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番外編
チャイルド・プレイ 9
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子ども達しかいなかった庭園に、突然リオン様の声が降って湧いた。
「リオンしゃま!」
「叔父上!」
私とレニ様は同時に声を上げ、他の子たちはきゃあ~!とまるでアイドルでも現れたかのような歓声を上げた。
リオン様を見つめる女の子たちの瞳はキラキラ輝いていて、まるで憧れの人へ向けるようなその眼差しはさっきまでレニ様に向けていたものの数倍の輝きだ。
さすがリオン様、優しげな微笑みを絶やさない上品で華やかな雰囲気は、みんなが思い描くおとぎ話の中の王子様がまるで本の中から抜け出してきたみたいだからね。
あのピンクブロンドの子とその取り巻きの子たちも、ぽうっとしてリオン様を見つめている。
どうしてここにリオン様が?と歩み寄ろうとして一歩踏み出したら、途端に私の足元からリン、と鈴の音がした。
それを聞いたリオン様は一瞬目を丸くすると次の瞬間には口元に手を当ててぷっと吹き出した。
「やあ・・・レジナスから聞いてはいたけど本当に音の鳴る靴なんだね。僕の名前もちゃんと言えてないし、可愛過ぎるでしょう?」
そう言ってクスクス笑いながら、レニ様のように膝をつくとおいでと両手を広げられた。
どうやら抱っこしてくれるらしいけど、いつもなら自分の方から歩み寄ってくるはずが微動だにしないで私が近付くのを待っている。
私をわざと自分の方へ歩かせて靴の音を鳴らしたいらしい。
レジナスさんもリオン様のそんな意図が分かっているらしく、
「リオン様・・・」
と呆れたように言っている。
にこにこと微笑んで手を広げて待っているリオン様はどこからどう見てもとても優しげな王子様で輝いて見える。
女の子たちはそんなリオン様をみんなキラキラした目でうっとりと見つめているけど騙されてはいけない。
本当に優しい人なら私が恥ずかしいと思うこんな目には合わせない。
「い、いじわるでしゅ・・・!」
ぶるぶる震えてそう訴えたら、
「そんなわけないでしょ、そのかわいいドレス姿で僕のところまで歩いて来るのが見たいだけなんだから」
と輝くような笑顔で否定された。絶対にウソだ。だけど私がリオン様のところへ行かないといつまで経っても帰れない。
仕方ないからなるべく音が鳴らないように歩いたけど、やっぱりあの軽やかな音がする。
それを聞いたリオン様は、
「あはは、やっぱりかわいい。後ろのリボンも猫の尻尾みたいに揺れてるし、ノイエ領を思い出すね」
ねえレジナス、とレジナスさんに同意を求めているその顔が完全に面白がっているから悔しい。
あんまり音を鳴らしたくないので最後の二、三歩はリオン様の胸元へ思い切って飛び込めば、ちゃんと受け止めてくれて「おっと、」と笑われた。
そしてきゅっと抱きしめられると他の人達には私の名前が聞こえないように声をひそめて
「ユーリの方から僕の胸に飛び込んで来てくれるのは嬉しいね。いつもよりも小さい分、上着の中にもすっぽり隠れてしまいそうだ。」
とからかわれる。
「ふ、ふかこーりょくでしゅ!」
むうっ、と見上げて抗議すれば
「おや、仔猫が何か言ってるね。お腹でも空いたかな?早く帰っておやつにしようか」
と微笑まれた。連れ帰ってくれるというならそれに異論はない。
だけどわざわざ迎えに来てもらうなんて悪い事をした。もしかして仕事も早めに切り上げさせてしまったかもしれない。
「リオンしゃま、わたし、お仕事じゃました?ごめんしゃいです。」
