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【PW】AD199909《箱庭の狂騒》
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「どう、この景色」
まるでその光景を楽しむ様に小さな両手をいっぱいに広げるとクルクルとその場を回り出した。
夜のサンシャインから見下ろす夜景は、夜闇に散りばめられた星々よりも煌々と池袋の街を照らしていた。
しかし、彼が言っているのは、それでは、ない。
その中で赤黒い蛇の様に立ち上る煙、そしてその出処の惨状に彼は、無邪気な笑みを浮かべながら喜んでいるのだ。
小柄な身長に幼い顔立ち、出会った時に思ったのは小学生が夜の街に居るなんて世も末だという事だ。
しかし、年齢は自分より年上だし、れっきとした成人だと知った時には、度肝を抜かれた。
しかし、今の彼の姿は、それとは違う、体全身を蛇が這いずり回る様な不気味さを感じさせた。
西端が小柄な青年、円山 久人にあったのは、3日前の真夜中の池袋の街でだった。
学校は、文化祭モード一色に染まり周りの生徒達も浮き足立っている中をどうしても西端は、楽しめずにいた。
飯坂病院の出来事が頭の中でまだ整理出来ていなかったからだ。
多くの死傷者に瓦礫の山、そして立ち込める臭い、日常から掛け離れたその風景に日常の中の人達が怪我を負いボロボロになっている姿、そんな風景の中で西端の中で一際、動揺をさせたのが才田 晴人が現れ、そして昏睡状態になった事だった。
西端と晴人は、出身校が違えど同じ地元でお互い高校に入る前からの付き合いがあった。
西端にとって晴人は、日常の風景の一部で当たり前様にある筈だと思っていた。
そんな風景が目の前で一気に奪われた。
その体験が西端にとって余りにも衝撃的で何よりもそれを知らない、ましてやテレビから流される嘘の情報を鵜呑みにしんじる周りの同級生とかが余りにも間抜けに見えてそこに馴染む事が出来なくなっていた。
気づくと西端の足は、学校から遠ざかり気づくと池袋の街を彷徨っていた。
特別何かがある訳でもない、だけど自分を知らない街でただ1人になりたかった。
ただそれだけの事だった。
ブラブラ宛の無いまま街を歩いていると空は、暗くなり街灯や店のネオンの煌めきがより際立って行く。そんな街を歩く人達を眺めながめていると妙な音が耳に入った。
音の出処は、サンシャイン通りを外れた裏通りからでフト気になった西端は、そっと足を踏み入れると3人の男に囲まれる小さな人影が見えた。
「おい、どうすんだよ?こうなったらタダじゃすまねぇぞ?」
水色のジャージを履いた3人組、最近の不良グループであるカラーギャングだろうか、それかそれを真似てカツアゲだけをしようとしている輩なのか、どちらにしても見てて気持ちいいものではなかった、西端はため息をつくとそっと彼等の後ろに近づいた。
「どうしたんすか?」
西端がそう声をかけると3人が驚きながら振り向いた。
その隙間から小柄な子の顔もこちらを向いた。
見るからに小学生、男子かな?
西端は、その小柄な子の判別に少しだけ困惑しているとそれを遮る様に肩を突き飛ばされた。
「んだ、テメェ?急に後ろに立ちやがって」
驚いたにしても、突き飛ばす事はねぇだろ。そう言って殴り掛かりたい衝動をグッと堪えながら西端は、ヘラヘラと笑顔を浮かべた。
「すんませんねぇ、それより、子供相手に何やってんすか?」
「あぁ?テメェコイツの仲間か?」
「いいえ、通りすがりです」
ここは、保護者ですっとでも言っておいた方が良かったかな?
