546 / 776
番外編
チャイルド・プレイ 14
しおりを挟む
いまいちリオン様達の信用に欠ける魔法薬をごくりと飲み干せば、それは幼児化した時と同じように甘くておいしい。
そしてそれを飲んだ私の目の端に、信じると言われて満足げなシグウェルさんの顔が見えた。
それからユリウスさんがさも残念そうに、
「ええー、俺もユーリ様がかわいいヒヨコの靴音を鳴らして歩くの見たかったっす!ヒヨコの髪型はないから、せめてもの代わりにってウサギの耳のカチューシャを持ってきてたんすよ?どうせならそれをつけるとこだけでも見たかったなあ・・・」
とどこからか取り出した黒いウサ耳カチューシャと私を見比べている様子も見えた。
危ない、猫耳だけでなくあんなものまであるなんて。アレを付けさせられたらまた絵師を呼べとか絵に残すとか騒がれるところだった。
するとシェラさんがそこで気付いたように
「ユーリ様、もし元に戻られるならそのドレスはかなりきつくなるはずですよ」
と言った。あ、確かに。シェラさんの言葉にシンシアさんとマリーさんがハッとしてすぐに私の寝室に走る。
そしてクローゼットから咄嗟に掴んだんだろう黒い薄手のゆったりめのドレスを持って来た。
「ユーリ様、とりあえずこちらに着替えましょう!」
シンシアさんとマリーさん二人がかりで早着替えのようにさっと黒いドレスに替えられた。
今の私にそのドレスは立った状態でも床に引きずるほどの長さだけど、細い肩紐が大きすぎて抜け落ちないようにとマリーさんが肩を抑えてくれている。
「マリーしゃん、これドレスじゃないよ⁉︎」
「仕方なかったんです、咄嗟に手にした一番近くにあったのがそれだったので!」
よく見たら夜着だ。どおりで薄手なはずだ。え?大丈夫だよね、確かこれ元の姿で着た時は膝下くらいの長さだったはず・・・。
そう思っていたら体が淡く輝いた。
「あっ‼︎」
これはもしかして元の姿に戻る兆候では。二分の一の確率で成功したんだ。やった!
そう喜んだ次の瞬間、強く眩しい光が部屋の中を満たしてその眩しさに私だけでなくみんなが目をつぶった。
やがていつものように瞼の裏に感じる光が弱まったのを感じて私は目を開ける。
ついさっきまで肩からずり落ちそうなほどブカブカだったドレス姿の私を男性陣の視線から守るように覆い被さってその視界を塞いでいてくれたマリーさんと私の目線の高さがほぼ同じだ。
「戻った・・・?」
成功した。
「すごい、シグウェルさんの魔法薬ちゃんと効きましたよ‼︎」
うん、シグウェルさんの名前もちゃんと言える。喜んで私を抱きしめてくれていたマリーさんの陰から顔を出してリオン様達を見た。
と、なぜかみんな食い入るように私を見つめている。ユリウスさんはその手からウサ耳カチューシャをぽろりと落とした。
え?まさか服が破けてるとか⁉︎
慌てて自分の体を見下ろしたけど服はちゃんと着ている。なんか胸の谷間が強調されていてきつい辺りがやっぱり夜着だけど。
てことはこの黒い夜着姿が爽やかな朝に似つかわしくないセクシーさだからダメなんだろうか。
そう思ってまたマリーさんの陰に隠れるようにすすす、と動いたらシェラさんに声を掛けられた。
「ユーリ様・・・?なんだか少し成長されているというか、いつものお姿よりも大人びておられるように見えますが・・・?」
「え?」
それってどういう意味なんだろう。そう思ったらシェラさんが、
「すみません、ちょっと抱きしめて確かめさせてください」
おかしな事を言うが早いか、スタスタ歩み寄るとそのままぎゅっと抱きしめられた。
しかもただ抱きしめているんじゃなくて、その手が何かを確かめるかのように私の背中やお尻の辺りをさっと撫で上げ、ウエストを両手できゅっと掴んだり自分の胸元へ私の胸をぎゅっと押し付けたりしている。
リオン様に続いてシェラさんまでセクハラだ。そう思って
「ちょ、ちょっとシェラさん⁉︎」
なぜかリオン様達はまだ呆気にとられたように私を見つめていてシェラさんを注意しないから、代わりに私が声を上げる。
すると
「やっぱり・・・」
私の頭の上に自分の顎を乗せながらシェラさんはそう呟いた。
「何がやっぱりなんです⁉︎ていうか、何してるんですか‼︎」
「ユーリ様、元のお姿よりも若干お歳を重ねておられます。いつもよりも鮮やかに匂い立ち滴るような、奮いつきたくなる色気を纏われておりますし、胸もお尻も豊かさを増しておられます。幾分か背も伸びられたようですよ。」
分かりますか?とドレスの膝丈を確かめるように促された。
そのまま視線を下に落として確かめれば、膝下ちょうどくらいだったはずの長さの夜着が膝上になっている。
