん、勇者らしい」
「え、別の国の勇者ですか?」
「さぁ? 詳しくは知らないから、まあ一緒に帰ろうか」
 他の勇者が何の用なんだろう?
 昔から勇者同士が組んで魔王と戦うことは多かったから、その提案なのかも
 勇者って人格者が多いから(ごくまれに悪心を持ってるやつがいるけどね)、多分大丈夫

 村に帰るとその勇者らしき少女が嬉しそうに手を振っていた
「あなたがバララスラ王国の勇者、フィオナさんですのね! まあまあまあなんて可愛いんですの!」
 おお、おおお、この子、ドワーフだ!
 ドワーフの勇者だ!
「わたくしはアースランド王国の勇者、タルニャですの! 以後お見知りおきを、というより末永くよろしくお願いしますね!」
 末永く?
「あの、えと、こちらこそよろしくお願いします」
「はいですわ! では行きますわよ!」
 うわ、すごくぐいぐい行くタイプの子だ
「ま、待ってください。報告もありますし、次に行くのはサミダレです」
「あ、申し訳ありませんですの。わたくしせっかちなところがありまして、ご迷惑をおかけしますわ」
「大丈夫だよ。変に暴走しなきゃ」
「ありがとうですわ!」
 あ、うん、この子完全に仲間になる気満々だね
「ところでなぜサミダレへ? あそこの勇者はまだ現れていませんわよ?」
「いえ勇者を探しに行くんじゃなくて、この子の呪いを解きに行くの」
「まあまあまあまあまあまあ! 猫ちゃんですわ! なんてかわいいのでしょう! 白い! モフモフ! すなわち可愛いの権化っですわ!」
 ガシッと抱き上げられた
 見た感じ筋肉で押しつぶしてきそうな感じだったけど、私に対する触り方は繊細で、小さな動物を抱き上げるのに慣れてる感じ
「んにゃ、耳の後ろ気持ちいい」
「しゃ、しゃべりましたわ! 増々素晴らしい猫ちゃんですわ!」
 うほぅ、なんて撫で方の上手いお嬢さんなんだ!
 
 それからテリュシュさんに無事報告ができた
 メシアスーツはいつでも換装できるようになっていて、能力はこれからの使い方次第で成長していくとのこと
「あなたのより良き未来を祈っています」
 戦いの勝利じゃなくて、未来を祈ってくれるテリュシュさん
 私達は感謝しつつ、次の国、呪霊国家サミダレへと歩を進めた
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