「ええ?何だいその言い方、すごく可愛いね。ユーリがこんな状態になっているなんてもっと早く知りたかったよ。まったく、シグウェルときたら僕に報告も上げずに隠すつもりだったのかな?レジナスが教えてくれて良かったよ。」
どうやらリオン様はトイレを借りに行った先でいなくなった私を探すレジナスさんからの報告で事態を知って来てくれたらしい。
レジナスさんにも余計な心配をかけた。ちらっとレジナスさんにも視線を向けて、
「レジーしゃんも、ごめんしゃい!来てくれてありがとーでしゅ‼︎」
と頭を下げた。そんな私をレジナスさんは大きな手で慎重に撫でながら
「いや、いい。侍女から行き先がレニ殿下の茶会と聞いてさすがにそこに俺が乱入するわけに行かなかったからな。リオン様の体が空いていてすぐに来られて幸いだった。」
そう言ってほっと息をついた。
ああそうか。このティーパーティーはレニ様の婚約者候補を選ぶ場だ。
だからいくら王弟殿下の側近とはいえレジナスさんだけで現れるのは失礼にあたるから侍従さんか護衛騎士にこの場に姿を見せるのは断られたんだろう。
「ところで僕がここに来る直前、見覚えのあるような雷がこの場所のどこかに落ちたみたいなんだけど・・・?」
抱き上げた私をリオン様とレジナスさんの二人が見つめた。視線が痛い。
「ご、ごめんしゃい・・・」
なんか小さくなってから謝ってばっかりだ。まあそれだけ私が何かをやらかしてるってことなんだけど。
そしたらレニ様があっと声を上げた。
「そうだ叔父上、ユーリを叱らないでやって下さい!確かにここのテーブルの一つには、ユーリによって落とされたと思われる雷はありましたが・・・」
そもそもの原因は多分私が足を踏まれたことによるトラブルだろうことをレニ様は簡単に説明した。
ついでに、話し込むリオン様やレニ様をぽうっと見つめているピンクブロンドの子をレニ様は素早く一瞬だけ見やった。
リオン様もそれが何を意味するのかは当然分かったようで、僅かにぴくりと眉を顰めたけどすぐに素知らぬ顔でレニ様の話を聞き続けている。
そうしてひとしきり話を聞き終えると、
「なるほど、大体の話は分かったよ。詳細は後でこの場に君の護衛として密かに配置されているだろう兄上の剣から聞いておこう。大変な目に遭ったねユーリ。」
リオン様はねぎらうように軽く私の頬に口付けてきた。その行為に周りがざわつく。
「お、王弟殿下!その少女はレニ皇太子殿下の婚約者候補では・・・⁉︎」
皇太子殿下の気に入ったらしい少女を横から攫うような真似はさすがに、と侍従さんの代表格らしい人が恐る恐る声を掛けてきた。
だけどリオン様は飄々として
「あれ?違うよ、この子は僕の大事なお客様だ。急に姿が見えなくなったから探していたんだよ。まさかレニのお茶会に紛れ込んでいるとは思わなかったけど、無事見つかって良かったよ。」
そんなウソをついた。その態度があまりにも堂々としているので誰もそれがウソだとは思わない。
「イリューディア神様の大神殿の、大神官とカティヤの紹介でね。兄上のところのディアナの、将来の遊び相手にどうかと顔合わせにやって来た小さな巫女見習いだよ。」
なおも口から出まかせを言ったリオン様の言葉に侍従さん達が青くなった。
「ディッ、ディアナ姫の⁉︎」
「姫巫女様と大神官様ご推薦の少女ですか⁉︎」
「そうか、だから姫の兄君である皇太子殿下とあんなに親しげにしていたのか・・・!」
ディアナちゃんはレニ様の妹で大声殿下の娘だ。しかも名付け親はナジムート前陛下でもの凄く可愛がっている。
そんな国王陛下の愛娘で前国王陛下も目に入れても痛くないほど可愛がっているルーシャ国の直系王族のお姫様の、遊び相手に選ばれた子の足を踏んだり悪口を言ったりしてしまったと理解したらしいピンクブロンドの子も侍従さんに負けず劣らず顔色を悪くしていた。
