673 / 777
番外編
王様は誰だ 4
しおりを挟む
シグウェルさんの、あの氷のように冷たい無表情な美貌にはとても似つかわしくない『にゃあ』なんて単語が発せられたのも衝撃だけど・・・なんでまたそんな命令を?
もし私に当たっていなくて他の誰かでも「猫みたいな語尾で話せ」なんて命令をしたんだろうか。
いやまあ、リオン様達がそんな語尾を付けて話している姿は少し見てみたい気もするけど。
なんて事を私が考えている間もシグウェルさんは
「2番の棒の持ち主はユーリだったか。」
ではやってもらおうか?と促してくる。
「待ってください、一体どこからそんな発想が湧いて出たんですか⁉︎」
子どもならともかく、いい年をした大人が語尾に「にゃー」とか「にゃん」とか付けて話すのは恥ずかしい。
なんかそういうコンセプトのカフェやお店で働く人のようなあざとさっていうか、いかがわしさを感じるんですけど?
それに魔法にしか興味のないシグウェルさんがこんなふざけた事を突然思いつくのも信じられない。誰かの入れ知恵かな?
レジナスさんは真面目だからナイとして、怪しいのはリオン様とシェラさんだ。四人で集まった時にでも、そんな話題が出たことがあるんだろうか。
疑いの目でリオン様達を見れば
「え、何ユーリ。どうしてそんな目で僕らを見てるのさ?」
「もしかして何か疑っていますか?」
と逆に二人には不思議そうな目で見つめ返された。あれ、違った?じゃあなんで。
「ユーリ、語尾が違う。王様の命令通りに、だ。」
さっき疑問を呈した私にシグウェルさんから素早く指導が入った。
その言葉にうぐ、とまたリオン様達にかけようとした言葉を飲み込む。
さっき嫌がるレジナスさんにも散々王様として命令した立場としては私も王様の命令に従うしかない。
「な、なんでそんな命令なんですか・・・にゃん。普段のシグウェルさんなら絶対に思い付かなそうな発想だし、てっきりリオン様かシェラさんにでもそんな話をされてたのかなあって気になったにゃん!」
語尾ににゃんを付けながら普段通りに話すのは思ったより難しい。いつもよりちょっと崩したくらいの話し方の方が喋りやすいんだなと四苦八苦していれば、
「僕らはそんな話、一度もしたことはないよ。それにしても随分と可愛いねその話し方。」
リオン様にくすりと笑われ、レジナスさんもほのかに頬を染めながら黙って小さくそれに頷いている。そしてシェラさんには
「ユーリ様・・・。今からでも髪型を猫耳に整えてもよろしいですか?いえ、ぜひそうさせてください。そうすれば更に猫らしい愛らしさが増すはずです。」
と懇願された。
「いやにゃん、絶対にお断りにゃん!」
命令通りの話し方をすればするほど、かわいいものを愛でるように私を見る四人の視線に落ち着かない。言ってるこっちはかなり恥ずかしいのに。くっ・・・いっそ殺せ・・・!
くっ殺精神ってこんな感じなんだと恥ずかしさに四人の顔を見れず下を向いていれば、シグウェルさんが
「以前マリーが他の侍女達とユーリのあの猫耳の髪型について話していたのを小耳に挟んだことがある。その時『これで話す時も猫のように、にゃあとでも付け加えてもらえれば、それはきっとさぞかし愛らしいのだろう』と言っていたのを思い出したんだが・・・試しに命じてみて正解だったな。」
そんな事を話したので顔を上げる。
「ええ・・・?」
何それ。満足そうなシグウェルさんの隣ではシェラさんも
「英断です」
なんて頷いているけど待って待って。その言葉から察すると・・・。
「ちょっと待ってくださいにゃん!じゃあ今の命令って、ピンポイントで私に当てに来てたってことですにゃん⁉︎誰が2番の棒を持っているか分からなかったはずなのになんでにゃん⁉︎」
怪しい、と抗議すればこっちは必死だと言うのにリオン様は
「言えば言うほど可愛いね、まるで猫のお姫様みたいだ。さっきのレジナスじゃないけど頭を撫でてあげたくなるよ」
なんてのん気だし、レジナスさんも
「さっきの命令も俺ではなくユーリに当たっていれば良かったですね」
と同意している。
「二人とも!これってシグウェルさんがゲームでイカサマしてるかも知れないってことですにゃん⁉︎それでもいいにゃん⁉︎」
よく考えたらシグウェルさんはあのゲームや賭け事大好きキリウさんの子孫だった。
そして私が過去の世界に飛ばされた時、レニ様と賭けをしたキリウさんはイカサマをして大人げなくレニ様に勝ったこともある。
血は争えないというし、まさかシグウェルさんも私が語尾ににゃんを付けて話すのを見たくて何かイカサマでもしたんじゃないの?
