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第十章 酒とナミダと男と女
15
私のこのドレス姿は素敵だと思うけどあまり
他の人達の前でこんな格好はして欲しくない。
そんなリオン様のかわいいわがまま・・・
独占欲かな?それに思わず笑いがこぼれた。
「もー、仕方がないですねぇ。リオン様の独占欲が
強いのは分かりました!いいですよ、リオン様が
好きな時に好きな格好をしてあげますから‼︎
侍女さんもまたやりましょうか⁉︎」
酔っ払ったノリならコスプレも侍女姿でのメイド
カフェごっこもなんでも出来そうな気がする。
「お帰りなさいませご主人様!お食事になさいます
か?お疲れでしたらお風呂も準備してございますよ?
それともわ・た・し?もうお休みなさいますなら、
お眠りになるまでお膝もお貸しいたしますよ!
・・・なぁんてね‼︎」
あれ?メイドと新婚さんごっこみたいなのが
ごっちゃになった気がするけどまあいいか。
ふざけてそんな事を言ったらリオン様の顔がみるみる
赤くなってきた。ユリウスさんも、何言ってんすか!
と私の背後で声を上げている。
「ユーリ、誓ってもいいけどそれ酔いが醒めたら
絶対に言ったことを後悔するセリフだから。あんまり
変なことは言わないでちょっと座って休もうか?」
私の手を握る力を少し強くして、リオン様は頬を
赤く染めたままため息をついて私を長椅子へと
連れて行く。
「ええ?エル君だけじゃなくリオン様まで私が
ヘンだって言うんですか⁉︎こんなにちゃんと
会話が成立しているのに⁉︎」
「これで会話が成り立ってると思ってるんだ・・・」
「ちゃんとしてますよ?ね、リオン様もし今みたいに
聞かれたらどれを選びます?それともメイドさん
ごっこよりも魔法のランプみたいに、リオン様の
3つのお願いごとを叶えてあげる魔神ごっこの方が
いいのかな。」
「3つのお願い?魔神ごっこ?」
どうやらリオン様の興味を惹いたらしい。
「私達の世界にある物語です!どんな願いも叶える
魔法のランプっていうのがあって、それをこすると
中からお願いを叶えてくれる魔神が飛び出して
くるんです!でも叶えられるお願いは3つまでです、
リオン様の一個目のお願いはさっきの『僕といる
時は僕の命令した好きな格好でいて』ですね⁉︎」
「え、そんな風に言ったかな・・・それだと
何だかいやらしく聞こえるんだけど」
「やだーリオン様!いやらしいって、一体私に
どんな格好をさせようとしてるんですか⁉︎」
楽しくなってけらけら笑ったら、また一つヒック、と
しゃっくりが出た。
ユリウスさんがひそひそと、会話が噛み合ってる
ようで噛み合ってないっすね?とレジナスさんに
言い、レジナスさんが前もこうだった、それを
リオン様がうまくあしらった。と言っているのが
聞こえた。
「ちょっとそこの二人、さっきから何なんですか⁉︎
少し酔ってますけどダーヴィゼルドの時よりも
ちゃんとしてますよ私。眠くないし、まだまだ
力も使えそうな感じです‼︎」
「その状態で力を使って大丈夫なんすか・・・
なんかとんでもないことをしそうで怖いんすけど。」
ユリウスさんはエル君が離れたので今度は
レジナスさんの影から私を窺っている。私はクマか。
「グノーデルさんの力を使うわけじゃないんで、
雷を落としたりは出来ないですよ?でもお花を
咲かせたりみんなを癒したりとか、そーいうことなら
まだまだ出来そうな気がします!」
まかせて下さい!と胸を張る。そこでふと
リオン様の首筋に近い肩口がうっすらと赤く
なっているのに気付いた。
「あれ?リオン様、これどうしたんですか?
いつの間にこんなケガをしたんです?可哀想。」
長椅子から立ち上がってまじまじとそれを見る。
「えっ」
「覚えてないとかありっすか⁉︎」
「やっぱりあの時から酔っていたんだな」
リオン様が驚いて、ユリウスさんとレジナスさんは
またこそこそと話している。なんだか知らないけど
今日の二人はやけに仲がいい。
「すぐに治しますからね!」
「あ、ちょっと待ってユーリ大丈夫だから・・・!」
リオン様が止めようとしたけど、擦り傷みたいな
うっすらとした小さなものでも傷は傷だ。
後からバイ菌が入って化膿したら大変なので
すっと撫でて治す。そうすればあっという間に
元通りの綺麗な肌だ。
「ああ・・・治ってしまった・・・」
なぜかリオン様はがっかりしている。なんで?
