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番外編
かわいい子には旅をさせよう 37
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どうしてもリオン様達から私宛ての手紙を見たがるユリウスさんを牽制して、なんとか話題を別へと変えようと
「ところでユリウスさん、私が滞在中に温泉に入れそうっていうのは本当ですか?そこまで順調に整備が進んでるんですか?」
私が一番気になっていることを聞いてみた。
視察に行ったあの場所、岩がゴロゴロしていたし温泉の酸でやられたのか地面も草が生えていなくて荒涼としていた。おまけに少し前までの水害のせいで道のぬかるみもひどかったし。
あそこにまず資材やら何やらを運ぶための道路を整備して、ものすごい高温の源泉の流れをいい感じに温泉に出来そうな場所へ誘導して、更には切り出した木材で建物を建てて・・・とくつろいだ雰囲気で温泉に浸かるまでにはやる事がだいぶ多い気がする。
今更ながら滞在を三日延ばした程度でどうにかなるもんじゃないというのに気付きかけていた。
それに私が温泉に入りたい!なんて言ったせいでみんなに無理をさせてるんじゃ?ということも、ヘロヘロなユリウスさんを見ていたらさすがに気になって申し訳なくなる。
「魔力とか体力回復の加護の他にも何か私にも手伝えることがあればぜひやらせてください!」
ぐっとこぶしを握って力説したら、
「え?ユーリ様も手伝ってくれるんすか?それはありがたいっすけど・・・」
どうしようかな、とユリウスさんが迷っている。
あ、これはなんか私にも出来ることがありそうな雰囲気。
ただチラチラと私とシェラさんを交互に見ながら言い淀んでいる辺り、私を手伝わせたらシェラさんに制裁されるのを警戒してるっぽい。
なのでもう一押しする。
「この町で私に出来そうなことはもう大体やり終えちゃったんです。一番重要な山への苗木の植林をしたのは勿論、具合の悪そうな人達も治して農地や家畜にも加護を与えたし。遠い水汲み場まで行かなくてもいいように町の中心部の井戸も復活させたし、川岸の並木に綺麗なお花も咲かせて来たんですよ?あとはもう他にやることがなくなっちゃいました!」
指折り数えてここに来てからした事を話せば、我ながら色々とこなしたなあと思う。
それを聞いていたシェラさんには
「その他にも豊かな食料を恵んでくださるパン籠やぶどう酒樽も加護の力で作り出しましたしね。」
と頷かれてから
「それなのにユリウス副団長を手伝ってまだ働くおつもりで?後の作業はもう全て任せてしまい、温泉の形が整うまでゆっくりお休みになられては?」
と言われてしまった。どうやら私が温泉整備を手伝うのは反対らしい。
「みんながまだ頑張って働いてるのに私だけ休むのは申し訳ないですよ!でも他に私の出来そうなことは全部やっちゃったからどうしてもユリウスさんを手伝いたいんです。お願い、シェラさん!」
ユリウスさんのお手伝いをするにはまずシェラさんの許可がなければ何も出来なさそうなので、まずはそちらを攻略することにする。
「危ないところには行かないし、どうしても心配ならレジナスさんみたいに私をずっと縦抱っこして移動して歩いてもいいですから!」
仕方なく、最大の譲歩にしてシェラさんの心が動きそうなカードを切ってみた。
癒やし子だからと大事に扱われている王宮の中ではレジナスさんの縦抱っこで移動する私、なんてのは召喚直後からずっとその調子なのでもはや誰も驚かないし慣れっこになっている。
ただそれをこんな地方の人達の前で披露するというのは私にしてみれば相当恥ずかしいことだ。