言葉を返した後にそう思ったが西端の応えに3人組は、興味が無くしたのか再び小柄な子に視線を向けた。
「関係ねぇヤツは、すっこんでろよ」
そう吐き捨てられたがここまで出張って大人しくハイソウデスカと引き下がれる程、行儀良く出来ていない西端は、3人組の隙間を縫う様に体を差し込むと小柄な子との間に入り壁の様に立ちはだかった。
「まぁまぁ、そう言わずにね、相手は子供じゃないっすか?」
「だからなんだよ、そこどけ!」
一人の男が西端の肩を掴み、無理矢理どかせ様とする、それを待っていた。
西端は、肩を掴まれるとその手をそのまま絡め取り、腕を捻りあげる。
その光景に残る2人が何が起きたのかわからず唖然としている所に、捻り上げた腕を起点に苦悶する男の腕を振り回し、残る2人に向かい投げた。
唐突の出来事に体勢を崩し地面に倒れる3人組、その隙に西端は、小柄な子の手を掴み表通りへと走り出した。
木を隠すなら森の中、以前に大浦から非常事態の対応の1つとして教わった事だ。
大浦曰く、人は、唐突の場合は人の顔を見て話す、逆を言えば服装や靴、体型なんかの情報は、数分では入ってこないっとの事らしい、だからもし敵に追われる状況になった時には、人混みの中へ隠れろ。
人混みに入りそして、紛れる。
少し足早に動いて、相手から離れたらゆったりと歩きながら次の展開を考える。
もし、留まる場所があるなら周りを見渡せるファーストフードや喫茶店など自分がいても可笑しくない場所に入る。
西端は、その教えに従い、人混みに紛れ込むと歩幅を緩める、出来るだけ人の影に紛れる様に歩く。
「くっそ!!何処だ!!」
途中、後ろから罵声と共に3人組が西端達の横を走り抜けていく。その背中を見送り、西端は、角を曲がる。
ある程度、姿は隠せているけどこの時間にこんな小柄な子を連れて紛れられる場所など無い。
西端は、歩きながら視線を左右の雑居ビルに向けながら考えていると引いていた手に逆に引かれる。
「こっち、いい場所あるよ」
小柄な子は、そう言いながら西端を引っ張りながら裏路地の雑居ビルに入ると慣れた足取りでエントラストへ向かうとエレベーターへ乗り込みそのまま最上階である8階を押した。
西端は、なすがままに彼に着いていくとそのまま屋上から池袋の街並みを見下ろしていた。
その風景を見ながら小柄な子は、ゆっくりと振り返るとコチラへ笑いかける。
「貴方は、面白い人だね、名前は?」
「西端伸治」
気づくと素直に名を名乗ってしまい、小柄な子はゆっくりと無邪気な笑みを浮かべる。
「僕は、円山 久人、こう見えても20歳だよ」
小柄な子だと思っていた成人した男性の円山の応えに相当間抜けな表情を返していたのだろう、西端の顔を見ながら再び彼は無邪気な声でその顔を笑っていた。
とても、純粋で無邪気に見えたそれと全く同じ笑顔で今、円山は赤黒い煙を見つめている。
何が起きているのか?
西端は、何度も頭の中で起きていることを振り返っていた。
その日から西端は、家に帰らず円山と行動を共にしていた。
どうやら、彼は資産家のおぼっちゃまらしく金に困っていないらしく、池袋駅に程近いタワーマンションに部屋を持ち、西端はそのまま彼の家にこの3日間、世話になっていた。
新しい服に靴、それと食事、至れり尽くせりの状況に最初は不審に思いながらも無邪気な笑顔を向けられる度に何も言えずに受け入れ、気づけばそれが当たり前の様に感じていた。
不穏な感覚を察知したのは、今日の夕方ぐらいだった。
街をぶらつこうという円山の提案になんてこと無しに北口から西口の商店街等をブラブラ散策している時、周囲から刺すに近い視線を感じたのだ。
気のせいでは、ない。
誰かが見ている、周囲に視線を向けるが人が多過ぎて判別がつかない。
狙われているのは、恐らく円山だろう、そう思った西端は、彼に直ぐに告げた。
すると、円山はゆっくりと周囲を見渡すと笑顔を浮かべた。
「よし、ならまた逃げよっか」
円山は、そう言うとあの時と同じ様に笑顔で西端の手を引いて街の中を走り出した。