「傷だけど初めて付けてくれた跡だったから
記念にしばらくそのままにしておこうと思って
いたのに・・・」
「何の話か分かりませんけどダメですよ、
化膿したら大変なんですから。」
意味不明な事を言うリオン様を注意していると
私の後ろでユリウスさんはええ・・・と引いて
いたけど、レジナスさんの方は気持ちは分からない
でもない、と頷いていた。後でどういう意味か
聞いてみようか。
「仕方ない、ねぇユーリ。紙とペンを用意するから
さっきのあれ、書面に残しておこうか?」
「ん?」
「魔神ごっこの3つのお願いだよ。一つはさっき
ユーリの言ってた『一度だけ、僕といる時に僕の
言った好きな格好でいて』にしよう。後の二つは
ユーリの酔いが醒めてからゆっくり考えるけど、
その前に君が自分から魔神ごっこをして僕の願いを
何でも3つ叶えると言ったって忘れないように
サインしておこうか。」
「なんでそんなに楽しそうな笑顔なんですか?」
肩の傷を治されてがっかりしていたはずなのに、
立ち直ったリオン様は物凄く良い笑顔だ。
なぜだろう。嫌な予感がする。
「ユーリに何をお願いしようか考えるのは楽しい
からね。それよりも、忘れないように早くちゃんと
書いておこう。」
はい、とペンを持たされる。
「ええ~?そりゃあ私、酔ってますけど忘れないと
思うんだけどなあ・・・。あと二つのお願いを
叶えるんですよね。ほら大丈夫、ちゃんと覚えて
いますから!」
話しながら元の世界の名前・・・漢字できちんと
伊藤悠里、とサインした。これなら間違いなく
自分が書いたと分かる。ほらね、ちゃんと状況判断も
出来ている。やっぱり思ったより酔ってない。
「なんかユーリ様、自分からどんどん墓穴を掘って
いるっすね・・・?目の前で人間が自ら進んで
罠に飛び込んで行ってるのを見るのは初めてっす。」
怖いわぁ、とユリウスさんがレジナスさんを
掴んだままそう言い、レジナスさんは
「あの傷跡を消してしまったからその代わり
なんだろうが、大丈夫かユーリ・・・。リオン様、
あまり無理なことは頼まないで下さい。」
そうリオン様にお願いしていた。
「サインもしましたし、次は何をしましょうね?
多分私、力をある程度使って疲れるまではこのまま
大人の姿だと思うんですけどとりあえずこのままで
いいんですか?王宮に戻ります?」
そう聞けば
「いや、その姿はあまり他の者には見せたくない。
特に父上には。ユーリが元に戻るまではこの離宮を
好きに使っていいという許可は得ているし、僕達
以外は出入りしないようにきつく言ってあるから
ゆっくりするといいよ。そうそう、勿論父上も
例外なく出入り禁止だから。」
「・・・リオン様、陛下にすごく当たりがきつい
ですね?ここ、陛下の離宮なのに。」
2回も父上って言った。そこまで拒否される陛下が
なんだか可哀想になってきた。
しかもここはその陛下の所有物なのにいつまでも
そこを占領しているわけにもいかないだろう。
早いところ力を発散して早く元に戻って陛下に
離宮を返してあげた方が良いのでは?
手っ取り早いのは癒しの力だけど、さてどう使おう?
とりあえずここにいる人達と、あと離れてるけど
ルルーさんやマリーさん達にも加護を付けたい。
・・・これはもしかして、あの弓矢の使いどころでは
ないだろうか。さっきからずっとシグウェルさんの
声がしないけどどこにいるのかな?