「ちょっとみんなの棒も見せるにゃん!」
棒に仕掛けでもあるのかと、四人から奪い取った棒と私の持っている物をじっくり確かめるけど何もない。
さっきレジナスさんが勢い余って折ってしまい作り直した棒も含めて、5本とも綺麗なもので目印になるキズや欠けもない。
「絶対におかしいにゃん・・・!」
唸るように言った私に動じることなくシグウェルさんは
「気が済んだか?」
なんて言っている。ついでに面白そうに肘をつきながらあの綺麗なアメジストの瞳を細めて
「イカサマだと言うのなら証拠を見つけなければな。そうでなければそれはただの疑いだ。しっかりよく見てみたらどうだ?」
優雅にとんとんとその指先で自分の目元をついて挑発めいたことまでする。ますます怪しい。やっぱり何か仕掛けがあるんじゃないの?
でも確かに、証拠がなければこれはただのイカサマ疑惑で命令を断る理由にもならない。
それにゲームはちょうど折り返しで、あと5回やると終わりだ。
いくら疑わしくてもこれ以上私に何か命令が当たることはそうないだろう。あってもせいぜい、一回か二回じゃないかな?レジナスさんで命令が偶然当たったのは二回だけだし。
「じゃあゲームを続けますにゃん・・・!」
イカサマの疑いが晴れないまま、とりあえずゲームを続けることにする。何しろあと5回頑張ればお城のみんなのお給料が僅かとはいえ増えるのだ。
と、次の王様は初めてレジナスさんに当たった。レジナスさんなら誰に命令するにしてもおかしな事は言わないよね。
安心と安全、信頼のレジナスさんが王様になったらどんな命令をするんだろう?
なんて私は自分の棒に書かれた1番という数字を目の端で確かめながら、絶対にそれが誰にも見えないようにぎゅうぎゅうに握りしめる。レジナスさんには悪いけど、念のためのイカサマ防止だ。
すると、少し考えたレジナスさんはごほんと一つ咳払いをして
「・・・2番が1番を膝に乗せる」
重々しく言った。・・・へ?
その言葉にぽかんとする。い、1番?今1番って言った?なんでまた私?
「まさかレジナスさん、私の番号を見ましたか⁉︎」
一体私は誰の膝に乗せられるっていうのか。そもそもそんな命令がピンポイントでまた私に当たるのも怪しい。まさかとは思うけど、レジナスさんまで何かイカサマを?
するとそんな私にレジナスさんが答える前にリオン様が弾んだ声で
「ああ、2番は僕だね。」
と数字の書かれた棒を私に見せてきた。
「こんな事を命じられるなら、命令される側になるのも悪くないね。」
おいでユーリ、なんて満面の笑顔で待っている。
ますます怪しいよ、リオン様が私を膝に乗せる命令なんていかにも主人に忠実なレジナスさんぽい。
絶対に怪しい、何かある。なのにイカサマの証拠がない。不審に思ったまま渋々リオン様の膝の上に座れば、そのまま後ろからぎゅっと抱きしめられて
「王様ゲームって楽しいね」
と囁かれた。いや、こっちは全然ですけど⁉︎
もし私に当たっていなくて他の誰かでも「猫みたいな語尾で話せ」なんて命令をしたんだろうか。
いやまあ、リオン様達がそんな語尾を付けて話している姿は少し見てみたい気もするけど。
なんて事を私が考えている間もシグウェルさんは
「2番の棒の持ち主はユーリだったか。」
ではやってもらおうか?と促してくる。
「待ってください、一体どこからそんな発想が湧いて出たんですか⁉︎」
子どもならともかく、いい年をした大人が語尾に「にゃー」とか「にゃん」とか付けて話すのは恥ずかしい。
なんかそういうコンセプトのカフェやお店で働く人のようなあざとさっていうか、いかがわしさを感じるんですけど?
それに魔法にしか興味のないシグウェルさんがこんなふざけた事を突然思いつくのも信じられない。誰かの入れ知恵かな?