西端は、どうしたらいいのかわからないまま引かれるままに着いていくとサンシャイン通りを抜けて辿り着いた先には、ビル群の中で頭一つ抜き出る様に聳え立つビルへと着いていた。
サンシャイン60、1978年に開業し、10年以上たった今でもその存在は池袋という街のシンボルマークとも言えるそれは、街を見下ろし、西端もそれを自然と見上げてしまっていた。
「ほら、ボサっとしてないで行くよ」
円山は、そう言いながらサンシャインへと入っていく。
西端は、そのまま引き攣られていく、ふと見上げる巨大なビルが大きな墓標に見え、背中に悪寒が走るが足を止める事は、出来なかった。
時刻は、22時を回り、ドヴォルザークの《新世界より》第二楽章の1小節が館内を緩やかに流れる。
その曲と共に疎らな客達が出入口へと足を向ける中を真逆の方向に向かう円山と西端を数名が物珍しそうに視線を向ける。
西端は、その視線を避ける様に周囲へ目を向けながら手を引かれるままに着いて行った。
円山は、途中すれ違う警備員に何かを告げるとそのまま1つのエレベーターで足を止めた。
エレベーターの出入口の横にアルミのスタンドボードが立てられており、本日営業終了の立て札の下に展望台という文字が見えた。
円山は、迷うこと無くエレベーターのボタンを押して呼ぶとスキップする様に乗り込み、西端もまた同じ様に乗り込んだ。
微かに聞こえる駆動音と共に流れる水の中を泳いでいるか様なメロディーを聴きいていると背後に東京の街並みが現れた。
登るエレベーターと共に眼下に映るその風景に西端は、思わず声を漏らしてしまった。
「そんなに感動するもの?」
円山が不思議そうな声を上げるとエレベーターのドアが開きゆっくりと歩いて降りていく。
「そりゃ、こんなに綺麗ならそう思うだろ?」
西端もまた返事をしながら降りる。
「そう、ボクには、とても醜悪なモノに見えるけどなぁ~」
そう言いながら円山は、窓際に立つとゆっくりと両手を広げながらくるりと体を反転させる。
「この光だけの身勝手な人間達がこの世界に蔓延っている、そう想像するだけで、醜悪に見えて吐き気すら覚える」
その顔は、言葉と裏腹に恍惚な笑みを浮かべていた。
西端は、その笑顔に何言えずに静かに見つめていた。
「伸治、君は何処まで知っているの?」
唐突な問いに西端は、何を訊かれているのかわからずに苦笑いをしながら首を横に傾けた。
「そうか、影は結局何も言わないままだったのか」
そう言いながら何かを考える様に円山は顎を擦るとゆっくりと天井を見上げた。
「伸治、君は何処までこの力を理解しているだろうか?」
「この力?」
「そう、リンクだよ」
円山から出た単語に全身に鳥肌が走り、反射的に身構えた。
「お前…接続者なのか?」
西端の問いに円山は、目を瞑るとゆっくりと首を回しまた。
「それ以上の存在さ、君は仏教の九識って知っているかい?」
西端は、何も応えらないまま静かに円山を睨みつける。
その態度が知らないと言っているとわかったのか円山は、小さな溜息を吐きながら笑顔でゆっくりと首を横に振った。
「九識の中の五識とは、簡単に言えば五感だ、聴覚、視覚、嗅覚、味覚、触覚、その後に意識、末那識、阿頼耶識、阿摩羅識と言うモノがある、意識は、わかるね今君が五感で探知しているこの世界と君自身を表している、次に末那識それもわかる筈だ、君がリンクへと繋ががった時に見ている具現化した粒子や感覚がそれだ、そして阿頼耶識は、君が次に繋がるべき君の内の世界、そして阿摩羅識は、魂であり根源である域」
「それが何だよ、急にそんな事を…」
「知っておいた方がいいと思っていてね、何故リンクという力があってそれがなんのなのか、君は心のどこかでこう思っているだろう、たかだか意識をどうこう出来る程度の力で何も変わらないだろって」
円山の言葉に西端は、心を見透かされた様だった。
「それなのに世界がこんなに右往左往しているなんておかしいって、でもそれは、甘い認知なんだよ、伸治、確かにこの力は生物の意識、繋げる力だ、だがそれはこの力の一旦でしかない」
