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山月 春舞《やまづき はるま》

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【PW】AD199909《箱庭の狂騒》

欠片の悪夢

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「いがぁぁ…」

 苦悶の声を上げながら跪く2つの人影を見ながら西端は、呆然としていた。
 何が起きた?
 生きるなら目は、逸らすな。
 訓練の際に大浦から言われたその言葉は、西端に深く刻まれている。だからこそ最後まで諦めずに銃口を見つめ出来るだけ避けれる様に体を動かした。
 銃口のひとつは、間違いなく自分へ向いていた。

「甘いなぁ、お前達見識者だろ?向こうの世界からの帰還者なのに、それで私を殺せると思ったの?」

 先程とは、違う雰囲気の円山がそう呟くと呻く2人に近づいていく。西端の横を通り過ぎ2人の目の前に立った瞬間、乾いた音が鳴る。
 西端からは、円山の背中しか見えなかった、しかし次の瞬間、返すのを忘れた振り子の様に倒れる1つの人影が顔を出した。
 西端の瞳は、反射的に倒れる人影に向かい、目を見開いたまま額から流れる鮮血を見て、西端は、一瞬自分の目を疑った。

「伸治、アンタ、何が起きてるか訊いてたよね?」

 円山は、そう言いながら腰を屈めて床に転ぶ何かを拾うと西端の方へと投げて来た。
 重く鈍い音共に目の前に投げられたそれを見て、西端は息が止まった。

「戦争だよ、小規模だけど、これは戦争だ、アタシ達とこの世界とのね」

 世界?
 何を言っているんだ?
 西端は、わけもわからず円山に目を向けると円山は、冷たい眼差しで西端を見ていた。

「ワケがわからないって感じだね、全くアイツは回りくどいんだ。私はアイツと違うからね、手っ取り早くいくよ、いっその事、壊れてくれた方が楽だから、よろしく」

 円山はそう言うと人差し指を西端へ向ける。
 何をしたいんだ?西端がそう思いながら指先を見つめていると唐突に頭の中に多くの映像が流れこんできた。
 今迄に感じたことの無い感覚、目の前の世界が遠のき、目の前には乾燥帯の大地の匂いが鼻を掠めた。

「伸さん、本当に大丈夫なの?」

 優しい女性の声が背後から聞こえて振り返ると見慣れない青い術衣を着た女性が立っていた。

「大丈夫、こっちには俺以外にも接続者は居るんだ、そう簡単に負けないさ」

 誰?
 西端がそう口にするよりも早く別な声が入り込んできた。
 声の主は、自分の頭の中から話している。

「でも……」

 静かに俯く優しい声の女性の肩にそっと手が置かれる。
 虚ろにゆったりと精悍な背中が姿を表した。

「大丈夫、絶対生きて会えるから」

 そう力強く語る壮年の男の背中。
 カジュアルな服にタクティカルベストを着たその背中を見て、西端は直感的にそれが自分だと認識すると男は、ゆっくりとコチラを振り返った。
 真っ直ぐな眼差しで見つめるその顔は、歳をとっていても自分だとわかる人相だった。

「ニャ~ 」

 遠くから猫の鳴き声が聞こえた気がした。

 そして、西端の視界は、現実へと引き戻され、身体が西端の意志とは、反して勝手に動く。
 円山が投げてきた、それを視界に入れ、自動拳銃のグロックだと認識すると手に取り迷わず円山へ向かい2発撃った。
 その行動に驚きながらも円山は難無く避けると西端を凝視した。

「エリア、サダル、いや2人ともか」

 自分では、ない誰かが自分の口を使っている。
 何を言っているのか西端自身は理解出来なかいが円山は、それを理解したのか口角を上げると不気味な三日月を顔に貼り付けていた。

「伸治!ははは、本当にお前か!!死んでなかったのか!!!」

 突然の出来事に円山は、愉しそう笑いながら両手を広げた。
 その表情に寒気と同時に腹の底から何かが沸き上がるのを感じる。
 そして、西端の体を使うそれは容赦無く再び3回発砲した。
 その内の1発が円山の太腿をを撃ち抜き、その場に跪いた。
 追撃するのか、西端はそう考えながら目の前の出来事を見ていたが次に体がとった行動は、全く逆な行動だった。
 銃口を円山に向けながらゆっくりと距離を取るとそのまま非常口へ向かい展望台フロアーを出ていったのだ。
 そんな身体の行動に西端は、何故なのか理解に苦しんだ。
 折角のチャンスなのに何故?

