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異世界人19
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ランドランス湖
かつて魔王セルセトラが勇者にして弟のリギュラに討たれた地
その湖の上に美しい女性が闇の球体に閉じ込められるようにして浮かんでいた
「あれが、魔王セルセトラ・・・」
セルセトラは目をつぶって動かない
自身の足を抱えてただ玉のなかでジッとしていた
「復活はしているみたいですが、動きませんね姉さん」
「まだ復活したばかりで意識がないのかもしれないわ。油断しないで」
「はい、全力で砕きます」
アニアは拳に強大な魔力を溜めると、飛び上がってセルセトラに叩き込んだ
「魔覇突拳」
ドギャンとものすごい音が湖中に響き、闇の球体が破壊されて中からセルセトラが湖に落ちた
それと同時に湖がドバーと水柱をあげる
セルセトラが目覚めたのだ
「魔王セルセトラ・・・。いざ!」
「・・・。ここは・・・? 私を殺したのはお前たちか? 私と同じ血を感じる・・・」
鋭い眼光でにらみつけるセルセトラ
そしてノーモーションですでにアニアの背後に迫っていた
「魔竜牙!」
鋭い抜き手がセルセトラの腹部を貫く。かに見えたが、それは残像だった
「私の、技術。いえ、あなたはそれを自身の力と混ぜ合わせて昇華している。嬉しいわ私の子孫。私の、私の技術を受け継いでいてくれて・・・。だからこそあなたに託す。酷なようかもしれないけれど、私を止めなさい。私を再び、殺しなさい」
セルセトラは再び黙る
というより何かに黙らされたように見えた
目から光が消え、ガクンと首が下を向く
「これは。離れてアニア!」
「はい!」
セルセトラの顔がぐりゅんとアニアの方を向くと、その顔は人とは思えないほどに醜く歪み、血を欲する獣のようになっていた
「ジュグルルルッラアアアアアアアア」
口からは涎を垂らしている
「なるほど、魔に飲まれた。そういうこと」
「姉さん、やはりこの方は」
「ええ、魔そのものに魂を囚われているわ」
どうしたものかとアニアとレニアは考える
「連撃、地の魔拳」
地面が凹むほどにえぐれ、無数の拳がセルセトラの腹部に叩き込まれた
今度は残像ではなく本体を的確に捕らえていた
「まだまだです!」
「アニア! フルカウントベール!」
アニアに補助魔法をいくつもかけて強化するレニア
それにより拳の速度と威力が増す
「あぐ、ぐが」
セルセトラの体が崩れてきている
「あ、ああ、私の愛しい子孫たち、ありがとう、私を殺してくれて・・・。また人を襲うのは、いや。意識の底で、人を殺すたびに私は・・・」
「始祖様・・・。私達が今あるのはあなたのおかげです。感謝します」
「子孫たち。一つ、情報を。アレを、野放しにしていてはいけません。あれは着実に力をつけています。どうか、私を甦らせたあの者を、倒してください。まず私の、死体を調べなさい。オーブがあるはずです。それを調べて・・・」
セルセトラは崩れて消えてしまった
「あの者・・・。オーブ。重要そうな情報です姉様」
二人はセルセトラの死体、砂からオーブを取り出し、街への帰路へついた
かつて魔王セルセトラが勇者にして弟のリギュラに討たれた地
その湖の上に美しい女性が闇の球体に閉じ込められるようにして浮かんでいた
「あれが、魔王セルセトラ・・・」
セルセトラは目をつぶって動かない
自身の足を抱えてただ玉のなかでジッとしていた
「復活はしているみたいですが、動きませんね姉さん」
「まだ復活したばかりで意識がないのかもしれないわ。油断しないで」
「はい、全力で砕きます」
アニアは拳に強大な魔力を溜めると、飛び上がってセルセトラに叩き込んだ
「魔覇突拳」
ドギャンとものすごい音が湖中に響き、闇の球体が破壊されて中からセルセトラが湖に落ちた
それと同時に湖がドバーと水柱をあげる
セルセトラが目覚めたのだ
「魔王セルセトラ・・・。いざ!」
「・・・。ここは・・・? 私を殺したのはお前たちか? 私と同じ血を感じる・・・」
鋭い眼光でにらみつけるセルセトラ
そしてノーモーションですでにアニアの背後に迫っていた
「魔竜牙!」
鋭い抜き手がセルセトラの腹部を貫く。かに見えたが、それは残像だった
「私の、技術。いえ、あなたはそれを自身の力と混ぜ合わせて昇華している。嬉しいわ私の子孫。私の、私の技術を受け継いでいてくれて・・・。だからこそあなたに託す。酷なようかもしれないけれど、私を止めなさい。私を再び、殺しなさい」
セルセトラは再び黙る
というより何かに黙らされたように見えた
目から光が消え、ガクンと首が下を向く
「これは。離れてアニア!」
「はい!」
セルセトラの顔がぐりゅんとアニアの方を向くと、その顔は人とは思えないほどに醜く歪み、血を欲する獣のようになっていた
「ジュグルルルッラアアアアアアアア」
口からは涎を垂らしている
「なるほど、魔に飲まれた。そういうこと」
「姉さん、やはりこの方は」
「ええ、魔そのものに魂を囚われているわ」
どうしたものかとアニアとレニアは考える
「連撃、地の魔拳」
地面が凹むほどにえぐれ、無数の拳がセルセトラの腹部に叩き込まれた
今度は残像ではなく本体を的確に捕らえていた
「まだまだです!」
「アニア! フルカウントベール!」
アニアに補助魔法をいくつもかけて強化するレニア
それにより拳の速度と威力が増す
「あぐ、ぐが」
セルセトラの体が崩れてきている
「あ、ああ、私の愛しい子孫たち、ありがとう、私を殺してくれて・・・。また人を襲うのは、いや。意識の底で、人を殺すたびに私は・・・」
「始祖様・・・。私達が今あるのはあなたのおかげです。感謝します」
「子孫たち。一つ、情報を。アレを、野放しにしていてはいけません。あれは着実に力をつけています。どうか、私を甦らせたあの者を、倒してください。まず私の、死体を調べなさい。オーブがあるはずです。それを調べて・・・」
セルセトラは崩れて消えてしまった
「あの者・・・。オーブ。重要そうな情報です姉様」
二人はセルセトラの死体、砂からオーブを取り出し、街への帰路へついた
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