円山は、そう言いながら開いた手をゆっくりと西端の前に掲げるとグッと握った。
次の瞬間、西端は息が吸えなくなりその場に跪いてしまった。
そうかと思うと息が出来る様になり、あわてて顔を上げると閉じた円山の手が開いていた。
「生物の命は、1つに1つでは、ない。ありとあらゆる生物とは、何万という細胞なんかで構成されている、それだけの意識があるんだ、そしてリンクはそれらを操る能力なんだよ、つまり生きているモノを支配できる、壮大な力なんだ、思い出してごらん君が岩倉にリンクのナイフで傷つけられた時、君の細胞達は氷によって支配され動かなくなりそして重くもなっただろう?」
岩倉、その名前に西端は、最初誰かわからずに戸惑ったがナイフと氷から5月に白硝子高校を襲撃したカラーギャングのリンク使いを思い出した。
「なんで、お前がそいつを?」
「そりゃあ、岩倉に襲わせたのが僕だからだよ」
西端は、言葉を失い、ただ円山を見つめる事しか出来ずにいた。
「君は、影に守られていたからね、まだ接続があやふやな君にも早く深く入ってもらわないといけなかった。それにアイツの力もどれ程か知りたかったしね」
「影って誰だよ?」
「才田晴人だよ」
何処かで予想はしていた名前だが、改めて言われ、西端は、言葉に詰まった。
「話が脱線したね、今はアイツの話は良いんだ、どうせ何も出来ないし、それよりもリンクの事だ」
円山は、そういいながら手をひとつ叩いき、その音に西端の視線は自然と円山に向いた。
「さっきも言ったけどこれはこの力の一旦だ。この力は生物の意識を共有し、そしてそれを支配する力だ」
そう言いながら円山はガラス窓に手を触れた。
「これら鉱物と言われているのにも微細な生物がある、しかし生物と違いそれは、余りにも少なく受動的、だからこれらの物には、目に見える変化は表せない、だがそれもまた別な使い方もあるんだけどね」
「別な使い方?」
「生物の体液や細胞を混ぜ込むのさ、そうすればそれは一時的にでもリンクを纏う道具になる、伸治も持っていただろう、黒く塗られた小太刀の木刀」
大浦に渡された道具で今は、自宅の机の上に置いてあるを西端は、思い出した。
「あれが?」
「そう、断ち切る力を纏った道具だ、誰が誰の体液や細胞を使ったのかわからないが、厄介な代物でね、今持ってなくて本当に安心したよ」
円山は、そう言いながらゆっくりと体を反転させると下を指差し見てみる様に促してくる。
西端は、それに釣られて近づくと窓から外を見下ろした。
角度的にしっかりとは、見えないが微かに淡い青の霧が見える。しかしあれは、物質的なモノでは無い。
「あれはリンクの力?」
「そう、結界さ、僕らを閉じ込める為のね、ここに入ってまだ10分も経っていないのに、いい手際だよ、敵ながら素晴らしい」
円山は、そう言いながら手を叩き、踊る様にゆったりとした動きでその場を回り出した。
「敵?さっきのつけてた奴等か?てか閉じ込めるって逃げなくて大丈夫なのかよ?」
「あぁ、大丈夫だよ、だって最初からここで迎え撃つ気だったからね」
「迎え撃つ?何をするつもりだよ?」
「そりゃ、勿論」
円山は、そう言うと右手を高々と上げると指をパチンと鳴らした。
それが合図だったかの様に爆発音と共に怯えるているかの様に窓が小刻みに震え始めた。
西端は、視線を円山から窓へ向けると、下の方から黒い煙が立ち上り始めた。
「どう、この景色?」
円山は、そう言うと両手を大きく広げて笑いながらその場をクルクルと回る。
「どうって…何が起きてんだよ?」
西端のその言葉に正面を向いてピタリと止まると円山は、無邪気な笑みのまま首を横に傾けた。
「とても楽しい事、閉じ込める相手にそれを迎撃する仲間達、今から多くの魂が世界を揺らす」
何を言っているんだコイツは。
西端は、目の前の小柄な成年が今までになく恐ろしく感じ、ゆっくりと後退りをした。
「逃げてもいいけど気をつけてね、奴等の狙いは僕であり君でもあるのだから」
