俺 × オレ 

うましか

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俺とオレ

猫の名前はうどん

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チクタクと時計の秒針が進む 


目の前に座る・・・兄貴。 
いや、兄貴と呼ぶのはおかしいだろうと思うけど 、 
俺はずっと弟か妹が欲しかった。 
お兄ちゃんや兄貴 って呼ばれたくて 
何度もオカンに兄弟が欲しいと 
困らせた事があった。 

だから、三年後の俺が 
兄貴って呼んでと提案する理由がわからなくもない。 

「今のお前に言うのもどうかと思うけど ・・・いいか?」

「焦らすなよ。 理由あって3年前に来たんだろ?」 

「あぁ・・・・まぁ簡単に言うと。 
俺は事故に遭ってな、 
記憶がなくなってしまったんだ。 

あ!事故って俺が起こしたんじゃなくて 
俺は被害者な、信号が青だから渡ってた時 
信号無視をしてきた車にドンっとな。頭を打ったらしい 」

「え・・・記憶?」

三年後の世界からやってきたってだけで
充分俺には理解しがたい世界設定だが
それ+記憶喪失だと?

何をどこから解決していけばいいんだ

「記憶喪失。と俺は医者に言われた・・・。 
病室で俺が目を覚ますのを待っててくれた 
人達も誰か分からなくて・・・ 
でも、俺は俺自身の事は覚えていた
一人暮らしで住居は変わらずここ 
あと、猫を買っていた。名前はうどん。 
そんなプロフィール」

「ハハハ・・・ 
俺に三年後にようやく猫買うのか 
名前がうどんって・・・(笑) 
三年後の俺も相変わらずうどん好きか。 

で、兄貴がここに来た目的は?」

「俺、三年前から猫欲しかったんだな (笑) 
それは覚えてなかったよ。 

俺がここに来た理由は 
・・・・・記憶を探しに来たんだ。」 

「記憶を探しに・・・・? 

ちょっと、その話は飯食いながらにしない? 
昨日、さくらが大量に作ったカレーがあるから 
それでも食いながら・・・さ?」

時計を見るともう20時、
どうりでお腹がすくわけだ。
兄貴も時計を見て、あぁ・・確かにな。
と頷きテーブルを片付け始める

俺はキッチンに立ち鍋に火を付ける。
冷凍してある白米をレンジで温めた。

「野菜食ってる? 」

「あぁ・・大丈夫、食ってるよ。 」

こんな気遣いをしてくれる三年後のオレは
本当のお兄ちゃんみたいに思えてしまう。
なんか、すごく嬉しい。

って・・・相手は自分なのにな。

「はい、できたよ。」

「ありがとう、美味そうだな。 
お!三年前の俺はまだカレーに生卵 
乗せて食ってたのか。(笑) 」

「ははは・・・ 兄貴はもう乗せてないんだね、 
ここは、成長してるってわけか  

よし、なら話の続きでも 」

そうだな。と
カレーを口に運びながら 
俺達は兄貴がここに来る事になった経緯について話をした。

「さっき言うた通り 
俺は車に跳ねられ頭を打ち 
この有様、記憶喪失になってしまった。 
病室で目が覚めた時 
父と名乗るおじさんと母と名乗るおばさん 
そして、夏木 さくらが部屋にいた。」

「あぁ・・・・。」 


「おじさんとおばさんは 
泣きながらすぐ病室から出ていった。 
でも、さくらちゃんだけが俺の手を握り 
思い出させるからと言い 
毎日、 俺の部屋に来てくれて色んな話をしてくれた。 

俺の好きだった映画や本 
それで、好きな曲を流してくれた時 
俺、泣いてしまってさ」

そ? 
俺が昔から好きな歌
俺はYouTubeを開き 
昔からずっと好きな曲を流した。 

・・・・・きっと、この曲だと思う。 

「ははは・・・蒼すげぇな。 
そうだよ、この曲の 

"在りし日の己を愛する為に 
思い出は美しくあるのさ" 
って歌詞を聞いて、 
俺思い出ねぇなってさ・・・」 

「なるほどな。 
で、こっちに来たって事か。」

二人共カレーを食べ終え 
俺は皿を洗いながら兄貴に背を向け話を続けた 

「蒼、俺と・・・ 
記憶を探してくれないか?」
「乗った。 それは、俺の未来に繋がるしな。 」

ここにブロックをこうして、俺とオレの記憶探しが始まった。 
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