626 / 788
番外編
なごり雪 22
おもむろに口付けたシェラさんに、集まっていた人達の歓声は一際大きくなった。
あまりの驚きに目を見開いたままシェラさんを見つめれば、シェラさんもあの金色の瞳に甘やかな光を浮かべたまま僅かに目を細めて私を見つめている。
『そういえばシェラさんて、私の反応を楽しみながら見つめたままキスするのが好きだった・・・!』
はっと思い出して慌てて目をつぶる前の一瞬、恥ずかしさに視線を外せば目の端にはうっとりしたままこちらを見つめる若い女性やふらふらと気を失って倒れかけている女性が何人か見えた。
シェラさんを間近で見て、相変わらず無駄に垂れ流しっぱなしなその色気にあてられた人達だろう。
そんな事まで考えられるほどシェラさんの口付けは長い。・・・いやなんで⁉︎
ゆうに10秒は経っているんじゃないだろうか。いい加減解放して欲しいんですけど!と思いながら強く目を閉じていたらようやくシェラさんの唇が離れた。
「いいぞ騎士様!」
「ご伴侶様万歳‼︎」
「ご結婚おめでとうございます!」
わあわあと周りから口笛に指笛、拍手と共にそんな声がまだ聞こえてくる。
そんな人達にどう反応していいか分からず困ってしまった私は気恥ずかしさにそちらを見れずに背を向けているというのに、シェラさんはまるで舞台俳優がカーテンコールでアンコールの歓声に応えるかのように得意げに優雅に腰を折ってお辞儀をしている。
そして頭を下げたまま、ちらりと流し目でこちらを見ると
「さあどうぞレジナス、あなたの番ですよ。」
と微笑んだ。・・・へ?レジナスさんの番?
何のことか分からずにいたら、私の背後からふうと一つ大きなため息が聞こえたかと思うと
「すまないユーリ、恥ずかしいだろうが少しだけ我慢してくれ」
レジナスさんの声がかかって腕が引かれた。
そのまままるでダンスをするようにくるりと円を描いてレジナスさんの方へと回転しながら引き寄せられると、至近距離に僅かに目尻を朱に染めたあの生真面目な顔と夕陽色の瞳が一瞬見えた。
パチリと目が合い、レジナスさんは
「・・・こんな重要な場にもその髪飾りを着けてくれてありがとう。よく似合っている。」
そう言った。そしてその眉間に皺を寄せるようにぎゅっと強く目をつぶると私にぐっと覆い被さるようにして口付けてきた。
優雅に流れるような仕草のシェラさんとは違って、気恥ずかしさからか多少強引に押し倒されるような格好になればそれはまるでサルサを踊っているみたいに私の背中がのけ反ったままレジナスさんを受け止めての口付けになる。
その様子にまた周りは盛り上がって、
「こっちのご伴侶様も負けていないな!」
やら
「なんて情熱的なの・・・!」
とか
「素敵、あんな風に強引に奪われてみたいわ」
というため息混じりの声も目をつぶっている私の耳に聞こえてきた。中には
「あのレジナス様が人前でこんな事を・・・⁉︎」
なんて声も聞こえてきたからそれは多分ダーヴィゼルドの騎士達だろう。
いやホント、真面目なレジナスさんが人前でこんな事をするなんて。
一体何が起きているのか訳が分からない。
しかも二人に立て続けに口付けられて足から力が抜けそうになった。するとそれを察したのかすぐに唇を離したレジナスさんにぐいと身を起こされる。
かと思うと一瞬でその腕の中にお姫様抱っこされていた。
「ええ⁉︎」
混乱して赤い顔のままレジナスさんを見れば、
「そのまま俺の肩に顔を埋めていろ。これで皆の注目は俺とシェラに集まっただろうし、ユーリも歩かなくてすむからこのまま祭壇を降りる。」
レジナスさんも赤い顔のままあさっての方向を見ながらそんなことを言っている。そしてそんな私達に
「結婚式の練習の口付けにしては少し荒々し過ぎませんかねぇ、いくらルーシャの黒狼と呼ばれていても何もこんな時まで獣じみた口付けを人前で披露しなくても・・・」
と軽口を叩いたシェラさんを
「黙れ、行くぞ」
とさっきよりも赤みを増した顔のままギロリと睨んだ。
「分かりましたよ、ですが本番ではもう少し優しくユーリ様に口付けてあげてくださいね?」
「うるさい、お前に言われるまでもない」
そんなやりとりを二人がしているのをレジナスさんの肩に埋めた顔越しに聞く。
周りはまだ騒がしく、いいぞやらおめでとうやら言っていてまるで本当に結婚式を挙げて祝福されているみたいだ。