ちょっと意見を聞いてみたい。
きょろきょろとその姿を探せば、私とは別の長椅子に
掛けながらまだ額に手を当てたまま何か書類を
書いていた。今日の記録だろうか。
ぴょんと長椅子から立ち上がり、私の考えを聞いて
もらおうとシグウェルさんの元へと駆け寄った。
他の人達の前でこんな格好はして欲しくない。
そんなリオン様のかわいいわがまま・・・
独占欲かな?それに思わず笑いがこぼれた。
「もー、仕方がないですねぇ。リオン様の独占欲が
強いのは分かりました!いいですよ、リオン様が
好きな時に好きな格好をしてあげますから‼︎
侍女さんもまたやりましょうか⁉︎」
酔っ払ったノリならコスプレも侍女姿でのメイド
カフェごっこもなんでも出来そうな気がする。
「お帰りなさいませご主人様!お食事になさいます
か?お疲れでしたらお風呂も準備してございますよ?
それともわ・た・し?もうお休みなさいますなら、
お眠りになるまでお膝もお貸しいたしますよ!
・・・なぁんてね‼︎」
あれ?メイドと新婚さんごっこみたいなのが
ごっちゃになった気がするけどまあいいか。
ふざけてそんな事を言ったらリオン様の顔がみるみる
赤くなってきた。ユリウスさんも、何言ってんすか!
と私の背後で声を上げている。
「ユーリ、誓ってもいいけどそれ酔いが醒めたら
絶対に言ったことを後悔するセリフだから。あんまり
変なことは言わないでちょっと座って休もうか?」
私の手を握る力を少し強くして、リオン様は頬を
赤く染めたままため息をついて私を長椅子へと
連れて行く。
「ええ?エル君だけじゃなくリオン様まで私が
ヘンだって言うんですか⁉︎こんなにちゃんと
会話が成立しているのに⁉︎」
「これで会話が成り立ってると思ってるんだ・・・」
「ちゃんとしてますよ?ね、リオン様もし今みたいに
聞かれたらどれを選びます?それともメイドさん
ごっこよりも魔法のランプみたいに、リオン様の
3つのお願いごとを叶えてあげる魔神ごっこの方が
いいのかな。」
「3つのお願い?魔神ごっこ?」
どうやらリオン様の興味を惹いたらしい。
「私達の世界にある物語です!どんな願いも叶える
魔法のランプっていうのがあって、それをこすると
中からお願いを叶えてくれる魔神が飛び出して
くるんです!でも叶えられるお願いは3つまでです、
リオン様の一個目のお願いはさっきの『僕といる
時は僕の命令した好きな格好でいて』ですね⁉︎」
「え、そんな風に言ったかな・・・それだと
何だかいやらしく聞こえるんだけど」
「やだーリオン様!いやらしいって、一体私に
どんな格好をさせようとしてるんですか⁉︎」
楽しくなってけらけら笑ったら、また一つヒック、と
しゃっくりが出た。
ユリウスさんがひそひそと、会話が噛み合ってる
ようで噛み合ってないっすね?とレジナスさんに
言い、レジナスさんが前もこうだった、それを
リオン様がうまくあしらった。と言っているのが
聞こえた。
「ちょっとそこの二人、さっきから何なんですか⁉︎
少し酔ってますけどダーヴィゼルドの時よりも
ちゃんとしてますよ私。眠くないし、まだまだ
力も使えそうな感じです‼︎」
「その状態で力を使って大丈夫なんすか・・・
なんかとんでもないことをしそうで怖いんすけど。」
ユリウスさんはエル君が離れたので今度は
レジナスさんの影から私を窺っている。私はクマか。
「グノーデルさんの力を使うわけじゃないんで、
雷を落としたりは出来ないですよ?でもお花を
咲かせたりみんなを癒したりとか、そーいうことなら
まだまだ出来そうな気がします!」
まかせて下さい!と胸を張る。そこでふと
リオン様の首筋に近い肩口がうっすらと赤く
なっているのに気付いた。
「あれ?リオン様、これどうしたんですか?
いつの間にこんなケガをしたんです?可哀想。」
長椅子から立ち上がってまじまじとそれを見る。
「えっ」
「覚えてないとかありっすか⁉︎」
「やっぱりあの時から酔っていたんだな」
リオン様が驚いて、ユリウスさんとレジナスさんは
またこそこそと話している。なんだか知らないけど
今日の二人はやけに仲がいい。
「すぐに治しますからね!」
「あ、ちょっと待ってユーリ大丈夫だから・・・!」
リオン様が止めようとしたけど、擦り傷みたいな
うっすらとした小さなものでも傷は傷だ。
後からバイ菌が入って化膿したら大変なので
すっと撫でて治す。そうすればあっという間に
元通りの綺麗な肌だ。
「ああ・・・治ってしまった・・・」
なぜかリオン様はがっかりしている。なんで?