「はぁ?」
西端の反応に楽しそうにしながら円山は手をひとつ叩いた。
「君達も何時までも隠れてないで出ておいでよ、もう始まっているんだよ」
何を言っているのかわからなかった西端だったが答えは直ぐに背後から感じられた。
寒気が背中を走り反射的に振り返るとエレベーター近くの柱から2つの人影が現れた。
どちらもがカジュアルな服を身にまとっているが2人とも濃い色合いで暗闇に紛れる様にしていた。
だからこそ、それに気づくのにワンテンポ遅れた。
手に握られているそれを此方へ向けられ、それが銃口だと認知した。
咄嗟の判断で躱そうと体を動かそうとするがそれよりも早く乾いた音が部屋に鳴り響いた。
まるでその光景を楽しむ様に小さな両手をいっぱいに広げるとクルクルとその場を回り出した。
夜のサンシャインから見下ろす夜景は、夜闇に散りばめられた星々よりも煌々と池袋の街を照らしていた。
しかし、彼が言っているのは、それでは、ない。
その中で赤黒い蛇の様に立ち上る煙、そしてその出処の惨状に彼は、無邪気な笑みを浮かべながら喜んでいるのだ。
小柄な身長に幼い顔立ち、出会った時に思ったのは小学生が夜の街に居るなんて世も末だという事だ。
しかし、年齢は自分より年上だし、れっきとした成人だと知った時には、度肝を抜かれた。
しかし、今の彼の姿は、それとは違う、体全身を蛇が這いずり回る様な不気味さを感じさせた。
西端が小柄な青年、円山 久人にあったのは、3日前の真夜中の池袋の街でだった。
学校は、文化祭モード一色に染まり周りの生徒達も浮き足立っている中をどうしても西端は、楽しめずにいた。
飯坂病院の出来事が頭の中でまだ整理出来ていなかったからだ。
多くの死傷者に瓦礫の山、そして立ち込める臭い、日常から掛け離れたその風景に日常の中の人達が怪我を負いボロボロになっている姿、そんな風景の中で西端の中で一際、動揺をさせたのが才田 晴人が現れ、そして昏睡状態になった事だった。
西端と晴人は、出身校が違えど同じ地元でお互い高校に入る前からの付き合いがあった。
西端にとって晴人は、日常の風景の一部で当たり前様にある筈だと思っていた。
そんな風景が目の前で一気に奪われた。
その体験が西端にとって余りにも衝撃的で何よりもそれを知らない、ましてやテレビから流される嘘の情報を鵜呑みにしんじる周りの同級生とかが余りにも間抜けに見えてそこに馴染む事が出来なくなっていた。
気づくと西端の足は、学校から遠ざかり気づくと池袋の街を彷徨っていた。
特別何かがある訳でもない、だけど自分を知らない街でただ1人になりたかった。
ただそれだけの事だった。
ブラブラ宛の無いまま街を歩いていると空は、暗くなり街灯や店のネオンの煌めきがより際立って行く。そんな街を歩く人達を眺めながめていると妙な音が耳に入った。
音の出処は、サンシャイン通りを外れた裏通りからでフト気になった西端は、そっと足を踏み入れると3人の男に囲まれる小さな人影が見えた。
「おい、どうすんだよ?こうなったらタダじゃすまねぇぞ?」
水色のジャージを履いた3人組、最近の不良グループであるカラーギャングだろうか、それかそれを真似てカツアゲだけをしようとしている輩なのか、どちらにしても見てて気持ちいいものではなかった、西端はため息をつくとそっと彼等の後ろに近づいた。
「どうしたんすか?」
西端がそう声をかけると3人が驚きながら振り向いた。
その隙間から小柄な子の顔もこちらを向いた。
見るからに小学生、男子かな?
西端は、その小柄な子の判別に少しだけ困惑しているとそれを遮る様に肩を突き飛ばされた。
「んだ、テメェ?急に後ろに立ちやがって」
驚いたにしても、突き飛ばす事はねぇだろ。そう言って殴り掛かりたい衝動をグッと堪えながら西端は、ヘラヘラと笑顔を浮かべた。
「すんませんねぇ、それより、子供相手に何やってんすか?」
「あぁ?テメェコイツの仲間か?」
「いいえ、通りすがりです」
ここは、保護者ですっとでも言っておいた方が良かったかな?
