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第七章:追録 ヨナスの夢は夜開く
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しおりを挟むあと少し別の場所に口での奉仕をしたら
それはやめて指での奉仕にする。
そんな自分の提案を素直に受け入れて私が
頷いたのを見たシェラさんは嬉しそうに微笑むと
では続けますね、と言って私の頬から手を離した。
どうやら耳への刺激はやめてくれるようで
ほっとしたのも束の間、今度は首筋に刺激を
感じて体が跳ねた。
「ふやぁっ⁉︎」
「失礼、強く吸い過ぎましたか?ではこれでは?」
ちゅっ、とまた首筋を刺激される。
まだなんだか変な感じがするけどさっきよりは
ましだ。こくんと頷けばそのまま柔らかな
口付けは続けられて首筋から鎖骨へと
徐々にそれは下の方へと降りていく。
あれ、これはこのままだとマズイんじゃ?
そう思ったのと、やんわりと私の胸が
シェラさんの両手で持ち上げられて
ナイトドレスの上から胸の先を強く吸われ、
軽く歯を立てられたのは同時だった。
「ふぁっ、・・・やっ・・‼︎」
布一枚を隔てているのにあまりに強い刺激に
ピリピリと体に電気が走ったような気がした。
シェラさんが一度私の胸からぱっと口を
離す。
「大丈夫ですか?気持ち良くなかったら
言って下さいね。奉仕ですので、ユーリ様に
気持ち良くなっていただかないと意味が
ありませんから。・・・続けますよ?」
申し訳程度に確かめられたけど、これ絶対
私がやめてって言っても続けるやつだ・・!
ぼんやりした頭でそう確信する。
その証拠に、胸を吸うシェラさんの肩に
手を押し付けて退けようとしても、それを
ものともせずに続けている。
そのまま服の上から音を立てて舐められ、
吸われ、甘噛みされ、私の胸の先はシェラさんの
柔らかな舌先でくりくりと転がされて
時には強く押し潰されてと刺激され続ける。
気を抜くと自分のじゃないみたいな変な声が
出てしまうのが恥ずかしくて、声を出さないように
両手を口にあてて必死に我慢した。
そうしたら途中でシェラさんにその手を
取られて布団の上に優しく縫い止められて
指を絡め取られる。
気持ち良かったら我慢しなくていいんですよ、
なんて言ってるけど恥ずかしいんだってば!
それにしても布一枚を隔てていて、直接の
刺激じゃないのが変にもどかしくてムズムズする。
これが奉仕って・・・シェラさんは偉い人の
愛人か何かだったのかな⁉︎訳が分からない。
私の足の間に割り入っているシェラさんの膝が、
シーツとナイトドレスを隔てた私の足の付け根に
時折り与えてくる、ぐりっとした刺激も気分を
変にさせる一因だ。
「いかがです、ユーリ様。お体の方は
だいぶ反応されてほぐれてきたようですが、
お気持ちの方はどうでしょう?気持ち良くなって
いただけましたか?」
ようやく執拗に攻め立てていた胸から口を
離したシェラさんがそう聞いてきた。
体もそうですが、何よりそのお心が満足して
いただくのがご奉仕の肝ですので。
そんな事を言っている。
どうやらシェラさんなりのルールがあるらしい。
「わ、分かんない・・・です」
やっとの思いでそう答えれば、
「とても扇情的な表情をされていますよ?
お美しい。そのお顔をオレが引き出したのかと
思うと堪らないですね。もっと奉仕させて
いただきたくなります。そろそろ口はやめて
指にしましょうか?」
慈しむように頬をすりすりと撫でられたけど
・・・まだ続けるつもりなの⁉︎どう見ても
私はもうギブアップしてるでしょうが。
言いたいことは色々あるけど、口にも体にも
力が入らなくて話す気力がない。
ただひたすらに与えられ続けた過度な刺激に
体がついていけてない。動悸がするし、
頭痛もひどくなって来ている気がする上に、
誰かの嗤う声まで聞こえる気がする。
幻聴が聞こえてくるとかいよいよ末期だ。
そんなくったりとしている私にシェラさんは
膝立ちをやめると位置を変え、優しく後ろから
抱き抱えて座る。なんとなく馬に二人乗りをして
ダーヴィゼルドまで来た時のことを思い出す
格好だった。
シェラさんの膝の間に座らされ、背中をその
しなやかな体躯に預ける。
今度は何をされるんだろうか。指って言ってた。
くてんとしたままその肩に頭を預けた私に
シェラさんは、いつの間にか前ボタンが開いて
素肌の見えているナイトドレスの隙間から
そっとその左腕を差し入れて私の両胸を直接
下から持ち上げ腕に乗せると、その左手は
右胸をそのまま下から揉みしだきながら
その先をきゅっと摘まんだ。
シェラさんの舌でいいだけ敏感にされていた
そこが今度は布越しでなく直接新たな刺激を
受けて、その強い刺激に思わず腰が跳ねた。
「シェラさん、それ、やめて・・・っ!」
「でもユーリ様、次は指でのご奉仕ですので。
ユーリ様の肌はとても滑らかで、オレを離すのを
嫌がるように腕にぴったりと吸い付いて
いるのが分かりますか?