「あれは、チャンスじゃない、むしろあそこであの器を壊せばかこの体が乗っ取られる」

 西端の疑問に口が応えた。

「マルクトは、人の意識に乗り移る。特に今の君は種を植え付けられた状態だ、自分の意思で殺してないにしてもこの肉体で殺した事には、変わりはない。そうなれば君の意識の中にアイツが植え付けた種は何れ大きくなりその体を乗っ取る、それがアイツの手法だ」

 視界は、西端の意思に反した動きをしている。
 恐らく今喋っている奴が動かしているのだろう、仕切りに下の階を見渡す用に素早く階段を駆け下りていた。
 ぼんやりとした気配を感じる事は、出来るがそれがどの階のどこら辺に何人いるのか西端には、わからなかったが体を支配している奴は分かっているようだった。

「恐らく、全部で5人1組の部隊が8部隊いる、動きからすると別なグループかな」

 その冷静な判断と口調に西端は、これは未来の俺なのか?っと素朴な疑問が頭を過ぎった。

「今この世界からすると別世界な君ってところだ伸治」

 そうだとして、どうして星見や車木みたいに意識が混じり合わず、別々に?

「それは、簡単な話、アイツらは転生と同時に体と魂が繋がった、俺は今さっき君の中に入ってきたからだよ」

 今さっき?
 それまで何処に?

「それは、内緒だ、アイツがこの建物内で聞き耳を立ててる不用意に言いたくない」

 それなら、思考で話したらいいんじゃないか?

「そうしたいのは、山々だが、どうやら今の君にはそれが出来ないらしい、さっきから思考に切り替えようと言ってるんだが聞こえていないようだしね」

 えっ?そうなの?
 西端は、そう思うと意識を自分の中に集中しようとしたがそれを未来の西端が「やめてくれ」っと止めてきた。

「今君にそれをされるとこっちの意識が集中出来なくなるんだ、敵陣のど真ん中で時間も無い、今は大人しく現状を見守る程度に収めていて欲しい」

 そう言われて、西端はもう1人の西端に意識を向けた。

「それでいい」

 でも何で、思考の会話が出来ないのか?

《簡単な話さ、それは未来の伸治はその体からしたら異物だからさ》

 頭に響く声に未来の西端が顔を歪めたのが感覚で伝わってくる。

「やはり盗み聞きしてんな、相変わらず抜け目のない事で」

《伸治こそ、良い判断だ、やはり手強くて面白いよ》

 無邪気な笑い声、西端の頭の中に円山のあの歪な笑顔が浮かぶ。

「サダルか」

《厳密に言えば2人だけど、そうだねパーセンテージ言うならサダルの方かな》

 厳密に言えば2人、つまりこれが真のマルクトなのだ。
 西端は、それを唐突に理解させられた。
 何故そう思うのかわからない、だけど西端の中にいる未来の自分と円山によって植え付けられた記憶によって漠然的だが理解出来た。

 《だけど、伸治理解してる?今の君達に逃げ道はないんだよ?この中にいるは、生き残りと僕の部下達、それがどういう意味かわかるだろ?》

「生き残りからしたら摘んで置くべき厄災で部下からすれば救世主になるべき器、そんなところか、どの道、中身はいらないって言いたいんだろ」

 未来の西端の応えに西端は、背筋を凍らせた。

「今は、余計な事を考えなくていい、とりあえずこのを逃げ切る道を見つけよう」

 何故、どうして、そんな疑問が頭を過ぎるが出来るだけ考えるをやめて今見えている現状に目を向ける様に自分自身に言い聞かせる。
 そんな、西端に未来の自分は、「よし」っと一言声と共に非常階段から途中のフロアーへと入っていった。

