110 / 788
第七章:追録 ヨナスの夢は夜開く
5
あと少し別の場所に口での奉仕をしたら
それはやめて指での奉仕にする。
そんな自分の提案を素直に受け入れて私が
頷いたのを見たシェラさんは嬉しそうに微笑むと
では続けますね、と言って私の頬から手を離した。
どうやら耳への刺激はやめてくれるようで
ほっとしたのも束の間、今度は首筋に刺激を
感じて体が跳ねた。
「ふやぁっ⁉︎」
「失礼、強く吸い過ぎましたか?ではこれでは?」
ちゅっ、とまた首筋を刺激される。
まだなんだか変な感じがするけどさっきよりは
ましだ。こくんと頷けばそのまま柔らかな
口付けは続けられて首筋から鎖骨へと
徐々にそれは下の方へと降りていく。
あれ、これはこのままだとマズイんじゃ?
そう思ったのと、やんわりと私の胸が
シェラさんの両手で持ち上げられて
ナイトドレスの上から胸の先を強く吸われ、
軽く歯を立てられたのは同時だった。
「ふぁっ、・・・やっ・・‼︎」
布一枚を隔てているのにあまりに強い刺激に
ピリピリと体に電気が走ったような気がした。
シェラさんが一度私の胸からぱっと口を
離す。
「大丈夫ですか?気持ち良くなかったら
言って下さいね。奉仕ですので、ユーリ様に
気持ち良くなっていただかないと意味が
ありませんから。・・・続けますよ?」
申し訳程度に確かめられたけど、これ絶対
私がやめてって言っても続けるやつだ・・!
ぼんやりした頭でそう確信する。
その証拠に、胸を吸うシェラさんの肩に
手を押し付けて退けようとしても、それを
ものともせずに続けている。
そのまま服の上から音を立てて舐められ、
吸われ、甘噛みされ、私の胸の先はシェラさんの
柔らかな舌先でくりくりと転がされて
時には強く押し潰されてと刺激され続ける。
気を抜くと自分のじゃないみたいな変な声が
出てしまうのが恥ずかしくて、声を出さないように
両手を口にあてて必死に我慢した。
そうしたら途中でシェラさんにその手を
取られて布団の上に優しく縫い止められて
指を絡め取られる。
気持ち良かったら我慢しなくていいんですよ、
なんて言ってるけど恥ずかしいんだってば!
それにしても布一枚を隔てていて、直接の
刺激じゃないのが変にもどかしくてムズムズする。
これが奉仕って・・・シェラさんは偉い人の
愛人か何かだったのかな⁉︎訳が分からない。
私の足の間に割り入っているシェラさんの膝が、
シーツとナイトドレスを隔てた私の足の付け根に
時折り与えてくる、ぐりっとした刺激も気分を
変にさせる一因だ。
「いかがです、ユーリ様。お体の方は
だいぶ反応されてほぐれてきたようですが、
お気持ちの方はどうでしょう?気持ち良くなって
いただけましたか?」
ようやく執拗に攻め立てていた胸から口を
離したシェラさんがそう聞いてきた。
体もそうですが、何よりそのお心が満足して
いただくのがご奉仕の肝ですので。
そんな事を言っている。
どうやらシェラさんなりのルールがあるらしい。
「わ、分かんない・・・です」
やっとの思いでそう答えれば、
「とても扇情的な表情をされていますよ?
お美しい。そのお顔をオレが引き出したのかと
思うと堪らないですね。もっと奉仕させて
いただきたくなります。そろそろ口はやめて
指にしましょうか?」
慈しむように頬をすりすりと撫でられたけど
・・・まだ続けるつもりなの⁉︎どう見ても
私はもうギブアップしてるでしょうが。
言いたいことは色々あるけど、口にも体にも
力が入らなくて話す気力がない。
ただひたすらに与えられ続けた過度な刺激に
体がついていけてない。動悸がするし、
頭痛もひどくなって来ている気がする上に、
誰かの嗤う声まで聞こえる気がする。
幻聴が聞こえてくるとかいよいよ末期だ。
そんなくったりとしている私にシェラさんは
膝立ちをやめると位置を変え、優しく後ろから
抱き抱えて座る。なんとなく馬に二人乗りをして
ダーヴィゼルドまで来た時のことを思い出す
格好だった。
シェラさんの膝の間に座らされ、背中をその
しなやかな体躯に預ける。
今度は何をされるんだろうか。指って言ってた。
くてんとしたままその肩に頭を預けた私に
シェラさんは、いつの間にか前ボタンが開いて
素肌の見えているナイトドレスの隙間から
そっとその左腕を差し入れて私の両胸を直接
下から持ち上げ腕に乗せると、その左手は
右胸をそのまま下から揉みしだきながら
その先をきゅっと摘まんだ。
シェラさんの舌でいいだけ敏感にされていた
そこが今度は布越しでなく直接新たな刺激を
受けて、その強い刺激に思わず腰が跳ねた。
「シェラさん、それ、やめて・・・っ!」
「でもユーリ様、次は指でのご奉仕ですので。
ユーリ様の肌はとても滑らかで、オレを離すのを
嫌がるように腕にぴったりと吸い付いて
いるのが分かりますか?