言葉を返した後にそう思ったが西端の応えに3人組は、興味が無くしたのか再び小柄な子に視線を向けた。
「関係ねぇヤツは、すっこんでろよ」
そう吐き捨てられたがここまで出張って大人しくハイソウデスカと引き下がれる程、行儀良く出来ていない西端は、3人組の隙間を縫う様に体を差し込むと小柄な子との間に入り壁の様に立ちはだかった。
「まぁまぁ、そう言わずにね、相手は子供じゃないっすか?」
「だからなんだよ、そこどけ!」
一人の男が西端の肩を掴み、無理矢理どかせ様とする、それを待っていた。
西端は、肩を掴まれるとその手をそのまま絡め取り、腕を捻りあげる。
その光景に残る2人が何が起きたのかわからず唖然としている所に、捻り上げた腕を起点に苦悶する男の腕を振り回し、残る2人に向かい投げた。
唐突の出来事に体勢を崩し地面に倒れる3人組、その隙に西端は、小柄な子の手を掴み表通りへと走り出した。
木を隠すなら森の中、以前に大浦から非常事態の対応の1つとして教わった事だ。
大浦曰く、人は、唐突の場合は人の顔を見て話す、逆を言えば服装や靴、体型なんかの情報は、数分では入ってこないっとの事らしい、だからもし敵に追われる状況になった時には、人混みの中へ隠れろ。
人混みに入りそして、紛れる。
少し足早に動いて、相手から離れたらゆったりと歩きながら次の展開を考える。
もし、留まる場所があるなら周りを見渡せるファーストフードや喫茶店など自分がいても可笑しくない場所に入る。
西端は、その教えに従い、人混みに紛れ込むと歩幅を緩める、出来るだけ人の影に紛れる様に歩く。
「くっそ!!何処だ!!」
途中、後ろから罵声と共に3人組が西端達の横を走り抜けていく。その背中を見送り、西端は、角を曲がる。
ある程度、姿は隠せているけどこの時間にこんな小柄な子を連れて紛れられる場所など無い。
西端は、歩きながら視線を左右の雑居ビルに向けながら考えていると引いていた手に逆に引かれる。
「こっち、いい場所あるよ」
小柄な子は、そう言いながら西端を引っ張りながら裏路地の雑居ビルに入ると慣れた足取りでエントラストへ向かうとエレベーターへ乗り込みそのまま最上階である8階を押した。
西端は、なすがままに彼に着いていくとそのまま屋上から池袋の街並みを見下ろしていた。
その風景を見ながら小柄な子は、ゆっくりと振り返るとコチラへ笑いかける。
「貴方は、面白い人だね、名前は?」
「西端伸治」
気づくと素直に名を名乗ってしまい、小柄な子はゆっくりと無邪気な笑みを浮かべる。
「僕は、円山 久人、こう見えても20歳だよ」
小柄な子だと思っていた成人した男性の円山の応えに相当間抜けな表情を返していたのだろう、西端の顔を見ながら再び彼は無邪気な声でその顔を笑っていた。
とても、純粋で無邪気に見えたそれと全く同じ笑顔で今、円山は赤黒い煙を見つめている。
何が起きているのか?
西端は、何度も頭の中で起きていることを振り返っていた。
その日から西端は、家に帰らず円山と行動を共にしていた。
どうやら、彼は資産家のおぼっちゃまらしく金に困っていないらしく、池袋駅に程近いタワーマンションに部屋を持ち、西端はそのまま彼の家にこの3日間、世話になっていた。
新しい服に靴、それと食事、至れり尽くせりの状況に最初は不審に思いながらも無邪気な笑顔を向けられる度に何も言えずに受け入れ、気づけばそれが当たり前の様に感じていた。
不穏な感覚を察知したのは、今日の夕方ぐらいだった。
街をぶらつこうという円山の提案になんてこと無しに北口から西口の商店街等をブラブラ散策している時、周囲から刺すに近い視線を感じたのだ。
気のせいでは、ない。
誰かが見ている、周囲に視線を向けるが人が多過ぎて判別がつかない。
狙われているのは、恐らく円山だろう、そう思った西端は、彼に直ぐに告げた。
すると、円山はゆっくりと周囲を見渡すと笑顔を浮かべた。
「よし、ならまた逃げよっか」
円山は、そう言うとあの時と同じ様に笑顔で西端の手を引いて街の中を走り出した。
西端は、どうしたらいいのかわからないまま引かれるままに着いていくとサンシャイン通りを抜けて辿り着いた先には、ビル群の中で頭一つ抜き出る様に聳え立つビルへと着いていた。