「なっ・・・、なんで⁉︎」
「シグウェル殿の魔法薬が効きすぎたのでは?元の歳を飛び越えてもっと大人になられたようです。」
「じゃあ失敗ってことじゃないですか‼︎」
そう声を上げたら、一度顔を離して話していたシェラさんにもう一度抱きしめられた。
「でもこれはこれで良いと思いますよ。ユーリ様はこの先もこのようにまだ成長されるんですねぇ・・・。抱きしめて確かめた感覚では、今よりも胸が10センチ以上は大きくなってい」
「言わなくていいです!」
やたらと触りまくっていたのはそのせいか。そういえば目視だの触った感触だので人のスリーサイズが分かる人だった。
そして夜着の胸周りがきついと思ったのは気のせいじゃなくて実際胸が成長していたかららしい。
すると、そこでやっと私とシェラさんのやり取りを見ていたリオン様達が我に返った。
「え・・・ユーリってまだこんなに色っぽくなるの?」
「背が伸びてもまだまだ俺の肩にも届かないですね」
「今回は成長促進薬の効果の方が勝ったということか・・・。今度はどれくらい効果が続くんだ?」
人ごとだと思って、各々好き勝手なことを言っている。
すると
「ユーリ様!」
「はい⁉︎」
びっくりした。いつの間にかユリウスさんが私の近くに立っていて、「これを・・・」と言うとそっとあのウサ耳カチューシャを私の頭に被せてきた。
「おや・・・」
それを見たシェラさんが目を笑ませて色気を滲ませた。ユリウスさんもみるみる顔を赤くする。
「なっ、なんです⁉︎何するんですか⁉︎」
ちらっとリオン様達の方を見れば、さっきまで自分の魔法薬についてあれこれ思案していたシグウェルさんもまじまじと私を見つめているし、リオン様とレジナスさんもうっすらと顔を赤らめている。
「黒い下着姿にウサギの耳がめっちゃいやらしいっす‼︎色っぽさとあどけなさのコントラストが・・・絵師‼︎今すぐ絵師を呼んで来てこの姿を残しておかないと‼︎」
ユリウスさんが興奮のまま叫ぶように声を上げた。
「何言ってるんです⁉︎いやらしいって何ですか、こんなのすぐ取りますからね!」
ユリウスさんの言葉に私もつられて赤くなる。脳内には某テレビ番組の仮装大賞に登場するセクシーな黒のバニーガールが思い浮かんだ。もしかしてあんな感じ?
すぐに自分の頭上に手を伸ばせば、そこにシェラさんも自分の手を重ねて来た。
「いいじゃないですかユーリ様。せっかくですからその麗しいお姿を今しばらく堪能させて下さい」
「恥ずかしいからダメです!」
「その姿で恥じらわれるとより一層官能的ですねぇ」
なぜかうっとりされた。しかもちょっと離れたところでリオン様まで
「僕もせっかくだからもう少しだけその姿のユーリを見ていたいな」
と言ってレジナスさんもそれにこっそり頷いている。
ユリウスさんはまだ興奮していて、
「黒髪に黒いウサギの耳がピッタリっす!どうせなら猫耳の髪型みたいにもっと違和感がなければ最高なんすけど‼︎」
なんて言ったものだから、それを聞いたシグウェルさんが
「こんな風にか?」
とパチンと指を弾いた。すると自分の頭上でしゅるしゅるっと音がして、髪の毛が持ち上がり何かに巻きついているような感触がした。まさか。
嫌な予感に手を伸ばして確かめる。自分の髪の毛にあのウサ耳が絡み合い同化して、まるで本当に頭からウサギの耳が生えたみたいになっている。
「ウソでしょう⁉︎取れないです!」
ぐいー、と引っ張ってみてもウサ耳が頭から離れない。なにこの魔法。魔力の無駄遣いだ。
「最高っす‼︎」
またユリウスさんが叫んだ。
「君にかかっている成長促進薬の魔法の効果が切れるのに反応してその耳も取れるように魔力で固定した。そのウサギの耳が取れる頃が魔法の効果が切れるという目印になる。分かりやすいだろう?」
こう言う時だけなぜか丁寧な説明をシグウェルさんはする。
そして話を聞けば聞くほどやっぱり魔力の無駄遣いとしか思えない。
「魔法が切れるまでウサ耳のままとか、ヒヨコの声がする靴を履かせられるより悪いじゃないですか・・・!」
呆然としている私の後ろではシンシアさんとマリーさんがシェラさんと一緒になって
「ウサギさんの耳がついたらやっぱり尻尾も欲しいわね」
「いいですねそれ!せっかくですからまあるくてふわふわの、黒いウサギの尻尾がついた服も仕立てませんか⁉︎」
「おや、それでは早速オレが上等な黒ウサギの毛皮を仕入れてまいりましょう」
「お願いします!うわあ腕が鳴ります‼︎」
なんてヒソヒソ話をしている。
いやいや、よく考えて?人の頭にウサギの耳がくっついて離れないんだよ?怖くない?