リオン様のまるっきりのウソに騙されて脅かされたみたくなっちゃっているその様子がちょっとかわいそうだ。
「リオンしゃま、ちょっといいしゅぎ・・・」
くいくいと胸元を引っ張って注意したけど
「本当に何をしても可愛いね、見てよレジナスこの小さな手!ものすごく柔らかいよ。」
とリオン様は私の手を取ると、まるで猫の肉球を押すようにぷにぷにと押してきた。全然人の話を聞いていない。
しかもそれを見たレニ様まで
「叔父上、俺も触ってみていいですか?」
と頬を紅潮させて聞いている。
「もー!やめて‼︎」
怒って手をグーにしてそれ以上リオン様やレニ様に押されないようにしたら
「なんだよ、少しくらいいいだろ!」
とレニ様にがっかりされた。そんな私達のやり取りを見ていた侍従さん達はまだ未練がましく
「いや、ディアナ姫の遊び相手だとしても婚約者になれないわけではない」
とか
「むしろ大神官様のお墨付きならこれ以上ないほどに相応しいお相手では?お墨付きの巫女見習いということは魔力量も相当なはずだし、ダーヴィゼルドのフレイヤ公女と共に正式な婚約者候補に・・・」
なんてことを言っている。やっぱりこの場にはこれ以上いない方が良さそうだ。
レニ様は「中に入ってぜひ一緒にお茶でも」とリオン様に勧めていたけど、
「リオンしゃま、わたし、もう帰りたいでしゅ」
とお願いする。それを聞いたレニ様は、リオン様とお茶が出来ないのがよっぽど残念だったのかすごくガッカリしていた。
「レニしゃま、ばいばい!わたしのとこ、また遊びに来てね!」
リオン様に抱かれながらそう手を振れば、うっすらと頬を赤らめたまま
「お前がそんなに言うんなら行ってやってもいい」
とレニ様は仕方なさそうに言う。そんな様子を、ホントは遊びに来たいくせに素直じゃないなあと微笑ましく思いながら私は庭園を後にしたのだった。
「リオンしゃま!」
「叔父上!」
私とレニ様は同時に声を上げ、他の子たちはきゃあ~!とまるでアイドルでも現れたかのような歓声を上げた。
リオン様を見つめる女の子たちの瞳はキラキラ輝いていて、まるで憧れの人へ向けるようなその眼差しはさっきまでレニ様に向けていたものの数倍の輝きだ。
さすがリオン様、優しげな微笑みを絶やさない上品で華やかな雰囲気は、みんなが思い描くおとぎ話の中の王子様がまるで本の中から抜け出してきたみたいだからね。
あのピンクブロンドの子とその取り巻きの子たちも、ぽうっとしてリオン様を見つめている。
どうしてここにリオン様が?と歩み寄ろうとして一歩踏み出したら、途端に私の足元からリン、と鈴の音がした。
それを聞いたリオン様は一瞬目を丸くすると次の瞬間には口元に手を当ててぷっと吹き出した。
「やあ・・・レジナスから聞いてはいたけど本当に音の鳴る靴なんだね。僕の名前もちゃんと言えてないし、可愛過ぎるでしょう?」
そう言ってクスクス笑いながら、レニ様のように膝をつくとおいでと両手を広げられた。
どうやら抱っこしてくれるらしいけど、いつもなら自分の方から歩み寄ってくるはずが微動だにしないで私が近付くのを待っている。
私をわざと自分の方へ歩かせて靴の音を鳴らしたいらしい。
レジナスさんもリオン様のそんな意図が分かっているらしく、
「リオン様・・・」
と呆れたように言っている。
にこにこと微笑んで手を広げて待っているリオン様はどこからどう見てもとても優しげな王子様で輝いて見える。
女の子たちはそんなリオン様をみんなキラキラした目でうっとりと見つめているけど騙されてはいけない。
本当に優しい人なら私が恥ずかしいと思うこんな目には合わせない。