いやいや、これはジークムント様の祝福式なのにこんなにも私達に注目を集めてしまったらヒルダ様達に申し訳なさ過ぎる・・・と思っていた私の耳にヒルダ様の凛とした声が響いた。
「さあみんな、今日は公爵城の庭園を開放し、そこに祝い振る舞いの酒と料理をたっぷりと用意している。時間のある者はどうかそちらへも立ち寄ってくれ。そして我が子の健やかなる成長とユーリ様の結婚を共に祝おうぞ!」
その宣言にヒルダ様万歳!と周囲はまた一際盛り上がった。
こうなるともう祝福式どころかヒルダ様公認のプレ結婚式みたいなものだ。
それでいいんだ・・・?とレジナスさんの肩口に顔を埋めたまま私はさっきよりももっと赤くなっているだろう顔を他の人達に見られないようにしながら歓声の止まないその場を後にしたのだった。
「・・・って感じでダーヴィゼルド最後の日はもう本当に恥ずかしい目に遭ったんですよ!」
「それはまた随分と賑やかで楽しそうだったじゃないか。いいなあ、僕もその場にいたかったよ。」
ダーヴィゼルドでの休暇を終えて帰って来て、向こうでどう過ごしていたのかを夕食後のくつろいだ時間に話して聞かせるとリオン様はワイングラスを片手に本当に羨ましそうにそう言って笑った。
「そうしたら僕もユーリに口付けて結婚式の練習が出来たし、その場も更に盛り上がっただろうに。残念だなあ。」
「や、やめてくださいよ!おかげで確かに足が動かなくても壇上から降りられたし私だけが注目されずに視線は分散されましたけど、全然注目されなくなったわけじゃなかったんですから!」
そう。いくらレジナスさんの肩に顔を埋めていたとはいえ結局注目されていたのに変わりはない。
後で口付け前にあの二人が交わしていた会話の意味を思い返せば、観衆の期待に応えかつ私だけに集まった注目をかわしながら緊張で固まってしまった私を祭壇から動かすために
『先にシェラさんから口付けて、動けなくなった私を抱いて退場する役目は伴侶になった順番を考えてレジナスさんに任せた』
ということだ。私が緊張で固まってしまったあの一瞬でよくもまあそこまで考えたものだ。
「でも今からもう少し人前に出る練習をして多少は慣れておかないと、本番ではもっとたくさんの人達に見られるよ?式の後はパレードで王都を廻るし。」
「うっ」
「結婚式までのあと半年、人前に出るような任務や政務を少し増やして観衆の視線に慣れるようにしてみようか?勿論その場にはユーリを一人にせず僕やレジナスも同行するようにして。そうすれば心細くないでしょ?」
「うー・・・お願いします・・・。」
渋々頷く。仕方ない、立場上いつまでも人前に出るたびに緊張で固まるわけにはいかない。習うより慣れろだ。
「ユーリのそういうちゃんと頑張ろうとするところ好きだよ。」
ふんわりと微笑んだリオン様は一筋すくった私の髪の毛に口付けると、そのままぐっと近付いて顔に唇を寄せる。
「ちょ、ちょっと・・・!」
頬や鼻筋、口へと口付けられながら隣り合って座っていたソファにそのまま押し倒されるようにされたのでストップをかければ
「いいじゃないか、ダーヴィゼルドからはレジナスとも随分と仲良くなって帰ってきたのは嬉しいけど、僕とももっと仲良くして欲しいな。」
なんて言っている。確かに、帰ってきた時も向こうにいた時のくせで馬車を降りてもなんとなくレジナスさんと手を繋いでいた。
そして迎えに出て来てそんな私達を見たリオン様にはからかわれたけど、まさかここでもそれを言われるとは。
「今でも充分仲はいいと思いますけど⁉︎」
「だからもっと仲良く、だよ」
耳元で囁かれてそのままかぷりと耳たぶを噛まれる。
「ひゃ・・・!」
変な声が上がりかけた時だった。部屋の扉が軽くノックされて失礼します、とシェラさんの声がした。
あまりの驚きに目を見開いたままシェラさんを見つめれば、シェラさんもあの金色の瞳に甘やかな光を浮かべたまま僅かに目を細めて私を見つめている。
『そういえばシェラさんて、私の反応を楽しみながら見つめたままキスするのが好きだった・・・!』
はっと思い出して慌てて目をつぶる前の一瞬、恥ずかしさに視線を外せば目の端にはうっとりしたままこちらを見つめる若い女性やふらふらと気を失って倒れかけている女性が何人か見えた。
シェラさんを間近で見て、相変わらず無駄に垂れ流しっぱなしなその色気にあてられた人達だろう。
そんな事まで考えられるほどシェラさんの口付けは長い。・・・いやなんで⁉︎