だけど私以外の全員がなぜかウサ耳に肯定的だ。あのエル君ですら、
「皆さんがいいって言うならいいんじゃないですか。よくお似合いですよ。」
と反対しなかった。
そのせいで結局私の頭についたウサ耳は魔法が切れるまでそのままで、しかも幼児化している時に会ったレニ様に「また遊びに来てね!」と言ったせいで間の悪いことにその状態の時に
「ユーリがどうしてもって言うから来てやったぞ!」
と言ってレニ様までやって来た。そしてウサ耳姿の私を見たレニ様が
「ユーリにウサギの耳が生えてる‼︎」
とあの大声殿下譲りの大声で王宮に帰ってからも話したせいでそれを聞きつけたナジムート前陛下まで見にやって来たり騎士団の人達が一目見ようと奥の院に用もないのに無意味にやって来たりと散々な目に会う羽目になったのだった・・・。
そしてそれを飲んだ私の目の端に、信じると言われて満足げなシグウェルさんの顔が見えた。
それからユリウスさんがさも残念そうに、
「ええー、俺もユーリ様がかわいいヒヨコの靴音を鳴らして歩くの見たかったっす!ヒヨコの髪型はないから、せめてもの代わりにってウサギの耳のカチューシャを持ってきてたんすよ?どうせならそれをつけるとこだけでも見たかったなあ・・・」
とどこからか取り出した黒いウサ耳カチューシャと私を見比べている様子も見えた。
危ない、猫耳だけでなくあんなものまであるなんて。アレを付けさせられたらまた絵師を呼べとか絵に残すとか騒がれるところだった。
するとシェラさんがそこで気付いたように
「ユーリ様、もし元に戻られるならそのドレスはかなりきつくなるはずですよ」
と言った。あ、確かに。シェラさんの言葉にシンシアさんとマリーさんがハッとしてすぐに私の寝室に走る。
そしてクローゼットから咄嗟に掴んだんだろう黒い薄手のゆったりめのドレスを持って来た。
「ユーリ様、とりあえずこちらに着替えましょう!」
シンシアさんとマリーさん二人がかりで早着替えのようにさっと黒いドレスに替えられた。
今の私にそのドレスは立った状態でも床に引きずるほどの長さだけど、細い肩紐が大きすぎて抜け落ちないようにとマリーさんが肩を抑えてくれている。
「マリーしゃん、これドレスじゃないよ⁉︎」
「仕方なかったんです、咄嗟に手にした一番近くにあったのがそれだったので!」
よく見たら夜着だ。どおりで薄手なはずだ。え?大丈夫だよね、確かこれ元の姿で着た時は膝下くらいの長さだったはず・・・。
そう思っていたら体が淡く輝いた。
「あっ‼︎」
これはもしかして元の姿に戻る兆候では。二分の一の確率で成功したんだ。やった!
