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【PW】AD199909《箱庭の狂騒》
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「なにそれ!?テツさんが本当にそんな事を!?」
星見の口から出た言葉に戸惑いの声を上げたのは、隣に座る藤だった。
対面に座る暁は、その言葉に何処かやっぱりっと言う感覚があり、冷静だった。
何故なのか、そんな疑問が頭を掠めるが今はその事よりもテツの事だ。
星見に確認したかった事は、わかる。
だが、最後の宣言は、なんの為なのか。
何故、西端を殺さないとならないのか。
そこがどうしても暁には、わからなかった。
西端は接続者ではあるが、帰還者ではない。
つまり、西端自身その理由を知っているかどうかも怪しい。
なら、誰が知っているのか…
どうしたものか、そう思いながらフト壁掛けの時計に目がいった。
時刻は、22時を回っていた。もしこんな事にならなければ今頃、今日の書類の整理と情報の整理をしている頃合だろうか。
19時に帰宅していた暁は、夕飯の支度に入り梨花の帰りを待っていた。
梨花の帰宅は、19時半、それから風呂等の諸々済ませてご飯の時間になったのは、20時過ぎだった。
いつも通りの他愛もない会話をしながら食事をしていると隣の部屋から携帯電話のなる音が隣の部屋から聞こえてきた。
もはや、職業病なのだろう、考えるよりも早く暁の体は、動き電話を取っていた。
「はい、大浦」
『星見です…』
戸惑いと困惑をする声に暁は、何かが動き始めたのだと直ぐに察した。
星見から先程起きた出来事を粗方訊いた暁は、星見の自宅がある上福岡駅の喫茶店で待ち合わせをするとすぐに着替え、梨花に謝りながら家を後にした。
志木駅に向かい下りで数駅行き上福岡駅に降りると改札で藤を見かけ声をかけた。
藤もまた星見に言われて駆けつけていた。
話を訊くとテツの話より車木が彼女の前に現れた事で駆けつけたらしくテツの話までは、聞いてなかったらしい。
時刻は9時半を回っており駅近くにあるチェーン店のカフェに入るとテーブル席で1人ポツリと座っている星見と合流した。
「でも、テツさんがなんで…西端を?」
素朴な疑問なのだろう、藤が呟いた。
もっともな疑問だ。しかしそれを説明できるのは、この場には、居ない。
とりあえず、崇央にも事の話を回しておいたがどう反応するのか正直暁にもわからなかった。
何よりもそのテツの行動に対して自分に驚きや戸惑いが無いのが気になる。何処かでそうなるだろうと理解をしているこの感覚は、恐らく鍋島の言う魂の欠片が関係しているのだろう。そうだと考えるなら彼等が居た世界と何か関係しているのか。
フト、ハルの顔が暁の頭の中を過ぎった。
多分、ハルなら何かを知っている、もしかしたらこの事に深く関わっている可能性もある。
暁は、徐に携帯電話を手に取るとそれを待っていたかの様に携帯電話が鳴り出した。
「はい、大浦」
『夜分に失礼します、稗田です』
テツの直属の上司であり養父の稗田は、いつもの丁寧で温厚な声の中に妙に冷たい何かを感じた。
「連絡ありがとうございます」
『いいえ、こちらの部下が御迷惑をおかけしたようで…』
「テツは、俺の部下でもあります、それで話をきかせて頂けるのですよね?」
暁の問いに稗田は、押し黙り、応えを模索している様だった。
『我々としては、こちらで処理をしたいと思っています、そちらにはこれ以上の迷惑を…』
「今、本当にそれを処理できるだけの力はありますか?」
再び稗田は、押し黙る。
「もし、それが出来るのであればテツがこんな行動を起こす前に止めてますよね?それを止めれなかったという事は、テツの行動を把握出来てないって事ですよね?」
この手は、使いたくなかった。
だけど、今は形振りを構っていられる状況じゃない、そんな直感に誘われる様に暁が言うと電話の向こうで一息つくのが聞こえた。
『わかりました、では池袋にあるそちらの事務所に1時間後にお会いできませんか?』
「わかりました、お待ちしております」
暁は、電話を切ると2人に稗田との会話を伝えた。
「なら、私達も!」
逸早く返してきたのは、星見だった。
「ダメだ、君達はまだ高校生だ、もう家に帰るんだ、何かわかったら明日伝えるから」
暁がそう言いながら立ち上がり会計を済ませて店を後にした。
上福岡駅まで歩いて5分と掛からないその喫茶店から改札迄の間にその背後に着いてくる気配を暁は、逃さない。
改札で立ち止まり、振り返ると少し離れた距離にこちらを向いている2人の姿が見える。
「帰るんだ」
暁は、2人に近づいて改めて打診をするが2人共微動だにせずにただ静かにそして真っ直ぐに暁を見ていた。
譲る気は、ない。そう表情に書いている。
これ以上下手に時間もくいたくないしこのまま放っておけば2人が余計な行動をするのも目に見えている。
暁は、大きな溜息を一つ吐き首を横に振った。
「親御さんを説得する、これをクリアしたら着いてきてもいい、クリア出来ないなら諦めてくれ」
「大丈夫です、もう許可は、貰ってるので」
間髪入れずに星見が応え、藤もそれについで頷いた。
「今文化祭の準備期間中なんで、言い訳は、いくらでもたちます」
そこまで言われたらもう暁に言える事は無く、小さく頷くと電車へ乗る様に促すしかなかった。
また、小言を言われるのだろうなっと思いながら崇央にも連絡を入れておく。