サンシャイン60、1978年に開業し、10年以上たった今でもその存在は池袋という街のシンボルマークとも言えるそれは、街を見下ろし、西端もそれを自然と見上げてしまっていた。
「ほら、ボサっとしてないで行くよ」
円山は、そう言いながらサンシャインへと入っていく。
西端は、そのまま引き攣られていく、ふと見上げる巨大なビルが大きな墓標に見え、背中に悪寒が走るが足を止める事は、出来なかった。
時刻は、22時を回り、ドヴォルザークの《新世界より》第二楽章の1小節が館内を緩やかに流れる。
その曲と共に疎らな客達が出入口へと足を向ける中を真逆の方向に向かう円山と西端を数名が物珍しそうに視線を向ける。
西端は、その視線を避ける様に周囲へ目を向けながら手を引かれるままに着いて行った。
円山は、途中すれ違う警備員に何かを告げるとそのまま1つのエレベーターで足を止めた。
エレベーターの出入口の横にアルミのスタンドボードが立てられており、本日営業終了の立て札の下に展望台という文字が見えた。
円山は、迷うこと無くエレベーターのボタンを押して呼ぶとスキップする様に乗り込み、西端もまた同じ様に乗り込んだ。
微かに聞こえる駆動音と共に流れる水の中を泳いでいるか様なメロディーを聴きいていると背後に東京の街並みが現れた。
登るエレベーターと共に眼下に映るその風景に西端は、思わず声を漏らしてしまった。
「そんなに感動するもの?」
円山が不思議そうな声を上げるとエレベーターのドアが開きゆっくりと歩いて降りていく。
「そりゃ、こんなに綺麗ならそう思うだろ?」
西端もまた返事をしながら降りる。
「そう、ボクには、とても醜悪なモノに見えるけどなぁ~」
そう言いながら円山は、窓際に立つとゆっくりと両手を広げながらくるりと体を反転させる。
「この光だけの身勝手な人間達がこの世界に蔓延っている、そう想像するだけで、醜悪に見えて吐き気すら覚える」
その顔は、言葉と裏腹に恍惚な笑みを浮かべていた。
西端は、その笑顔に何言えずに静かに見つめていた。
「伸治、君は何処まで知っているの?」
唐突な問いに西端は、何を訊かれているのかわからずに苦笑いをしながら首を横に傾けた。
「そうか、影は結局何も言わないままだったのか」
そう言いながら何かを考える様に円山は顎を擦るとゆっくりと天井を見上げた。
「伸治、君は何処までこの力を理解しているだろうか?」
「この力?」
「そう、リンクだよ」
円山から出た単語に全身に鳥肌が走り、反射的に身構えた。
「お前…接続者なのか?」
西端の問いに円山は、目を瞑るとゆっくりと首を回しまた。
「それ以上の存在さ、君は仏教の九識って知っているかい?」
西端は、何も応えらないまま静かに円山を睨みつける。
その態度が知らないと言っているとわかったのか円山は、小さな溜息を吐きながら笑顔でゆっくりと首を横に振った。
「九識の中の五識とは、簡単に言えば五感だ、聴覚、視覚、嗅覚、味覚、触覚、その後に意識、末那識、阿頼耶識、阿摩羅識と言うモノがある、意識は、わかるね今君が五感で探知しているこの世界と君自身を表している、次に末那識それもわかる筈だ、君がリンクへと繋ががった時に見ている具現化した粒子や感覚がそれだ、そして阿頼耶識は、君が次に繋がるべき君の内の世界、そして阿摩羅識は、魂であり根源である域」
「それが何だよ、急にそんな事を…」
「知っておいた方がいいと思っていてね、何故リンクという力があってそれがなんのなのか、君は心のどこかでこう思っているだろう、たかだか意識をどうこう出来る程度の力で何も変わらないだろって」
円山の言葉に西端は、心を見透かされた様だった。
「それなのに世界がこんなに右往左往しているなんておかしいって、でもそれは、甘い認知なんだよ、伸治、確かにこの力は生物の意識、繋げる力だ、だがそれはこの力の一旦でしかない」
円山は、そう言いながら開いた手をゆっくりと西端の前に掲げるとグッと握った。
次の瞬間、西端は息が吸えなくなりその場に跪いてしまった。
そうかと思うと息が出来る様になり、あわてて顔を上げると閉じた円山の手が開いていた。
「生物の命は、1つに1つでは、ない。ありとあらゆる生物とは、何万という細胞なんかで構成されている、それだけの意識があるんだ、そしてリンクはそれらを操る能力なんだよ、つまり生きているモノを支配できる、壮大な力なんだ、思い出してごらん君が岩倉にリンクのナイフで傷つけられた時、君の細胞達は氷によって支配され動かなくなりそして重くもなっただろう?」