現に先日の勇者様の手紙がある祠を訪れる時だってギリギリまでシェラさんの縦抱っこの申し出を断っていたし。
だからその分、私の方からのその申し出はシェラさんには充分魅力的な提案なはずだ。
ユリウスさんも
「ちょっとユーリ様、自分からそんな事言っちゃうなんてどうしたんすか!?」
ってびっくりしてる。
でも忙しいユリウスさんの作業を手伝ってあげたいし、その分温泉の完成も早まって町の人達にも喜んでもらえるかも知れない。
「シェラさんが私のことを心配しているからですよ。そうすれば安全に移動できるし、より近くで護衛出来るじゃないですか?しっかり守られてると思えば私も安心して力を使えるし。」
「いや、ユーリ様を縦抱っこしたらそれで両手が塞がるから護衛の意味なくないっすか?」
私が何とか捻り出したへ理屈にユリウスさんは至極真っ当な突っ込みを入れた。
と、そんなユリウスさんの口にシェラさんは私のために作ったと言っていたサンドイッチをぎゅっと詰め込んで物理的に口を塞ぐ。
「もが!?」
「少し黙っていただけますか?そもそもたかが両手が使えないくらいでオレがユーリ様をお護り出来なくなるわけがありません。むしろこの手に女神を抱ける喜びでより一層職務に身が入りますよ。」
そう言ったシェラさんはユリウスさんから私へと向き直った。
「そこまでしてユリウス副団長のお手伝いをしたいのですか?」
「はい!」
こくりと頷けば、仕方ないですねとシェラさんは目を細めた。
「ではきちんとオレの腕に抱かれていてくださいね。その御力を使われる時も、出来る限りオレの腕の中でですよ?無理をせず、オレの言うこともちゃんと聞いていただきます。」
随分と念を押してくるけど心配し過ぎっていうか過保護だなあ。
だけどまあ、これで明日はユリウスさんを手伝えそうだ。
私に出来ることがあるかも知れないのに何もしないでいるのに比べたら、公衆の面前を過保護な縦抱っこ移動しながら力を使う恥ずかしさなんて何のその、だ。
「はい、ちゃんとシェラさんの言うことを聞きますよ!」
「承知しました。明日が楽しみです」
にっこりと色気滴る笑顔からさらにまた溢れんばかりの艶やかさを顔に乗せたシェラさんに、ユリウスさんは顔をしかめた。
「無駄にまぶしっ!ていうかユーリ様、そこまでして手伝いに来てくれるなんてマジで感謝っす。俺は仮眠を取ったらまたすぐ向こうに行くんで、明日はあっちでユーリ様が来るのをお迎えするっすね!」
そうと決まればさっさと食べて休もうとばかりにテーブルの上に乗ったお皿にユリウスさんは手をつけ始める。
なので私も
「明日はよろしくお願いしますね、私に出来ることはなんでもやりますから!」
次の日の合流を約束して、その日は別れた。
そして翌日。
「なんで猫耳なんですかシェラさん!?」
張り切ってシェラさんに朝の支度を任せ、出来ましたよと言われて渡された手鏡を覗いた私は抗議の声を上げた。
「私、動きやすい髪型でお願いしますって言いましたよね?」
奥の院の豪華な部屋と違って、多少広くて大きめな部屋だとしてもごく一般的なこの宿屋の一室に鏡台なんて立派なものはない。
だからシェラさんにお任せで頼んだ髪型がどんなものかは出来上がって手鏡を渡されるまでは知る由もなかった。
でもシェラさんのことだから絶対に私に悪いようにはしないだろうと安心して、髪の毛をいじってもらいながら楽しくおしゃべりをして任せっぱなしにしていたのだ。
マリーさんもそれを見ながら
「あら今日もとても素敵な髪型ですね!私も頑張ってそれに似合うようなお洋服を準備しないと!」
っていつも通りニコニコしながら服や靴を選んでいた。
・・・いや、今にして思えばいつも通りっていうかいつもよりちょっとテンション高めだったかな!?