ゆうに10秒は経っているんじゃないだろうか。いい加減解放して欲しいんですけど!と思いながら強く目を閉じていたらようやくシェラさんの唇が離れた。
「いいぞ騎士様!」
「ご伴侶様万歳‼︎」
「ご結婚おめでとうございます!」
わあわあと周りから口笛に指笛、拍手と共にそんな声がまだ聞こえてくる。
そんな人達にどう反応していいか分からず困ってしまった私は気恥ずかしさにそちらを見れずに背を向けているというのに、シェラさんはまるで舞台俳優がカーテンコールでアンコールの歓声に応えるかのように得意げに優雅に腰を折ってお辞儀をしている。
そして頭を下げたまま、ちらりと流し目でこちらを見ると
「さあどうぞレジナス、あなたの番ですよ。」
と微笑んだ。・・・へ?レジナスさんの番?
何のことか分からずにいたら、私の背後からふうと一つ大きなため息が聞こえたかと思うと
「すまないユーリ、恥ずかしいだろうが少しだけ我慢してくれ」
レジナスさんの声がかかって腕が引かれた。
そのまままるでダンスをするようにくるりと円を描いてレジナスさんの方へと回転しながら引き寄せられると、至近距離に僅かに目尻を朱に染めたあの生真面目な顔と夕陽色の瞳が一瞬見えた。
パチリと目が合い、レジナスさんは
「・・・こんな重要な場にもその髪飾りを着けてくれてありがとう。よく似合っている。」
そう言った。そしてその眉間に皺を寄せるようにぎゅっと強く目をつぶると私にぐっと覆い被さるようにして口付けてきた。
優雅に流れるような仕草のシェラさんとは違って、気恥ずかしさからか多少強引に押し倒されるような格好になればそれはまるでサルサを踊っているみたいに私の背中がのけ反ったままレジナスさんを受け止めての口付けになる。
その様子にまた周りは盛り上がって、
「こっちのご伴侶様も負けていないな!」
やら
「なんて情熱的なの・・・!」
とか
「素敵、あんな風に強引に奪われてみたいわ」
というため息混じりの声も目をつぶっている私の耳に聞こえてきた。中には
「あのレジナス様が人前でこんな事を・・・⁉︎」
なんて声も聞こえてきたからそれは多分ダーヴィゼルドの騎士達だろう。
いやホント、真面目なレジナスさんが人前でこんな事をするなんて。
一体何が起きているのか訳が分からない。
しかも二人に立て続けに口付けられて足から力が抜けそうになった。するとそれを察したのかすぐに唇を離したレジナスさんにぐいと身を起こされる。
かと思うと一瞬でその腕の中にお姫様抱っこされていた。
「ええ⁉︎」
混乱して赤い顔のままレジナスさんを見れば、
「そのまま俺の肩に顔を埋めていろ。これで皆の注目は俺とシェラに集まっただろうし、ユーリも歩かなくてすむからこのまま祭壇を降りる。」
レジナスさんも赤い顔のままあさっての方向を見ながらそんなことを言っている。そしてそんな私達に
「結婚式の練習の口付けにしては少し荒々し過ぎませんかねぇ、いくらルーシャの黒狼と呼ばれていても何もこんな時まで獣じみた口付けを人前で披露しなくても・・・」
と軽口を叩いたシェラさんを
「黙れ、行くぞ」
とさっきよりも赤みを増した顔のままギロリと睨んだ。
「分かりましたよ、ですが本番ではもう少し優しくユーリ様に口付けてあげてくださいね?」
「うるさい、お前に言われるまでもない」
そんなやりとりを二人がしているのをレジナスさんの肩に埋めた顔越しに聞く。
周りはまだ騒がしく、いいぞやらおめでとうやら言っていてまるで本当に結婚式を挙げて祝福されているみたいだ。
いやいや、これはジークムント様の祝福式なのにこんなにも私達に注目を集めてしまったらヒルダ様達に申し訳なさ過ぎる・・・と思っていた私の耳にヒルダ様の凛とした声が響いた。
「さあみんな、今日は公爵城の庭園を開放し、そこに祝い振る舞いの酒と料理をたっぷりと用意している。時間のある者はどうかそちらへも立ち寄ってくれ。そして我が子の健やかなる成長とユーリ様の結婚を共に祝おうぞ!」
その宣言にヒルダ様万歳!と周囲はまた一際盛り上がった。
こうなるともう祝福式どころかヒルダ様公認のプレ結婚式みたいなものだ。
それでいいんだ・・・?とレジナスさんの肩口に顔を埋めたまま私はさっきよりももっと赤くなっているだろう顔を他の人達に見られないようにしながら歓声の止まないその場を後にしたのだった。
「・・・って感じでダーヴィゼルド最後の日はもう本当に恥ずかしい目に遭ったんですよ!」
