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第九章 剣と使徒
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反省。気分はまるで、片手を壁につき頭を垂れて
うなだれる反省ポーズの猿回しの猿だ。
そういえばダーヴィゼルドでも酔っ払っい
調子に乗って山に雷を落としたばかりだ。
感情のままに力を使えば碌なことにならないと
分かっていたはずなのに。
と、うなだれている私の耳にどさどさっという音が
聞こえた。顔を上げると、さっきまで呆然と
佇んでいた残りの2人の男が倒れている。
「ユーリ様、どうして僕の言うことを聞いて
おとなしくしていてくれないんですか。」
無表情なのに何故か呆れているような気もする
エル君がそこに静かに立っていた。
よくよく見ると、倒れている2人の首筋には
細長い銀の針が刺さっている。
「証拠になりそうな書類は押さえました。
もう1人の侍女も洗濯室に閉じ込めて保護してます。
あとは馬車の子供達を解放して、あの領主代行を
捕まえるだけです。」
「エル君が頼りになる・・・‼︎」
もう1人の侍女さんを閉じ込めて、という部分だけは
どうかと思ったけど、感動してそう言えば
嬉しがるでもなく無表情のまま
「いいから早く部屋に戻って下さい。」
また怒られた。はい・・・。
「僕は子供達のところへ行ってきますから、
ユーリ様は部屋に戻ったら僕が来るまで今度こそ
ちゃんとそこにいて下さいね。」
もう一度念も押される。ごめんね、今度はちゃんと
言い付けを守ります。
私の部屋の前でまだ眠っている騎士さんも部屋の中に
引き入れて、しっかりと鍵をかけた。
「あんな小さい子だけで大丈夫ですか?」
例のスレンダー侍女さんは心配そうだ。
「エル君はしっかりしているし、ああ見えて
私の護衛なんです。だからきっと大丈夫です!
それに領事官さんも今頃私達がここにいる事も
他の人に教えてくれてるか、ら・・・」
そこまで話して、はたと気づく。
そうだ。領事官さんも、それについて行った王宮の
騎士さんも私達は単純に雨宿りでここに泊まると
王宮に伝えているはずだ。そしたら朝まで誰も迎えに
来ない可能性がある。
ということは、私達は朝まで捕まえたシオンさん達と
一緒にここにいなきゃいけないってこと?
それはちょっと怖い。
シオンさんは私の採ってきた毒キノコを食べたせいで
そのうち動けなくなるってエル君は言っていたけど、
それだけで本当に大丈夫なのかな。
そう思って少し不安になった時だった。
馬のいななく声が聞こえたような気がした。
なんだろう、さっきの荷馬車だろうか。
耳をすませば外がなんだか騒がしい。
まさかシオンさんが更に仲間を呼んだりしたんじゃ
ないよね⁉︎
この部屋に逃げ込んでから、身を潜めるように
なんとなく明かりもつけずに月明かりだけが
照らす暗がりの中をわたしと侍女さん、男の子の
3人は身を寄せ合っていた。
そこからそっと窓際に這い寄って、外を確かめようと
思って窓に手を掛けた時だ。
突然、そのバルコニーにぬうっと大きな人影が
現れた。
「・・・っ‼︎」
逆光でシルエットしか見えないけど、窓に
這い寄っていた私が下から見上げるとまるで
大きなクマに遭遇したみたいだった。
ここ、2階なのにどこから現れたの⁉︎
まさかシオンさん⁉︎
驚き過ぎて声も出ないし、なんなら窓から離れて
逃げなきゃいけないのに体が固まったみたいに
動けない。
その大きなシルエットは外から窓に手を掛けると
バキッと窓枠ごと窓を壊してこじ開けた。
ひえっ、何この怪力‼︎
「ユーリ‼︎」
そのクマみたいなシルエットが私の名前を呼んだ。
あ、あれ?この声は。
「レジナスさん⁉︎」
クマじゃない。強面の顔に焦燥感を浮かべて
立っていたのはレジナスさんだった。
レジナスさんは壊した窓枠をぶんと外に放り投げて
そのままずかずか部屋の中に入って来ると
私を抱き上げ、無事を確かめてぎゅっと抱き締めた。
「良かった、無事だったか・・・‼︎」
そう言って安堵のため息をつく。
「えっ⁉︎どうしてここにレジナスさんが?
私達の馬車の跡を追ってこれたんですか⁉︎」
抱き締められて宙に足がぷらんぷらんしたまま
そう聞けば、レジナスさんはもう一度私の無事を
確かめるようにじっと顔を見つめてきた。
「いや、違う。エルだ。ユーリ達に合流出来なかった
俺はその後所用が出来て領主の館まで一度
戻ったんだ。そうしたら夜になって到着した
領事官からエルの伝言を聞いた。」
「伝言?」
「ユーリの黒狼の毛皮の外套を早く持ってきて
欲しいと。朝までにそれが届かなければユーリの
具合が悪くなるかも知れないから夜中になっても
いいので早く外套を届けるよう俺へ伝えてくれと
エルが領事官に頼んでいた。」
あ。もしかして暗号かな?