レジナスさんは真面目だからナイとして、怪しいのはリオン様とシェラさんだ。四人で集まった時にでも、そんな話題が出たことがあるんだろうか。
疑いの目でリオン様達を見れば
「え、何ユーリ。どうしてそんな目で僕らを見てるのさ?」
「もしかして何か疑っていますか?」
と逆に二人には不思議そうな目で見つめ返された。あれ、違った?じゃあなんで。
「ユーリ、語尾が違う。王様の命令通りに、だ。」
さっき疑問を呈した私にシグウェルさんから素早く指導が入った。
その言葉にうぐ、とまたリオン様達にかけようとした言葉を飲み込む。
さっき嫌がるレジナスさんにも散々王様として命令した立場としては私も王様の命令に従うしかない。
「な、なんでそんな命令なんですか・・・にゃん。普段のシグウェルさんなら絶対に思い付かなそうな発想だし、てっきりリオン様かシェラさんにでもそんな話をされてたのかなあって気になったにゃん!」
語尾ににゃんを付けながら普段通りに話すのは思ったより難しい。いつもよりちょっと崩したくらいの話し方の方が喋りやすいんだなと四苦八苦していれば、
「僕らはそんな話、一度もしたことはないよ。それにしても随分と可愛いねその話し方。」
リオン様にくすりと笑われ、レジナスさんもほのかに頬を染めながら黙って小さくそれに頷いている。そしてシェラさんには
「ユーリ様・・・。今からでも髪型を猫耳に整えてもよろしいですか?いえ、ぜひそうさせてください。そうすれば更に猫らしい愛らしさが増すはずです。」
と懇願された。
「いやにゃん、絶対にお断りにゃん!」
命令通りの話し方をすればするほど、かわいいものを愛でるように私を見る四人の視線に落ち着かない。言ってるこっちはかなり恥ずかしいのに。くっ・・・いっそ殺せ・・・!
くっ殺精神ってこんな感じなんだと恥ずかしさに四人の顔を見れず下を向いていれば、シグウェルさんが
「以前マリーが他の侍女達とユーリのあの猫耳の髪型について話していたのを小耳に挟んだことがある。その時『これで話す時も猫のように、にゃあとでも付け加えてもらえれば、それはきっとさぞかし愛らしいのだろう』と言っていたのを思い出したんだが・・・試しに命じてみて正解だったな。」
そんな事を話したので顔を上げる。
「ええ・・・?」
何それ。満足そうなシグウェルさんの隣ではシェラさんも
「英断です」
なんて頷いているけど待って待って。その言葉から察すると・・・。
「ちょっと待ってくださいにゃん!じゃあ今の命令って、ピンポイントで私に当てに来てたってことですにゃん⁉︎誰が2番の棒を持っているか分からなかったはずなのになんでにゃん⁉︎」
怪しい、と抗議すればこっちは必死だと言うのにリオン様は
「言えば言うほど可愛いね、まるで猫のお姫様みたいだ。さっきのレジナスじゃないけど頭を撫でてあげたくなるよ」
なんてのん気だし、レジナスさんも
「さっきの命令も俺ではなくユーリに当たっていれば良かったですね」
と同意している。
「二人とも!これってシグウェルさんがゲームでイカサマしてるかも知れないってことですにゃん⁉︎それでもいいにゃん⁉︎」
よく考えたらシグウェルさんはあのゲームや賭け事大好きキリウさんの子孫だった。
そして私が過去の世界に飛ばされた時、レニ様と賭けをしたキリウさんはイカサマをして大人げなくレニ様に勝ったこともある。
血は争えないというし、まさかシグウェルさんも私が語尾ににゃんを付けて話すのを見たくて何かイカサマでもしたんじゃないの?
「ちょっとみんなの棒も見せるにゃん!」
棒に仕掛けでもあるのかと、四人から奪い取った棒と私の持っている物をじっくり確かめるけど何もない。
さっきレジナスさんが勢い余って折ってしまい作り直した棒も含めて、5本とも綺麗なもので目印になるキズや欠けもない。
「絶対におかしいにゃん・・・!」
唸るように言った私に動じることなくシグウェルさんは
「気が済んだか?」
なんて言っている。ついでに面白そうに肘をつきながらあの綺麗なアメジストの瞳を細めて
「イカサマだと言うのなら証拠を見つけなければな。そうでなければそれはただの疑いだ。しっかりよく見てみたらどうだ?」
優雅にとんとんとその指先で自分の目元をついて挑発めいたことまでする。ますます怪しい。やっぱり何か仕掛けがあるんじゃないの?
でも確かに、証拠がなければこれはただのイカサマ疑惑で命令を断る理由にもならない。
それにゲームはちょうど折り返しで、あと5回やると終わりだ。
いくら疑わしくてもこれ以上私に何か命令が当たることはそうないだろう。あってもせいぜい、一回か二回じゃないかな?レジナスさんで命令が偶然当たったのは二回だけだし。
「じゃあゲームを続けますにゃん・・・!」
イカサマの疑いが晴れないまま、とりあえずゲームを続けることにする。何しろあと5回頑張ればお城のみんなのお給料が僅かとはいえ増えるのだ。
と、次の王様は初めてレジナスさんに当たった。レジナスさんなら誰に命令するにしてもおかしな事は言わないよね。
安心と安全、信頼のレジナスさんが王様になったらどんな命令をするんだろう?