この胸も、白く柔らかで大変素敵な触り心地の
美しい胸ですのでオレとしてはぜひ奉仕を
続けたいところですが・・・
胸はやめておきますか?ではこちらは?」
私の肩口で、後ろからシェラさんはそう囁くと
やめてと言った右胸に刺激を与えながら、
空いている方の手がドレスの隙間からするりと
入り込んですり、と優しく私の下腹部を
直接撫でつけた。
それだけでまたびくりと腰が跳ねる。
「ユーリ様には気持ち良くなっていただいて
天上の世界にも勝る悦びをぜひ感じて
欲しいんです。
・・・そうですね、オレの奉仕なしでは
過ごせないほどになればいいのかも知れない。」
すりすりと私のお腹を撫でながらそんな事を
言っている。何て恐ろしい事を言うんだろうか。
断固やめて欲しい。
私の胸に刺激を与えながら、お腹を撫でる
シェラさんの手がそのままゆっくりと更に
下へと伸びようとする様子を見せたので、
慌ててその手を掴んで止めた。
さすがにそれはちょっと!
力の入らない手で必死で拒む。
「や・・・ダメ、そんなの、ダメです・・・っ」
息も絶え絶えにそう言いながら全力で拒んだら、
私の耳元で
「ここまでしてもまだ堕ちないの?
しぶとい女」
突然シェラさんじゃない声がした。
ぼんやりしたまま横を見れば濃い紫色の
髪の毛・・・・シェラさん?
・・・じゃない。
私を後ろから抱き抱えながら爛々と
燃えるように赤く輝く瞳で私を
見ているのはヨナスだった。
「ふ、ぁっ・・・⁉︎」
驚いて起き上がろうとした、力の入らない
私の体を後ろから羽交い締めにするように抱く
ヨナスは、その細く長い指を私の首にかける。
「あんなに何人もの男の幻影を見せたのに。
普通ならとっくにグズグズになって快楽の底に
沈んでるはずだって言うのに、なんなのアンタは!
情緒が死んでるんじゃないの⁉︎
さすがあのバカ男が認めるだけはあるわね、
さっさとイリューディアの作ったその体と力を
寄越しなさい‼︎あの子のものは全部私が
もらうんだから‼︎」
無茶苦茶な事を言う。それに情緒が死んでるとか
失礼にも程がある。
「や・・・だっ・・・‼︎離して、助けて
イリューディアさん・・・っ‼︎」
ギリギリと首を締め上げてくるヨナスに
必死で抵抗して、イリューディアさんに
助けを求める。
頭がずきずきする。かすかに鈴のような音が
頭痛のする頭に響く。何だろう?
なんでもいいから助けて欲しい。
そう思った時、頭痛のする頭に一際高く
リン!という澄んだ鈴の音が鳴り響いた。
「なんでっ、イリューディア・・・っ‼︎
邪魔するなんて酷い‼︎」
ヨナスのそう言う悔しげな声が聞こえたのを
最後に、私はそのまま気を失った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ハッとして目を覚ます。
心臓がドクドクと脈打っている。
何だろう?よく覚えていないけど、
なんだかすごく恥ずかしい長い夢を
見てたような気がする。
まだほっぺが赤くてドキドキしている。
頬に当てた手は小さい。
どうやらお酒が抜けていつもの姿に
戻ったらしい。
サイドテーブルにはぱっきりと割れた
私の結界石があった。
夢の中でこの結界石の鈴の音がしたような
気がする。もしかして守ってくれたのかな?
考えていたら、寝室の扉が開いて水桶を
手にしたシェラさんが入って来た。
私が起きていると思わなかったのか驚いている。
あれ?なんだかデジャヴだ。
夢の中で話していた相手はシェラさん
だったのかな。
・・・思い出せない。
ぼんやりしている私を心配してシェラさんが
話しかけてくれた。心配をかけてはいけない。
慌てて何でもない風を装って会話をした。
聞けば、酔った私はリオン様に文句を言った後
眠り込んでしまって今はその翌日の早朝らしい。
明るくなったらカイゼル様のお見舞いに
行くことにして、まだ薄暗いこの時間を
どう過ごそうかと悩んでいたら、シェラさんが
朝日を見ないかと誘ってくれた。
なんて素敵な提案なんだろう!