ユリウスさんはレジナスさんのことをリオン様の
おっかない黒い犬って言ってたし、黒狼の
外套っていうのはレジナスさんのことか。
いつになってもレジナスさんが私達に追いついて
来ないから、もしかするとレジナスさんは領主様の
館へ一度戻ったのではと見越したエル君が、
ここを出る領事官さんが不自然な態度にならないよう
わざとレジナスさんだけが分かりそうな暗号で
私が危ないって伝えてくれたんだ。
つくづくエル君は出来る子だ。この件が片付いたら
思い切り褒めてあげたい。
「領事官の話から、こんな辺鄙な森の中に無許可で
建てられた屋敷があるのも怪しかったので
騎士も数人引き連れて来たんだが・・・
何事もなくて本当に良かった。」
そう言ったレジナスさんは抱き締めていた私を
縦抱きにして自分の腕の上に座らせると、私と
一緒にいた侍女さんや男の子、眠り続けている
騎士さんを見やった。
突然部屋に入って来たレジナスさんに驚いて
まだ動けないままの侍女さん達に安心して
いいですよ、と声をかける。
「この人は王宮の騎士のレジナスさんです!
私達の味方だから安心して下さい‼︎」
私にそう言われてやっと2人とも体の力が
抜けたみたいで、レジナスさんに向かって
ぎこちなく頭を下げた。
「不穏な気配は感じないからエルがうまく処理したと
思っているが、一応連れてきた騎士達が館の中を
改める。・・・こいつは大丈夫なのか?」
眠っている騎士さんを見たレジナスさんが眉を顰め、
はっとした侍女さんがまた頭を下げた。
「すみません!ボクがジグリスの花から取れた
睡眠薬を飲ませたんです!朝になれば気付くはずで、
ただ眠っているだけですから・・・!」
「任務中の王宮の騎士に危害を加えようとした
だけで罪に問われることもある。例えそれが
ただ眠らせただけでもだ。その重大さが分かるか?」
侍女さんはしっかりと頷く。
「はい。罰を受ける覚悟は出来ています。」
「それですけど、」
キイ、と小さな音を立てて部屋の扉が開いた。
そこに立っていたのはエル君だ。いつの間にか
音もなく部屋の鍵を開けていたらしい。すごい
ピッキング技術だ。
「この人には僕が頼んで騎士に薬を盛って
もらいました。動くのは僕だけの方が都合が
良かったのと、あの領主代行の油断を
誘うためです。」
そんなはずはない。シオンさんとの会話を盗み聞き
したから知っている。
シオンさんはちゃんと眠り薬を盛ったのかと
侍女さんに確かめていたから、それを頼んだのは
間違いなくエル君ではなくシオンさんだ。
エル君は何故か侍女さんを庇っていた。
「・・・そうか。」
その真意を確かめるように、無表情なエル君の
赤い瞳を静かに見つめていたレジナスさんは
かすかに微笑んだ。
「だがお前が単独でそんな事をするはずがない。
お前は剣で、剣はそれ単体では動けないからな。
必ずそれを振るう人間とその意志が介在する。
もし今回の事にお前の主の意志が関わっているならば
俺はこれ以上何も言うまい。」
「ご理解いただきありがとうございます。」
頭を下げたエル君の綺麗な白髪がさらりと流れる。
なるほど、エル君が私の命令でシオンさんの油断を
誘うために侍女さんに頼んで薬を盛ったなら、
侍女さんを罪には問えない。
危ない目にあった被害者本人がそうして欲しいと
言ったんだからね。
でもレジナスさんはそれがウソだと分かって
いるみたいだ。
それなのに、私のためにあえて目を瞑って
くれた。
今回のことで私がエル君に望んだのは、シオンさんを
捕まえて子供達を助け、侍女さん達も救うこと。
だから侍女さんが罪に問われないよう、救おうとして
レジナスさんにウソの言い訳をしてくれたみたいだ。
どこまでも気が利く。
「エル君、ありがとう。」
「ユーリ様の希望ですからお礼を言われる
ことではありません。」
なんでもない事のようにエル君は言う。そこには
相変わらずクールな無表情があるだけだ。
「レジナスさんも来てくれてありがとうございます」
こんな真夜中だと言うのに、わざわざ領主の館から
騎士さん達を引き連れて駆け付けてくれて。
私の方から感謝を込めて抱き締め返すと、その
珍しさにレジナスさんは動揺して動きが
固まってしまった。そんなに驚かなくても・・・。
うなだれる反省ポーズの猿回しの猿だ。
そういえばダーヴィゼルドでも酔っ払っい
調子に乗って山に雷を落としたばかりだ。