「とにかく、なんで猫耳!?私、今日はユリウスさんや騎士さん達のお手伝いをするのに。遊びに行くんじゃないんですよ?」
まあ遊びに行くとしても猫耳だけはごめんだけども。
手鏡を片手にそう文句を言ってもシェラさんは平然としている。
それどころか
「オレの言うことは聞いていただきますと昨日申し上げたはずですが・・・。それに対してユーリ様も『ちゃんと言うことを聞きます』とオレを見つめて頷き、大変かわいらしくお返事をされましたよね?」
と昨日の私とのやり取りを思い出したのかうっとりと目を細めた。
誰もシェラさんを見つめながら頷いてもいないしかわいく返事もしていない。誇大妄想だ。
私はごく普通に返事をしただけなはずなんだけどな!?
「シェラさんの言うことを聞くってこういうこと!?」
「こういうことです」
なんだか騙された気分だ。しかも
「どうせオレに抱き上げられているのですし、動きやすい髪型でなくとも良いではありませんか。それよりもユーリ様が一番愛らしく見えるこの髪型の方が現場の騎士達の士気高揚にもなります」
なんて言う始末だ。マリーさんまで
「あまり動き回らずに汚れる心配がないのであれば、持参した中で一番可愛いお召し物を準備しますね!」
とレースやフリルがたっぷり使われている甘々な雰囲気のドレスにシルク素材のツヤツヤな靴を並べている。
「ううっ・・・」
公衆の面前での縦抱っこ移動という恥ずかしさだけを我慢してユリウスさんのお手伝いの許可をもらったはずが、倍返しをくらったような気がする。
シェラさんの弱みをついて勝った気になっていたのにいつの間にか負けた気分だ。
「腑に落ちないです・・・!」
往生際悪く食い下がる私に
「ですが全てユーリ様も了承の上のことですからねぇ・・・。どうぞその愛らしい猫耳の髪型と可愛らしいドレス姿で安心してオレに身を預けてください。この腕の中におられる間はいつも以上にどのような脅威からもお護りいたしますよ」
朝から無駄な色気満載の笑顔でそう微笑んだシェラさんは
「さあどうぞ、約束通りオレの言うことを聞いて?」
お願いをするというよりかはまるで命令をするかのように念押しをしてきたのだった。
「ところでユリウスさん、私が滞在中に温泉に入れそうっていうのは本当ですか?そこまで順調に整備が進んでるんですか?」
私が一番気になっていることを聞いてみた。
視察に行ったあの場所、岩がゴロゴロしていたし温泉の酸でやられたのか地面も草が生えていなくて荒涼としていた。おまけに少し前までの水害のせいで道のぬかるみもひどかったし。
あそこにまず資材やら何やらを運ぶための道路を整備して、ものすごい高温の源泉の流れをいい感じに温泉に出来そうな場所へ誘導して、更には切り出した木材で建物を建てて・・・とくつろいだ雰囲気で温泉に浸かるまでにはやる事がだいぶ多い気がする。
今更ながら滞在を三日延ばした程度でどうにかなるもんじゃないというのに気付きかけていた。
それに私が温泉に入りたい!なんて言ったせいでみんなに無理をさせてるんじゃ?ということも、ヘロヘロなユリウスさんを見ていたらさすがに気になって申し訳なくなる。
「魔力とか体力回復の加護の他にも何か私にも手伝えることがあればぜひやらせてください!」
ぐっとこぶしを握って力説したら、
「え?ユーリ様も手伝ってくれるんすか?それはありがたいっすけど・・・」
どうしようかな、とユリウスさんが迷っている。
あ、これはなんか私にも出来ることがありそうな雰囲気。
ただチラチラと私とシェラさんを交互に見ながら言い淀んでいる辺り、私を手伝わせたらシェラさんに制裁されるのを警戒してるっぽい。
なのでもう一押しする。