準備のためにシェラさんが一度部屋から
下がったので、私もいそいそと着るものの
支度をする。そんな私の視界の片隅に、
キラリと割れた結界石が光って見えた。
・・・内容は覚えていないけど、もしこれが
私を守ってくれたのならありがたい。
感謝するように丁寧に布に包んでそれを
荷物入れにしまう。
そうしていると、シェラさんが紅茶のポットと
軽食を手に部屋に戻ってきた。
さあ、これから二人で朝日を見に行こう。
ウキウキして部屋を後にする。
朝日を見ることから始まる一日なんて、
いいことしかない気がする。
ー・・・新しい朝が来た、希望の朝だ。
小さい頃ラジオ体操をする前に流れていた、
ラジオ体操の歌の一節をなぜか思い出した。
そうだ、何だかよく分からない怖い夢の事なんて
忘れてしまおう。新しい朝が来たのだ。
カイゼル様も元に戻ったし、ダーヴィゼルドにも
新しい希望の朝がこれから始まる。
きっとこの先はいいことしかないに
違いないのだから。
あなたにおすすめの小説
気がつけば異世界
蝋梅
恋愛
芹沢 ゆら(27)は、いつものように事務仕事を終え帰宅してみれば、母に小さい段ボールの箱を渡される。
それは、つい最近亡くなった骨董屋を営んでいた叔父からの品だった。
その段ボールから最後に取り出した小さなオルゴールの箱の中には指輪が1つ。やっと合う小指にはめてみたら、部屋にいたはずが円柱のてっぺんにいた。
これは現実なのだろうか?
私は、まだ事の重大さに気づいていなかった。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】
iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました
斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。
白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。
その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。
それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。
やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり――
白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。
身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。
王宮地味女官、只者じゃねぇ
宵森みなと
恋愛
地味で目立たず、ただ真面目に働く王宮の女官・エミリア。
しかし彼女の正体は――剣術・魔法・語学すべてに長けた首席卒業の才女にして、実はとんでもない美貌と魔性を秘めた、“自覚なしギャップ系”最強女官だった!?
王女付き女官に任命されたその日から、運命が少しずつ動き出す。
訛りだらけのマーレン語で王女に爆笑を起こし、夜会では仮面を外した瞬間、貴族たちを騒然とさせ――
さらには北方マーレン国から訪れた黒髪の第二王子をも、一瞬で虜にしてしまう。
「おら、案内させてもらいますけんの」
その一言が、国を揺らすとは、誰が想像しただろうか。
王女リリアは言う。「エミリアがいなければ、私は生きていけぬ」
副長カイルは焦る。「このまま、他国に連れて行かれてたまるか」
ジークは葛藤する。「自分だけを見てほしいのに、届かない」
そしてレオンハルト王子は心を決める。「妻に望むなら、彼女以外はいない」
けれど――当の本人は今日も地味眼鏡で事務作業中。
王族たちの心を翻弄するのは、無自覚最強の“訛り女官”。
訛って笑いを取り、仮面で魅了し、剣で守る――
これは、彼女の“本当の顔”が王宮を変えていく、壮麗な恋と成長の物語。
★この物語は、「枯れ専モブ令嬢」の5年前のお話です。クラリスが活躍する前で、少し若いイザークとライナルトがちょっと出ます。
【完結】転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。
真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。
狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。
私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。
なんとか生きてる。
でも、この世界で、私は最低辺の弱者。
前世の記憶しかない元侯爵令嬢は、訳あり大公殿下のお気に入り。(注:期間限定)
miy
恋愛
(※長編なため、少しネタバレを含みます)
ある日目覚めたら、そこは見たことも聞いたこともない…異国でした。
ここは、どうやら転生後の人生。
私は大貴族の令嬢レティシア17歳…らしいのですが…全く記憶にございません。
有り難いことに言葉は理解できるし、読み書きも問題なし。
でも、見知らぬ世界で貴族生活?いやいや…私は平凡な日本人のようですよ?…無理です。
“前世の記憶”として目覚めた私は、現世の“レティシアの身体”で…静かな庶民生活を始める。
そんな私の前に、一人の貴族男性が現れた。
ちょっと?訳ありな彼が、私を…自分の『唯一の女性』であると誤解してしまったことから、庶民生活が一変してしまう。
高い身分の彼に関わってしまった私は、元いた国を飛び出して魔法の国で暮らすことになるのです。
大公殿下、大魔術師、聖女や神獣…等など…いろんな人との出会いを経て『レティシア』が自分らしく生きていく。
という、少々…長いお話です。
鈍感なレティシアが、大公殿下からの熱い眼差しに気付くのはいつなのでしょうか…?
※安定のご都合主義、独自の世界観です。お許し下さい。
※ストーリーの進度は遅めかと思われます。
※現在、不定期にて公開中です。よろしくお願い致します。
公開予定日を最新話に記載しておりますが、長期休載の場合はこちらでもお知らせをさせて頂きます。
※ド素人の書いた3作目です。まだまだ優しい目で見て頂けると嬉しいです。よろしくお願いします。
※初公開から2年が過ぎました。少しでも良い作品に、読みやすく…と、時間があれば順次手直し(改稿)をしていく予定でおります。(現在、146話辺りまで手直し作業中)
※章の区切りを変更致しました。(9/22更新)