勿論、星見と藤の事は、あえて黙っておく。
小言は、短いが丁度いいから。
星見の口から出た言葉に戸惑いの声を上げたのは、隣に座る藤だった。
対面に座る暁は、その言葉に何処かやっぱりっと言う感覚があり、冷静だった。
何故なのか、そんな疑問が頭を掠めるが今はその事よりもテツの事だ。
星見に確認したかった事は、わかる。
だが、最後の宣言は、なんの為なのか。
何故、西端を殺さないとならないのか。
そこがどうしても暁には、わからなかった。
西端は接続者ではあるが、帰還者ではない。
つまり、西端自身その理由を知っているかどうかも怪しい。
なら、誰が知っているのか…
どうしたものか、そう思いながらフト壁掛けの時計に目がいった。
時刻は、22時を回っていた。もしこんな事にならなければ今頃、今日の書類の整理と情報の整理をしている頃合だろうか。
19時に帰宅していた暁は、夕飯の支度に入り梨花の帰りを待っていた。
梨花の帰宅は、19時半、それから風呂等の諸々済ませてご飯の時間になったのは、20時過ぎだった。
いつも通りの他愛もない会話をしながら食事をしていると隣の部屋から携帯電話のなる音が隣の部屋から聞こえてきた。
もはや、職業病なのだろう、考えるよりも早く暁の体は、動き電話を取っていた。
「はい、大浦」
『星見です…』
戸惑いと困惑をする声に暁は、何かが動き始めたのだと直ぐに察した。
星見から先程起きた出来事を粗方訊いた暁は、星見の自宅がある上福岡駅の喫茶店で待ち合わせをするとすぐに着替え、梨花に謝りながら家を後にした。
志木駅に向かい下りで数駅行き上福岡駅に降りると改札で藤を見かけ声をかけた。
藤もまた星見に言われて駆けつけていた。
話を訊くとテツの話より車木が彼女の前に現れた事で駆けつけたらしくテツの話までは、聞いてなかったらしい。
時刻は9時半を回っており駅近くにあるチェーン店のカフェに入るとテーブル席で1人ポツリと座っている星見と合流した。
「でも、テツさんがなんで…西端を?」
素朴な疑問なのだろう、藤が呟いた。
もっともな疑問だ。しかしそれを説明できるのは、この場には、居ない。
とりあえず、崇央にも事の話を回しておいたがどう反応するのか正直暁にもわからなかった。
何よりもそのテツの行動に対して自分に驚きや戸惑いが無いのが気になる。何処かでそうなるだろうと理解をしているこの感覚は、恐らく鍋島の言う魂の欠片が関係しているのだろう。そうだと考えるなら彼等が居た世界と何か関係しているのか。
フト、ハルの顔が暁の頭の中を過ぎった。
多分、ハルなら何かを知っている、もしかしたらこの事に深く関わっている可能性もある。
暁は、徐に携帯電話を手に取るとそれを待っていたかの様に携帯電話が鳴り出した。
「はい、大浦」
『夜分に失礼します、稗田です』
テツの直属の上司であり養父の稗田は、いつもの丁寧で温厚な声の中に妙に冷たい何かを感じた。
「連絡ありがとうございます」
『いいえ、こちらの部下が御迷惑をおかけしたようで…』
「テツは、俺の部下でもあります、それで話をきかせて頂けるのですよね?」
暁の問いに稗田は、押し黙り、応えを模索している様だった。
『我々としては、こちらで処理をしたいと思っています、そちらにはこれ以上の迷惑を…』
「今、本当にそれを処理できるだけの力はありますか?」
再び稗田は、押し黙る。
「もし、それが出来るのであればテツがこんな行動を起こす前に止めてますよね?それを止めれなかったという事は、テツの行動を把握出来てないって事ですよね?」
この手は、使いたくなかった。
だけど、今は形振りを構っていられる状況じゃない、そんな直感に誘われる様に暁が言うと電話の向こうで一息つくのが聞こえた。
『わかりました、では池袋にあるそちらの事務所に1時間後にお会いできませんか?』
「わかりました、お待ちしております」
暁は、電話を切ると2人に稗田との会話を伝えた。
「なら、私達も!」
逸早く返してきたのは、星見だった。
「ダメだ、君達はまだ高校生だ、もう家に帰るんだ、何かわかったら明日伝えるから」
暁がそう言いながら立ち上がり会計を済ませて店を後にした。
上福岡駅まで歩いて5分と掛からないその喫茶店から改札迄の間にその背後に着いてくる気配を暁は、逃さない。
改札で立ち止まり、振り返ると少し離れた距離にこちらを向いている2人の姿が見える。
「帰るんだ」
暁は、2人に近づいて改めて打診をするが2人共微動だにせずにただ静かにそして真っ直ぐに暁を見ていた。
譲る気は、ない。そう表情に書いている。
これ以上下手に時間もくいたくないしこのまま放っておけば2人が余計な行動をするのも目に見えている。
暁は、大きな溜息を一つ吐き首を横に振った。
「親御さんを説得する、これをクリアしたら着いてきてもいい、クリア出来ないなら諦めてくれ」
「大丈夫です、もう許可は、貰ってるので」
間髪入れずに星見が応え、藤もそれについで頷いた。
「今文化祭の準備期間中なんで、言い訳は、いくらでもたちます」
そこまで言われたらもう暁に言える事は無く、小さく頷くと電車へ乗る様に促すしかなかった。
また、小言を言われるのだろうなっと思いながら崇央にも連絡を入れておく。
勿論、星見と藤の事は、あえて黙っておく。
小言は、短いが丁度いいから。
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