「この町で私に出来そうなことはもう大体やり終えちゃったんです。一番重要な山への苗木の植林をしたのは勿論、具合の悪そうな人達も治して農地や家畜にも加護を与えたし。遠い水汲み場まで行かなくてもいいように町の中心部の井戸も復活させたし、川岸の並木に綺麗なお花も咲かせて来たんですよ?あとはもう他にやることがなくなっちゃいました!」
指折り数えてここに来てからした事を話せば、我ながら色々とこなしたなあと思う。
それを聞いていたシェラさんには
「その他にも豊かな食料を恵んでくださるパン籠やぶどう酒樽も加護の力で作り出しましたしね。」
と頷かれてから
「それなのにユリウス副団長を手伝ってまだ働くおつもりで?後の作業はもう全て任せてしまい、温泉の形が整うまでゆっくりお休みになられては?」
と言われてしまった。どうやら私が温泉整備を手伝うのは反対らしい。
「みんながまだ頑張って働いてるのに私だけ休むのは申し訳ないですよ!でも他に私の出来そうなことは全部やっちゃったからどうしてもユリウスさんを手伝いたいんです。お願い、シェラさん!」
ユリウスさんのお手伝いをするにはまずシェラさんの許可がなければ何も出来なさそうなので、まずはそちらを攻略することにする。
「危ないところには行かないし、どうしても心配ならレジナスさんみたいに私をずっと縦抱っこして移動して歩いてもいいですから!」
仕方なく、最大の譲歩にしてシェラさんの心が動きそうなカードを切ってみた。
癒やし子だからと大事に扱われている王宮の中ではレジナスさんの縦抱っこで移動する私、なんてのは召喚直後からずっとその調子なのでもはや誰も驚かないし慣れっこになっている。
ただそれをこんな地方の人達の前で披露するというのは私にしてみれば相当恥ずかしいことだ。
現に先日の勇者様の手紙がある祠を訪れる時だってギリギリまでシェラさんの縦抱っこの申し出を断っていたし。
だからその分、私の方からのその申し出はシェラさんには充分魅力的な提案なはずだ。
ユリウスさんも
「ちょっとユーリ様、自分からそんな事言っちゃうなんてどうしたんすか!?」
ってびっくりしてる。
でも忙しいユリウスさんの作業を手伝ってあげたいし、その分温泉の完成も早まって町の人達にも喜んでもらえるかも知れない。
「シェラさんが私のことを心配しているからですよ。そうすれば安全に移動できるし、より近くで護衛出来るじゃないですか?しっかり守られてると思えば私も安心して力を使えるし。」
「いや、ユーリ様を縦抱っこしたらそれで両手が塞がるから護衛の意味なくないっすか?」
私が何とか捻り出したへ理屈にユリウスさんは至極真っ当な突っ込みを入れた。
と、そんなユリウスさんの口にシェラさんは私のために作ったと言っていたサンドイッチをぎゅっと詰め込んで物理的に口を塞ぐ。
「もが!?」
「少し黙っていただけますか?そもそもたかが両手が使えないくらいでオレがユーリ様をお護り出来なくなるわけがありません。むしろこの手に女神を抱ける喜びでより一層職務に身が入りますよ。」
そう言ったシェラさんはユリウスさんから私へと向き直った。
「そこまでしてユリウス副団長のお手伝いをしたいのですか?」
「はい!」
こくりと頷けば、仕方ないですねとシェラさんは目を細めた。
「ではきちんとオレの腕に抱かれていてくださいね。その御力を使われる時も、出来る限りオレの腕の中でですよ?無理をせず、オレの言うこともちゃんと聞いていただきます。」
随分と念を押してくるけど心配し過ぎっていうか過保護だなあ。
だけどまあ、これで明日はユリウスさんを手伝えそうだ。
私に出来ることがあるかも知れないのに何もしないでいるのに比べたら、公衆の面前を過保護な縦抱っこ移動しながら力を使う恥ずかしさなんて何のその、だ。
「はい、ちゃんとシェラさんの言うことを聞きますよ!」
「承知しました。明日が楽しみです」