感情のままに力を使えば碌なことにならないと
分かっていたはずなのに。
と、うなだれている私の耳にどさどさっという音が
聞こえた。顔を上げると、さっきまで呆然と
佇んでいた残りの2人の男が倒れている。
「ユーリ様、どうして僕の言うことを聞いて
おとなしくしていてくれないんですか。」
無表情なのに何故か呆れているような気もする
エル君がそこに静かに立っていた。
よくよく見ると、倒れている2人の首筋には
細長い銀の針が刺さっている。
「証拠になりそうな書類は押さえました。
もう1人の侍女も洗濯室に閉じ込めて保護してます。
あとは馬車の子供達を解放して、あの領主代行を
捕まえるだけです。」
「エル君が頼りになる・・・‼︎」
もう1人の侍女さんを閉じ込めて、という部分だけは
どうかと思ったけど、感動してそう言えば
嬉しがるでもなく無表情のまま
「いいから早く部屋に戻って下さい。」
また怒られた。はい・・・。
「僕は子供達のところへ行ってきますから、
ユーリ様は部屋に戻ったら僕が来るまで今度こそ
ちゃんとそこにいて下さいね。」
もう一度念も押される。ごめんね、今度はちゃんと
言い付けを守ります。
私の部屋の前でまだ眠っている騎士さんも部屋の中に
引き入れて、しっかりと鍵をかけた。
「あんな小さい子だけで大丈夫ですか?」
例のスレンダー侍女さんは心配そうだ。
「エル君はしっかりしているし、ああ見えて
私の護衛なんです。だからきっと大丈夫です!
それに領事官さんも今頃私達がここにいる事も
他の人に教えてくれてるか、ら・・・」
そこまで話して、はたと気づく。
そうだ。領事官さんも、それについて行った王宮の
騎士さんも私達は単純に雨宿りでここに泊まると
王宮に伝えているはずだ。そしたら朝まで誰も迎えに
来ない可能性がある。
ということは、私達は朝まで捕まえたシオンさん達と
一緒にここにいなきゃいけないってこと?
それはちょっと怖い。
シオンさんは私の採ってきた毒キノコを食べたせいで
そのうち動けなくなるってエル君は言っていたけど、
それだけで本当に大丈夫なのかな。
そう思って少し不安になった時だった。
馬のいななく声が聞こえたような気がした。
なんだろう、さっきの荷馬車だろうか。
耳をすませば外がなんだか騒がしい。
まさかシオンさんが更に仲間を呼んだりしたんじゃ
ないよね⁉︎
この部屋に逃げ込んでから、身を潜めるように
なんとなく明かりもつけずに月明かりだけが
照らす暗がりの中をわたしと侍女さん、男の子の
3人は身を寄せ合っていた。
そこからそっと窓際に這い寄って、外を確かめようと
思って窓に手を掛けた時だ。
突然、そのバルコニーにぬうっと大きな人影が
現れた。
「・・・っ‼︎」
逆光でシルエットしか見えないけど、窓に
這い寄っていた私が下から見上げるとまるで
大きなクマに遭遇したみたいだった。
ここ、2階なのにどこから現れたの⁉︎
まさかシオンさん⁉︎
驚き過ぎて声も出ないし、なんなら窓から離れて
逃げなきゃいけないのに体が固まったみたいに
動けない。
その大きなシルエットは外から窓に手を掛けると
バキッと窓枠ごと窓を壊してこじ開けた。
ひえっ、何この怪力‼︎
「ユーリ‼︎」
そのクマみたいなシルエットが私の名前を呼んだ。
あ、あれ?この声は。
「レジナスさん⁉︎」
クマじゃない。強面の顔に焦燥感を浮かべて
立っていたのはレジナスさんだった。
レジナスさんは壊した窓枠をぶんと外に放り投げて
そのままずかずか部屋の中に入って来ると
私を抱き上げ、無事を確かめてぎゅっと抱き締めた。
「良かった、無事だったか・・・‼︎」
そう言って安堵のため息をつく。
「えっ⁉︎どうしてここにレジナスさんが?
私達の馬車の跡を追ってこれたんですか⁉︎」
抱き締められて宙に足がぷらんぷらんしたまま
そう聞けば、レジナスさんはもう一度私の無事を
確かめるようにじっと顔を見つめてきた。
「いや、違う。エルだ。ユーリ達に合流出来なかった
俺はその後所用が出来て領主の館まで一度
戻ったんだ。そうしたら夜になって到着した
領事官からエルの伝言を聞いた。」
「伝言?」
「ユーリの黒狼の毛皮の外套を早く持ってきて
欲しいと。朝までにそれが届かなければユーリの
具合が悪くなるかも知れないから夜中になっても
いいので早く外套を届けるよう俺へ伝えてくれと
エルが領事官に頼んでいた。」
あ。もしかして暗号かな?