「い、いじわるでしゅ・・・!」
ぶるぶる震えてそう訴えたら、
「そんなわけないでしょ、そのかわいいドレス姿で僕のところまで歩いて来るのが見たいだけなんだから」
と輝くような笑顔で否定された。絶対にウソだ。だけど私がリオン様のところへ行かないといつまで経っても帰れない。
仕方ないからなるべく音が鳴らないように歩いたけど、やっぱりあの軽やかな音がする。
それを聞いたリオン様は、
「あはは、やっぱりかわいい。後ろのリボンも猫の尻尾みたいに揺れてるし、ノイエ領を思い出すね」
ねえレジナス、とレジナスさんに同意を求めているその顔が完全に面白がっているから悔しい。
あんまり音を鳴らしたくないので最後の二、三歩はリオン様の胸元へ思い切って飛び込めば、ちゃんと受け止めてくれて「おっと、」と笑われた。
そしてきゅっと抱きしめられると他の人達には私の名前が聞こえないように声をひそめて
「ユーリの方から僕の胸に飛び込んで来てくれるのは嬉しいね。いつもよりも小さい分、上着の中にもすっぽり隠れてしまいそうだ。」
とからかわれる。
「ふ、ふかこーりょくでしゅ!」
むうっ、と見上げて抗議すれば
「おや、仔猫が何か言ってるね。お腹でも空いたかな?早く帰っておやつにしようか」
と微笑まれた。連れ帰ってくれるというならそれに異論はない。
だけどわざわざ迎えに来てもらうなんて悪い事をした。もしかして仕事も早めに切り上げさせてしまったかもしれない。
「リオンしゃま、わたし、お仕事じゃました?ごめんしゃいです。」
「ええ?何だいその言い方、すごく可愛いね。ユーリがこんな状態になっているなんてもっと早く知りたかったよ。まったく、シグウェルときたら僕に報告も上げずに隠すつもりだったのかな?レジナスが教えてくれて良かったよ。」
どうやらリオン様はトイレを借りに行った先でいなくなった私を探すレジナスさんからの報告で事態を知って来てくれたらしい。
レジナスさんにも余計な心配をかけた。ちらっとレジナスさんにも視線を向けて、
「レジーしゃんも、ごめんしゃい!来てくれてありがとーでしゅ‼︎」
と頭を下げた。そんな私をレジナスさんは大きな手で慎重に撫でながら
「いや、いい。侍女から行き先がレニ殿下の茶会と聞いてさすがにそこに俺が乱入するわけに行かなかったからな。リオン様の体が空いていてすぐに来られて幸いだった。」
そう言ってほっと息をついた。
ああそうか。このティーパーティーはレニ様の婚約者候補を選ぶ場だ。
だからいくら王弟殿下の側近とはいえレジナスさんだけで現れるのは失礼にあたるから侍従さんか護衛騎士にこの場に姿を見せるのは断られたんだろう。
「ところで僕がここに来る直前、見覚えのあるような雷がこの場所のどこかに落ちたみたいなんだけど・・・?」
抱き上げた私をリオン様とレジナスさんの二人が見つめた。視線が痛い。
「ご、ごめんしゃい・・・」
なんか小さくなってから謝ってばっかりだ。まあそれだけ私が何かをやらかしてるってことなんだけど。
そしたらレニ様があっと声を上げた。
「そうだ叔父上、ユーリを叱らないでやって下さい!確かにここのテーブルの一つには、ユーリによって落とされたと思われる雷はありましたが・・・」
そもそもの原因は多分私が足を踏まれたことによるトラブルだろうことをレニ様は簡単に説明した。
ついでに、話し込むリオン様やレニ様をぽうっと見つめているピンクブロンドの子をレニ様は素早く一瞬だけ見やった。
リオン様もそれが何を意味するのかは当然分かったようで、僅かにぴくりと眉を顰めたけどすぐに素知らぬ顔でレニ様の話を聞き続けている。
そうしてひとしきり話を聞き終えると、