岩倉、その名前に西端は、最初誰かわからずに戸惑ったがナイフと氷から5月に白硝子高校を襲撃したカラーギャングのリンク使いを思い出した。
「なんで、お前がそいつを?」
「そりゃあ、岩倉に襲わせたのが僕だからだよ」
西端は、言葉を失い、ただ円山を見つめる事しか出来ずにいた。
「君は、影に守られていたからね、まだ接続があやふやな君にも早く深く入ってもらわないといけなかった。それにアイツの力もどれ程か知りたかったしね」
「影って誰だよ?」
「才田晴人だよ」
何処かで予想はしていた名前だが、改めて言われ、西端は、言葉に詰まった。
「話が脱線したね、今はアイツの話は良いんだ、どうせ何も出来ないし、それよりもリンクの事だ」
円山は、そういいながら手をひとつ叩いき、その音に西端の視線は自然と円山に向いた。
「さっきも言ったけどこれはこの力の一旦だ。この力は生物の意識を共有し、そしてそれを支配する力だ」
そう言いながら円山はガラス窓に手を触れた。
「これら鉱物と言われているのにも微細な生物がある、しかし生物と違いそれは、余りにも少なく受動的、だからこれらの物には、目に見える変化は表せない、だがそれもまた別な使い方もあるんだけどね」
「別な使い方?」
「生物の体液や細胞を混ぜ込むのさ、そうすればそれは一時的にでもリンクを纏う道具になる、伸治も持っていただろう、黒く塗られた小太刀の木刀」
大浦に渡された道具で今は、自宅の机の上に置いてあるを西端は、思い出した。
「あれが?」
「そう、断ち切る力を纏った道具だ、誰が誰の体液や細胞を使ったのかわからないが、厄介な代物でね、今持ってなくて本当に安心したよ」
円山は、そう言いながらゆっくりと体を反転させると下を指差し見てみる様に促してくる。
西端は、それに釣られて近づくと窓から外を見下ろした。
角度的にしっかりとは、見えないが微かに淡い青の霧が見える。しかしあれは、物質的なモノでは無い。
「あれはリンクの力?」
「そう、結界さ、僕らを閉じ込める為のね、ここに入ってまだ10分も経っていないのに、いい手際だよ、敵ながら素晴らしい」
円山は、そう言いながら手を叩き、踊る様にゆったりとした動きでその場を回り出した。
「敵?さっきのつけてた奴等か?てか閉じ込めるって逃げなくて大丈夫なのかよ?」
「あぁ、大丈夫だよ、だって最初からここで迎え撃つ気だったからね」
「迎え撃つ?何をするつもりだよ?」
「そりゃ、勿論」
円山は、そう言うと右手を高々と上げると指をパチンと鳴らした。
それが合図だったかの様に爆発音と共に怯えるているかの様に窓が小刻みに震え始めた。
西端は、視線を円山から窓へ向けると、下の方から黒い煙が立ち上り始めた。
「どう、この景色?」
円山は、そう言うと両手を大きく広げて笑いながらその場をクルクルと回る。
「どうって…何が起きてんだよ?」
西端のその言葉に正面を向いてピタリと止まると円山は、無邪気な笑みのまま首を横に傾けた。
「とても楽しい事、閉じ込める相手にそれを迎撃する仲間達、今から多くの魂が世界を揺らす」
何を言っているんだコイツは。
西端は、目の前の小柄な成年が今までになく恐ろしく感じ、ゆっくりと後退りをした。
「逃げてもいいけど気をつけてね、奴等の狙いは僕であり君でもあるのだから」
「はぁ?」
西端の反応に楽しそうにしながら円山は手をひとつ叩いた。
「君達も何時までも隠れてないで出ておいでよ、もう始まっているんだよ」
何を言っているのかわからなかった西端だったが答えは直ぐに背後から感じられた。
寒気が背中を走り反射的に振り返るとエレベーター近くの柱から2つの人影が現れた。
どちらもがカジュアルな服を身にまとっているが2人とも濃い色合いで暗闇に紛れる様にしていた。
だからこそ、それに気づくのにワンテンポ遅れた。
手に握られているそれを此方へ向けられ、それが銃口だと認知した。
咄嗟の判断で躱そうと体を動かそうとするがそれよりも早く乾いた音が部屋に鳴り響いた。
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