《相変わらず健気だね君は、あの時もそうだった》

 あの時、その単語に刺す様な痛みが頭に走ると先程見た景色が蘇る。
 砂と太陽の乾燥帯、そうここは中東のザルビアと言われる国だ。独裁者による政権が支配している国だ。
 自分は、そこに傭兵として駐屯していた、雇い主は日本の企業と言われていたが実際はアメリカ軍の補強として警備に当てられていた。
 任務は、NGO団体である国境なき医師団《ハヴァ》の護衛任務だった。
 主な仕事は、医療テントの周辺の警護だったが時と場合によっては、政府軍とぶつかる事もあった。
 しかし、西端はその戦闘には、数合わせとして参加は、するものの実際の戦闘をする事は無かった。
 数発の銃弾が飛び交うことがあっても爆撃や進軍などは、無く、時折戦車から空砲が鳴り響く事が起きる程度だった。
 1日のルーティーンもほぼ同じだ。
 変わるとすれば週明けに日中か夜間の違いだけ。
 後は、周囲を警戒し、仲間と談笑し、1日を終える、そんな日々が続いていた。
 空砲も最初は、警戒しても何回も起きればその内警戒心も薄まっていく。
 主な戦闘は、会社の主力部隊とアメリカ軍が大抵は片付けている。
 つまり、警護班である西端達には、戦闘の機会などほぼ皆無だった。
 確かに彼等は、ある程度の訓練を受けたもの達が多い、しかし、軍に所属した訓練を受けたものもいればそう出ないものもいる。
 警護班は、どちからといえば所属したことの無いものが多く、受けたとしても会社に入り、簡易的な訓練で終わった者がその殆どを締めている。
 西端もその1人だった。
 そんなある日、1人の日本人女性に西端は、声をかけられた。
 新坂 百合にいざか ゆりと名乗るその女性に西端は、何も言えずただ頭を下げることか出来なかった。
 新坂、その苗字に過ぎるのは、自分をここへ導いた男の顔だった。
 新坂 真太郎にいざか しんたろう、かつて日本で西端が務めていた運送会社の先輩だった。
 元自衛官であり、海外支援の経験もある男で西端を弟の様に可愛がっいてくれていた人だった。
 彼の勧めもあり、最初は運送係として西端は、日本の傭兵会社へと入社した。
 戦地へと向かう際には、警備兵とも仲良くなりそれなりの充実感も得ていた。
 中東へでの仕事が板に付いてきて3年経った頃だった。
 政府軍の爆撃が新坂の駐屯していた場所に落ちた。
 近くにテロリストの潜伏先がありそこを攻撃した際に巻き込まれたのだ。
 新坂の遺体は、木端微塵の肉片になり、まともに出てきたのは、腕だけだった。
 その時、西端は別の区画の配達を終えた頃合でその一報を聞いたのは、ベースキャンプに帰る直前だった。
 その後の葬式にも西端は、一時帰国して参加していたがその葬儀に現れたのは、親類と数える程度の自衛隊時代の仲間だけだった。
 西端と同じ様に今の会社から来たのは、3人程で後は、香典だけ送るというだけだった。
 だからこそ、お互い顔を知っていたのだ。
 西端は、なぜ彼女がここに居るのか最初は、戸惑ったがかつて真太郎が話してくれた出会いを思い出し1人で納得しながら何となくの世間話に花を咲かせた。
 それ以降も百合と西端は、顔を合わせれば話す様になり、気づけば2人は、親しい関係へと発展していた。
 華やぐ様な恋心と言うよりも静かにゆったりと揺らぐ波の様な感覚だった。
 殺伐とした世界の中で子供達を相手に医療従事する彼女の優しい姿に気づくと西端は、目が離せなくなり、会話してそのきょりがゆったりと近づいった。