「なるほど、大体の話は分かったよ。詳細は後でこの場に君の護衛として密かに配置されているだろう兄上の剣から聞いておこう。大変な目に遭ったねユーリ。」
リオン様はねぎらうように軽く私の頬に口付けてきた。その行為に周りがざわつく。
「お、王弟殿下!その少女はレニ皇太子殿下の婚約者候補では・・・⁉︎」
皇太子殿下の気に入ったらしい少女を横から攫うような真似はさすがに、と侍従さんの代表格らしい人が恐る恐る声を掛けてきた。
だけどリオン様は飄々として
「あれ?違うよ、この子は僕の大事なお客様だ。急に姿が見えなくなったから探していたんだよ。まさかレニのお茶会に紛れ込んでいるとは思わなかったけど、無事見つかって良かったよ。」
そんなウソをついた。その態度があまりにも堂々としているので誰もそれがウソだとは思わない。
「イリューディア神様の大神殿の、大神官とカティヤの紹介でね。兄上のところのディアナの、将来の遊び相手にどうかと顔合わせにやって来た小さな巫女見習いだよ。」
なおも口から出まかせを言ったリオン様の言葉に侍従さん達が青くなった。
「ディッ、ディアナ姫の⁉︎」
「姫巫女様と大神官様ご推薦の少女ですか⁉︎」
「そうか、だから姫の兄君である皇太子殿下とあんなに親しげにしていたのか・・・!」
ディアナちゃんはレニ様の妹で大声殿下の娘だ。しかも名付け親はナジムート前陛下でもの凄く可愛がっている。
そんな国王陛下の愛娘で前国王陛下も目に入れても痛くないほど可愛がっているルーシャ国の直系王族のお姫様の、遊び相手に選ばれた子の足を踏んだり悪口を言ったりしてしまったと理解したらしいピンクブロンドの子も侍従さんに負けず劣らず顔色を悪くしていた。
リオン様のまるっきりのウソに騙されて脅かされたみたくなっちゃっているその様子がちょっとかわいそうだ。
「リオンしゃま、ちょっといいしゅぎ・・・」
くいくいと胸元を引っ張って注意したけど
「本当に何をしても可愛いね、見てよレジナスこの小さな手!ものすごく柔らかいよ。」
とリオン様は私の手を取ると、まるで猫の肉球を押すようにぷにぷにと押してきた。全然人の話を聞いていない。
しかもそれを見たレニ様まで
「叔父上、俺も触ってみていいですか?」
と頬を紅潮させて聞いている。
「もー!やめて‼︎」
怒って手をグーにしてそれ以上リオン様やレニ様に押されないようにしたら
「なんだよ、少しくらいいいだろ!」
とレニ様にがっかりされた。そんな私達のやり取りを見ていた侍従さん達はまだ未練がましく
「いや、ディアナ姫の遊び相手だとしても婚約者になれないわけではない」
とか
「むしろ大神官様のお墨付きならこれ以上ないほどに相応しいお相手では?お墨付きの巫女見習いということは魔力量も相当なはずだし、ダーヴィゼルドのフレイヤ公女と共に正式な婚約者候補に・・・」
なんてことを言っている。やっぱりこの場にはこれ以上いない方が良さそうだ。
レニ様は「中に入ってぜひ一緒にお茶でも」とリオン様に勧めていたけど、
「リオンしゃま、わたし、もう帰りたいでしゅ」
とお願いする。それを聞いたレニ様は、リオン様とお茶が出来ないのがよっぽど残念だったのかすごくガッカリしていた。
「レニしゃま、ばいばい!わたしのとこ、また遊びに来てね!」
リオン様に抱かれながらそう手を振れば、うっすらと頬を赤らめたまま
「お前がそんなに言うんなら行ってやってもいい」
とレニ様は仕方なさそうに言う。そんな様子を、ホントは遊びに来たいくせに素直じゃないなあと微笑ましく思いながら私は庭園を後にしたのだった。
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