「それはまた随分と賑やかで楽しそうだったじゃないか。いいなあ、僕もその場にいたかったよ。」
ダーヴィゼルドでの休暇を終えて帰って来て、向こうでどう過ごしていたのかを夕食後のくつろいだ時間に話して聞かせるとリオン様はワイングラスを片手に本当に羨ましそうにそう言って笑った。
「そうしたら僕もユーリに口付けて結婚式の練習が出来たし、その場も更に盛り上がっただろうに。残念だなあ。」
「や、やめてくださいよ!おかげで確かに足が動かなくても壇上から降りられたし私だけが注目されずに視線は分散されましたけど、全然注目されなくなったわけじゃなかったんですから!」
そう。いくらレジナスさんの肩に顔を埋めていたとはいえ結局注目されていたのに変わりはない。
後で口付け前にあの二人が交わしていた会話の意味を思い返せば、観衆の期待に応えかつ私だけに集まった注目をかわしながら緊張で固まってしまった私を祭壇から動かすために
『先にシェラさんから口付けて、動けなくなった私を抱いて退場する役目は伴侶になった順番を考えてレジナスさんに任せた』
ということだ。私が緊張で固まってしまったあの一瞬でよくもまあそこまで考えたものだ。
「でも今からもう少し人前に出る練習をして多少は慣れておかないと、本番ではもっとたくさんの人達に見られるよ?式の後はパレードで王都を廻るし。」
「うっ」
「結婚式までのあと半年、人前に出るような任務や政務を少し増やして観衆の視線に慣れるようにしてみようか?勿論その場にはユーリを一人にせず僕やレジナスも同行するようにして。そうすれば心細くないでしょ?」
「うー・・・お願いします・・・。」
渋々頷く。仕方ない、立場上いつまでも人前に出るたびに緊張で固まるわけにはいかない。習うより慣れろだ。
「ユーリのそういうちゃんと頑張ろうとするところ好きだよ。」
ふんわりと微笑んだリオン様は一筋すくった私の髪の毛に口付けると、そのままぐっと近付いて顔に唇を寄せる。
「ちょ、ちょっと・・・!」
頬や鼻筋、口へと口付けられながら隣り合って座っていたソファにそのまま押し倒されるようにされたのでストップをかければ
「いいじゃないか、ダーヴィゼルドからはレジナスとも随分と仲良くなって帰ってきたのは嬉しいけど、僕とももっと仲良くして欲しいな。」
なんて言っている。確かに、帰ってきた時も向こうにいた時のくせで馬車を降りてもなんとなくレジナスさんと手を繋いでいた。
そして迎えに出て来てそんな私達を見たリオン様にはからかわれたけど、まさかここでもそれを言われるとは。
「今でも充分仲はいいと思いますけど⁉︎」
「だからもっと仲良く、だよ」
耳元で囁かれてそのままかぷりと耳たぶを噛まれる。
「ひゃ・・・!」
変な声が上がりかけた時だった。部屋の扉が軽くノックされて失礼します、とシェラさんの声がした。
あなたにおすすめの小説
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】
iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました
斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。
白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。
その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。
それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。
やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり――
白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。
身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。
王宮地味女官、只者じゃねぇ
宵森みなと
恋愛
地味で目立たず、ただ真面目に働く王宮の女官・エミリア。
しかし彼女の正体は――剣術・魔法・語学すべてに長けた首席卒業の才女にして、実はとんでもない美貌と魔性を秘めた、“自覚なしギャップ系”最強女官だった!?