「私、実は伸治さんのこと前からしってたんです」

 ある夜、百合がベッドの中でそう呟いた。

「えっ?いつ?」

「伸治さんが高校生の頃です、ある人とよく遊んでたんで」

 高校の頃、よく遊んでいた人、西端がそう考えると直ぐに出てきたのは、無表情で空に向かい煙草の煙を吐きかける1人の男の顔だった。

「晴人か?」

 西端は、信じられずに訊くと百合は、ゆっくりと頷いた。

「私は、中学生でしたけど、才田先輩は同じ中学で実は、憧れの人だったんですよね」

 百合のその応えに西端は、苦笑いを零しながら首を横に振った。

「アイツ、今頃何してんのかな…最後にあったのは数年前で確か何処かのバーの店員やってるって言ってたっけ」

 そう思う西端の頭に過ぎったのは、何処か荒んだ目をした晴人の顔だった。
 あの一件から晴人とは、疎遠になってしまった。
 あれは、西端が起こした取り返しのつかない事件だった。

 あの一件、その言葉が頭を過ぎると同時に西端の目の前の景色がテレビの砂嵐の様なノイズが入り込み見ていた風景が消えたかと思うと次に映ったのは、乾燥地帯の中東の街並みと兵士や民間人の死体の山だった。
 何が起きた?
 急に様変わりした風景に西端は、驚きながら周りを見渡してしまった。
 目端に光が差し込み、眩しいと思い視線を向けると瓦礫の山から鏡が太陽の光を反射して自己主張していた。
 足がゆっくりとその鏡に向かい歩き出し、太陽を隠す様にその姿を表した。それは、血まみれで笑う自分自身に西端は、息を飲んだ。

「応えろ、ソイツに何をした」

 背後から聞こえる声に西端は、反射的に振り返ると再び風景が様変わりする。
 何処かの室内だろうか、マスクを被っているのだろうか視界が悪い。
 振り返るとそこには、アサルトライフルを構えながらミリタリー装備をしたキャップ帽を被る男が柱からゆっくりと姿を現した。

「ソイツとは?」

 自分では無い、何かが自分の口で喋る。

「その器だよ」

 キャップ帽から覗くその眼は、鋭くこちらを刺す様に睨みつけていた。

「器の元の魂の事か、それならここで今もゆっくりと溶かしているところだよ」

 その応えに、向けられた銃口が火を噴くが弾丸は、全弾横を通り過ぎていく、よく見れば銃身に添えられた手に蔦が絡み、その手を横に動かしていた。
 キャップ帽の男は、それに気づくと手に自分の能力を纏い蔦を砂粒へと変えた。
 それと同時に視界がコンクリートの柱へと隠れる。

「その力、そうかお前があの男の後継者か!」

 その言葉と同時に炸裂音と共にコンクリートの柱が削れた。

「後継者かどうかなんて知らねぇよ、ただジィさんがなんでお前らに殺されなきゃいけなかったのか知りてぇだけだ」

 微かな摺り足の音に位置を把握すると意識を部屋全体へと持っていく、自分の柱から左斜め後ろに身を潜めているキャップ帽の男の気配を感じる。
 静かに息を整えるとゆったりそこへ向けて蔦と虫を集結させる。
 その量は、本当にこの部屋全てを覆う程で、それでもまだコチラの男には、かなりの余力があった。

「なら、ゆっくりと教えてやる、その前に、大人しくしてもらうがな」

 そう言いながらゆっくりと手を広げ、その手を一気に握った。
 蔦と虫がキャップ帽の男に向けて一気に迫りかかるのを感じるが、感覚はそこでプツリと途絶える。
 その感覚に顔が見えなくてもわかる程に顔が歪んでいるのがわかる。
 怒りにも近いがどちらかと言えば忌々しいと思っているのだと感じる。