にっこりと色気滴る笑顔からさらにまた溢れんばかりの艶やかさを顔に乗せたシェラさんに、ユリウスさんは顔をしかめた。
「無駄にまぶしっ!ていうかユーリ様、そこまでして手伝いに来てくれるなんてマジで感謝っす。俺は仮眠を取ったらまたすぐ向こうに行くんで、明日はあっちでユーリ様が来るのをお迎えするっすね!」
そうと決まればさっさと食べて休もうとばかりにテーブルの上に乗ったお皿にユリウスさんは手をつけ始める。
なので私も
「明日はよろしくお願いしますね、私に出来ることはなんでもやりますから!」
次の日の合流を約束して、その日は別れた。
そして翌日。
「なんで猫耳なんですかシェラさん!?」
張り切ってシェラさんに朝の支度を任せ、出来ましたよと言われて渡された手鏡を覗いた私は抗議の声を上げた。
「私、動きやすい髪型でお願いしますって言いましたよね?」
奥の院の豪華な部屋と違って、多少広くて大きめな部屋だとしてもごく一般的なこの宿屋の一室に鏡台なんて立派なものはない。
だからシェラさんにお任せで頼んだ髪型がどんなものかは出来上がって手鏡を渡されるまでは知る由もなかった。
でもシェラさんのことだから絶対に私に悪いようにはしないだろうと安心して、髪の毛をいじってもらいながら楽しくおしゃべりをして任せっぱなしにしていたのだ。
マリーさんもそれを見ながら
「あら今日もとても素敵な髪型ですね!私も頑張ってそれに似合うようなお洋服を準備しないと!」
っていつも通りニコニコしながら服や靴を選んでいた。
・・・いや、今にして思えばいつも通りっていうかいつもよりちょっとテンション高めだったかな!?
「とにかく、なんで猫耳!?私、今日はユリウスさんや騎士さん達のお手伝いをするのに。遊びに行くんじゃないんですよ?」
まあ遊びに行くとしても猫耳だけはごめんだけども。
手鏡を片手にそう文句を言ってもシェラさんは平然としている。
それどころか
「オレの言うことは聞いていただきますと昨日申し上げたはずですが・・・。それに対してユーリ様も『ちゃんと言うことを聞きます』とオレを見つめて頷き、大変かわいらしくお返事をされましたよね?」
と昨日の私とのやり取りを思い出したのかうっとりと目を細めた。
誰もシェラさんを見つめながら頷いてもいないしかわいく返事もしていない。誇大妄想だ。
私はごく普通に返事をしただけなはずなんだけどな!?
「シェラさんの言うことを聞くってこういうこと!?」
「こういうことです」
なんだか騙された気分だ。しかも
「どうせオレに抱き上げられているのですし、動きやすい髪型でなくとも良いではありませんか。それよりもユーリ様が一番愛らしく見えるこの髪型の方が現場の騎士達の士気高揚にもなります」
なんて言う始末だ。マリーさんまで
「あまり動き回らずに汚れる心配がないのであれば、持参した中で一番可愛いお召し物を準備しますね!」
とレースやフリルがたっぷり使われている甘々な雰囲気のドレスにシルク素材のツヤツヤな靴を並べている。
「ううっ・・・」
公衆の面前での縦抱っこ移動という恥ずかしさだけを我慢してユリウスさんのお手伝いの許可をもらったはずが、倍返しをくらったような気がする。
シェラさんの弱みをついて勝った気になっていたのにいつの間にか負けた気分だ。
「腑に落ちないです・・・!」
往生際悪く食い下がる私に
「ですが全てユーリ様も了承の上のことですからねぇ・・・。どうぞその愛らしい猫耳の髪型と可愛らしいドレス姿で安心してオレに身を預けてください。この腕の中におられる間はいつも以上にどのような脅威からもお護りいたしますよ」
朝から無駄な色気満載の笑顔でそう微笑んだシェラさんは
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