王女付き女官に任命されたその日から、運命が少しずつ動き出す。
訛りだらけのマーレン語で王女に爆笑を起こし、夜会では仮面を外した瞬間、貴族たちを騒然とさせ――
さらには北方マーレン国から訪れた黒髪の第二王子をも、一瞬で虜にしてしまう。
「おら、案内させてもらいますけんの」
その一言が、国を揺らすとは、誰が想像しただろうか。
王女リリアは言う。「エミリアがいなければ、私は生きていけぬ」
副長カイルは焦る。「このまま、他国に連れて行かれてたまるか」
ジークは葛藤する。「自分だけを見てほしいのに、届かない」
そしてレオンハルト王子は心を決める。「妻に望むなら、彼女以外はいない」
けれど――当の本人は今日も地味眼鏡で事務作業中。
王族たちの心を翻弄するのは、無自覚最強の“訛り女官”。
訛って笑いを取り、仮面で魅了し、剣で守る――
これは、彼女の“本当の顔”が王宮を変えていく、壮麗な恋と成長の物語。
★この物語は、「枯れ専モブ令嬢」の5年前のお話です。クラリスが活躍する前で、少し若いイザークとライナルトがちょっと出ます。
【完結】竜人が番と出会ったのに、誰も幸せにならなかった
凛蓮月@騎士の夫〜発売中です
恋愛
【感想をお寄せ頂きありがとうございました(*^^*)】
竜人のスオウと、酒場の看板娘のリーゼは仲睦まじい恋人同士だった。
竜人には一生かけて出会えるか分からないとされる番がいるが、二人は番では無かった。
だがそんな事関係無いくらいに誰から見ても愛し合う二人だったのだ。
──ある日、スオウに番が現れるまでは。
全8話。
※他サイトで同時公開しています。
※カクヨム版より若干加筆修正し、ラストを変更しています。
契約結婚から始まる公爵家改造計画 ~魔力ゴミ令嬢は最強魔術師の胃袋をつかみました~
夢喰るか
恋愛
貧乏男爵令嬢エマは、破格の報酬に惹かれて「人食い公爵」と恐れられるヴォルガード公爵邸の乳母に応募する。そこで出会ったのは、魔力過多症で衰弱する三歳のレオと、冷酷な氷の魔術師ジークフリート。前世の保育士経験を持つエマは、自身の「浄化魔力」で作った料理でレオを救い、契約結婚を結ぶことに。エマの温かさに触れ、ジークフリートの凍りついた心は次第に溶けていく。
【完結】能力が無くても聖女ですか?
天冨 七緒
恋愛
孤児院で育ったケイトリーン。
十二歳になった時特殊な能力が開花し、体調を崩していた王妃を治療する事に…
無事に王妃を完治させ、聖女と呼ばれるようになっていたが王妃の治癒と引き換えに能力を使い果たしてしまった。能力を失ったにも関わらず国王はケイトリーンを王子の婚約者に決定した。
周囲は国王の命令だと我慢する日々。
だが国王が崩御したことで、王子は周囲の「能力の無くなった聖女との婚約を今すぐにでも解消すべき」と押され婚約を解消に…
行く宛もないが婚約解消されたのでケイトリーンは王宮を去る事に…門を抜け歩いて城を後にすると突然足元に魔方陣が現れ光に包まれる…
「おぉー聖女様ぁ」
眩い光が落ち着くと歓声と共に周囲に沢山の人に迎えられていた。ケイトリーンは見知らぬ国の聖女として召喚されてしまっていた…
タイトル変更しました
召喚されましたが聖女様ではありません…私は聖女様の世話係です
【完結】転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
気がつけば異世界
蝋梅
恋愛
芹沢 ゆら(27)は、いつものように事務仕事を終え帰宅してみれば、母に小さい段ボールの箱を渡される。
それは、つい最近亡くなった骨董屋を営んでいた叔父からの品だった。
その段ボールから最後に取り出した小さなオルゴールの箱の中には指輪が1つ。やっと合う小指にはめてみたら、部屋にいたはずが円柱のてっぺんにいた。
これは現実なのだろうか?
私は、まだ事の重大さに気づいていなかった。