この胸も、白く柔らかで大変素敵な触り心地の
美しい胸ですのでオレとしてはぜひ奉仕を
続けたいところですが・・・
胸はやめておきますか?ではこちらは?」
私の肩口で、後ろからシェラさんはそう囁くと
やめてと言った右胸に刺激を与えながら、
空いている方の手がドレスの隙間からするりと
入り込んですり、と優しく私の下腹部を
直接撫でつけた。
それだけでまたびくりと腰が跳ねる。
「ユーリ様には気持ち良くなっていただいて
天上の世界にも勝る悦びをぜひ感じて
欲しいんです。
・・・そうですね、オレの奉仕なしでは
過ごせないほどになればいいのかも知れない。」
すりすりと私のお腹を撫でながらそんな事を
言っている。何て恐ろしい事を言うんだろうか。
断固やめて欲しい。
私の胸に刺激を与えながら、お腹を撫でる
シェラさんの手がそのままゆっくりと更に
下へと伸びようとする様子を見せたので、
慌ててその手を掴んで止めた。
さすがにそれはちょっと!
力の入らない手で必死で拒む。
「や・・・ダメ、そんなの、ダメです・・・っ」
息も絶え絶えにそう言いながら全力で拒んだら、
私の耳元で
「ここまでしてもまだ堕ちないの?
しぶとい女」
突然シェラさんじゃない声がした。
ぼんやりしたまま横を見れば濃い紫色の
髪の毛・・・・シェラさん?
・・・じゃない。
私を後ろから抱き抱えながら爛々と
燃えるように赤く輝く瞳で私を
見ているのはヨナスだった。
「ふ、ぁっ・・・⁉︎」
驚いて起き上がろうとした、力の入らない
私の体を後ろから羽交い締めにするように抱く
ヨナスは、その細く長い指を私の首にかける。
「あんなに何人もの男の幻影を見せたのに。
普通ならとっくにグズグズになって快楽の底に
沈んでるはずだって言うのに、なんなのアンタは!
情緒が死んでるんじゃないの⁉︎
さすがあのバカ男が認めるだけはあるわね、
さっさとイリューディアの作ったその体と力を
寄越しなさい‼︎あの子のものは全部私が
もらうんだから‼︎」
無茶苦茶な事を言う。それに情緒が死んでるとか
失礼にも程がある。
「や・・・だっ・・・‼︎離して、助けて
イリューディアさん・・・っ‼︎」
ギリギリと首を締め上げてくるヨナスに
必死で抵抗して、イリューディアさんに
助けを求める。
頭がずきずきする。かすかに鈴のような音が
頭痛のする頭に響く。何だろう?
なんでもいいから助けて欲しい。
そう思った時、頭痛のする頭に一際高く
リン!という澄んだ鈴の音が鳴り響いた。
「なんでっ、イリューディア・・・っ‼︎
邪魔するなんて酷い‼︎」
ヨナスのそう言う悔しげな声が聞こえたのを
最後に、私はそのまま気を失った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ハッとして目を覚ます。
心臓がドクドクと脈打っている。
何だろう?よく覚えていないけど、
なんだかすごく恥ずかしい長い夢を
見てたような気がする。
まだほっぺが赤くてドキドキしている。
頬に当てた手は小さい。
どうやらお酒が抜けていつもの姿に
戻ったらしい。
サイドテーブルにはぱっきりと割れた
私の結界石があった。
夢の中でこの結界石の鈴の音がしたような
気がする。もしかして守ってくれたのかな?
考えていたら、寝室の扉が開いて水桶を
手にしたシェラさんが入って来た。
私が起きていると思わなかったのか驚いている。
あれ?なんだかデジャヴだ。
夢の中で話していた相手はシェラさん
だったのかな。
・・・思い出せない。
ぼんやりしている私を心配してシェラさんが
話しかけてくれた。心配をかけてはいけない。
慌てて何でもない風を装って会話をした。
聞けば、酔った私はリオン様に文句を言った後
眠り込んでしまって今はその翌日の早朝らしい。
明るくなったらカイゼル様のお見舞いに
行くことにして、まだ薄暗いこの時間を
どう過ごそうかと悩んでいたら、シェラさんが
朝日を見ないかと誘ってくれた。
なんて素敵な提案なんだろう!
準備のためにシェラさんが一度部屋から
下がったので、私もいそいそと着るものの
支度をする。そんな私の視界の片隅に、
キラリと割れた結界石が光って見えた。
・・・内容は覚えていないけど、もしこれが
私を守ってくれたのならありがたい。
感謝するように丁寧に布に包んでそれを
荷物入れにしまう。
そうしていると、シェラさんが紅茶のポットと
軽食を手に部屋に戻ってきた。
さあ、これから二人で朝日を見に行こう。
ウキウキして部屋を後にする。
朝日を見ることから始まる一日なんて、
いいことしかない気がする。
ー・・・新しい朝が来た、希望の朝だ。
小さい頃ラジオ体操をする前に流れていた、
ラジオ体操の歌の一節をなぜか思い出した。
そうだ、何だかよく分からない怖い夢の事なんて
忘れてしまおう。新しい朝が来たのだ。
カイゼル様も元に戻ったし、ダーヴィゼルドにも
新しい希望の朝がこれから始まる。
きっとこの先はいいことしかないに
違いないのだから。
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