「悪いけど、そんなつまらない小細工は通じねぇぞ?」

 その言葉と共に迫る空白に咄嗟に西端の体は、前転して柱から離れた。
 体勢を戻しながら背後にあった柱を見ると白銀の線が柱を斜めに切り裂く様に走っているのが見えた。
 そしてそれを視野に入れたからこそ、何も感じられない事に戸惑った。
 視覚としては、認知している。
 だが、本来のリンクとしてのマナを感じられないのだ。
 しかし、それは確かにリンクでありマナである筈なのだ。
 刺す様な冷たく鋭い感覚に身体が素早く動く。
 炸裂音と共に背後の床が削れる音が鳴る。もし動いてなかったら腕と胸が確実に撃ち抜かれていた。
 しかし、その位置は…

「あれ、どうした?急に殺す気がない様な場所を撃つじゃないか」

 自分と同じ様に自分を動かしているそれも気づきゆったりと構えながら柱の影からコチラを狙っているキャップ帽の男を見つめた。
 すると、何かに気づいたのかキャップ帽の男は、低い体勢を維持したままバックステップをすると外から大粒の雨の様に銃弾が降り注ぎ、キャップ帽の男が窓の間の壁に身を隠すと止んだ。
 キャップ帽のツバが掠ったのか床に転げ落ち、男の顔が顕になっていた。
 その顔を見て、西端はわかっていながも息を飲み、見慣れている筈の見たこの無い顔を見る事になる。

「…そうか、お前、この器と友人だったのか…」

 ゆったりと何かを確認すると様に自分の指で胸を叩きながら目の前でアサルトライフルを構えながら睨みつける男、晴人を見ながら自分に入ってるそれは、声高らかに笑った。

「何と数奇な縁なのだろうな、記憶を見て見たらお前達は、かつて親友だったみたいだな、感じるぞ、伸治から、これは後悔と贖罪かな、どうもお前に対して申し訳なく思っているみたいだな」

 自分が晴人に申し訳なく思う?何故?
 西端がそう思うと同時に炸裂音と共に弾丸が頬を掠めた。

「本当にお前らは、趣味悪過ぎだ、人の記憶読み漁って、引っ掻き回して、そんなに愉しいかね?」

 その目は、確か怒っているが表情も構えも行動も冷静そのもので晴人は、銃口を此方へ向けていた。

「情報とは、力だよ。後継者、いや晴人」

「お前がその名前で呼ぶな、反吐がでる」

 その応えと引鉄を引き銃弾が放たれた。





「意識をしっかりこっちへ持ってこい!記憶に囚われるな!伸治!!」

 自分であって自分の意思では、ない声に西端は、ハッとすると、目の前の景色が暗闇のオフィス内に変わった。

「目が覚めたか?」

 相変わらず、自分ではない、自分が口を動かしているが、それが口調と感覚から未来の自分だとわかると西端は、素直に謝罪した。

「大丈夫、時間からして30秒前後だし、敵も周りにいないから、だけどここから先は、流石に気をつけてくれ」

 その応えに西端は、頭を目の前の景色に集中する。
 一瞬、自分と晴人の間に何があったのかと考えようものなら後ろ髪を何かが引っ張る感覚を覚え、寒気と共に目の前へ今は、今を知るんだと意識を持った。

《さぁ、子供の君は何処まで耐えられるのかなぁ~》

 愉しそうな円山の声が頭に響くが目の前の景色は、それを無視する様にフロアーを観察し、エントランスの壁に掲げられた見取り図を見つけると先程降りてきた非常階段とは、別の非常階段を目指して歩き出した。

「これ以上は、アイツの好きにさせない、頼むから協力してくれよ、伸治」

 囁く様な声だったが、その意思だけは、中心へとズシンと伸し掛る様に鎮座させる。
 西端は、その言葉に力強くハイと念じる事しか出来なかった。
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