ユリウスさんはレジナスさんのことをリオン様の
おっかない黒い犬って言ってたし、黒狼の
外套っていうのはレジナスさんのことか。
いつになってもレジナスさんが私達に追いついて
来ないから、もしかするとレジナスさんは領主様の
館へ一度戻ったのではと見越したエル君が、
ここを出る領事官さんが不自然な態度にならないよう
わざとレジナスさんだけが分かりそうな暗号で
私が危ないって伝えてくれたんだ。
つくづくエル君は出来る子だ。この件が片付いたら
思い切り褒めてあげたい。
「領事官の話から、こんな辺鄙な森の中に無許可で
建てられた屋敷があるのも怪しかったので
騎士も数人引き連れて来たんだが・・・
何事もなくて本当に良かった。」
そう言ったレジナスさんは抱き締めていた私を
縦抱きにして自分の腕の上に座らせると、私と
一緒にいた侍女さんや男の子、眠り続けている
騎士さんを見やった。
突然部屋に入って来たレジナスさんに驚いて
まだ動けないままの侍女さん達に安心して
いいですよ、と声をかける。
「この人は王宮の騎士のレジナスさんです!
私達の味方だから安心して下さい‼︎」
私にそう言われてやっと2人とも体の力が
抜けたみたいで、レジナスさんに向かって
ぎこちなく頭を下げた。
「不穏な気配は感じないからエルがうまく処理したと
思っているが、一応連れてきた騎士達が館の中を
改める。・・・こいつは大丈夫なのか?」
眠っている騎士さんを見たレジナスさんが眉を顰め、
はっとした侍女さんがまた頭を下げた。
「すみません!ボクがジグリスの花から取れた
睡眠薬を飲ませたんです!朝になれば気付くはずで、
ただ眠っているだけですから・・・!」
「任務中の王宮の騎士に危害を加えようとした
だけで罪に問われることもある。例えそれが
ただ眠らせただけでもだ。その重大さが分かるか?」
侍女さんはしっかりと頷く。
「はい。罰を受ける覚悟は出来ています。」
「それですけど、」
キイ、と小さな音を立てて部屋の扉が開いた。
そこに立っていたのはエル君だ。いつの間にか
音もなく部屋の鍵を開けていたらしい。すごい
ピッキング技術だ。
「この人には僕が頼んで騎士に薬を盛って
もらいました。動くのは僕だけの方が都合が
良かったのと、あの領主代行の油断を
誘うためです。」
そんなはずはない。シオンさんとの会話を盗み聞き
したから知っている。
シオンさんはちゃんと眠り薬を盛ったのかと
侍女さんに確かめていたから、それを頼んだのは
間違いなくエル君ではなくシオンさんだ。
エル君は何故か侍女さんを庇っていた。
「・・・そうか。」
その真意を確かめるように、無表情なエル君の
赤い瞳を静かに見つめていたレジナスさんは
かすかに微笑んだ。
「だがお前が単独でそんな事をするはずがない。
お前は剣で、剣はそれ単体では動けないからな。
必ずそれを振るう人間とその意志が介在する。
もし今回の事にお前の主の意志が関わっているならば
俺はこれ以上何も言うまい。」
「ご理解いただきありがとうございます。」
頭を下げたエル君の綺麗な白髪がさらりと流れる。
なるほど、エル君が私の命令でシオンさんの油断を
誘うために侍女さんに頼んで薬を盛ったなら、
侍女さんを罪には問えない。
危ない目にあった被害者本人がそうして欲しいと
言ったんだからね。
でもレジナスさんはそれがウソだと分かって
いるみたいだ。
それなのに、私のためにあえて目を瞑って
くれた。
今回のことで私がエル君に望んだのは、シオンさんを
捕まえて子供達を助け、侍女さん達も救うこと。
だから侍女さんが罪に問われないよう、救おうとして
レジナスさんにウソの言い訳をしてくれたみたいだ。
どこまでも気が利く。
「エル君、ありがとう。」
「ユーリ様の希望ですからお礼を言われる
ことではありません。」
なんでもない事のようにエル君は言う。そこには
相変わらずクールな無表情があるだけだ。
「レジナスさんも来てくれてありがとうございます」
こんな真夜中だと言うのに、わざわざ領主の館から
騎士さん達を引き連れて駆け付けてくれて。
私の方から感謝を込めて抱き締め返すと、その
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