そう喜んだ次の瞬間、強く眩しい光が部屋の中を満たしてその眩しさに私だけでなくみんなが目をつぶった。
やがていつものように瞼の裏に感じる光が弱まったのを感じて私は目を開ける。
ついさっきまで肩からずり落ちそうなほどブカブカだったドレス姿の私を男性陣の視線から守るように覆い被さってその視界を塞いでいてくれたマリーさんと私の目線の高さがほぼ同じだ。
「戻った・・・?」
成功した。
「すごい、シグウェルさんの魔法薬ちゃんと効きましたよ‼︎」
うん、シグウェルさんの名前もちゃんと言える。喜んで私を抱きしめてくれていたマリーさんの陰から顔を出してリオン様達を見た。
と、なぜかみんな食い入るように私を見つめている。ユリウスさんはその手からウサ耳カチューシャをぽろりと落とした。
え?まさか服が破けてるとか⁉︎
慌てて自分の体を見下ろしたけど服はちゃんと着ている。なんか胸の谷間が強調されていてきつい辺りがやっぱり夜着だけど。
てことはこの黒い夜着姿が爽やかな朝に似つかわしくないセクシーさだからダメなんだろうか。
そう思ってまたマリーさんの陰に隠れるようにすすす、と動いたらシェラさんに声を掛けられた。
「ユーリ様・・・?なんだか少し成長されているというか、いつものお姿よりも大人びておられるように見えますが・・・?」
「え?」
それってどういう意味なんだろう。そう思ったらシェラさんが、
「すみません、ちょっと抱きしめて確かめさせてください」
おかしな事を言うが早いか、スタスタ歩み寄るとそのままぎゅっと抱きしめられた。
しかもただ抱きしめているんじゃなくて、その手が何かを確かめるかのように私の背中やお尻の辺りをさっと撫で上げ、ウエストを両手できゅっと掴んだり自分の胸元へ私の胸をぎゅっと押し付けたりしている。
リオン様に続いてシェラさんまでセクハラだ。そう思って
「ちょ、ちょっとシェラさん⁉︎」
なぜかリオン様達はまだ呆気にとられたように私を見つめていてシェラさんを注意しないから、代わりに私が声を上げる。
すると
「やっぱり・・・」
私の頭の上に自分の顎を乗せながらシェラさんはそう呟いた。
「何がやっぱりなんです⁉︎ていうか、何してるんですか‼︎」
「ユーリ様、元のお姿よりも若干お歳を重ねておられます。いつもよりも鮮やかに匂い立ち滴るような、奮いつきたくなる色気を纏われておりますし、胸もお尻も豊かさを増しておられます。幾分か背も伸びられたようですよ。」
分かりますか?とドレスの膝丈を確かめるように促された。
そのまま視線を下に落として確かめれば、膝下ちょうどくらいだったはずの長さの夜着が膝上になっている。
「なっ・・・、なんで⁉︎」
「シグウェル殿の魔法薬が効きすぎたのでは?元の歳を飛び越えてもっと大人になられたようです。」
「じゃあ失敗ってことじゃないですか‼︎」
そう声を上げたら、一度顔を離して話していたシェラさんにもう一度抱きしめられた。
「でもこれはこれで良いと思いますよ。ユーリ様はこの先もこのようにまだ成長されるんですねぇ・・・。抱きしめて確かめた感覚では、今よりも胸が10センチ以上は大きくなってい」
「言わなくていいです!」
やたらと触りまくっていたのはそのせいか。そういえば目視だの触った感触だので人のスリーサイズが分かる人だった。
そして夜着の胸周りがきついと思ったのは気のせいじゃなくて実際胸が成長していたかららしい。
すると、そこでやっと私とシェラさんのやり取りを見ていたリオン様達が我に返った。
「え・・・ユーリってまだこんなに色っぽくなるの?」
「背が伸びてもまだまだ俺の肩にも届かないですね」
「今回は成長促進薬の効果の方が勝ったということか・・・。今度はどれくらい効果が続くんだ?」
人ごとだと思って、各々好き勝手なことを言っている。
すると
「ユーリ様!」
「はい⁉︎」
びっくりした。いつの間にかユリウスさんが私の近くに立っていて、「これを・・・」と言うとそっとあのウサ耳カチューシャを私の頭に被せてきた。
「おや・・・」
それを見たシェラさんが目を笑ませて色気を滲ませた。ユリウスさんもみるみる顔を赤くする。
「なっ、なんです⁉︎何するんですか⁉︎」
ちらっとリオン様達の方を見れば、さっきまで自分の魔法薬についてあれこれ思案していたシグウェルさんもまじまじと私を見つめているし、リオン様とレジナスさんもうっすらと顔を赤らめている。
「黒い下着姿にウサギの耳がめっちゃいやらしいっす‼︎色っぽさとあどけなさのコントラストが・・・絵師‼︎今すぐ絵師を呼んで来てこの姿を残しておかないと‼︎」
ユリウスさんが興奮のまま叫ぶように声を上げた。
「何言ってるんです⁉︎いやらしいって何ですか、こんなのすぐ取りますからね!」
ユリウスさんの言葉に私もつられて赤くなる。脳内には某テレビ番組の仮装大賞に登場するセクシーな黒のバニーガールが思い浮かんだ。もしかしてあんな感じ?
すぐに自分の頭上に手を伸ばせば、そこにシェラさんも自分の手を重ねて来た。
「いいじゃないですかユーリ様。せっかくですからその麗しいお姿を今しばらく堪能させて下さい」
「恥ずかしいからダメです!」
「その姿で恥じらわれるとより一層官能的ですねぇ」
なぜかうっとりされた。しかもちょっと離れたところでリオン様まで
「僕もせっかくだからもう少しだけその姿のユーリを見ていたいな」
と言ってレジナスさんもそれにこっそり頷いている。
ユリウスさんはまだ興奮していて、
「黒髪に黒いウサギの耳がピッタリっす!どうせなら猫耳の髪型みたいにもっと違和感がなければ最高なんすけど‼︎」
なんて言ったものだから、それを聞いたシグウェルさんが
「こんな風にか?」
とパチンと指を弾いた。すると自分の頭上でしゅるしゅるっと音がして、髪の毛が持ち上がり何かに巻きついているような感触がした。まさか。
嫌な予感に手を伸ばして確かめる。自分の髪の毛にあのウサ耳が絡み合い同化して、まるで本当に頭からウサギの耳が生えたみたいになっている。
「ウソでしょう⁉︎取れないです!」
ぐいー、と引っ張ってみてもウサ耳が頭から離れない。なにこの魔法。魔力の無駄遣いだ。
「最高っす‼︎」
またユリウスさんが叫んだ。
「君にかかっている成長促進薬の魔法の効果が切れるのに反応してその耳も取れるように魔力で固定した。そのウサギの耳が取れる頃が魔法の効果が切れるという目印になる。分かりやすいだろう?」
こう言う時だけなぜか丁寧な説明をシグウェルさんはする。
そして話を聞けば聞くほどやっぱり魔力の無駄遣いとしか思えない。
「魔法が切れるまでウサ耳のままとか、ヒヨコの声がする靴を履かせられるより悪いじゃないですか・・・!」
呆然としている私の後ろではシンシアさんとマリーさんがシェラさんと一緒になって
「ウサギさんの耳がついたらやっぱり尻尾も欲しいわね」
「いいですねそれ!せっかくですからまあるくてふわふわの、黒いウサギの尻尾がついた服も仕立てませんか⁉︎」
「おや、それでは早速オレが上等な黒ウサギの毛皮を仕入れてまいりましょう」
「お願いします!うわあ腕が鳴ります‼︎」
なんてヒソヒソ話をしている。
いやいや、よく考えて?人の頭にウサギの耳がくっついて離れないんだよ?怖くない?
だけど私以外の全員がなぜかウサ耳に肯定的だ。あのエル君ですら、
「皆さんがいいって言うならいいんじゃないですか。よくお似合いですよ。」
と反対しなかった。
そのせいで結局私の頭についたウサ耳は魔法が切れるまでそのままで、しかも幼児化している時に会ったレニ様に「また遊びに来てね!」と言ったせいで間の悪いことにその状態の時に
「ユーリがどうしてもって言うから来てやったぞ!」
と言ってレニ様までやって来た。そしてウサ耳姿の私を見たレニ様が
「ユーリにウサギの耳が生えてる‼︎」
とあの大声殿下譲りの大声で王宮に帰ってからも話したせいでそれを聞きつけたナジムート前陛下まで見にやって来たり騎士団の人達が一目見ようと奥の院に用もないのに無意味にやって来たりと散々な目に会う羽目になったのだった・・・。
83
あなたにおすすめの小説
異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~
ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。
しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。
やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。
そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。
そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。
これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
ローザリンデの第二の人生
梨丸
恋愛
伯爵令嬢、ローザリンデの夫はいつも彼女より仕事を優先させ、彼女を無碍にしている。
彼には今はもういない想い人がいた。
私と結婚したことにいい思いをしていないことは知っていた。
けれど、私の命が懸かっていた時でさえも、彼の精神は変わらなかった。
あなたが愛してくれないのなら、私は勝手に幸せになります。
吹っ切れたローザリンデは自分自身の幸せのために動くことにした。
※投稿してから、誤字脱字などの修正やわかりにくい部分の補足をすることがあります。(話の筋は変わらないのでご安心ください。)
1/10 HOTランキング1位、小説、恋愛3位ありがとうございます。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる