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魔王との戦い45

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 溶けてしまった機械ヒドラの後ろの壁が開いて、次の階層へのエレベーターが動き始めた
「どんどんがんがん行きましょう!」
 これならもう勇者としてやっていけそう
 自信満々になってるけど、ちゃんと自分のできることを理解して、冷静に対処もできる
 非常に勇者として優秀
 エレベーターに乗り込むと、私はスッとマリオンちゃんに抱っこされた
「はぁ、いい匂いですねぇミアちゃん。焼きたてのパンみたいな香りです」
 この子達機械人もちゃんとご飯を食べてエネルギーに変えれる
 匂いも嗅げるからパンの匂いっていうのもわかるのよ
「気に入ってくれてるとこ悪いんだけど、もう着いたよ」
「うん、ありがとうミアちゃん。また吸わせてね」
「私でよければ」
 私は吸われるの、嫌いじゃない
 むしろもっとやってほしい
 なんだかお腹の辺りが気持ちいいからね
「ここはまた、さっきまでとは違う感じだね。機械的だったのが嘘みたいにただの洞窟っぽくなった」
 エルヴィスの言う通り、岩肌がむき出しの洞窟になっている三層
 でも電気は通ってるみたいで、洞窟内は明かりをつけなくても明るい
 敵の気配は、まだしないね
 恐る恐る進んでいく私達
 私が先頭にいるから敵がいるかどうかは丸わかりだけどね
 そんな私の探知とマリオンちゃんのレーダーがあれば敵がどこにいようと見逃さない
「反応来た! 上だ!」
 みんなが一斉に上を見上げると、真っ暗な上空から強烈な音が聞こえた
「うううう!! 耳が!」
 キィイイインと響く音が頭に響いて痛い
 特に私は動けなくなるくらいに
「ぐううう、だ、だめ、私、耳が、頭、が、いたい」
「ミア!」
 猫なぶん私は皆よりこの攻撃が特別に効いちゃったみたい
「この! モードチェンジ、ライト!」
 マリオンちゃんの体が発光して洞窟全体を輝かせる
 するとその音を放った何かの正体が分かった
 機械コウモリだ!
 それは口から超音波らしきものを放ってこっちを攻撃してる
 空を飛んでる分攻撃が届きにくいけど
「ライトウィッシュ!」
 マリオンちゃんには関係なさそう
 光の槍が機械コウモリに突き刺さって落ちてきた
 地面に落ちて分かったけど、このコウモリでっかぁ
 地球最大のフルーツコウモリの三倍はあろうかと言う大きさ
 ワイバーンくらい大きい
 取りあえずいたのは一体だけ、か
 もし複数で来られてたら私の頭、爆発してたかも
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