「傷だけど初めて付けてくれた跡だったから
記念にしばらくそのままにしておこうと思って
いたのに・・・」
「何の話か分かりませんけどダメですよ、
化膿したら大変なんですから。」
意味不明な事を言うリオン様を注意していると
私の後ろでユリウスさんはええ・・・と引いて
いたけど、レジナスさんの方は気持ちは分からない
でもない、と頷いていた。後でどういう意味か
聞いてみようか。
「仕方ない、ねぇユーリ。紙とペンを用意するから
さっきのあれ、書面に残しておこうか?」
「ん?」
「魔神ごっこの3つのお願いだよ。一つはさっき
ユーリの言ってた『一度だけ、僕といる時に僕の
言った好きな格好でいて』にしよう。後の二つは
ユーリの酔いが醒めてからゆっくり考えるけど、
その前に君が自分から魔神ごっこをして僕の願いを
何でも3つ叶えると言ったって忘れないように
サインしておこうか。」
「なんでそんなに楽しそうな笑顔なんですか?」
肩の傷を治されてがっかりしていたはずなのに、
立ち直ったリオン様は物凄く良い笑顔だ。
なぜだろう。嫌な予感がする。
「ユーリに何をお願いしようか考えるのは楽しい
からね。それよりも、忘れないように早くちゃんと
書いておこう。」
はい、とペンを持たされる。
「ええ~?そりゃあ私、酔ってますけど忘れないと
思うんだけどなあ・・・。あと二つのお願いを
叶えるんですよね。ほら大丈夫、ちゃんと覚えて
いますから!」
話しながら元の世界の名前・・・漢字できちんと
伊藤悠里、とサインした。これなら間違いなく
自分が書いたと分かる。ほらね、ちゃんと状況判断も
出来ている。やっぱり思ったより酔ってない。
「なんかユーリ様、自分からどんどん墓穴を掘って
いるっすね・・・?目の前で人間が自ら進んで
罠に飛び込んで行ってるのを見るのは初めてっす。」
怖いわぁ、とユリウスさんがレジナスさんを
掴んだままそう言い、レジナスさんは
「あの傷跡を消してしまったからその代わり
なんだろうが、大丈夫かユーリ・・・。リオン様、
あまり無理なことは頼まないで下さい。」
そうリオン様にお願いしていた。
「サインもしましたし、次は何をしましょうね?
多分私、力をある程度使って疲れるまではこのまま
大人の姿だと思うんですけどとりあえずこのままで
いいんですか?王宮に戻ります?」
そう聞けば
「いや、その姿はあまり他の者には見せたくない。
特に父上には。ユーリが元に戻るまではこの離宮を
好きに使っていいという許可は得ているし、僕達
以外は出入りしないようにきつく言ってあるから
ゆっくりするといいよ。そうそう、勿論父上も
例外なく出入り禁止だから。」
「・・・リオン様、陛下にすごく当たりがきつい
ですね?ここ、陛下の離宮なのに。」
2回も父上って言った。そこまで拒否される陛下が
なんだか可哀想になってきた。
しかもここはその陛下の所有物なのにいつまでも
そこを占領しているわけにもいかないだろう。
早いところ力を発散して早く元に戻って陛下に
離宮を返してあげた方が良いのでは?
手っ取り早いのは癒しの力だけど、さてどう使おう?
とりあえずここにいる人達と、あと離れてるけど
ルルーさんやマリーさん達にも加護を付けたい。
・・・これはもしかして、あの弓矢の使いどころでは
ないだろうか。さっきからずっとシグウェルさんの
声がしないけどどこにいるのかな?
ちょっと意見を聞いてみたい。
きょろきょろとその姿を探せば、私とは別の長椅子に
掛けながらまだ額に手を当てたまま何か書類を
書いていた。今日の記録だろうか。
ぴょんと長椅子から立ち上がり、私の考えを聞いて
もらおうとシグウェルさんの元へと駆け寄った。
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