なんて私は自分の棒に書かれた1番という数字を目の端で確かめながら、絶対にそれが誰にも見えないようにぎゅうぎゅうに握りしめる。レジナスさんには悪いけど、念のためのイカサマ防止だ。
すると、少し考えたレジナスさんはごほんと一つ咳払いをして
「・・・2番が1番を膝に乗せる」
重々しく言った。・・・へ?
その言葉にぽかんとする。い、1番?今1番って言った?なんでまた私?
「まさかレジナスさん、私の番号を見ましたか⁉︎」
一体私は誰の膝に乗せられるっていうのか。そもそもそんな命令がピンポイントでまた私に当たるのも怪しい。まさかとは思うけど、レジナスさんまで何かイカサマを?
するとそんな私にレジナスさんが答える前にリオン様が弾んだ声で
「ああ、2番は僕だね。」
と数字の書かれた棒を私に見せてきた。
「こんな事を命じられるなら、命令される側になるのも悪くないね。」
おいでユーリ、なんて満面の笑顔で待っている。
ますます怪しいよ、リオン様が私を膝に乗せる命令なんていかにも主人に忠実なレジナスさんぽい。
絶対に怪しい、何かある。なのにイカサマの証拠がない。不審に思ったまま渋々リオン様の膝の上に座れば、そのまま後ろからぎゅっと抱きしめられて
「王様ゲームって楽しいね」
と囁かれた。いや、こっちは全然ですけど⁉︎
141
あなたにおすすめの小説
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
結婚後、訳もわからないまま閉じ込められていました。
しゃーりん
恋愛
結婚して二年、別邸に閉じ込められていたハリエット。
友人の助けにより外に出ることができ、久しぶりに見た夫アルバートは騎士に連行されるところだった。
『お前のせいだ!』と言われても訳がわからなかった。
取り調べにより判明したのは、ハリエットには恋人がいるのだとアルバートが信じていたこと。
彼にその嘘を吹き込んだのは、二人いたというお話です。
転生皇女セラフィナ
秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。
目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。
赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。
皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。
前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。
しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。
一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。
「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」
そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。
言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。
それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。
転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。
※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。
【完結】お見合いに現れたのは、昨日一緒に食事をした上司でした
楠結衣
恋愛
王立医務局の調剤師として働くローズ。自分の仕事にやりがいを持っているが、行き遅れになることを家族から心配されて休日はお見合いする日々を過ごしている。
仕事量が多い連休明けは、なぜか上司のレオナルド様と二人きりで仕事をすることを不思議に思ったローズはレオナルドに質問しようとするとはぐらかされてしまう。さらに夕食を一緒にしようと誘われて……。
◇表紙のイラストは、ありま氷炎さまに描いていただきました♪
◇全三話予約投稿済みです
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
竜王の「運命の花嫁」に選ばれましたが、殺されたくないので必死に隠そうと思います! 〜平凡な私に待っていたのは、可愛い竜の子と甘い溺愛でした〜
四葉美名
恋愛
「危険です! 突然現れたそんな女など処刑して下さい!」
ある日突然、そんな怒号が飛び交う異世界に迷い込んでしまった橘莉子(たちばなりこ)。
竜王が統べるその世界では「迷い人」という、国に恩恵を与える異世界人がいたというが、莉子には全くそんな能力はなく平凡そのもの。
そのうえ莉子が現れたのは、竜王が初めて開いた「婚約者候補」を集めた夜会。しかも口に怪我をした治療として竜王にキスをされてしまい、一気に莉子は竜人女性の目の敵にされてしまう。
それでもひっそりと真面目に生きていこうと気を取り直すが、今度は竜王の子供を産む「運命の花嫁」に選ばれていた。
その「運命の花嫁」とはお腹に「竜王の子供の魂が宿る」というもので、なんと朝起きたらお腹から勝手に子供が話しかけてきた!
『ママ! 早く僕を産んでよ!』
「私に竜王様のお妃様は無理だよ!」
お腹に入ってしまった子供の魂は私をせっつくけど、「運命の花嫁」だとバレないように必死に隠さなきゃ命がない!
それでも少しずつ「お腹にいる未来の息子」にほだされ、竜王とも心を通わせていくのだが、次々と嫌がらせや命の危険が襲ってきて――!
これはちょっと不遇な育ちの平凡ヒロインが、知らなかった能力を開花させ竜王様に溺愛されるお話。
設定はゆるゆるです。他サイトでも重複投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる