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番外編
なごり雪 16
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「花へ加護を付けるだけでなく食べ物までお作りになられるとは、いかにもユーリ様らしいですが・・・なぜイチゴなのですか?」
花の隙間に実っているイチゴに触れながらシェラさんが首を傾げた。
「それはえーと・・・雪の白にイチゴの赤が映えるからです!」
花に加護を与えるついでに何かオマケを、と思った私の脳裏に浮かんだのは昔読んだロシアの童話だ。
意地悪な継母と義理の妹においしいイチゴが食べたい、イチゴを取ってくるまで帰ってくるなと到底イチゴなんか実っていない雪の降り積もった真冬に外へ追い出された女の子の話。
その女の子がたどり着いた魔法使いの家の周りには深々と降り積もった真っ白な雪の中に真っ赤なイチゴがいくつも実っていて、それを分けてもらっていた。
幼心にその童話の雪の白さとイチゴの赤さのコントラストが印象に残っている。
そしてたどり着いた家に迎え入れてもらい飲ませてもらった温かい飲み物と食べさせてもらったイチゴがすごく甘くておいしかったということも。
・・・ちなみにその話は女の子をかわいそうに思った魔法使いの手助けで継母と妹に仕返しをし、女の子が幸せになって終わるめでたしめでたしな話のはずだけど、最後がどうなったか全く覚えていない。
私が覚えているのは、真冬に探し当てたイチゴがおいしそうだったということがほぼ全てだ。
だけどそんな事を言ったらエル君あたりにまた食い意地がどうのと言われそうなので黙っておく。
「ほら、真冬のダーヴィゼルドでも新鮮な果物を食べられたら栄養がついて良くないですか?」
それっぽいことを言って誤魔化す。と、近くでニーヴェ様の慌てる声がした。
「これエリス!勝手に食べてはいけませんよ‼︎」
見ればエリス様がイチゴを一つ手に取って頬張っている。
「でもニーヴェ様、とっても甘くておいしいです!それにこれ一個でお腹がいっぱいになりますよ?」
さっきまで私の手を握り微笑んでいたあのエリス様の面影はどこにもない、子どものように無邪気な笑顔でイチゴを食べるエリス様はそんな事を言う。
・・・あのエリス様は今度こそ本当に消えてしまったらしい。
にこにことイチゴを手にしているエリス様とそれをたしなめるニーヴェ様に私は説明をした。
「この中庭、屋根がないので真冬には雪が積もると思いますけどお花もイチゴも雪があっても絶えず花と実をつけるようにしてありますから。まあ、それ以上の加護はつけていないので真冬にも綺麗な花が見られて甘いイチゴが食べられるってだけですけどね。」
話しながらニーヴェ様を始めとした神官さん二人やエル君、シェラさんとレジナスさんにもイチゴを一つずつ手渡してあげる。もちろん私も自分で一つ食べてみた。
大ぶりで真っ赤なイチゴに齧りつけば、口の中にじゅわっと甘い果汁があふれる。うーん、おいしい。大成功だ。
レジナスさんもうまいな、と呟いているしエル君も無言だけど大事そうに少しずつ味わって食べているから、きっとおいしいと思ってるに違いない。
ちなみにシェラさんは
「マールの町でユーリ様が作られた果樹園のイチゴのように大変甘くておいしいですが、あれのようにユーリ様のご加護によって作られた貴重な果実となれば欲をかいて大量に持ち帰ろうとする者が現れてもおかしくありませんね・・・。騎士を常駐させてここを守らせ、不届者が出た時はその手首を切って見せしめにするべきでは?」
なんて恐ろしいことを言った。
「おいしいイチゴを食べながらそんな怖いこと考えないでください⁉︎大丈夫ですよ、持ち帰ろうとしてもそんなに日持ちしませんから!」
取って三日ももてば良い方だろう。ダーヴィゼルド領は広いから、このイチゴをお土産に持ち帰ろうとしてもそれこそ氷瀑竜の骨から作った冷気を保存できるクーラーボックス的な容れ物でもない限り、領内を出ないうちに腐り始めるかもしれない。
「これはわざわざここまで来てくれた人たちへのほんの気持ち的なお礼ってことで。まあ、ジャムなんかに加工して売れば神殿の収入になっていいかも知れませんけど。」
そう話したらニーヴェ様がぱっと顔を輝かせた。
「ああ、それは助かります。冬場の貴重な収入源になりそうですね。売り上げは神殿の修繕費や孤児院の運営費にも当てられるかも知れません。」
ありがとうございますと深々と頭を下げられた。ルーシャ国は魔物の被害を受けることが多かった分、親を亡くして孤児になっている子も多い。
そしてそんな子たちが身を寄せている孤児院はたいていは神殿が経営しているのだ。どうやらこの山の中の小さな神殿も、ダーヴィゼルド領のどこかの孤児院の運営に関わっているらしい。
「お役に立てるなら何よりです!多分、イチゴは次々と実をつけて枯れるということはないと思うんですけど、参拝者の取りすぎが心配だったら小さなカップを渡してそれに入る分だけ取って持ち帰りを許可してもいいかもしれませんね。」
その程度なら参拝帰りに道々食べても腐るような量ではないだろう。
と、さっそくシェラさんがふむ、と頷いた。
「山から降りましたらヒルダ様へお話しして、イリューディア神様の紋様が入ったイチゴを入れる専用の紙コップを作る提案をいたしましょう。確かダーヴィゼルドには丈夫で良質な紙の原料になる樹木の森林があったはずです。」
ユーリ様のおかげでダーヴィゼルドで林業を営む者にも恩恵が出来そうですねと微笑まれたけど、そんなことまで考えてイチゴを作ったわけじゃないので逆にちょっと申し訳ない。
単純に私の食い意地の悪さで覚えて童話を元にしただけのイチゴ作りだったのになんかすいません・・・。
そんなわけで、私の作った泉をもう一度確認して思いがけずエリス様にもイリューディアさんの力を返してもらうという出来事まであったグノーデルさんの聖地訪問は無事終えてダーヴィゼルドのお城へと戻って来た。
「・・・彼女がユーリに力を返したということは、元通りの魔力を取り戻したということではないのか?」
エリス様に手を握られていた時に何があったかを話したらレジナスさんにそう聞かれた。
「・・・多分そうなんだと思いますけど、よく分からないんですよね。」
イリューディアさんの力が全部戻ったと思ってあの後、山から降りて来てからは張り切ってあちこちに加護を付けたりパン籠作りをしてみたら疲れて動けなくなってしまった。
そしてそんな私を見たレジナスさんに慌てて抱えられて休まされた。
今はソファに座り、飲み物を取りに厨房へ行ったシェラさんを待ちながらレジナスさんにもたれかかるような姿勢で話している。
体感的にはエリス様に力を返してもらう前よりも1日に使える力は多くなったと実感しているのに、いざ力を使えば体がそれについていかないというか・・・。
「おかしいなあ、こんなはずじゃなかったんですけどね・・・?」
魔力そのものは戻って来ているはずだけどそれをうまく引き出せていない。
「使える魔力量があまり増えていないってことは完全な回復までまだ時間がかかるってことなのかなあ・・・」
むうと膨れればもたれかかっている私の肩を抱いたレジナスさんになだめられた。
「そう焦ることはない。一年間も眠らなければならないほど一度にたくさんの力を使ったんだ、急激な回復は体に悪いだろう。時間はこれからたくさんあるんだからな、ゆっくりと慣らしながら体も魔力も回復していけばいい。」
時間はたくさんある。そう言われて、そこで初めてこれから先はヨナスの呪いの心配をすることもなくレジナスさん達とずっと一緒に過ごしていくのだと気付いた。そういえばダーヴィゼルドから帰ったら結婚式が待っているんだった。
意識したらなんとなく気恥ずかしい。
「そ、そうですね。」
「・・・?どうしたユーリ、顔が赤い。熱でも出て来たか⁉︎」
「ち、違います!眠いだけですから私が眠るまでもうこのままで!」
気恥ずかしさからうっすらと赤らんだ頬を見逃さなかったレジナスさんが勘違いしてまた慌てたので、赤くなった理由を言うわけにもいかずにその胸元に顔を埋めてぎゅっと目をつぶると誤魔化した。
顔を隠すためおもむろに抱きつく格好になった私にぎしっ、と体を硬くして固まったレジナスさんは
「そ、そうか」
と言ってまるで壊れ物でも扱うかのような慎重な手付きで髪を撫でてくれる。
「それならこのまま休むといい。眠ったらベッドに運んでやる」
ゆっくりとした、猫の子を撫でるかのような手付きで撫でられながら落ち着いた低い声でそう言われて温かな体温を感じれば、自然と睡魔に引き込まれる。
もう小さな子どもじゃないのに、今まで何度もそうされていたからかすぐに眠くなる。慣れって怖い。
そう思いながらレジナスさんにくっついたまま寝たふりで誤魔化すつもりだった私はすっかり本気で眠ってしまった。
花の隙間に実っているイチゴに触れながらシェラさんが首を傾げた。
「それはえーと・・・雪の白にイチゴの赤が映えるからです!」
花に加護を与えるついでに何かオマケを、と思った私の脳裏に浮かんだのは昔読んだロシアの童話だ。
意地悪な継母と義理の妹においしいイチゴが食べたい、イチゴを取ってくるまで帰ってくるなと到底イチゴなんか実っていない雪の降り積もった真冬に外へ追い出された女の子の話。
その女の子がたどり着いた魔法使いの家の周りには深々と降り積もった真っ白な雪の中に真っ赤なイチゴがいくつも実っていて、それを分けてもらっていた。
幼心にその童話の雪の白さとイチゴの赤さのコントラストが印象に残っている。
そしてたどり着いた家に迎え入れてもらい飲ませてもらった温かい飲み物と食べさせてもらったイチゴがすごく甘くておいしかったということも。
・・・ちなみにその話は女の子をかわいそうに思った魔法使いの手助けで継母と妹に仕返しをし、女の子が幸せになって終わるめでたしめでたしな話のはずだけど、最後がどうなったか全く覚えていない。
私が覚えているのは、真冬に探し当てたイチゴがおいしそうだったということがほぼ全てだ。
だけどそんな事を言ったらエル君あたりにまた食い意地がどうのと言われそうなので黙っておく。
「ほら、真冬のダーヴィゼルドでも新鮮な果物を食べられたら栄養がついて良くないですか?」
それっぽいことを言って誤魔化す。と、近くでニーヴェ様の慌てる声がした。
「これエリス!勝手に食べてはいけませんよ‼︎」
見ればエリス様がイチゴを一つ手に取って頬張っている。
「でもニーヴェ様、とっても甘くておいしいです!それにこれ一個でお腹がいっぱいになりますよ?」
さっきまで私の手を握り微笑んでいたあのエリス様の面影はどこにもない、子どものように無邪気な笑顔でイチゴを食べるエリス様はそんな事を言う。
・・・あのエリス様は今度こそ本当に消えてしまったらしい。
にこにことイチゴを手にしているエリス様とそれをたしなめるニーヴェ様に私は説明をした。
「この中庭、屋根がないので真冬には雪が積もると思いますけどお花もイチゴも雪があっても絶えず花と実をつけるようにしてありますから。まあ、それ以上の加護はつけていないので真冬にも綺麗な花が見られて甘いイチゴが食べられるってだけですけどね。」
話しながらニーヴェ様を始めとした神官さん二人やエル君、シェラさんとレジナスさんにもイチゴを一つずつ手渡してあげる。もちろん私も自分で一つ食べてみた。
大ぶりで真っ赤なイチゴに齧りつけば、口の中にじゅわっと甘い果汁があふれる。うーん、おいしい。大成功だ。
レジナスさんもうまいな、と呟いているしエル君も無言だけど大事そうに少しずつ味わって食べているから、きっとおいしいと思ってるに違いない。
ちなみにシェラさんは
「マールの町でユーリ様が作られた果樹園のイチゴのように大変甘くておいしいですが、あれのようにユーリ様のご加護によって作られた貴重な果実となれば欲をかいて大量に持ち帰ろうとする者が現れてもおかしくありませんね・・・。騎士を常駐させてここを守らせ、不届者が出た時はその手首を切って見せしめにするべきでは?」
なんて恐ろしいことを言った。
「おいしいイチゴを食べながらそんな怖いこと考えないでください⁉︎大丈夫ですよ、持ち帰ろうとしてもそんなに日持ちしませんから!」
取って三日ももてば良い方だろう。ダーヴィゼルド領は広いから、このイチゴをお土産に持ち帰ろうとしてもそれこそ氷瀑竜の骨から作った冷気を保存できるクーラーボックス的な容れ物でもない限り、領内を出ないうちに腐り始めるかもしれない。
「これはわざわざここまで来てくれた人たちへのほんの気持ち的なお礼ってことで。まあ、ジャムなんかに加工して売れば神殿の収入になっていいかも知れませんけど。」
そう話したらニーヴェ様がぱっと顔を輝かせた。
「ああ、それは助かります。冬場の貴重な収入源になりそうですね。売り上げは神殿の修繕費や孤児院の運営費にも当てられるかも知れません。」
ありがとうございますと深々と頭を下げられた。ルーシャ国は魔物の被害を受けることが多かった分、親を亡くして孤児になっている子も多い。
そしてそんな子たちが身を寄せている孤児院はたいていは神殿が経営しているのだ。どうやらこの山の中の小さな神殿も、ダーヴィゼルド領のどこかの孤児院の運営に関わっているらしい。
「お役に立てるなら何よりです!多分、イチゴは次々と実をつけて枯れるということはないと思うんですけど、参拝者の取りすぎが心配だったら小さなカップを渡してそれに入る分だけ取って持ち帰りを許可してもいいかもしれませんね。」
その程度なら参拝帰りに道々食べても腐るような量ではないだろう。
と、さっそくシェラさんがふむ、と頷いた。
「山から降りましたらヒルダ様へお話しして、イリューディア神様の紋様が入ったイチゴを入れる専用の紙コップを作る提案をいたしましょう。確かダーヴィゼルドには丈夫で良質な紙の原料になる樹木の森林があったはずです。」
ユーリ様のおかげでダーヴィゼルドで林業を営む者にも恩恵が出来そうですねと微笑まれたけど、そんなことまで考えてイチゴを作ったわけじゃないので逆にちょっと申し訳ない。
単純に私の食い意地の悪さで覚えて童話を元にしただけのイチゴ作りだったのになんかすいません・・・。
そんなわけで、私の作った泉をもう一度確認して思いがけずエリス様にもイリューディアさんの力を返してもらうという出来事まであったグノーデルさんの聖地訪問は無事終えてダーヴィゼルドのお城へと戻って来た。
「・・・彼女がユーリに力を返したということは、元通りの魔力を取り戻したということではないのか?」
エリス様に手を握られていた時に何があったかを話したらレジナスさんにそう聞かれた。
「・・・多分そうなんだと思いますけど、よく分からないんですよね。」
イリューディアさんの力が全部戻ったと思ってあの後、山から降りて来てからは張り切ってあちこちに加護を付けたりパン籠作りをしてみたら疲れて動けなくなってしまった。
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意識したらなんとなく気恥ずかしい。
「そ、そうですね。」
「・・・?どうしたユーリ、顔が赤い。熱でも出て来たか⁉︎」
「ち、違います!眠いだけですから私が眠るまでもうこのままで!」
気恥ずかしさからうっすらと赤らんだ頬を見逃さなかったレジナスさんが勘違いしてまた慌てたので、赤くなった理由を言うわけにもいかずにその胸元に顔を埋めてぎゅっと目をつぶると誤魔化した。
顔を隠すためおもむろに抱きつく格好になった私にぎしっ、と体を硬くして固まったレジナスさんは
「そ、そうか」
と言ってまるで壊れ物でも扱うかのような慎重な手付きで髪を撫でてくれる。
「それならこのまま休むといい。眠ったらベッドに運んでやる」
ゆっくりとした、猫の子を撫でるかのような手付きで撫でられながら落ち着いた低い声でそう言われて温かな体温を感じれば、自然と睡魔に引き込まれる。
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